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健達ねっと>介護お役立ち記事>介護資格>介護の資格である実務者研修は取得するべき?メリットなど解説!

介護の資格である実務者研修は取得するべき?メリットなど解説!

介護の仕事をしていると、上司や先輩方から実務者研修を取得するように助言されることがあると思います。
実務者研修を取得すべきかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

今回は、実務者研修の学習内容や他の資格との関係性について説明しながら、以下の点を中心にご紹介していきます。

  • 実務者研修を取得するメリット
  • 実務者研修と初任者研修の違い
  • 実務者研修を取得する方法

この記事を読んでいただければ、実務者研修の取得には大きなメリットがあるということを理解していただけるかと思います。
ぜひ、最後までお読みください。

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実務者研修とは

※画像はイメージです


実務者研修とは、介護職としての知識や技術を証明する資格の一つです。
介護職に関する資格としては他に介護職員初任者研修がありますが、初任者研修よりも上の資格です。

各種介護系資格の関係性

各種介護資格の関係性は以下の通りです。

介護職員初任者研修 < 旧ホームヘルパー1級 < 実務者研修 < 介護福祉士
※旧ホームヘルパー2級は介護職員初任者研修と同等

実務者研修は、初任者研修の上位資格であり、介護福祉士の受験要件となっています。
実務者研修を受けるための条件は特にありません。

指定の講座を修了すれば、自動的に実務者研修の資格を取得したことになります。
無資格未経験でも実務者研修の講座を受けることができますが、すでに他の介護系資格を保有している場合は受講期間や受講料の一部が免除になる点も特徴です。

保有資格ごとの受講料相場や取得にかかる期間は以下の通りです。

保有資格ごとの受講期間や受講費用相場

項目/保有資格受講料相場受講期間
無資格者15~20万円6ヶ月
介護職員初任者研修10~15万円3~4ヶ月
ホームヘルパー1級8~13万円2~3ヶ月
介護職員基礎研修3~5万円1~2ヶ月

※ただし、詳細は各講座により異なります。

介護職として働いている方が介護福祉士になるためには、実務者研修の資格が必要になります。
キャリアアップを目指しているのであれば、実務者研修は必ず必要な資格と言っても過言ではありません。

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実務者研修を取得するメリット

※画像はイメージです


実務者研修は確かに高額で取得にも時間がかかりますが、様々なメリットがあります。
ここからは、実務者研修を取得すると具体的にどのようなメリットがあるのかをご紹介していきます。

介護の知識・技術を身につけられる

実務者研修を取得するメリットの1つ目は、介護の知識や技術を身につけられるという点です。
介護職員初任者研修で学ぶような基礎的な内容から、より専門的で介護福祉士に求められるような深い知識まで、幅広い範囲を学習します。

例えば身体介護に関する技術や知識だけでなく、認知症患者の特徴や対応方法、要介護状態となる病気の特性など介護を必要とする方の支援に直結する勉強を行います。
また、直接支援に関わること以外にも介護保険制度の仕組みやその他社会保障制度についても学びます。

内容は初任者研修と比べると難しいものもありますが、基本から学ぶので無資格・未経験でも安心して受講できます。

最終的には介護福祉士の受験に必要な技術や知識を身に付けることができるので、自らのスキルアップのためにも非常におすすめできる資格です。

サービス提供責任者になれる

実務者研修を取得するメリットの2つ目は、取得することでサービス提供責任者になれるという点です。

サービス提供責任者は訪問介護事業所において中心的な役割を担う職種で、登録利用者40人に対し1人の割合で配置が義務付けられています。
具体的な仕事内容は、訪問介護サービスの提供に必要な支援計画書の作成や所属するヘルパーのスケジュール管理、利用者・家族や担当ケアマネジャーとの連絡調整などです。

介護業界は全国的に人材不足が叫ばれていますが、特に訪問介護事業所は人員が不足していることが知られています。
必然的にサービス提供責任者になれる人材も不足しているため、実務者研修以上の資格を保有している人が求められているのです。

サービス提供責任者は通常のヘルパーよりも好待遇で働くことができ、チームの中心的存在として活躍できるので働きがいもあります。

実務者研修の資格があれば未経験でもサービス提供責任者になれる可能性があるので、上を目指して頑張りたいと考えているのであれば積極的に挑戦していくと良いでしょう。

たん吸引や経管栄養の知識を得られる

実務者研修を取得するメリットの3つ目は、たん吸引や経管栄養の知識を得られるという点です。
実務者研修では、たん吸引や経管栄養に関する学習や演習も行います。

たん吸引とは、病気や障害などの影響で喉に溜まったたんを自分で出せなくなってしまった方に対して吸引器で吸い出す医療処置です。
経管栄養とは、嚙んだり飲み込んだりする能力が低下したことで口から食事が摂れなくなった方に対して、管を使って直接栄養を流し込んで摂取していただく医療処置です。

どちらの処置も通常介護職が実施することは認められていません。
実務者研修を取得した方が、特定の条件を満たすことによって実施できるようになります。

普通の介護職が行うことができない医療行為に関する知識を得ることができるので、介護の仕事において大きなアドバンテージとなります。

給与面が優遇される

実務者研修を取得するメリットの5つめは、給与面が優遇されるということです。
介護職には色々な資格があり、資格の有無や保有数により給与に差が出てきます。

無資格の場合との比較を表にまとめてみます。

平均給与額
無資格271,260円
実務者研修 あり307,330円

上記の通り、実務者研修の資格のみでも約3万円ほどの差がありました。
他資格ありの場合も比較してみましょう。

平均給与額
無資格271,260円
介護職員初任者研修300,510円
実務者研修307,330円
介護支援専門員362,290円
介護福祉士328,720円

このように、資格ありの方が約3〜5万円ほど給与が優遇されていて、複数の資格を保有していればその分、給与に加算されていきます。

各資格で受講料や受験料はかかりますが、給与の差を考えると取れるならばとるべきでしょう。

実務者研修取得後は介護福祉士を取得することで、更に年収アップが期待できます。
確かに受講料は高いですが、実務者研修は確実に受講する価値のある資格です。

介護職として頑張っていきたいと考えているのであれば、ぜひ取得を検討してください。

出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

実務者研修と初任者研修の違い

疑問

※画像はイメージです


次にお伝えしたいことは、実務者研修と初任者研修の違いです。
実務者研修は初任者研修より上位の資格であるとお伝えしましたが、実はどちらの資格も無資格・未経験で取得することができます。

それでは、2つの研修にはどのような違いがあるのでしょうか?

受講科目と受講時間

実務者研修と初任者研修の1つ目の違いは、受講科目と受講時間です。
実務者研修・初任者研修の受講科目や受講時間については、どちらも厚生労働省が定めています。

実務者研修は 20科目・計450時間であるのに対し、初任者研修は10科目・計130時間という違いがあります。

受講科目・受講時間共に実務者研修の方が倍以上多くなっていることから、実務者研修は初任者研修よりもずっと内容の濃い学習ができることになります。

実務者研修のみ介護福祉士の受験資格になる

実務者研修と初任者研修の2つ目の違いは、実務者研修のみ介護福祉士の受験資格になるという点です。
実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験する場合、必要な受験資格は以下の2つです。

  • 介護の業務に就いた期間が、3年(1095日)以上かつ従事日数540日以上
  • 実務者研修(介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修でも可)を修了していること

いくら初任者研修の資格で10年以上勤務していたとしても、実務者研修を修了していない限りは介護福祉士を受験することができません。
なお、ホームヘルパーを除いた介護職は無資格でも仕事ができます。

つまり介護福祉士を取得するためには初任者研修は不要だが、実務者研修は必須となっているのです。

初任者研修には修了試験がある

実務者研修と初任者研修の3つ目の違いは、初任者研修には必ず修了試験があるが、実務者研修の場合は修了試験がないという点です。
実務者研修は、規定の学習時間の到達と総合的な学習評価、医療的ケア演習の合格を以て修了となります。

中には総合的な習熟度を判断するために自主的にテストを実施している実務者研修講座もありますが、国が定める規定ではテストの必要性は明記されていません。
一方で初任者研修は、学習の習熟度を確認する方法として修了試験を実施しなければならないと規定されています。

難しい内容の問題が出るわけではないのですが、修了試験があるというだけで身構えてしまうのも事実です。
修了試験がないという点では、実務者研修は落第の心配がないので安心して受講できると言えるでしょう。

実務者研修(介護福祉士実務者研修)を取得するには

※画像はイメージです


実務者研修を取得するためには、介護福祉士実務者研修の講座を受講して修了する必要があります。
介護福祉士実務者研修には、2種類の講座があります。

それぞれの講座の概要などをご紹介します。

スクールに通学する

介護福祉士実務者研修講座の1つ目は、スクールに通学する方法です。
文字通り全ての科目を指定された教室に通って学習する方法で、俗に通学講座と呼ばれています。

通信教育での自宅学習だと気が散って集中できないと考えている人や、まとまった時間が取れる人におすすめの講座です。
他の受講生と顔を合わせて学ぶので、励まし合いながらできることも特徴です。

ただし、元々開講している講座が少ないため実際の選択肢としては限られている点がデメリットです。

通信教育にスクーリングを組み合わせる

介護福祉士実務者研修講座の2つ目は、通信教育にスクーリングを組み合わせる方法です。
俗に通信講座と呼ばれ、現在全国で実施されている介護福祉士実務者研修講座の殆どはこの通信講座です。

受講科目のうち「介護過程Ⅲ」と「医療的ケア」は指定された日時に指定された教室に通って直接授業を受けます。
介護過程Ⅲと医療的ケア以外の科目はテキストや課題を自宅で行い、郵送やインターネットなどを利用して添削してもらいながら学びます。

全450時間中の355時間分は自宅での学習になるので、自分の空いた時間に自分のペースで進められることが最大のメリットです。
好きな時間に勉強できるので、働きながら実務者研修を取得したい人に向いています。

このように、実務者研修には通学講座と通信講座の2種類があります。
実務者研修を受講する際は、自身の生活スタイルにあった方を選びましょう。

全国的には、通学講座が主流であり、地域によっては選択肢が限られる場合もあるので注意が必要です。

実務者研修にかかる費用は?

※画像はイメージです

実務者研修を取得すると介護福祉士の受験をすることができるため、仕事の幅が広がります。

キャリアアップや給料アップを目指されている方は、とてもおすすめです。
実務者研修に関する費用について紹介します。

保有資格によって受講料は違う

実務者研修の受講料は、通常4万〜20万円以上の費用がかかります。
実務者研修は保有している介護業界の資格によって、受講料が変わってきます。

無資格の場合は14〜22万円の受講費用が必要です。
介護職員基礎研修を修了している場合は、3〜5万円で受講することが可能になります。

受講料は地域やスクールによってばらつきがあるため、料金を比較しましょう。
割引キャンペーンや特典で料金が安くなるので確認してみましょう。

費用がスクールによって違う理由

実務者研修は、通学・通信スクールによって費用が異なります。
費用がスクールによって違う理由を下記で説明していきます。

スクールがある立地

主要都市周辺の駅に近いスクールの場合は、費用が高くなる可能性があります。
駅近くの場合は、アクセスしやすい理由から運営費用が高く設定されている可能性が高いです。

運営費用が高くなると、受講料へも影響する場合があります。
都心部から離れた場所になると、スクール費用が安く済みます。

教材の違いや通学・通信の違い

教材費は各スクールで使用されている本が違うため、料金が前後する場合があります。
受講方法については、通学する方が費用が高くなる場合があります。
通学と通信を組み合わせて受講する場合は、費用が嵩むため注意が必要です

カリキュラムの日程に融通が効く

受講料金が高額になると、カリキュラムの日程に融通が効きやすくなります。
仕事終わりに通えるので、とても便利です。

サポート体制が充実している

スクールによっては、実務者研修を取得後に転職活動や模擬面接を行ってくれます。

専門のアドバイザーが常駐しているため、転職活動や模擬面接をサポートしてくれます。
サポート費用がかかるため、スクール費用が高くなる場合があります。

キャンペーンや割引制度がある

時期によっては、キャンペーンや割引を行っているケースがあります。
また、友人からの紹介や学割で、通常料金よりもスクール費用を抑えられます。

スクール運営が本命でない

スクールを運営する会社が介護事業所や派遣会社の場合は、スクール運営が本命でない場合があります。

資格取得後に運営する介護事業所への就職や派遣会社への登録を行えるからです。
そのため、通常のスクール費用よりも安く済むことがあります。

受講料によって学習内容が違うことはない

受講料がスクールによって違うため、学習内容へ不安を抱く方がいらっしゃると思います。
受講料が安くても、学習内容に違いはありません。

理由は、厚生労働省が決めたカリキュラムに沿って実務者研修が行われるためです。
厚生労働省の厳しい基準もあるため、研修内容に大きな違いや途中省略するなどの行為はないので安心して受講出来ます。

できるだけ費用を抑えて受講された方は、スクールを比較することをおすすめします。

実務者研修の費用を抑えるためには

実務者研修の費用を抑えて、受講されたい方は補助金や助成金の利用をおすすめします。
補助金や助成金に関して、下記に説明していくので参考にしてください。

一般教育訓練給付金制度

一般教育訓練給付金制度は、再就職の必要な資格を国が補助するために作られた制度です。
ハローワークで実施されており、上限10万円まで支給してくれます。
4千円以下になると支給されないため、注意が必要です。

職業訓練制度

職業訓練制度は、再就職に必要なスキルや知識を無料で習得できる制度です。
一般教育給付金制度に比べて選べる資格量が少ないですが、失業保険をもらいながら無料で職業訓練が行えます。

市区町村など自治体の支援制度

ハローワーク以外に、各市区町村や自治体が支援制度を行っている場所があります。
自治体で補助金や助成金を実施しているため、市役所やハローワークで確認してみましょう。

実務者研修は独学で取得できる?

※画像はイメージです


結論から申し上げると、実務者研修を独学で取得することはできません。
なぜなら実務者研修は介護福祉士のように「資格試験に合格すれば得られる資格」ではなく、「都道府県から指定を受けた講座を修了することで得られる資格」だからです。

しかし実務者研修受講における費用面を考えて、独学で学びたいと考えている方もいると思います。
実は、実務者研修受講に必要な費用について助成を受けたり、受講料実質無料で受講できたりと費用を抑えるために利用できる制度はあります。

主な制度を以下にまとめました。

【実務者研修受講に利用できる各種制度】

・資格取得支援制度
※勤務先の施設により実施していない場合もある
在籍する従業者が資格取得を希望する場合、資格取得に必要な費用を助成する。
費用の一部又は全学を職場が負担。

・科目免除
実務者研修受講時に所定の資格を持っていると一部科目の履修が免除になる。

・各種割引
※受講するスクールによって実施内容が異なる。
スクールが独自に指定する条件を満たしている受講生に対し、受講料を割り引く(学生割引・団体割引など)。

・教育訓練給付金
ハローワークが指定する講座を受講後に申請することで受講料の一部がキャッシュバックされる。

・介護福祉士実務者研修受講資金貸付
修了後に一定期間介護施設に従事するなどの特定の条件を満たすと返済が免除される。

・介護人材再就職準備金貸付
1年以上の実務経験があって現在離職中の人に再就職のための資金を貸し付け、特定の条件を満たすと返済が免除される。

・介護職就職支援金貸付
福祉業界未経験の人が転職するための準備資金を貸し付け、特定の条件を満たすと返済が免除される。

・ハロートレーニング
ハローワークに登録した特定の条件を満たす求職者に対し、受講料無料で資格取得講座を受講させたり、職業訓練に必要な資金を給付したりする。

・就職支援制度
※名称は各スクールにより異なる
実務者研修を実施するスクールが指定する介護施設に就職することを条件に、受講料を無料にしたり全額キャッシュバックしたりする。

実務者研修の難易度は?

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結論から伝えると、実務者研修は難しくありません。
難しくないと言い切れるのには理由があり、介護福祉士実務者研修には修了時のテストがないのです。

一般的な資格の取得には、通学やカリキュラムをこなし、資格の取得試験に臨みます。

しかし、実務者研修はこの認定試験の実施がスクールによってことなる為、ないところも多いのです。
つまり、指定のカリキュラムを修了することが合格基準なので、実務者研修はほぼ100%の確率で取得できます。

それでも、実務者研修に落ちてしまう人もいます。
落ちてしまう理由を調べてみると、大きく4つの理由がありました。

  • 勉強をしていなかった
  • 課題を提出していなかった
  • 研修やスクーリングの単位を落としている
  • 途中でやめてしまった

以上の理由が多く見られたのですが、逆に考えるとやはりしっかりとカリキュラムを受けていれば取れる資格ということがわかります。

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介護と実務者研修についてのまとめ

※画像はイメージです


ここまで、実務者研修の概要や取得方法についてご紹介してきました。

  • 実務者研修を取得するメリットは、介護の知識や技術を身に付けられること・サービス提供責任者になれること・たん吸引や経管栄養の知識を得られること・給与面が優遇されること
  • 実務者研修と初任者研修の違いは、実務者研修の方が受講内容が充実していること・介護福祉士の受験資格になるのは実務者研修のみであること・実務者研修には修了試験がないこと
  • 実務者研修を取得するには、スクールに通学する方法と通信講座を受講する方法の2種類がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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