理学療法士という職業をご存じでしょうか?
理学療法士は、医療スタッフの一人で、運動機能に関するリハビリを担当しています。
では、理学療法士はどういった仕事をしているのでしょうか?
また、年収はいくら位なのでしょうか?
本記事では、理学療法士の年収について以下の点を中心にご紹介します。
- 理学療法士の平均年収について
- 理学療法士の平均賞与とは
- 理学療法士に人気の転職先について
理学療法士の仕事について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
理学療法士の年収アップ方法についても紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
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理学療法士とは
まず初めに、理学療法士とはどういった職業なのか、紹介していきましょう。
理学療法士とは、「Physical Therapist」の頭文字を取って「PT」とも呼ばれています。
理学療法士はケガや病気などで身体が不自由な人に対し、個別性に合ったプログラムでリハビリを行う職種です。
主に「座る」「立つ」「歩く」などの基本動作能力の維持や向上を目的に行われます。
このような運動療法の他にも、必要に応じて温熱療法や電気療法などの物理療法も行うこともあります。
日常生活を送る上で、基本的な動作に関するリハビリの専門家が理学療法士です。
なお、理学療法士は、国家資格に合格した者が名乗れる「名称独占資格」です。
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理学療法士の平均年収は?
理学療法士の職業に興味を持つ方にとって気になる点の一つは、年収だと思います。
生活をする上でお金は必要なものなので、職業を決める際、年収は注目すべきポイントになりますよね。
以下で詳しく紹介していくので、参考にしてください。
男女別理学療法士の年収
理学療法士には、男性と女性の両方が従事しています。
男女で理学療法士の平均年収を比較すると以下のようになります。
平均給与 | 平均年間賞与 | 平均年収 | |
男性 | 29万4,000円 | 74万9,000円 | 427万7,000円 |
女性 | 27万4,000円 | 67万1,000円 | 395万9,000円 |
こうして見ると、女性よりも男性の方が高額であることがわかります。
理由として、女性の場合には結婚・出産・子育て・介護などのライフイベントにて休職するケースが多いからです。
一般的には勤続年数や経験年数が長い程、給与が上がりやすいので、その結果年収も上がりやすいといえます。
年齢別理学療法士の年収
次に、年齢別の理学療法士の年収について紹介していきます。
以下の表をご覧ください。
平均給与 | 平均賞与(年間) | 平均年収 | |
20~24歳 | 24万5,000円 | 35万2,000円 | 329万2,000円 |
25~29歳 | 26万3,000円 | 63万5,000円 | 379万1,000円 |
30~34歳 | 28万8,000円 | 69万4,000円 | 415万円 |
35~39歳 | 30万2,000円 | 75万7,000円 | 438万1,000円 |
40~44歳 | 33万2,000円 | 88万8,000円 | 487万2,000円 |
45~49歳 | 35万3,000円 | 91万8,000円 | 515万4,000円 |
50~54歳 | 36万6,000円円 | 100万5,000円 | 539万7,000円 |
55~59歳 | 38万1,000円 | 117万3,000円 | 574万5,000円 |
60~64歳 | 35万2,000円 | 57万3,000円 | 479万7,000円 |
65~69歳 | 25万8,000円 | 47万3,000円 | 356万9,000円 |
70歳以上 | 27万2,000円 | 3万2,000円 | 329万6,000円 |
理学療法士の定年は現在60歳であり、60歳までは少しずつ上昇していきます。
特に40歳代前半は、役職や管理職に就くなど、キャリアアップしやすい時期なので、上昇率が大きくなっています。
60歳を超えると、定年してからの再雇用契約になることが多いので、給与や平均年収は下がることが一般的です。
経験年数別理学療法士の年収
最後に、年齢別に理学療法士の年収について紹介していきます。
以下の経験年数別の年収表をご覧ください。
平均給与 | 平均賞与(年間) | 平均年収 | |
1年未満 | 23万4,000円 | 4万6,000円 | 285万4,000円 |
1~4年 | 25万円 | 59万円 | 359万円 |
5~9年 | 26万8,000円 | 68万7,000円 | 390万3,000円 |
10~14年 | 29万2,000円 | 77万4,000円 | 427万8,000円 |
15年以上 | 34万4,000円 | 97万9,000円 | 510万7,000円 |
このように経験年数が上がれば上がるほど、給与や年収は上がります。
経験年数が15年以上になると、管理職や役職に就くケースも多いことから高額になっていきます。
理学療法士の平均賞与
理学療法士のボーナスの平均は、男性が66万2,000円で、女性が66万1,000円です。
勤続年数によっても金額が異なります。以下詳細をご覧ください。
勤続年数 | 男性 | 女性 |
1年未満 | 58万8,000円 | 77万7,000円 |
1~4年 | 58万7,000円 | 67万7,000円 |
5~9年 | 70万円 | 61万5,000円 |
10~14年 | 88万2,000円 | 65万9,000円 |
15年以上 | 86万7,000円 | 88万円 |
1年未満であれば所得税を引かれることはありません。
しかし、2年目以降からは税金を納める必要があるため、新人の頃と比べると金額は下がります。
男性の場合は、5年以上になると女性よりもボーナスが上がります。
勤続15年以上になると男女差はほとんどなくなることがわかります。
理学療法士と他業種との年収の比較
次に、理学療法士と多職種の年収を比較していきます。
比較することで医療従事者における理学療法士の年収の水準がわかります。
下記で年収が高い順に紹介するので、ぜひご覧ください。
職種 | 平均年収 |
医師 | 約1,378万円 |
歯科医師 | 約787万円 |
薬剤師 | 約581万円 |
助産師 | 約554万円 |
診療放射線技師 | 約547万円 |
看護師 | 約499万円 |
臨床検査技師 | 約496万円 |
保健師 | 約481万円 |
理学療法士 | 約427万円 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 約410万円 |
准看護師 | 約407万円 |
歯科衛生士 | 約387万円 |
栄養士 | 約368万円 |
介護士 | 約353万円 |
医療従事者の中で、理学療法士の年収は中間程度です。
この理由としては、理学療法士は基本的には夜勤がない点や、リハビリの単位数に上限があることなどが挙げられます。
理学療法士の年収アップ法
理学療法士の年収は高いとはいえないため、不安に感じる方もいるかと思います。
そこでここからは、理学療法士の年収アップ方法について以下に挙げていきます。
昇進する
基本的には勤続年数が長くなればなるほど、年収も少しずつ上がっていきます。
これはシンプルに言うと、勤続していれば自然に給料が上がるということです。
これに加えて管理職に就くなどして昇進することで、更なる年収のアップが見込めます。
上に立つということは、スタッフをマネジメントするスキルも必要になります。
それだけでなく、幅広い知識や人間性も大切です。
多くの能力が必要になるので、若いうちから多くのことを経験して鍛えることをおすすめします。
分野の近い資格を取る
理学療法士は入院中の患者さんと関わることもあり、多職種と連携しながら業務しています。
そのため、医療や介護の分野の資格を取ることをおすすめします。
幅広い知識を身につけることで、質の高いリハビリを提供することにつながるのです。
それだけでなく、資格手当てがもらえるようになり、昇進にもつながるといえます。
結果として年収アップにつながるのです。
副業する
勤務先で副業が禁止されていなければ、副業することで年収アップにつながります。
理学療法士の知識やスキルを活かして、本業とは異なる職場で短時間労働するのもいいでしょう。
例えば本業で病院などの医療機関で働き、休日の数時間だけトレーナーとしてスポーツ分野に携わるなどです。
活躍の場としては、スポーツのトレーナーや福祉センター、福祉施設などが挙げられます。
理学療法士に人気の転職先は?
理学療法士はさまざまな場所で活躍できます。
最後に理学療法士におすすめの転職先について紹介していきます。
病院などの医療機関
病院などの医療機関では、ケガや病気などで入院や外来通院している方をリハビリします。
整形外科では骨折や腰椎椎間板ヘルニア、変形性膝関節症などの患者がおり、リハビリの需要が高めです。
脳神経外科や脳神経内科でも脳梗塞などによる麻痺などを抱える患者のリハビリが行われます。
病院では小児から高齢者まで多くの患者と接する機会があります。
特に総合病院では、さまざまな疾患で入院する患者をリハビリするので、知識や経験を身に着けることが出来ます。
介護施設
年を重ねるにつれて筋力が弱まり、「立つ」「座る」「歩く」などの基本的な動作に支障をきたすことが多くなります。
介護施設では、主に高齢者が日常生活を送るために必要な「機能の維持や向上」を目指すリハビリが行われます。
介護施設では、同じ方と長く接することになるので、コミュニケーションを通して信頼関係を築きやすいでしょう。
また、身体機能の変化を敏感に感じて対応できるため、やりがいを感じやすい職場になります。
スポーツ施設
理学療法士は、医療機関だけでなく、スポーツ施設でも活躍できます。
スポーツはケガのリスクが高く、予防的なストレッチや実際にケガをした際に回復のためにリハビリします。
スポーツが好きで、スポーツ関係の仕事に携わりたいと考える人にとっては魅力的な職場です。
ただし仕事の内容については、施設によって異なるので事前によく確認することをおすすめします。
自分がやりたい仕事内容に合っていれば、楽しみながらやりがいを持って働けるフィールドになります。
まとめ 理学療法士の年収について
ここまで理学療法士の年収についてお伝えしてきました。
理学療法士の年収の要点を以下にまとめます。
- 理学療法士の平均年収は約427万円だが、継続年数や性別によって異なる
- 理学療法士のボーナスの平均は男性が66万2,000円で、女性が66万1,000円
- 理学療法士は医療施設だけでなく、介護施設やスポーツ施設でも活躍できる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。