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健達ねっと>介護お役立ち記事>在宅介護>介護と介助の違いは?定義の違いや種類の違いを解説!

介護と介助の違いは?定義の違いや種類の違いを解説!

「介護と介助は、いったいどういう違いがあるのだろう?」
といった疑問を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

介護と介助の違いについて知る方法はいくつかあり、違いや種類などさまざまなことがあげられます。

今回は介護と介助の違いについて、以下の点を中心に解説していきます。

  • 介護と介助の違い
  • 介護の種類
  • 介助の種類
  • 過剰な介助や介護の危険性

介護と介助の違いを正しく学ぶためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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介護と介助の違いとは?

介護と介助の言葉はよく耳にしますが、具体的にどういう違いがあるのか知らないという方が多いと思います。
こちらでは介護と介助のそれぞれの違いについて解説します。

介護とは

介護とは、高齢者や身体の不自由な方など日常生活が困難で手助けが必要な状態の個人に身体的・生活環境・精神的・社会的などのサポートをすることです。
上記のサポートを通して、要介護者が満足できる生活の自立をはかることを目標としています。

介助とは

介助とは、身体的に密接な支援を意味し、食事・排泄・入浴・更衣・移乗・歩行などのサポートをします。
つまり日常生活においてあらゆる面の実際の支援を行うことを意味しています。

介護と介助の違いとは?

介護と介助の具体的なサポート内容から時間に関する違いがあげられます。

介護は日常生活が困難な個人に対して、長い期間を経て自立を目的としたサポートを提供しています。
具体的な仕事内容は、身体介護、生活支援、精神的支援、社会的支援があげられます。

一方で、介助は日常生活の食事・排泄・入浴・更衣・移乗・歩行などの短い期間のサポートや手助けを行います。

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介護にはどんな種類がある?


介護の種類はいくつかあり、以下のようなものがあげられます。
一つずつ具体的な例を交えつつ解説いたします。

身体介護

身体介護とは、要介護者の身体に直接触れてサポートをする方法です。
身体介護の具体的な例は以下の通りです。

  • 食べ物を口に運ぶ食事のケア
  • おむつ交換やトイレの介助など排泄のケア
  • 浴槽に入れたり身体の水分を拭いたり入浴のケア
  • 衣服の着替えなど更衣のケア
  • 立ち上がりや起き上がりなど移乗のケア
  • 見守りや寄り添いなど歩行のケア

生活援助

生活援助とは、要介護者の日常生活のサポートをする方法です。
生活援助の具体的な例は以下の通りです。

  • 買い出しや料理など炊事を行う
  • 掃除機掛けやゴミ出しなど掃除を行う
  • 衣類を干す・アイロンがけ・たたむなど洗濯を行う
  • 薬の受け取り・ベッドメイク・衣類と被服の整理補修を行う

精神的援助

精神的援助とは、要介護者の抱える悩みやストレスケアなどのサポートをする方法です。
精神的援助の具体的な例は以下の通りです。

  • 要介護者とあいさつや声掛けなどコミュニケーションを取り孤独を感じさせない
  • 状況に応じて自信をつけてもらうため任せたり手助けしたり緩急をつける
  • 要介護者が安心して最期を迎えられるように、幸せな時間を過ごしてもらう

社会的支援

社会的支援とは、要介護者の抱える悩みやストレスケアなどのサポートをする方法です。
要介護者に自分らしい暮らしを人生最期まで続けることができるよう、厚生労働省は地域包括ケアシステムを提唱しています。

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介助にはどんな種類がある?

介助の種類はいくつかあり、以下の通りあげられます。
一つずつ具体的な例を交えつつ解説します。

食事介助

食事介助とは食事がうまくできない方のサポートです。
食事介助の具体的な例はいくつかあり、以下の通りあげられます。

  • 食事前にうがいをし、口腔内の雑菌を洗い流す
  • 食事前に口腔・嚥下体操を行い、唾液の分泌を促す
  • 食事前にトイレやおむつ交換により、排泄を済ませる
  • 食事前に手洗い・介助用エプロンの着用・机を清潔にするなど、食欲促進の場所を作る
  • 食事中は要介助者の横に座り、同じ目線でサポートする
  • 食事後は要介助者の身体状態にあわせて、横にならないように注意する

更衣介助

更衣介助とは、着替えがうまくできない方をサポートする方法です。
更衣介助の具体的な例は以下の通りです。

  • 更衣中は室内をおよそ22~25度の適温に保つ
  • 更衣前は着替えやすい衣服を選んでもらう
  • 転倒防止のため椅子に座った状態で行う
  • 更衣中はできるだけ自分で着替えてもらい、困難な手順をサポートする

排泄介助

排泄介助とは、排泄がうまくできない方のサポートす。
排泄介助の具体的な例は以下の通りです。

  • 排泄前は要介助者の排泄ペースに合わせて声を掛ける
  • 要介助者のソワソワした様子などを読み取り声を掛ける
  • 排尿・排便の有無だけでなく、においや下着の汚れを確認する
  • 衣類や下着が汚れた場合は、すみやかに更衣介助を行う

排泄介助についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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入浴介助

入浴介助とは、入浴がうまくできない方のサポートです。
入浴介助の具体的な例は以下の通りです。

  • 入浴前にお湯の温度を確認する
  • 入浴前は足元から全身に徐々にお湯をかける
  • 浴槽に入る時や出る時は同じ高さの台や手すりに腰を掛け、ゆっくりと移乗介助を行う
  • 入浴後は椅子に座ってもらい、湯冷めしないようにバスタオルですみやかに、全身の水分をふき取る
  • 入浴後に身体を拭き終えたら、更衣介助を行う

入浴介助についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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移乗介助

移乗介助とは、起き上がる・座る・体位変換など移動がうまくできない方をサポートする方法です。
移乗介助の具体的な例は以下の通りです。

  • 要介助者とコミュニケーションを取りながら、ベッドから車いすへの移乗をサポートする
  • てこの原理(腰が支点・身体が力点・足が作用点)と遠心力で起き上がらせ、ベッドの高さを調節する
  • 起き上がり手順は要介助者を横向きのくの字にして、二の腕で頭を、手で背中を支えながら起こす
  • 立ち上がり手順は要介助者の手をお腹のあたりで交差させ、腕の輪になった部分から介助者の手を差し込み、手を掴んだ状態で勢いをつけて起こす

歩行介助

歩行介助とは、歩く動作がうまくできない方をサポートする方法です。
歩行介助の具体的な例は以下の通りです。

  • 要介助者の状態により、杖の反対側か麻痺している側の斜め後ろから見守り歩行をする
  • 相手の利き手と反対側に立ち寄り添い歩行をする
  • 足元が悪い場合は、要介助者の前に立ち両手を取って手引き歩行をする
  • 階段での歩行は昇る時に要介助者の斜め後ろ、降りるときに要介助者の斜め前の位置でサポートする

介護の仕事と介助の仕事にも違いが?


介護と介助の違いがあるように、それぞれの職業である介護士と介助士にも違いがあります。
こちらでは介護士と介助士の仕事内容の違いや、各仕事のさまざまな資格について解説いたします。

介護士とは?

介護士とは、介護の職業に関わる仕事に就いている方を意味します。
仕事内容は、身体介護・生活援助・精神的援助・社会的支援など、さまざまな業務があげられます。

要介護者と密接な関わりから、身の回りの環境のサポートを提供しています。

介助士とは?

介助士とは、介護の特に要介護者と接する場面など介助の職業に関わる仕事に就いている方を意味します。
仕事内容は、食事介助・排泄介助・入浴介助・更衣介助・移乗介助・歩行介助など、さまざまな業務があげられます。

要介護者と密接に関わるサポートを提供しています。

介護士の資格

介護士の資格はいくつかあります。
一つずつ項目を解説します。

介護福祉士

介護福祉士とは、社会福祉専門職の介護に関係する国家資格です。
介護系資格の中で唯一の国家資格になります。

ケアワーカーとも呼ばれ、要介護者のサポートはもちろん介護現場で働くヘルパーのアドバイスも行います。

介護福祉士についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは、介護職に携わる方が最初に取得する資格です。

介護資格の難易度は資格によってさまざまですが、介護職員初任者研修が最も取りやすい資格となっています。
在宅・施設などを問わず介護職業務の基礎知識・技術習得をする研修となります。

介護職員初任者研修についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修とは、介護職に携わる方が現場で役立つ実践的なスキルを学ぶ資格です。
介護の中で上級資格である介護福祉士を目標にする場合に、すべての受講者が研修を行います。

介護福祉士実務者研修についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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介護支援専門員

介護支援専門員とは、介護保険法などに規定された専門職でケアマネジメントを実施することが可能な資格です。
ケアマネジャーとも呼ばれ、居宅介護支援事業者や介護保険施設に必ず置かなければならない職種です。

介護支援専門員についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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介護事務

介護事務とは、介護保険やそれに准ずる事務業務をこなすための資格です。
介護サービスを提供する事業所で受付や介護報酬請求業務なども担当します。

介護事務についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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介助士の資格

介助士の資格はいくつかあり、以下の通りあげられます。
一つずつ項目を解説いたします。

サービス介助士

サービス介助士とは、要介助者に対しておもてなしの心と安全な介助技術を習得する資格です。
身体の不自由な方や高齢者が、生きがいを感じられる生活を送るためのサポートをします。

准サービス介助士

准サービス介助士とは、介護の知識を学び深めたいと考えている方が手軽に挑戦できる資格です。

実技教習がなく、ご自宅で受験することができます。
仕事や社会貢献活動に役立てることができ、サービス介助士へのステップアップも可能です。

防災介助士

防災介助士とは、要介助者への災害時の対応に配慮した知識・技術を習得できる資格です。
災害基本法にある要配慮者・避難行動要支援者などの対応に焦点を当てています。

認知症介助士

認知症介助士とは、認知症要介助者への正しい対応の知識や技術を身につけられる資格です。
認知症要介助者と寄り添いコミュニケーションを行い、安心して社会参加できるようにサポートすることが可能です。

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過剰な介助が介護の原因に?


過剰な介助が介護の原因になってしまう恐れがあります。


なぜ行き過ぎた介助が介護の原因につながってしまうのでしょうか?
それは、高齢者や身体の不自由な要介助者の残っている機能の維持や、向上の可能性を奪ってしまうからです。

例えばある動作を安全に行うために力が「100」必要になる場合、要介助者の力が「60」で、介助者の支援が「60」だと合わせた力は「120」となり過剰な介助といえます。
この場合、要介助者の力が「60」だせたのに、力が「40」までしか出せなくなります。

こうした過剰な介助を行ってしまうと要介助者の身体機能や活動能力を低下させてしまう可能性があります。

過剰な介助にならないためにもできるだけ要介助者ができることはやってもらう、引き算の介護(要介助者の放置)が良いとされています。
介助される方の主体性を尊重し、困難なことだけの介助を行います。

具体的な引き算の介護はいくつかあり、以下の通りあげられます。

  • 良かれと思ってなんでも手伝うのではなく、見守る
  • 要介助者のためにあえてサポートをしない
  • いつもやっているけれど、できることは任せてみる
  • やれないことだけ、手助けをする

助け過ぎず、助けなさすぎずという、介護において中庸な考え方で接しお互いにありがとうといえる関係を構築していきましょう。

薬の使い方

介護と介助の違いのまとめ

まとめ
こちらの記事では、介護と介助の違いについて解説しました。
要点は以下の通りです。

  • 介護と介助は、サポート内容や時間に関する違いがある
  • 介護の種類には、身体的介護・生活援助・精神的援助・社会的支援などがある
  • 介助の種類には、食事介助・排泄介助・入浴介助・更衣介助・移乗介助・歩行介助などがある
  • 過剰な介助をすると要介助者の身体機能や活動能力を低下させ、介護の原因に繋がる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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