「介護食はどこに行ったら販売されているのだろうか」
「ドラッグストアで販売されているレトルト介護食にはどのようなものがあるのだろうか」
日々の介護食作りにお困りの方や、近くのドラッグストアなどで販売されているレトルトタイプの介護食について知りたいと思われている方の中には、このようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
現在、スーパーやドラッグストアなど、さまざまな場所でレトルトタイプの介護食が売られており、購入することで介護食を手作りする負担を大きく減らすことが可能です。
本記事では、お近くのドラッグストアなどで購入できるレトルト介護食について、以下の点を中心に詳しく解説していきます。
- ドラッグストアなどで買えるレトルト介護食を選ぶ際のポイント
- レトルト介護食の種類
- 各メーカーから発売されてるレトルト介護食
介護食作りの負担を減らしたい方や、レトルト介護食について理解を深めたい方は、ご参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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介護食とは
まず、介護食の概要についてご紹介します。
介護食とは、ものをかみ砕く力や飲み込む力が弱い高齢者や障がい者の方向けに、さまざまな工夫が凝らされた食事です。
例えば、通常の食事よりも食材をやわらかく煮込んだり、飲み込みやすいようにとろみをつけたりと食事をする方の状態に合わせた工夫がみられるのが特徴です。
ドラッグストアなどで販売されている介護食についても、咀嚼力や飲み込む力に合わせた商品が販売されています。
レトルト介護食を購入する際は、食事をされる方の状態をしっかりと見極めたうえで商品を選ぶように心がけるようにしましょう。
介護時の食事用エプロンに興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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ドラッグストアで買えるとろみ剤とは
次に、ドラッグストアで購入できるとろみ剤についてご紹介します。
とろみ剤は、食べるものに対してとろみをつけるためのもので、食べ物を飲み込む嚥下力が弱くなっている方が安心して食事ができるようにするためのものです。
とろみ剤は、ドラッグストアやスーパーなどで販売されており、適切に使用することで主に以下のようなメリットがあります。
- 食べ物や飲み物をゆっくり喉から食道まで届けられる
- 食べ物をまとまりやすくし、飲み込みやすくする
- 食事が誤って気管に入る誤嚥を防止できる
- 食べ物が長く舌の上にとどまるため味を通常よりも濃く感じられる
一方で、とろみ剤を使用する際は以下の点に注意する必要があります。
- 食事をされる方の嚥下力に合わせてとろみの濃さを調節する
- とろみをつけると水分摂取がおろそかになるため、脱水症状に注意する
- とろみ剤を加えた後、ダマにならないようによくかき混ぜる
とろみ剤については、食事をされる方の状態に合わせて使用する量などを調節することが重要なため、使用する際は気を付けながら使用しましょう。
ドラッグストアで買えるレトルト介護食を選ぶ際のポイント
次に、ドラッグストアで販売されているレトルト介護食を選ぶ際のポイントとして、以下の3点をご紹介します。
- 咀嚼力と飲み込む力が適正
- 味の好み
- 簡単にアレンジができる
現在、さまざまな介護食が数多く販売されているため、以下のポイントを参考に購入してみましょう。
咀嚼力と飲み込む力が適正
ドラッグストアで買えるレトルト介護食を選ぶ際のポイント1つ目は「咀嚼力と飲み込む力が適正であるか」という点です。
介護食を食べる方の状態に対して、食材の固さや大きさが食事をする方にあっていない場合、誤嚥をおこしてしまう可能性があります。
そのため、食事をする方の咀嚼力や飲み込む力に合わせたレトルト食を購入するようにしましょう。
また、介護食を食べる方にあったレトルト食を選ぶ際は、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会の5段階分類やUDF(ユニバーサルデザインフード)の4段階区分を参考にするのがおすすめです。
味の好み
2つ目は「味の好み」です。
レトルト介護食を購入する際は、食べる方の味の好みや好きな食材などを事前に知っておくことが重要です。
味の好みなどが合わないと、食事をした際の満足度や食欲が落ちてしまう可能性があります。
現在、各メーカーからさまざまな調理法がされたレトルト食が販売されているため、味の好みなどを事前にヒアリングしたうえで、購入するようにしましょう。
簡単にアレンジができる
3つ目は「簡単にアレンジができるか」という点です。
レトルトタイプの介護食は、手軽に介護食を提供できる便利な点がある一方で、飽きやすいというデメリットもあります。
そのため、簡単にアレンジを加えられるレトルト介護食を選ぶことで、マンネリ化や飽きを防止することが可能です。
アレンジ例としては、以下のものが挙げられます。
参考にしながら少しずつアレンジを加えてみましょう。
- レトルト介護食に他の食材を追加する
- 醤油やみりんなどの調味料で味付けを変える
- ミキサーを使用し、スープ状にする
- やわらかく炊いたご飯の上にのせて丼ものにする
ドラッグストアで買えるレトルト介護食の種類
次に、ドラッグストアで購入できるレトルト食の種類について、以下の4つをご紹介します。
- 刻み食
- ソフト食
- 流動食
- ミキサー食
レトルト食には、以下のような種類があるため、どのタイプが食事をする方に合っているかを考えて購入するようにしましょう。
刻み食
ドラッグストアで買えるレトルト介護食の種類の1つ目は「刻み食」です。
刻み食は、食材が約5mmから1cmほどに細かく刻まれており、嚙まなくても飲み込めるように工夫がなされています。
刻み食の主なメリットは以下の通りです。
- 食材の形状や食感が通常食に近い
- 食欲がわきやすい
- 料理の見た目が通常食に近い
一方で、刻み食には以下のような注意点があります。
事前に確認をしておきましょう。
- 誤嚥の可能性が他の介護食に比べて高い
- 歯の間に食べ物が挟まりやすい
- 食後の口腔ケアを念入りにする必要がある
ソフト食
2つ目は「ソフト食」です。
ソフト食は、食材を舌や歯ぐきでつぶせるくらいまで柔らかくした介護食です。
通常、ソフト食を作る際は食材を長時間煮込まなければならず、調理時間がかかりますが、レトルト食品であればその時間を短縮できます。
ソフト食の主なメリットは以下の通りです。
- 噛む力が弱い方でも食べやすい
- 食事中にむせやすい方でも食べやすい
- 食材の形が残っており、見た目もよいため食欲がわきやすい
レトルトタイプのソフト食は、食事をされる方に合わせて、柔らかさを段階的に調節されているため、事前にどの程度の柔らかさがよいかを確認しておきましょう。
流動食
3つ目は「流動食」です。
流動食は、嚥下や咀嚼力が著しく低下した方に適した形態であり、介護食の中で最も食べやすいのが特徴です。
また、具がなく液状化の食事なため、手術後や高熱などで身体が弱っている方でも、食べやすいように工夫がされています。
流動食の主なメリットは以下の通りです。
- 液状なため飲み込みやすい
- 食材が液状なため、消化しやすい
- さまざまな食材を組み合わせられるため、栄養のバランスが取りやすい
レトルトタイプの流動食を選ぶ際は、食事をされる方の嚥下力の他、含まれている栄養素の割合などに注目するようにしましょう。
ミキサー食
4つ目は「ミキサー食」です。
ミキサー食も、流動食と同様に食材を液状にした介護食なため、嚥下力や飲み込む力が弱い方に適しています。
ミキサー食の主なメリットは以下の通りです。
- 噛む力が必要なく、手軽に栄養摂取しやすい
- 栄養の吸収が早く、消化に必要なエネルギーを少なくできる
- 誰でも口にしやすい
一方で、以下のようなデメリットも存在するため事前に確認しておきましょう。
- 見た目が液状なため、食欲がわきにくい
- 水分量が多いため、むせやすい
下記では、介護食のゼリーについても解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
介護食が販売されている場所
次に、介護食が販売されている場所についてご紹介します。
現在、レトルト性の介護食はさまざまな場所で売られており、商品のラインナップも豊富です。
以下が、介護食が販売されている主な場所になるため、購入者が買いやすい場所/手段で手に入れるようにしましょう。
- スーパーマーケットやドラッグストアなどの店舗
- ECサイトなどのインターネットの販売サイト
- 宅配弁当/食事サービス
介護食が買える主な販売店
次に、介護食が買える主な販売店についてご紹介します。
インターネット販売や宅配サービスもある中、身近にある各店舗でも介護食は販売されています。
店舗での購入メリットには、以下のようなものがあげられます。
- 必要な時に即座に購入できる
- 1個単位でさまざまな種類から選択ができる
そして、介護食の販売をおこなっている主なドラッグストアやスーパーには以下の店舗があげられます。
- スギ薬局
- マツモトキヨシ
- ウエルシア
- サンドラッグ
- コスモス
- クスリのアオキ
- イオン
特に、ドラッグストアには、常駐の薬剤師がいることが多いため、介護食のことで困ったことがあれば相談してから購入するのがおすすめです。
ドラッグストアのレトルト介護食の主な販売メーカー
最後に、ドラッグストアのレトルト介護食の主な販売メーカーについて、以下の4つをご紹介します。
- キューピー
- アサヒグループ食品
- マルハニチロ
- ハウス
その他のメーカーからも、多種多様なレトルト介護食が販売されているため、1度店舗に足を運んで比較検討してみましょう。
キューピー
ドラッグストアのレトルト介護食の主な販売メーカーの1つ目は「キューピー」です。
キューピーから販売されている「やさしい献立」シリーズは、高齢者向けのレトルト介護食を約60種類提供しています。
主食や主菜のみならず、副菜からデザートまでさまざまなラインナップがあるのが魅力の1つです。
加えて、食事区分も以下のように4段階設定されているため、食事をされる方に合わせることが可能です。
- 区分1:容易に噛める
- 区分2:歯茎でつぶせる
- 区分3:舌でつぶせる
- 区分4:かまなくてよい
また、キューピーの介護食の中では以下のものが人気を集めています。
- なめらか野菜シリーズ
- やわらかおじや
- 煮込みハンバーグ
アサヒグループ食品
2つ目は「アサヒグループ食品」です。
アサヒグループ食品も、先述したキューピーと同様に、高齢者の咀嚼力などに合わせた4つの区分を設けたレトルト介護食を販売しています。
また、栄養バランス考えられた商品を約37種類販売しており、ラインナップの豊富さも魅力の1つです。
加えて、飲み込む力が弱い方向けに食座にとろみをつける「とろみエール」や、エネルギー/たんぱく質を補給する「栄養プラス」などの補助商品も取り扱っています。
アサヒグループ食品のレトルト介護食として著名な商品としては、以下のものがあげられます。
- なめらかおかず(すき焼き風、肉じゃが風)
- 雑炊シリーズ(鶏五目、ふかひれ、かに)
- やわらかごはん(白身魚と根菜の炊き込みごはん)
マルハニチロ
3つ目は「マルハニチロ」です。
マルハニチロの介護食ブランドである「メディケア食品」は、「食を通じて健康を応援する」というコンセプトのもと、食べる喜びを感じられる介護食を販売しています。
商品例としては以下のものがあり、各区分ごとに豊富なラインナップとなっています。
- やさしいおかずセット
- ムース食
- やさしい素材シリーズ
また、マルハニチロには以下のような独自の商品もあり、食事をされる方に合わせて介護食事を変えることが可能です。
- たんぱく21シリーズ・・・100g中に21g以上のたんぱく質を含む
- New素材deソフト・・・見た目はそのままでやわらかい
- やさしい素材 とけないゼリー野菜・・・加熱してもとけないゼリー
ハウス
4つ目は「ハウス」です。
ハウスの介護食ブランドである「やわらか食」シリーズは、高齢者や食事に配慮が必要な方向けにさまざまな工夫がされた介護食を販売しています。
例えば、「やわらか食レトルト」や「やわらか食デザート」などの通常の介護食に加えて、以下のような独自の商品も取り揃えています。
- 栄養補給食
- 水分補給食
- たんぱく調整食
また、商品カタログが準備されていたり、メーカーからのレシピ提供や質問コーナーもあったりと、介護食を身近に感じられる工夫がされているのも魅力の1つです。
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ドラッグストアで買えるレトルト介護食のまとめ
ここまで、ドラッグストアで買えるレトルト介護食についてご紹介しました。
以下に要点をまとめます。
- レトルト介護食には、いくつかの区分が存在しているため、食事をされる方の状態に合わせたものを選ぶようにする。
- 「刻み食」「ソフト食」「流動食」「ミキサー食」などさまざまな種類のレトルト介護食が存在している。
- 各メーカーごとにさまざまな種類の商品ラインナップがあり、食事をされる方の好みなどに合わせて購入するようにする。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。