血圧は私たちの健康状態を示す重要な指標の一つですが、その中でも「下の血圧」、つまり拡張期血圧が低いという状態は、多くの人々が経験することがあります。
あなた自身も、医療機関で血圧を測定した際に、「下が少し低いね」と言われた経験はないでしょうか?
しかし、「下の血圧が低い」とは具体的にどのような状態を指し、それが私たちの健康にどのような影響を及ぼすのか、はっきりと理解している人は少ないのではないでしょうか?
この記事では、「下の血圧が低い」状態について、以下の項目を中心に解説します。
- 低血圧の基本的な定義
- 低血圧の原因と改善方法
- 動脈硬化と低血圧の関連性
最後までお読みいただくことで、自身の健康管理に役立つ情報を得ることができます。
ぜひ最後までお付き合いください。
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低血圧とは?
低血圧は一般的に健康に有益とされていますが、それが体にどのような影響を及ぼすかを理解することも重要です。
以下では、低血圧の基本的な定義、それが示す可能性のある健康問題について説明します。
低血圧の基本的な定義
低血圧は、収縮期血圧(心臓が血液を体全体に送り出すときの血圧)が100mmHg未満、または拡張期血圧(心臓が血液を受け取るときの血圧)が60mmHg未満の状態を指します。
ただし、これらの数値は目安であり、個々の健康状態や生活習慣により異なることがあります。
低血圧が示す可能性のある健康問題
低血圧は、全身に十分な血液が供給されないことで、細胞が十分な酸素や栄養を受け取れず、老廃物が十分に取り除かれなくなる可能性があります。
これにより、
- めまい
- 頭痛
- 肩こり
- 耳鳴り
- 不眠
- 胃もたれ
- 吐き気
- 発汗
- 動悸
- 不整脈
などが現れることがあります。
これらの症状は個々に異なり、同時に現れる場合もあれば、特定の症状だけが現れる場合もあります。
また、重度の低血圧は、失神発作や一過性脳虚血発作を引き起こす可能性があります。
低血圧の症状について、以下の記事で詳しく解説しています。
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60台の血圧が示す可能性のある健康問題
拡張期血圧が60台という数値は、一見すると低血圧の範囲に思えますが、実際にはその数値が示す健康問題は多岐にわたります。
以下では、拡張期血圧が60台の血圧の正常値と、それが示す可能性のある健康リスクについて詳しく説明します。
拡張期血圧が60台の血圧の正常値とは何か
拡張期血圧とは、心臓が収縮して血液を送り出した後、再び血液を送ろうとして心臓が拡張した際に血管壁にかかる圧力を指します。
この数値が低いと、血液が体全体に十分に送られない可能性があります。
一般的に、拡張期血圧の正常値は80mmHg未満とされています。
しかし、これはあくまで一般的な目安であり、個々の健康状態や生活習慣により異なることがあります。
拡張期血圧が60台の血圧の健康リスク
拡張期血圧が低いと、全身に十分な血液が供給されないことで、細胞が十分な酸素や栄養を受け取れず、老廃物が十分に取り除かれなくなる可能性があります。
また、重度の低血圧は、失神発作や一過性脳虚血発作を引き起こす可能性があります。
したがって、拡張期血圧が60台の場合、これらの健康リスクに注意が必要です。
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低血圧の原因とその対策
低血圧は、一般的には健康な状態とされますが、適切な血圧が維持されないと、全身の細胞に十分な酸素や栄養素を供給することが困難になり、めまいや頭痛などの症状を引き起こす可能性があります。
以下では、低血圧を引き起こす主な原因、改善方法、そして症状が現れたときの適切な対応方法について詳しく説明します。
低血圧を引き起こす主な原因
低血圧は、体質や遺伝的な要因、神経やホルモンの異常などが絡み合って引き起こされることが多いです。
特に、若い女性ややせ型の人に多く見られ、これらの人々は血管の収縮力が弱く、血液の循環が悪くなりやすい傾向にあります。
また、病気や薬が原因で引き起こされる低血圧もあります。
例えば、心臓や腎臓の病気、抗うつ剤の副作用、外傷による多量出血などが血圧の低下を引き起こす原因となり得ます。
低血圧の改善方法とその効果
低血圧の改善には、食事や生活習慣の見直しが有効とされています。
特に、タンパク質(肉類、魚類、納豆などの大豆食品)をしっかり摂取すること、さらに、不足しがちなミネラルを補うために、野菜や海草類を積極的に摂ることが大切です。
また、適度な運動を行うことで、血液の循環を改善し、血圧を上昇させることが可能です。
特に、ふくらはぎの筋肉を動かすことで、血液の循環が良くなります。
低血圧の症状と適切な対応方法
低血圧の症状は、全身のだるさ(倦怠感)、めまい、頭痛、肩こり、耳鳴り、不眠、胃もたれ、吐き気、発汗、動悸、不整脈などがあります。
これらの症状が現れたとき、まずは自分の血圧をチェックし、必要であれば医療機関に相談することが重要です。
また、規則正しい生活を心がけ、バランスのとれた食事を摂ることも大切です。
これらの対策により、低血圧による症状の改善や、健康状態の維持が期待できます。
低血圧の原因・改善方法について、以下の記事でそれぞれ詳しく解説しています。
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動脈硬化と低血圧の関連性
動脈硬化は、血管の壁が硬くなり、血流が阻害される病態を指します。
一方、低血圧は、血圧が通常よりも低い状態を示します。
これら二つの状態は一見無関係に見えますが、実は密接な関連性があります。
動脈硬化の危険因子とは何か
動脈硬化の危険因子には、
- 肥満
- 脂質代謝異常(脂質異常症)
- 高血圧
- 高血糖(糖尿病)
- 喫煙
などがあります。
これらの因子は、血管の内側にある内皮細胞を傷つけ、コレステロールが血管内に入りやすい環境を作り出します。
これにより、血管の壁にコレステロールが堆積し、動脈硬化が進行します。
高血圧と動脈硬化の関連性
高血圧は、血管に大きな負担をかけ、動脈硬化を進行させます。
血圧が高い状態が続くと、血管の内側が傷つき、コレステロールが血管内に入りやすくなります。
これにより、血管の壁が厚く硬くなり、動脈硬化が進行します。
低血圧と動脈硬化の関連性
一方、低血圧が動脈硬化にどのように関連するかは、まだ完全には解明されていません。
しかし、一部の研究では、低血圧が血流を減少させ、結果として血管の酸素供給が不足し、動脈硬化が進行する可能性が示唆されています。
これは、血流が減少すると、血管の内側の細胞が酸素不足になり、これが動脈硬化を引き起こすと考えられています。
上下の血圧の差や平均血圧
血圧を測った時に、上の血圧(収縮期血圧)に特に注目する方が多いかもしれません。
しかし、上下の血圧の差や平均血圧を知ることで、動脈硬化の進行を知ることができる場合があります。
上下の血圧の差
「上の血圧−下の血圧=脈圧」という計算式があります。
脈圧は30〜50mmHgの範囲が望ましいですが、60mmHgを超えると太い血管の動脈硬化が進行している可能性があります。
平均血圧
平均血圧は、「脈圧÷3+下の血圧=平均血圧」で計算することができます。
望ましい平均血圧は100mmHg未満で、100mmHg以上だと細い血管の動脈硬化が進行している可能性が大きいです。
特に120mmHg以上の場合は注意してください。
血圧を測った腕の左右差
一般的には、血圧は右腕の方が高いとされており、左右差が10mmHg以下であれば問題ありません。
しかし、常に左右差が15mmHg以上ある場合、低い方のどこかの血管が動脈硬化になっている可能性があります。
これらを見逃さないためにも、血圧の測定を習慣化することをおすすめします。
(出典:磐田市立総合病院「血圧でわかる!あなたの動脈硬化」)
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下の血圧が低いことについてのまとめ
ここまで下の血圧が低いことについてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- 個々の健康状態や生活習慣によるが、一般的に低気圧とは、上の血圧(収縮期血圧)が100mmHg未満、または下の血圧(拡張期血圧)が60mmHg未満の状態を指す
- 低血圧は体質や遺伝的な要因、神経やホルモンの異常などが絡み合って引き起こされることが多く、改善には食事や生活習慣の見直し、適度な運動が有効とされる
- 動脈硬化と低血圧の関連性は完全には解明されていないが、一部の研究では、低血圧が血流を減少させ、結果として血管の酸素供給が不足し、動脈硬化が進行する可能性が示唆されている
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。