高齢者の介護で相談できる場所に、地域包括支援センターがあります。
地域包括支援センターには、ケアマネジャーなどの職種が在中しており、多種にわたる介護の相談ができます。
では、地域包括支援センターで相談できる内容や、利用方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では地域包括支援センターのケアマネジャーについて以下の点を中心にご紹介します。
- 地域包括支援センターの役割
- どのような職種がいるのか
- 地域包括支援センターの利用方法や利用までの流れ
地域包括支援センターのケアマネジャーについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
高齢になれば、ほとんどの方が利用することになる地域包括ケアシステム。地域包括ケアシステム自体の存在、さらに役割や具体的な活動をご存じの方は少ないのではないでしょうか。 地域包括ケアシステムはどんな制度か 地域包括支援セン[…]
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地域包括支援センターとは
地域包括支援センターとは、市町村が高齢者に介護や医療の支援をする施設です。
家族が介護や医療サービスを受ける場合、何をするべきか不安に感じると思います。
実際に、介護サービスを利用する際、どのようなサービスが受けられるのか分からない場合が多いようです。
地域包括支援センターでは、以下の支援を受けることができます。
- 介護予防ケアマネジメント業務
- 総合相談支援業務
- 権利擁護業務
- 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
市町村ごとに、それぞれの専門的なスタッフが高齢者のためにサービスを検討して問題や悩みを解決します。
介護が必要になった高齢者の手助けをすることが、地域包括支援センターの役割です。
出典:厚生労働省「地域包括支援センターの業務」
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職種はケアマネジャーのみ?
地域包括支援センターの職種は、ケアマネジャーだけではありません。
地域包括支援センターには、以下の職種があります。
- 保健師
- 社会福祉士
- 主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)
それぞれ解説します。
保健師
保健師は、以下の2つを満たした方が選ばれます。
- 地域ケア、地域保健等に関する経験がある看護師
- 准看護師ではなく、看護師であること
社会福祉士
社会福祉士は、以下の2つを満たした方が選ばれます。
- 福祉事業所の実務経験が5年以上、または介護支援専門員の実務経験が3年以上
- 高齢者保健福祉に関する相談援助業務に3年以上従事した経験がある
主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)
主任介護支援専門員は、以下の3つを満たした方が選ばれます。
- ケアマネジメントリーダー研修を修了している
- 介護支援専門員としての実務経験がある
- 介護支援専門員の相談対応や地域の介護支援専門員の支援などの知識や能力がある
高齢化が進み、要介護者の増加や介護期間の長期化などがみられるようになりました。また、老老介護という言葉もあるように介護する家族も高齢化しています。そういった現状を踏まえ、介護の負担を減らすために作られた制度が介護保険です。[…]
ケアマネジャーなど職種ごとの業務内容
先述したように、地域包括支援センターには、以下の4つの業務があります。
- 介護予防ケアマネジメント業務
- 総合相談支援業務
- 権利擁護業務
- 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
職種ごとの業務内容について解説します。
介護予防ケアマネジメント業務
介護予防ケアマネジメント業務は、要介護になる恐れのある方に介護予防サービスを勧める業務です。
対象となる高齢者に、日常生活の状況や生活機能の低下の原因について、課題分析を行います。
課題分析の結果から、高齢者にとって適切な目標を設定して介護予防サービスを提供します。
その後も高齢者への目標設定や、介護予防サービスを検討する業務です。
総合相談支援業務
総合相談支援業務は、住民の相談を受けてさまざまな支援を行う業務です。
地域でのさまざまな関係者とのネットワーク構築を行います。
構築したネットワークから、高齢者の状態や家庭環境を把握します。
高齢者の状態によって、さまざまな専門機関と相談して支援をする業務です。
権利擁護業務
権利擁護業務とは、高齢者への権利擁護を行う業務です。
成年後見制度の活用や、高齢者虐待の対応などを行います。
虐待事例では、高齢者を老人福祉施設などに措置入所させる場合があります。
また、訪問販売やリフォーム業者などの消費者被害を未然に防止するなど、高齢者の権利擁護をする業務です。
包括的・継続的マネジメント業務
包括的・継続的マネジメントとは、高齢者が住み慣れた地域で暮らせるようにケアマネジメントを行う業務です。
ケアマネジャーの技術向上や指導、ケアマネジメントの公正・中立性の確保を図ります。
在宅や施設を通じたケアをするため、医療機関や介護支援専門員と協力し連携します。
介護支援専門員が抱える問題などを、他の医療機関と連携し問題解決をする業務です。
地域包括支援センターはいつ利用する?
地域包括支援センターの利用方法について解説します。
①母親が脳梗塞で入院し、退院後に介護が必要になったケース
地域包括支援センターで相談したところ、介護するうえで必要な手続きを説明してくれます。
要介護認定の受け方や、施設と在宅の違いについても説明してくれます。
②近くに住む高齢者が徘徊しており、心配になって相談したケース
相談を受けた相談員は、高齢者の家を訪問すると認知症を患っていることが判明しました。
介護サービス事業者と親族に連絡して、解決できるように働きかけました。
③独居の高齢者で、友人がいないため地域包括支援センターに相談したケース
相談した結果、地域のカルチャーセンターや交流スペースを紹介しました。
好きだった趣味の交流の場を見つけて、共通の趣味を楽しむ仲間ができました。
④自分は介護が必要かもしれないと思い、相談したケース
骨折を手術しリハビリ後に退院したものの、自分一人での生活に限界を感じました。
そこで地域包括支援センターに相談したところ、ホームヘルパーなどのサービスを利用する生活を提案しました。
地域包括支援センターでは、さまざまな理由で相談することがお勧めです。
地域包括支援センターまとめ
今回は、地域包括支援センターのケアマネジャーについてお伝えしてきました。
地域包括支援センターのケアマネジャーについての要点をまとめると以下の通りです。
- 地域の高齢者の悩みや介護の相談を受け付けている
- ケアマネジャー以外に、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員がいる
- 高齢者の悩みに対応した事例と利用までの流れを紹介
これらの情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。