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健達ねっと>介護お役立ち記事>在宅介護>介護における入浴介助とは?介助方法の流れや注意点を徹底解説!

介護における入浴介助とは?介助方法の流れや注意点を徹底解説!

介護の中でも、重労働で危険が伴う入浴介助。
超高齢社会の日本では、自宅での介護を行っている方も多いです。

入浴介助に困っているという方も多いのではないでしょうか?

本記事では、介護の入浴介助について以下の点を中心にご紹介します。

  • 介護で大切な入浴介助とは
  • 入浴介助前にしておくべきこと
  • 入浴介助に必要な準備物

在宅介護の不安を解消するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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介護で大切な入浴介助とは?

※画像はイメージです


日々の介護生活において、食事や排せつなどさまざまな介助をされていることでしょう。
その中でも入浴介助は重労働である一方、被介助者の方にとっては大切な目的を果たします。

介護で大切な入浴介助の効果、目的、種類について解説していきます。

入浴の効果

前提として、入浴は身体を清潔に保つことが目的であり効果です。
入浴は身体を清潔にするだけではなく、以下のような効果もあります。

  • 血管が広がり、たくさんの血液が体内を巡ることで新陳代謝が活発となる
  • 体の修復やリラックス効果をつかさどる副交感神経が活発となる
  • 筋肉や関節の緊張がほぐれ、神経の過敏性が抑えられる
  • 足のむくみがとれる
  • 毛穴が開くことで肌の調子を整えられる

誰にとっても毎日リラックスして入浴することは大切ということがわかります。

入浴介助の目的

入浴介助の目的として、以下のような目的があります。

  • 身体を清潔に保つ
  • 皮膚の生理機能を高め、床ずれや感染症を防ぐ
  • 介助者側から全身の状態を観察できる機会となる(皮膚異常などの早期発見)
  • 爽快感を得られる、リラックスできる
  • 介助をする側とされる側のコミュニケーションになる

本来の入浴の効果に加えて、被介助者の方の体調をチェックするためにも、入浴介助は大きな役目を果たしています。

入浴介助の種類

入浴介助と一言で表しても、大きく3種類に分けられます。
以下で解説していきます。

一般浴

自力で歩ける、手すりがあれば自力で入浴できるといった比較的軽い症状の方が共同浴場を使って入浴することです。

またがって入る必要がある浴槽では、浴室用チェアなどの補助器具を使って被介助者や介助者の負担を減らすことができます。

また介助は必要最低限にして、極力被介助者の方の日常生活動作を促すことが前提です。
感染症予防などで共同浴場を使うことが難しい場合は、個室を使う場合もあります。

中間浴(リフト浴)

立つことは難しいけれど座っている状態ならば、自力で身体を安定させることができる方向けの入浴です。

リフトとは、浴槽の中に設置する椅子のようなものです。
車いすを利用している方が、介助されながら浴槽へ移動することができます。

機械浴

機械を用いた入浴です。
入浴専用の椅子に座ったまま浴槽へ入るチェア浴は、浴槽の壁面が開いて椅子ごと入れられるので介助側も被介助側も身体の負担が少なく入浴することができます。

一方でストレッチャー浴は、ベルトで利用者の体をストレッチャーに固定させ寝たままの姿勢で入浴します。

座った状態で安定することができない方や、寝たきりの方でも入浴できる点が特徴です。

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入浴介助前にしておくべきことは?

※画像はイメージです


早速入浴する前に、入浴介助前にしておくべきことがあります。
以下でそれぞれに分けて記載していきます。

被介護者にとって適切な入浴方法を把握する

入浴介助には一般浴、中間浴、機械浴があると説明しました。

どの入浴方法が被介助者や介助者にとって最適かを把握しておくが大切です。
気持ちの良い入浴ができるだけではなく、転倒や水難事故を防ぐことにも繋がります。

被介護者の体調確認を行う

体調が悪い際に無理に入浴をすると、思わぬ体調不良を引き起こす可能性があります。

事前に呼吸や表情、体温チェックなどで被介助者の方の体調を確認しておきましょう。
体調が悪い場合は足湯やタオルで拭くだけなど、一部浴に変えてもいいかもしれません。

浴室と脱衣所を温めておく

暖房器具を利用したり、シャワーのお湯で浴室の壁を温めておいたり急激な身体の冷えを避けましょう。
急に気温差のある環境になることで、冬場は特にヒートショックに陥る可能性があります。

ヒートショックとは、急激な温度の変化で身体がダメージを受けることです。
血管が縮むことで脳卒中や心筋梗塞に繋がりかねません。
特に高齢者や要介護の方は身体が弱っているため、注意が必要です。

浴槽内の温度は40度未満のぬるめのお湯に設定し、長湯を避けましょう。

入浴前に十分な水分補給を行う

介助をする側も、しっかり水分を摂っておくことが大切です。

浴室は高温多湿な環境であり、その中で動くと汗をかいてきます。
事前に1時間あたり200mlほどの水分補給をこころがけましょう。

皮膚状態を確認する

病気やけがなどで、皮膚に乾燥、腫れ、ただれ、赤みが出ていることもあります。
入浴時は全身を見ることができるので、異常の有無を確認する機会にしましょう。

皮膚状態に異常がある場合は、無理に入浴することは避けてください。

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入浴介助に必要な準備物とは?

※画像はイメージです


入浴介助前の心構えを先述しました。

ここでは実際に入浴介助を行う前に、必要な準備物について記載します。
それぞれの必要な理由についても述べているので、ぜひお読みください。

・大きめのタオル
バスタオルなどの大きめのタオルを準備しておきましょう。
さらに吸水性の高いものの方が、短時間で身体を拭くことができ時短や身体の冷え防止にも繋がります。

・着替え
入浴とセットで着替えを済ませると、労力や時間の節約になります。
着替えと一緒に新しいおむつや尿取りパッドも準備しておくと、ベッドに戻ってからの手間が省けます。

・ボディーソープ、シャンプー
泡立てる手間を節約するように、あらかじめ泡で出てくるタイプのものがおすすめです。

・スポンジ、ボディータオル
必要に応じて用意しましょう。
敏感肌や乾燥肌の場合は、用具は使用せず素手で洗うことがおすすめです。

・入浴補助用具
シャワーチェアや転倒防止マットなどがあれば、けがの予防だけでなく介助・被介助両方の労力が節約できます。

・エプロン
介助をする方の服に水や汚れが付着することを予防するため、水を弾く素材のものがおすすめです。

・ゴム製の滑りにくい靴
誰かを抱えながら風呂場を移動することは危険なので、事故防止のためにゴム製の滑りにくい靴を履きながら介助を行うといいでしょう。

・手袋
軍手を装着すると介助者の方の滑り止めにもなり、事故防止に繋がります。
また身体を洗う際にも使えるのでおすすめです。

・保湿剤・軟膏
必要に応じて、裸の状態で簡単に塗れる入浴時が塗り薬を使うタイミングとしておすすめです。

入浴介助を実際に行う

※画像はイメージです


上記で入浴介助に必要なものを記載しました。
ここから実際に入浴介助を行う手順について紹介します。

一般的な手順は以下の通りです。

  • 床や椅子にお湯をかけて温める
  • 声掛けをしつつ、椅子に座ってもらう
  • お湯の温度確認を行う
  • 足元からお湯をゆっくりかけていく
  • 髪と顔を洗う
  • を洗う
  • 浴槽に入ってもらう
  • 浴槽を出てタオルで身体を拭く

入浴介助で注意すべき点とは?

※画像はイメージです

上記では基本的な入浴介助の手順について説明しました。
ここではさらに快適で安全な入浴介助のための注意点について記載していきます。

プライバシーに配慮する

介助者以外の方の目がある場所での脱衣や入浴は、被介助者の方にとっては心地の良いものではありません。
介助に慣れてくるとつい作業のようになってしまいますが、被介護者の方のプライバシーには配慮しましょう。

転倒に注意する

脱衣所や浴室は床が濡れていて転倒する危険性が高い場所です。
頻繁に床を拭くことが難しい場合、転倒防止マットを使用するなど転倒防止の対策をするといいでしょう。

ヒートショックに注意する

急激な温度差があると、ただ風邪を引いてしまうわけではありません。
血管が急に収縮して心臓に負担がかかるため、ヒートショックに気を付けましょう。

暖房器具やお湯を使って、入浴前に脱衣所や浴室を温めておくようにしてください。

のぼせてしまう

長時間の入浴は、のぼせやめまいの原因となります。
熱中症や脱水症状を引き起こす恐れもあるため、お湯に浸かる時間は5分程度にしておきましょう。

シャワーは直接当てない

被介護者の方の皮膚は表面が薄くなり刺激に弱くなっています。

シャワーの水圧によっては体への負担を増すことになるおそれがあります。
シャワーは介助者の手を介するようにしてあてるようにしましょう。

シャワー浴について

シャワー浴とは、通常入浴に比べて介助者・被介助者の方の体力消耗が少ない入浴法です。
座った体勢が維持可能な方で、循環器疾患・皮膚症状などで全身浴が難しい方などに適しています。

シャワー浴に必要なものは、先述した通常の入浴準備物と同様に、

  • 入浴用品(シャンプー・リンス・スポンジなど)
  • 入浴の際の補助用品(シャワーチェアなど)
  • タオル・着替え
  • 介助者が利用するエプロン・長靴 

などです。

シャワーチェアの他、入浴用車いすなどでも問題ありません。
入浴用車いすはキャスターがついているため、浴室に入ってそのまま入浴可能です。

シャワー浴をする際の準備・手順は以下のとおりです。

  • 指示書などのチェックと入浴予約
  • 被介助者の方の体調確認
  • シャワー浴の説明をする
  • 室温22~26℃・シャワー湯温39~40℃に設定
  • 浴室床面・座面にお湯をかけて温める
  • 足ふきマットの設置や介助者の準備
  • プライバシーを考慮しながら浴室へ移動
  • シャワー湯温が適当か介助者の腕などで確認してから体を洗う
  • 転倒に気をつけながら脱衣室にて水分除去・着衣
  • 浴室・脱衣室を片付け・清掃

入浴介助を拒否される場合も?

※画像はイメージです


入浴介助に必要なものを揃え、手順についての知識を得ても実際には入浴介助を拒否される場合もあります。

拒否の理由はそれぞれあるはずなので、場面に分けて対処法を記載していきます。
入浴介助拒否の理由は、以下のようなことが考えられます。

「入浴」が何かわからない

入浴という行為や浴室が何物か分からずに呆然としているだけの場合もあります。

入浴が何かを思い出す手段として、タオルや洗面器などを見せて銭湯などを連想させることもひとつの手段です。

脱衣に抵抗がある

人前で裸になるのに抵抗があるということは、多くの方に当てはまるはずです。

服を脱ぐ理由に納得してもらうことが大切になります。
例えば、薬を塗りたい、体重を量りたいなど、入浴以外の理由を伝えるといいかもしれません。

体調を伝えることが難しい

体調が優れず動けない場合も、周りから見れば入浴拒否に見える場合もあります。
日頃から被介助者の方の体調や様子を気にかけるようにしておきましょう。

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入浴介助が大変だと感じるなら

※画像はイメージです

ここまでは在宅介護、つまりご自身で入浴介助をする前提で解説してきました。
しかし、ご自身だけでの介護は大変でうまくいかないこともあると思います。

入浴介助が難しい場合の対応について記載していきます。

代理で入浴介助をしてほしい場合、介護ヘルパーというサービスがあります。
入浴の重労働を代わってもらうことで、家族の介護疲れを予防するという目的もあります。

しかし、医師に入浴の許可が出ている要介護1~5の状態でしかサービスを利用できないという点には注意が必要です。

例外として、要支援1、2でも事情により自宅の浴室が使えない場合、サービスを利用できる可能性もあります。
入浴サービスも介護の一手段と考えておいていいかもしれません。

介護ヘルパーについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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入浴介助のまとめ

まとめ

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ここまで、入浴介助についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • 入浴介助とは、身体の清潔を保つ以外にもリラックス効果や肌の調子を整えるなどの効果がある
  • 入浴介助前にしておくべきことは、脱衣所や浴室を温めておく、介助者の方も水分補給をして体調を整えておくことなど
  • 入浴介助に必要な物は、タオルや着替えの他、介助者の方が濡れることを防げるグッズ

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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