「栄養バランスを保ちながら手軽に食事を準備したい」
「どのレトルト介護食を買えばいいのか迷ってしまう」
介護をしている方の中には、このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。
レトルト介護食は、忙しい介護者の負担を軽減しつつ、栄養面でもしっかりサポートしてくれる心強い存在です。
本記事では、レトルト介護食について以下の点を中心に詳しく解説します。
- レトルト介護食の特徴
- レトルト介護食を取り入れるメリットとデメリット
- おすすめのレトルト介護食
レトルト介護食についてご興味がある方はご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
スポンサーリンク
レトルト介護食とは?
まずはじめに、レトルト介護食とは何かについてご紹介します。
レトルト介護食とは、高齢者や介護を必要とする方々のために、栄養バランスや食べやすさを考慮して作られたレトルト食品です。
特に、噛む力や飲み込む力が低下した方でも安心して食べられるように、やわらかい食感やペースト状に加工されているのが特徴です。
温めるだけで簡単に提供できるため、調理の手間がかからず、介護者の負担を軽減できますする。
また、保存期間が長い商品が多いため、非常食として備蓄しておくのもおすすめです。
介護食についてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
平均寿命が年々上がっており、それに伴って介護食が必要な人口数も増加しています。介護食にはさまざまな調理法があります。そもそも介護食とはどういったものなのでしょうか?介護食の調理のコツはあるのでしょうか?本記事では介護[…]
スポンサーリンク
レトルト介護食を取り入れるメリット
次に、レトルト介護食を取り入れるメリットについて、以下の3つをご紹介します。
- 簡単に食事を準備できる
- 長期間保管できる
- 栄養バランスが考慮されている
簡単に食事を準備できる
レトルト介護食を取り入れるメリットの1つ目は「簡単に食事を準備できること」です。
電子レンジや湯せんで加熱するだけでOKなので、調理の手間がかからず介護者の負担を大きく減らせます。
また、火を使わないため安全性が高いのも魅力の一つです。
高齢者が一人で生活している場合でも、火を使わずに食事の準備ができるため、火災のリスクを減らせるという安心感があります。
長期間保管できる
2つ目は「長期間保管できること」です。
レトルト介護食は、密封パックや真空パックで包装されているため、長期間保管できます。
賞味期限が数か月から数年と長い商品が多く、非常時の備蓄としても役立ちます。
また、冷蔵保存が不要な商品が多いため、保管場所にも困らず、ストックしやすいのも魅力の一つです。
栄養バランスが考慮されている
3つ目は「栄養バランスが考慮されていること」です。
レトルト介護食は、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど、健康維持に必要な栄養素がバランスよく配合されています。
これにより、食事の栄養が偏りがちな方でも、必要な栄養素をしっかり補うことができます。
また、低たんぱく食や減塩対応のものも販売されているため、利用者の体調や食事制限に合わせて選べるのも魅力です。
レトルト介護食を取り入れるデメリット
次に、レトルト介護食を取り入れるデメリットについて、以下の3つをご紹介します。
- コストがかかる
- 塩分や添加物を過剰摂取しやすい
- 食感や味が単調になりやすい
コストがかかる
レトルト介護食を取り入れるデメリットの1つ目は「コストがかかること」です。
商品によって異なりますが、1食あたり300円から600円程度が目安で、1日3食すべてをレトルト食品で賄うと、1ヶ月の食費が2万円〜5万円程度かかることもあります。
手作りの食事と比べると、どうしても割高になるため、長期間利用する場合はコスト負担が大きくなってしまいます。
そのため、手作りの料理と組み合わせて使うなど、工夫しながら利用することが大切です。
塩分や添加物を過剰摂取しやすい
2つ目は「塩分や添加物を過剰摂取しやすいこと」です。
レトルト介護食は、保存性や風味を保つために、塩分や添加物が多く含まれている商品もあります。
特に、減塩が必要な方や腎臓の負担を減らしたい方は、塩分量をしっかり確認することが大切です。
また、風味や見た目を良くするために食品添加物が使われている場合もあるため、気になる方は無添加タイプの商品をおすすめします。
食感や味が単調になりやすい
3つ目は「食感や味が単調になりやすいこと」です。
レトルト介護食は、柔らかい食感やペースト状のものが多いため、どうしても食感が似通ってしまいます。
特に、ムース状や刻み食は見た目も似てしまうため、食べる楽しみが減ってしまうという声もあります。
また、味付けも同じようなパターンが多く、毎日食べていると飽きてしまうことがあります。
レトルト介護食を選ぶ際のポイント
次に、レトルト介護食を選ぶ際のポイントについて、以下の3つをご紹介します。
- 1,栄養バランスを確認する
- 2,食べやすい形状を選ぶ
- 3,アレルゲン表示を確認する
栄養バランスを確認する
レトルト介護食を選ぶ際のポイントの1つ目は「栄養バランスを確認すること」です。
たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど、高齢者に必要な栄養素がしっかり含まれているかをチェックすることが大切です。
特に、塩分量やカロリーの表示にも注目し、健康状態や食事制限に合った商品を選ぶようにしましょう。
腎臓病や糖尿病などの持病がある場合は、特に塩分や糖分の含有量に気を付ける必要があります。
食べやすい形状を選ぶ
2つ目は「食べやすい形状を選ぶこと」です。
利用者の噛む力や飲み込む力に合った形状を選ぶことが大切です。
特に、嚥下(えんげ)機能が低下している方には、誤嚥(ごえん)のリスクを減らす形状を選ぶことが重要なポイントです。
ムース状やペースト状のほか、柔らかく煮込まれた固形タイプなど、商品によって形状が異なるため、利用者の状態に合ったものを選ぶようにしましょう。
アレルゲン表示を確認する
3つ目は「アレルゲン表示を確認すること」です。
アレルギーを持つ方が安心して食べられるよう、特定原材料7品目(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに)が含まれていないかを確認することが大切です。
また、製造過程でのアレルゲンの混入リスクについても、パッケージの表示をしっかり確認するようにしましょう。
介護食には液体状のものが多いため、食事中の汚れ防止が重要です。
そこで便利なのが介護用食事エプロンです。
介護時の食事用エプロンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
忙しい介護者におすすめの人気商品
次に、忙しい介護者におすすめの人気商品について、以下の3つをご紹介します。
- キユーピーやさしい献立
- アサヒグループ食品のバランス栄養食シリーズ
- 味の素のレトルト介護食
キユーピーやさしい献立
忙しい介護者におすすめの人気商品の1つ目は「キユーピーやさしい献立」です。
柔らかさや食べやすさにこだわった商品が多く、噛む力や飲み込む力が低下している方にも安心して提供できるのが特徴です。
主食からおかず、スープまで幅広いメニューが揃っており、和食や洋食などバリエーションが豊富なため、毎日の食事に飽きがこない工夫がされています。
アサヒグループ食品のバランス栄養食シリーズ
2つ目は「アサヒグループ食品のバランス栄養食シリーズ」です。
たんぱく質やビタミン、ミネラルがバランスよく配合されており、栄養管理をしやすいのが特徴です。
さらに、減塩タイプやカロリー調整タイプもラインナップされているため、健康状態や食事制限に合わせて選べるのも魅力です。
主食やおかずはもちろん、デザートや補助食品も取り揃えているため、1食すべてをまかななえ、手軽にバランスの良い食事を提供できます。
味の素のレトルト介護食
3つ目は「味の素のレトルト介護食」です。
和食、洋食、中華などの幅広いメニューが揃っており、豊富な味のバリエーションを楽しめるのが特徴です。
また、家庭的な味わいが再現されているため、利用者が食事を楽しみやすいのもポイントです。
介護食とユニバーサルデザインフードの違いに興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
人は誰しも年を重ねていくうちに身体機能が低下していきます。そのひとつに嚥下機能がありますが、ユニバーサルデザインフードはご存じでしょうか。初めて耳にするといった方もいるかもしれません。ユニバーサルデザインフードを利用することでどうい[…]
レトルト介護食を取り入れる際の注意点
次に、レトルト介護食を取り入れる際の注意点について、以下の3つをご紹介します。
- 食事の温度管理に注意する
- 毎日の食事にバリエーションをつける
- 賞味期限をチェックする
食事の温度管理に注意する
レトルト介護食を取り入れる際の注意点の1つ目は「食事の温度管理に注意すること」です。
温度が高すぎると口の中をやけどする恐れがあり、逆に冷めすぎると飲み込みにくくなることがあります。
特に、嚥下機能が低下している方には、適温(40〜50℃程度)で提供することが大切です。
電子レンジや湯せんで温めた後は、必ず自分の手で温度を確認してから提供するようにしましょう。
毎日の食事にバリエーションをつける
2つ目は「毎日の食事にバリエーションをつけること」です。
同じような味付けや食感が続くと、利用者が食事に飽きてしまい、食欲が低下する原因になります。
対策として、異なるメーカーの商品を取り入れたり、手作りの副菜やデザートを加えることがおすすめです。
また、見た目の彩りを工夫するだけでも、食事の楽しみが増え、利用者の満足感が高まります。
賞味期限をチェックする
3つ目は「賞味期限をチェックすること」です。
レトルト介護食は長期間保存することができますが、賞味期限を過ぎてしまうと風味や栄養が劣化する恐れがあります。
特に、非常時の備蓄用として保管している場合は、定期的に在庫を確認し、期限が近いものから使うようにしましょう。
レトルト介護食に関するよくある質問(Q&A)
最後に、レトルト介護食に関するよくある質問について、Q&A形式で以下の3つをご紹介します。
- レトルト介護食はどこで買えますか?
- アレルギー対応のレトルト介護食はありますか?
- 1ヶ月の食費はどれくらいかかりますか?
レトルト介護食はどこで買えますか?
レトルト介護食は、ドラッグストアやスーパー、ネット通販などで購入できます。
特に、ネット通販では品揃えが豊富で、定期購入やまとめ買いの割引が利用できることもあるため、手軽に購入できます。
また、ドラッグストアや一部のスーパーでは介護用品コーナーに専用スペースが設けられていることが多く、実際に商品を手に取って選べます。
介護用品専門店や福祉用具のレンタル事業者が運営する店舗でも取り扱いがあるため、専門的なアドバイスを受けながら選ぶことも可能です。
アレルギー対応のレトルト介護食はありますか?
アレルギー対応のレトルト介護食も販売されています。
特定原材料7品目(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに)に対応した商品が多く、アレルギーのある方でも安心して食べられるよう配慮されています。
パッケージにアレルゲン表示が記載されているため、購入時には必ず成分表示を確認することが大切です。
また、アサヒグループ食品やキユーピーなどの大手メーカーからもアレルギー対応の商品が販売されており、ネット通販や介護用品専門店で取り扱われています。
必要に応じて、アレルギーの有無に応じたカスタマイズが可能な商品も増えているため、利用者の体調やアレルギー状況に合わせて選ぶことができます。
1ヶ月の食費はどれくらいかかりますか?
レトルト介護食の1ヶ月の食費は、利用する商品や頻度によって異なりますが、1日3食すべてをレトルト介護食で賄う場合、月に約2万7000円〜5万4000円程度かかるのが目安です。
1食あたりの価格は300円から600円程度の商品が多く、これを1日3食に換算すると、1日900円から1800円の食費がかかる計算になります。
すべての食事をレトルト介護食にすると1ヶ月の食費が高額になるため、手作りの料理と組み合わせて利用することがおすすめです。
スポンサーリンク
レトルト介護食まとめ
ここまでレトルト介護食についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- レトルト介護食とは、高齢者や介護を必要とする方々のために、栄養バランスや食べやすさを考慮して作られたレトルト食品
- レトルト介護食は栄養バランスが良く、簡単に食事を準備できるが、コストがかかったり、味や触感が単調になりやすかったりするため工夫が必要
- おすすめのレトルト介護食には、「キユーピーやさしい献立」や「アサヒグループ食品のバランス栄養食シリーズ」などがある。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。