血圧は、文字通り血管壁の圧力のことです。
そして、体の健康を知るためのバロメーターになります。
健康な状態を示す血圧の正常値とはどのくらいの値を指すのでしょうか。
本記事では、血圧正常値について以下の点を中心に解説していきます。
- 血圧とは
- 血圧正常値の範囲は?
- 血圧を正常に保つには?
血圧正常値について理解し、健康を保つためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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血圧とは
血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管の壁を押す時の圧力のことです。
血液は、心臓が収縮したり、拡張したりすることで押し出されます。
この血圧を決めるのは、心臓から送り出す血液量(心拍出量)と血管の収縮やしなやかさ(末梢血管抵抗)です。
血圧が高ければ、血管内の血液が血管壁を押す力が強いことを示し、低ければ血管内の血液が血管壁を押す力が弱いということを指しています。
血圧は、上の血圧を収縮期血圧(最高血圧)といい、下の血圧を拡張期血圧(最低血圧)と言います。
心臓が、ギュッと収縮したときに血液は、一気に血管に流れ出ます。この時の血管に最も強くかかっている圧力が収縮期血圧になります。
そして、心臓が拡張(送り出す血液を貯めるために開いているとき)しているときの血管にかかっている圧力が、拡張期血圧になります。
血圧は、高くても低くても体に様々な症状をもたらします。しかし、血圧が高かったり低かったりしても症状が出ないことも多いので注意が必要です。
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年齢別|血圧の正常値
年齢別・男女別に血圧の正常値をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
20代
20代の血圧正常値は次の通りです。
男性 | 116.6/74.5mmHg |
女性 | 108.9/68.4mmHg |
30代
30代の血圧正常値は次の通りです。
男性 | 119.4/79.0mmHg |
女性 | 110.5/71.3mmHg |
40代
40代の血圧正常値は次の通りです。
男性 | 127.8/83.6mmHg |
女性 | 118.1/75.8mmHg |
40代になると、血圧が自然と正常高値血圧に突入しやすくなります。
正常高値血圧とは、高血圧のやや手前の段階です。
具体的には、診察室血圧が120~129/80以上mmHgの方が該当します。
正常高値血圧を放置すると、高血圧に発展するおそれがあります。
将来的な高血圧を防ぐためにも、正常高値血圧の方は、普段の生活習慣などを見直しましょう。
50代
50代の血圧正常値は次の通りです。
男性 | 132.4/86.1mmHg |
女性 | 123.6/78.3mmHg |
50代になると、特に男性で高値血圧の方が増加します。
高値血圧は高血圧の1歩手前の段階です。
具体的には、診察室血圧が130~139/80~89mmHgの方が高値血圧と呼ばれます。
高値血圧は、そのまま高血圧に移行することが少なくありません。
そのため高値血圧になりやすい50代の方は、より血圧に注意を払うことが大切です。
60代
60代の血圧正常値は次の通りです。
男性 | 137.8/85.6mmHg |
女性 | 132.5/80.0mmHg |
60代では男女ともに高値血圧の方が増えます。
食生活を見直すなどして、血圧を低く保つように努めましょう。
70代・80代
70代・80代の血圧正常値は次の通りです。
男性 | 139.5/81.2mmHg |
女性 | 136.3/79.0mmHg |
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低血圧や高血圧の人の血圧正常値は?
血圧は、血液が血管の壁に対して押し広げる力を示し、これが適切な範囲を超えると、私たちの健康に重大な影響を及ぼす可能性があります。
血圧が高すぎると高血圧、低すぎると低血圧となります。
この記事では、低血圧と高血圧の詳細について説明します。
低血圧とは?
低血圧は、通常、上の血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下の状態を指します。
しかし、血圧が低いだけでは病気ではなく、低血圧が何らかの症状を引き起こすときに「低血圧症」と呼ばれます。
低血圧症は主に4つのタイプに分けられます。
本態性低血圧症は、低血圧の原因が不明だが、何らかの自覚症状がある状態を指します。
症候性(二次性)低血圧症は、他の疾患や薬物の副作用が原因で低血圧が生じるものです。
起立性低血圧症は、急に立ち上がったときや長時間立っているときなどに血圧の調整がうまくいかず、低血圧を引き起こすものです。
食事性低血圧症は、食事中に胃と腸の血流が増え、全身の血流が減少し、急に低血圧になるものです。
高血圧とは?
高血圧は、血圧が一定の基準を超える状態を指します。
高血圧には、何らかの疾患が背景になって高血圧が生じる「症候性(二次性)高血圧」と、複数の原因による、「本態性高血圧」の2つのタイプがあります。
前者の場合は、背景にある疾患を治療することで高血圧が改善されます。
しかし、高血圧患者の90%以上は後者の本態性高血圧であるとされています。
高血圧は、血管に常に高い圧力がかかると、血管の壁が厚くなり、弾力性が失われます。
これを動脈硬化といい、放置すると、様々な生活習慣病につながる可能性があります。
高血圧が指摘された場合は、食事や運動、禁煙など、危険因子となる生活習慣を見直すことが重要です。
また、日常生活のストレスを抑え、心臓に負担をかけない生活を心がけることも大切です。
血圧の高い人の特徴について、興味のある方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
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血圧正常値の範囲は?
血圧には家庭血圧と診療室血圧があります。
この2つの血圧がどのようなものかと言ったことも含めて、血圧正常値について解説していきます。
家庭血圧
家庭血圧は、家庭内で測定する血圧値のことを言います。
血圧正常値は、115/75mmHg未満です。
家庭血圧は135/85mmHg以上になると、高血圧と言われる状態になります。
血圧正常値である115/75mmHgから高血圧になる手前の134/84mmHgまでは、高血圧の治療は必要ありませんが、食べ物など注意は必要です。
家庭血圧は通常、朝・夜2回、日常生活の中で毎日測定するため、普段の血圧が把握しやすくなります。
血圧は1日のなかでも変動しており、また運動・喫煙・ストレスといった行動や環境の変化に影響されます。
したがって、家庭血圧は普段の血圧を把握する上でとても重要なものであり、高血圧症などの病気や医師が内服薬を処方するときの判断材料となるので、正しい方法で規則的に測定していくようにしましょう。
診療室血圧
診療室血圧は、病院の診療室で測定する血圧値のことです。
血圧正常値は、120/80mmHg未満と言われています。
診療室血圧は、家庭血圧よりも高い値に出る傾向があります。
これは白衣高血圧と言われることもあり、診療室で白衣を着ている医師や看護師に測定されることで緊張してしまい、血圧が高く出てしまうことがあるからです。
診療室血圧は140/90mmHg以上で、高血圧と診断されます。
しかし、家庭血圧の項で説明したように、血圧は日内変動があり、診療室血圧のような緊張や運動・喫煙などでも容易に変動します。
したがって、測った血圧が高い場合でも、家庭血圧や診療室血圧の経過等をみて総合的に判断し、高血圧症などの病気が診断されます。
高血圧について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
血圧を正常に保つ予防方法
では、血圧を正常に保つには何をしたらいいでしょうか。血圧を正常に保つための方法について解説していきます。
塩分の多い食事は控えて野菜や果物を摂る
塩分は血圧を上げる原因になります。これは塩分を多く摂ると血液内のナトリウムが増え、体内の浸透圧の関係で、血管内の血液量が増えてしまいます。
血管内の血液量が上がれば、当然血管壁への圧力も上がり、血圧が上がってしまうことになるのです。したがって、塩分の多い食事は控えるようにしましょう。
しかし、野菜や果物を摂ることで血圧を正常に保つことが可能です。
野菜や果物のカリウムには、体内の余分な塩分の排出を促し、血圧を下げる働きがあるからです。
したがって、上がった血圧を下げて血圧正常値に戻してくれます。塩分を控えて野菜・果物を食べるのは血圧を正常に保つには効果的な方法です。
適度な運動をする
適度な運動では、血圧を下げる効果があります。
運動をしたら、血圧は上がるのでは?と思う方もいるでしょう。確かに、運動すると一度血圧は上がります。
しかし、運動すると筋肉にたくさん酸素を送らなければいけません。そのため、血管を開いて血液をたくさん流そうとすることで、血圧が下がります。
血管が開くと血圧が下がる理由について説明します。
たとえば、細いホースと太いホースに同じだけの水を流した時に、よりホースに圧力がかかるのは、細いホースの方です。そして細いホースでは、ホース内に圧力がかかると同時に、水が流れにくくなります。
これを血管に置き換えてみます。収縮している細い血管に血液を流すと血管壁の圧力は高くなります。
しかし、弛緩した(開いた)血管に血液を流すと、細い血管ほど圧力がかからないため血圧も下がり、血圧正常値に近づきます。また流れもスムーズになり、体に血液をめぐらせやすくすることもできます。
運動をした時には、身体が全身に酸素を行き渡らせようと、自然にこのような現象になっているのです。
ただし、高血圧の方の中には心疾患や脳血管疾患などの既往歴を持っている方も多いでしょう。そのような方々は、運動による身体への負担により病状を悪化させてしまう可能性もあるので、主治医に相談しながら行うことをおすすめします。
飲酒・禁煙は控える
飲酒は、一時的に血圧を下げます。しかし、長時間飲み続けていたり多量に飲酒をすることで高血圧を引き起こします。
これは、飲酒により脂質異常が起こり、中性脂肪が増えることで動脈硬化を起こしてしまうことが、血圧を上げてしまう原因のひとつです。
そのほかに、飲酒時のつまみは塩分の高いものが多いため、食べるものによって血圧が上がってしまうということもあります。
喫煙も高血圧症の原因になります。タバコに含まれているニコチンが血管を収縮させるからです。タバコを1本吸うと、約10mmHg血圧が上がり、それが30分ほど持続するという研究結果もあります。
したがって、血圧を正常に保つには飲酒や喫煙を控えていくことが大切です。
ストレスを溜めすぎない
ストレスを受けると、脳の視床下部や脳下垂体というところから、副腎ホルモンというホルモンが分泌されます。そして、副腎を刺激してアドレナリンとノルアドレナリンを分泌させます。
アドレナリンは心拍数を高め、ノルアドレナリンは血管を収縮させる働きがあるため、結果血圧が上がってしまうのです。
人は、適度なストレスが必要です。しかし、度を越えたストレスはこのような現象を起こしてしまうため、ストレスを溜めすぎないようにしていく必要があります。
自律神経を整えておく
自律神経は、交感神経と副交感神経に別れており、心臓や血管、呼吸、胃腸、体温調整など身体の様々な機能を調整します。
交感神経が働いて優位になると、体は活動状態になり、血管が収縮し血圧は上がります。逆に副交感神経が働いて優位になると、体はリラックスした状態になり、血管は拡張し、血圧は下がります。
この自律神経が乱れると、血圧が上がった状態が続いたり、血圧が下がった状態が続いたりします。
活動と休息のバランスをとって、自律神経を整え、自然な血圧の日内変動を促すことは血圧を正常に保つのに大切な要素といえるでしょう。
高血圧のリスクチェック
血圧を正常に保つ習慣を紹介してきました。
逆にいうと、これらが守れていないと、高血圧のリスクを高めてしまうということです。
高血圧のリスク要因には、以下のようなものがあります。
- 塩分の多い食事を摂る
- 運動不足
- 多量の飲酒
- 喫煙
- ストレスを溜めやすい
- 糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病
- 遺伝的要因
糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、高血圧と合併しやすい疾病です。
これらを合併して発症すると、動脈硬化の進行が一層進むようになります。
高血圧には遺伝的要因があるとも言われています。
また、家族に高血圧の方がいる場合、自身も似た生活習慣を送ってしまっており、結果として高血圧のリスクを高めてしまっている可能性もあります。
家族が高血圧だからといって、必ず遺伝するわけではないので、生活習慣に注意するようにしましょう。
高血圧の予防について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
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高血圧や低血圧のリスク
高血圧と低血圧の際にどのような症状が出てくるのか、それぞれ解説していきます。
高血圧
高血圧の症状としては、以下のようなものがあります。
- 頭痛
- めまい
- 肩こり
これらの症状が起こるのは、高血圧だけでないため、自分で高血圧が原因と見つけるのは、難しいでしょう。
症状が出ているにもかかわらず、軽度のため自覚がなく、気づいたらかなり血圧が高い状態だったということもありえます。
だからこそ、日ごろから健康に気を使い、症状の有無に関わらず検査や治療することが大切です。
低血圧
低血圧の症状としては、以下のようなものがあります。
- めまい
- 立ちくらみ
- 朝起きられない
この他に、不安感や不眠、食欲不振といった精神症状も出る場合があります。
低血圧の場合は、意識消失してしまい転倒してしまう可能性もあるので、注意が必要です。
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女性の更年期と血圧の関連性
更年期の女性は血圧が高くなる傾向がみられます。
女性の更年期と高血圧の関係について解説します。
更年期とは
更年期とは、月経が終わる時期を指します。
具体的には、閉経の前後10年間が更年期と呼ばれます。
一般的な閉経のタイミングは50歳です。
つまり更年期45~55歳頃が更年期に該当します。
ただし、閉経のタイミングは個人によって異なります。
そのため、更年期を迎える年齢にも大きなバラつきが乱れます。
更年期の症状
更年期ではさまざまな症状があらわれることがあります。
代表的な症状は次の通りです。
- 高血圧
- イライラ
- 頭痛
- めまい
- 肩こり
- ほてり・異常な発汗
更年期に不快な症状があらわれる現象は、「更年期障害」と呼ばれています。
更年期障害のあらわれ方には個人差があります。
たとえば更年期障害が重い方もいれば、ほとんど症状がない方もおられます。
更年期に高血圧になる理由
高血圧は代表的な更年期障害の1つです。
更年期に高血圧になる理由は、女性ホルモンと関係があります。
閉経を迎える更年期には、女性ホルモンの分泌量が急激に少なくなります。
女性ホルモンが少なくなると、自律神経のリズムが乱れやすくなります。
自律神経とは、内臓の働き・ホルモン分泌・体温などを調整する神経系です。
血圧も自律神経によってコントロールされています。
つまり自律神経が乱れると、血圧の制御に支障が出ます。
結果として、高血圧が起こりやすくなると考えられています。
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血圧を下げるには?
血圧を下げて血圧正常値を目指すときには、カリウムを摂るのがおすすめです。
カリウムは、ナトリウムを排出する働きがあります。
ナトリウムは、高血圧の原因である塩分です。
したがって、ナトリウムを排出するということは、高血圧の原因である体の中の塩分を外に出すことになります。そして、結果的に血液量が減り血圧が下がってくれるのです。
また、血圧のコントロールには食事に含まれる栄養素や量なども、大きく関係しています。
血圧を下げて血圧正常値を目指そうと思っている方は、食事量も気を付けるようにしましょう。
以下の記事も参考にしてください。
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カリウムを豊富に含む血圧に良い食べ物
ここからは、カリウムを豊富に含む食べ物についてご紹介します。
食事からカリウムを摂ることが難しいと感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
カリウムの目標摂取量
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、カリウムの目標摂取量は
- 男性は1日3,000㎎以上
- 女性は2,600㎎以上
とされています。
これは生活習慣病の予防を目的とした値です。
体内のカリウム平衡を維持するために適正と考えられる値は
- 男性は1日2,500㎎
- 女性は2,000㎎
とされています。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)
カリウムを豊富に含む野菜類
カリウムは野菜や果物に多く含まれていますが、特に以下のような野菜に豊富です。
野菜名 | 加工状態 | カリウム含有量(100gあたり) |
切り干し大根 | 乾燥 | 3,500mg |
ドライトマト | 乾燥 | 3,200mg |
アボカド | 生 | 720mg |
ほうれん草 | 生 | 690mg |
枝豆 | 冷凍 | 650mg |
人参 | 生 | 630mg |
モロヘイヤ | 生 | 530mg |
小松菜 | 生 | 500mg |
ブロッコリー | 生 | 460mg |
西洋かぼちゃ | 生 | 450mg |
カリウムを効率よく摂るには、生で食べるか、蒸すか茹でるとカリウムが逃げにくいです。
茹でた野菜の汁も捨てずにスープや煮物などに利用しましょう。
カリウムは熱に強いので、加熱しても問題ありません。
カリウムと一緒にナトリウムやカルシウムも摂ると、相乗効果が期待できます。
カリウムを豊富に含む果物類
カリウムは野菜や果物に多く含まれていますが、特に以下のような果物に豊富です。
果物名 | 加工状態 | カリウム含有量(100gあたり) |
ドライバナナ | 乾燥 | 1,300mg |
ドライマンゴー | 乾燥 | 1,100mg |
干し柿 | 乾燥 | 670mg |
バナナ | 生 | 360mg |
メロン(露地栽培、青肉/赤肉) | 生 | 350mg |
キウイフルーツ(黄) | 生 | 300mg |
キウイフルーツ(緑) | 生 | 290mg |
さくらんぼ(米国産) | 生 | 260mg |
さくらんぼ(国産) | 生 | 210mg |
パパイア(完熟) | 生 | 210mg |
果物は皮ごと食べるとカリウムが多く摂れます。
果物は生で食べるか、ドライフルーツにするとカリウムが逃げにくいです。
果物は食事の前や間食にすると、カリウムの吸収が良くなります。
さらに、ビタミンCや食物繊維も豊富なので、美容や健康にも良いです。
カリウムを豊富に含む海藻類
カリウムは海藻にも多く含まれていますが、特に以下のような海藻に豊富です。
食品名 | 加工状態 | カリウム含有量(100gあたり) |
刻み昆布 | ー | 8,200mg |
干しひじき | 乾燥 | 6,400mg |
真昆布 | 素干し | 6,100mg |
利尻昆布 | 素干し | 5,300mg |
乾燥わかめ | 素干し | 5,200mg |
あおさ | 素干し | 3,200mg |
焼きのり | ー | 2,400mg |
わかめ | 生 | 730mg |
カットわかめ | 乾燥 | 430mg |
乾燥わかめ | 水戻し | 260mg |
海藻は水に戻すとカリウムが溶け出してしまいます。
そのため、乾燥したまま食べるか、水に戻した後は汁ごと食べると良いです。
海藻は塩分が高い場合があるので、塩抜きをしてから食べると血圧にも良いです。
海藻はヨウ素や鉄分、食物繊維も豊富なので、甲状腺や貧血、便秘の予防にも役立ちます。
カリウムを過剰摂取するとどうなるのか
カリウムは食事から摂れますが、摂りすぎると体に悪影響を及ぼすことがあります。
カリウムを摂りすぎると、血液中のカリウム濃度が高くなり、高カリウム血症という状態になるのです。
高カリウム血症になると、以下のような症状があらわれることがあります。
- 筋肉の弱さやしびれ
- 不整脈や心停止
- 呼吸困難や意識障害
高カリウム血症は、
- 腎臓の機能が低下している方
- カリウムサプリメントや利尿剤などの薬を服用している方
などに起こりやすいです。
また、カリウムを多く含む食品を大量に摂取することでも引き起こされる可能性があります。
高血圧の改善のための食事療法について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
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低血圧を改善する食事法
食事は日々の生活に欠かせないものであり、食べ物によって血圧に影響を与えます。
ここでは、低血圧に悩む方に向けて、食べ物に焦点を当ててご紹介します。
鉄分
鉄分は、血液の質を高めるために必要な栄養素です。
鉄分不足は貧血の主な原因の一つであり、貧血は低血圧を悪化させる可能性があります。
したがって、鉄分を十分に摂取することは、低血圧の予防や改善に役立ちます。
鉄分は、動物性食品と植物性食品の両方に含まれています。
動物性食品に含まれる鉄分は、植物性食品に含まれる鉄分よりも吸収率が高いです。
そのため、肉や魚などの動物性食品を積極的に食べることがおすすめです。
鉄分を豊富に含む食材
動物性食品に含まれる鉄分はヘム鉄と呼ばれ、吸収率が高いです。
植物性食品に含まれる鉄分は非ヘム鉄と呼ばれ、吸収率が低いです。
以下の表は、鉄分を多く含む食材の一部を示しています。
食材 | 鉄分の含有量(100gあたり) |
豚レバー | 21.8mg |
煮干し | 20.0mg |
しじみ | 12.0mg |
ほうれん草 | 2.7mg |
キャベツ | 0.4mg |
鉄分を多く摂取するには、動物性食品と植物性食品を組み合わせて食べましょう。
ビタミンCやクエン酸などが含まれる食品と一緒に食べると、非ヘム鉄の吸収率が上がります。
逆に、カルシウムやタンニンなどが含まれる食品と一緒に食べると、非ヘム鉄の吸収率が下がります。
タンパク質
タンパク質は、筋肉や血液などの体の組織を作る材料となる栄養素です。
タンパク質が不足すると、筋肉量が減って血液のポンプ作用が弱まり、血圧が下がりやすくなります。
また、タンパク質はホルモンや酵素などの体調を調節する物質の原料にもなります。
ホルモンや酵素は、血管の収縮や拡張などに関与しており、血圧のコントロールに重要です。
タンパク質を豊富に含む食材
タンパク質の含有量は、食材の種類や部位、調理法などによって異なります。
タンパク質を含む食材について、以下の表にあらわしています。
食材 | タンパク質の含有量(100gあたり) |
ゼラチン | 87.6g |
乾燥卵白 | 86.5g |
カゼイン | 86.2g |
ふかひれ | 83.9g |
だいず | 79.1g |
かつお節 | 77.1g |
削り節 | 75.7g |
たたみいわし | 75.1g |
さば節 | 73.9g |
干しだら | 73.2g |
タンパク質を摂るだけでなく、食事の回数や時間にも気を付けましょう。
低血圧の方は食欲不振になりがちですが、1回ごとに少量でもいいので3食きちんと食べることが大切です。
特に朝食は欠かさずに摂るようにしましょう。
ビタミンE
ビタミンEは、血行を良くする作用を持ちます。
血液の流れが良くなることは、低血圧改善にもつながり、冷えや肩こりの緩和にもなります。
また、細胞の新陳代謝も活発になるため美肌効果も期待できるでしょう。
低血圧の方は、ビタミンEだけでなく、エネルギー産生を高めるビタミンB群やたんぱく質も積極的に摂取しましょう。
また、食事に少し塩を加えたり、水分摂取量を増やしたりすることも効果的です。
逆に、アルコールや高炭水化物の食べ物は避けるようにしましょう。
ビタミンEを豊富に含む食材
ビタミンEは、植物油やナッツ類、種実類、野菜などに多く含まれています。
しかし、加熱や酸化に弱い性質を持つため、食事から摂取するだけでは不足しがちです。
そのため、サプリメントを利用することもおすすめです。
ビタミンEを多く含む食材は、以下の表のようになります。
食材 | 100gあたりのビタミンE含有量 (mg) |
アーモンド | 25.6 |
ヒマワリ油 | 22.9 |
ピーナッツ | 8.3 |
アボカド | 4.0 |
ピスタチオ | 3.9 |
キウイフルーツ | 3.8 |
ブロッコリー | 2.0 |
サラダ油 | 1.9 |
サバ缶 | 1.8 |
マーガリン | 1.7 |
ビタミンEは、血行を良くする作用や細胞の新陳代謝を活発にする作用などがあります。
上記の表の食材を上手に組み合わせて、バランスよく摂取しましょう。
ビタミンB群
ビタミンB群とは、ビタミンB1、B2、B6、B12などの総称で、エネルギー代謝や神経系の働きに関係しています。
ビタミンB群は、エネルギーを高めたり、疲労回復を促したりする効果があります。
また、血液の循環を良くすることもできるでしょう。
低血圧の方は、食事からビタミンB群を摂取することを心がけましょう。
ただし、過剰摂取は避けるようにしましょう。
ビタミンB群を豊富に含む食材
それぞれのビタミンB群を多く含む食材を表にまとめました。
ビタミンB群 | 食材 | 100gあたりの含有量 |
ビタミンB1 | 豚レバー | 1.2mg |
ひまわりの種 | 1.0mg | |
ピーナッツ | 0.8mg | |
ビタミンB2 | 牛レバー | 3.4mg |
チーズ | 0.6mg | |
卵黄 | 0.5mg | |
ビタミンB6 | 鮭 | 0.9mg |
バナナ | 0.4mg | |
アボカド | 0.3mg | |
ビタミンB12 | カキ | 99μg |
牛レバー | 60μg | |
鶏レバー | 16μg |
ビタミンB群を豊富に含む食材としては、レバーや肉類、魚介類、卵や乳製品などがあります。
また、緑黄色野菜や大豆製品などにも含まれています。
これらの食材をバランスよく食べることで、低血圧の改善に役立ちます。
低血圧の予防について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
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血圧正常値に関するよくある質問|Q&A
血圧正常値に関するよくある質問には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、よくある質問に答えていきます。
女性の正常血圧はいくつですか?
女性の正常な血圧は、上がり(収縮期)120mmHg以下、下がり(拡張期)80mmHg以下とされています。
年齢や体調によって変動することがありますので、定期的な健康診断が推奨されます。
血圧の本当の正常値はいくつですか?
血圧の正常値は、上がり(収縮期)120mmHg以下、下がり(拡張期)80mmHg以下と言われています。
しかし、個人の体調や生活習慣によって異なるため、専門家の意見を求めることが大切です。
血圧 いくつからやばい?
血圧が上がり(収縮期)140mmHg以上、下がり(拡張期)90mmHg以上の場合、高血圧と診断されることが多いです。
高血圧は、心臓病や脳卒中のリスクを高めるため、注意が必要です。
血圧が150と90では高血圧ですか?
血圧が上がり(収縮期)150mmHg、下がり(拡張期)90mmHgの場合、高血圧と診断される可能性が高いです。
定期的な健康診断や生活習慣の見直しをおすすめします。
血圧正常値まとめ
ここまで血圧正常値についてお伝えしてきました。
血圧正常値の要点をまとめると以下の通りです。
- 血圧とは、血液が血管壁を押す圧力のことである。
- 血圧正常値は、家庭血圧で115/75mmHg未満、診療室血圧で120/80mmHg未満である。
- 高血圧の基準は家庭血圧で135/85mmHg未満、診療室血圧で140/90mmHg未満である。
- 血圧を正常に保つには、「塩分を控える」「適度な運動をする」「お酒を控える」「ストレスを溜めすぎない」「自律神経を整える」ということが大切である。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。