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健達ねっと>生活>いびき治療>いびきの主な原因とは?いびきの仕組みや治し方と合わせて紹介

いびきの主な原因とは?いびきの仕組みや治し方と合わせて紹介

いびきは決して珍しい現象ではありません。
しかし特定の条件が重なると、通常よりもいびきが増えることがあります。

そもそもいびきとはなぜ起こるのでしょうか?
また、いびきをかきやすくなる原因とはどのようなものなのでしょうか?

本記事では、いびきの原因について以下の点を中心にご紹介します。

  • いびきのメカニズムは
  • いびきをかきやすくなる原因とは
  • いびきによる健康上の問題は

いびきの原因について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

いびきとなる仕組み

いびきとは、睡眠中に呼吸にあわせてのど・鼻から出る雑音です。
いびきは、なんらかの理由で気道(息の通り道)が狭くなることで起こります。

気道が狭くなると、空気(息)が通過するときに気道の壁を震わせます。
気道の壁が振動するときには、音が発生します。
発生した音が、いわゆる「いびき」というわけです。
出典:厚生労働省【いびき / snoring | e-ヘルスネット(厚生労働省)

いびきの原因

いびきは気道が狭くなることで起こります。

最も多いのは、のどや舌周辺の筋肉が弛緩することで気道が狭くなるケースです。
睡眠中は全身の筋肉がゆるむので、のどや舌の筋肉も弛緩します。
つまりいびきをかくことは、誰にとっても自然なことなのです。

しかし、いびきをかきやすい方と、かきにくい方がいることは確かです。
いびきをかきやすい方には特徴があります。

ここからは、いびきをかきやすくなる主な原因を8つご紹介します。

口呼吸をしている

口呼吸はいびきの代表的な原因です。
口呼吸とは、鼻ではなく、口で息を吸ったり吐いたりする呼吸法です。

睡眠中に口呼吸すると、舌や軟口蓋がのどに落ちやすくなります。
軟口蓋は、鼻腔と口腔を分けている蓋のようなものです。

舌や軟口蓋がのどに落ちると、息の通り道が遮られます
すると息苦しさから、体は無意識に大きな呼吸をします。

大きな呼吸をすると気道の壁の振動も大きくなり、大きないびきが出やすくなるのです。

疲れている

疲労もいびきの代表的な原因です。
疲労がいびきを引き起こす理由は主に2つあります。

1つめの理由は、疲労が溜まると筋肉がゆるみやすくなるためです。
そもそも睡眠中は、筋肉の緊張がほぐれてゆるむものです。

疲れが溜まっていると、筋肉のゆるみは顕著になります。
いつもより気道が狭くなるため、いびきが起こりやすくなるというわけです。

2つめの理由は、口呼吸しやすくなるためです。
疲労が溜まると、体は回復のために大量の酸素を必要とします。

特に疲労が溜まっている方は、交感神経の活性化によって体内の酸素が不足しがちです。
交感神経は心拍・呼吸を速めて体を興奮状態にするため、息をしっかり吸えなくなります。
結果として、体内の酸素が不足しやすくなるのです。

体内の酸素が少なくなると、交感神経が鎮まる睡眠中に不足分を補おうとします。
不足した酸素を補うため、口呼吸で酸素を一度に大量に取り込みます。
口で息をすることになるため、舌が気道に落ちていびきをかきやすくなるというわけです。

ストレスが溜まっている

ストレスはいびきの主な原因の1つです。
ストレスがいびきを引き起こすのは、自律神経を乱すためです。

ストレスは自律神経のうち、交感神経を刺激します。
交感神経が活性化すると、呼吸が浅くなるため、体内の酸素が不足しやすくなります。

そのため、睡眠中に口呼吸が起こりやすくなり、いびきをかいてしまうのです。

肥満体系である

肥満もいびきの原因の1つです。
肥満になると、首周りにも脂肪がつきやすくなります。
すると、首周りの脂肪が気道を圧迫するため、いびきが起こりやすくなります。

特に、顎が小さい方の肥満には注意が必要です。
顎が小さい方は、気道のスペースも小さいことが多いためです。
ただでさえ気道が小さいところに、脂肪の圧迫が加わると、いびきの発生率が上がります。

泥酔している

酔っているときはいびきが起こりやすくなります。
飲酒がいびきを引き起こすメカニズムは、主に2つあります。

1つめは、アルコールは筋肉を弛緩させるためです。
酔っ払うと、いつもより筋肉の弛緩が大きくなるため、いびきが起こりやすくなります。

2つめは、鼻づまりと関係があります。
飲酒すると鼻が詰まるという方は少なくありません。
鼻が詰まる理由は、アルコールに血管を拡張する作用があるためです。

鼻の血管が拡張すると、鼻の中の粘膜が腫れ上がって息がしにくくなります。
睡眠中に無意識に口呼吸をしてしまい、いびきが起こるというわけです。

風邪・鼻づまり

いびきは風邪で起こることもあります。
風邪を引くと、のどの粘膜が炎症を起こして気道が狭くなるためです。
風邪で鼻が詰まり、口呼吸になるのもいびきの原因の1つです。

のどの炎症・鼻づまりは、風邪以外で起こることもあります。
代表的なのは花粉症・ハウスダストなどです。

睡眠姿勢が悪い

睡眠中の姿勢が悪いと、いびきが起こりやすくなります。
特にいびきが起こりやすいのは、仰向けのときです。

仰向けになったとき、頭の位置が高いと気道がふさがりやすくなります。
一方、頭の位置が低いと自分の頭の重みで口が開くため、口呼吸が起こりやすくなります。

いびき防止におすすめなのは、横向き寝・うつ伏せの姿勢です。
仰向けよりは気道が確保されやすいため、いびきが起こりにくくなります。

普段から喫煙をしている

タバコはいびきの原因の1つです。
理由は、タバコの煙はのどや鼻の粘膜に炎症を起こしやすいためです。

のど・鼻の粘膜に炎症が起こると、腫れ上がって気道を狭くします。
特に1日20本以上のタバコを吸う方は、いびきのリスクが高くなります。

加齢による男性と女性の違い

一般的には、いびきは男性に目立ちます。

一方で、年齢を重ねると女性も男性同様にいびきをかきやすくなると指摘されています。
理由は、いびきには女性ホルモンのプロゲステロンが関わるためです。

プロゲステロンには、舌の筋肉を緊張させる作用があります。
そのため、いびきをかきにくくなるのです。

月経がある女性は、プロゲステロンが十分に分泌されている状態です。
一方、閉経した女性はプロゲステロンの量が急激に減少します。
舌の筋肉が弛緩しやすくなるため、いびきが起こりやすくなるというわけです。

男性が女性よりいびきをかきやすい理由も、女性と比べてプロゲステロンが少ないためです。

いびきによる問題

いびきは自分では気づきにくく、家族などに指摘されて気づくケースも多くあります。

実はいびきは、周囲の方に迷惑をかけるだけではありません。
いびきは、健康にも大きな悪影響をもたらすことがあるのです。

ここからは、いびきによって起こりやすい健康上の問題を紹介していきます。

睡眠障害の発生

いびきをかくと、睡眠障害につながることもあります。

いびきは、空気(息)が気道を通りにくくなることで発生します。
つまり、いびきをかくとは呼吸がしっかりできていない状態なのです。

呼吸がしっかりできていないと、酸素が足りず眠りが浅くなります。
眠りが浅いと十分に休めないため、睡眠不足になるのです。

生活習慣病の発症

いびきは生活習慣病を招くこともあります。
いびきで起こりやすい生活習慣病は、高血圧です。
高血圧になりやすい理由は2つあります。

1つめは、交感神経が活発化しやすくなるためです。
いびきをかくと睡眠不足になり、疲労が蓄積すると交感神経が過度に刺激されます。

交感神経には血圧を上げる作用があるため、いびきをかくと血圧が下がりにくくなります。

2つめは、心臓に負担がかかるためです。
いびきにより息を十分に吸えないと、体が酸欠に陥ります。
すると、心臓は酸素を全身に届けるためにいつもより力強く血液を送り出します。

心臓が激しく拍動すると、血管にかかる圧力も大きくなるため、血圧が上昇するというわけです。

いびきの治し方

いびきは周囲の方に騒音をもたらすだけでなく、健康リスクを高めます。
よくいびきをかく方は、何らかの対策を打つのがおすすめです。
ここからはいびきの改善方法をご紹介します。

いびき防止グッズの使用

いびきを防止するには、専用のグッズを使うのも良い方法です。

いびき防止グッズには、たとえば次のようなものがあります。

  • マウスピース:口呼吸の防止・舌の落ち込みを防ぐ
  • 口閉じテープ:口をテープで留めることで、口呼吸を物理的に防止する
  • 鼻腔拡張テープ・クリップ:鼻腔を広げて鼻づまりを解消する
  • いびき用サポーター:主に顎下に装着して口呼吸を防止する

いびき防止グッズの多くは、市販で購入できます。
マウスピースは、歯科クリニックなどでオーダーメイドもできます。

生活習慣の改善

生活習慣を改善して、いびきがよくなる場合もあります。

具体的なポイントは次の通りです。

  • 肥満の解消
  • ストレス・疲労の解消
  • 禁酒
  • 禁煙

寝具の変更

いびきは、寝具を見直すことで改善できることもあります。

まず見直したいのは枕です。
最適な枕の高さを知るには、仰向けになったときの目線をチェックしましょう。
具体的には、目線が自然に斜め下(足先)を向いた状態が適切です。

横から見たときに、背骨がゆるやかなS字になっているかどうかもチェックポイントです。
あわせて、仰向けの状態で呼吸がしやすいかどうかも確かめましょう。

マットレスなどの寝具は、適度に硬さがあるものがおすすめです。
マットレス・敷き布団が柔らかすぎると、腰が沈みやすくなるためです。

腰が沈むと不自然な姿勢で眠ることになるため、呼吸がしにくくなります。
できるだけ呼吸をしやすくするためには、体を適度に支えてくれる寝具を使いましょう。

いびきの原因は病気の可能性もある?

いびきの裏には病気が隠れていることもあります。
代表的なのは、睡眠時無呼吸症候群(無呼吸性症候群・SAS)です。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に一時的に呼吸が止まる病気です。
呼吸停止までは至らずとも、極端に呼吸が浅くなる状態も含まれます。

睡眠時無呼吸症候群の原因はさまざまです。
肥満・飲酒などの生活習慣が原因の場合もあれば、脳卒中などの前兆として起こることもあります。
また、睡眠時無呼吸症候群自体が脳卒中などの重大な疾患の原因になることもあります。

健康を守るためにも、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、一度病院に行きましょう。

睡眠時無呼吸症候群のセルフチェック項目は次の通りです。

  • 睡眠中のいびき・呼吸停止を指摘されたことがある
  • しっかり寝ているのに疲れがとれない
  • しっかり寝ているのに日中に強烈な眠気がある
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝起きると口の中が乾いている

いびきの検査は何科に相談すれば良い?

いびきが多い場合・なかなか治らない場合は、睡眠時無呼吸症候群などが疑われます。
一度病院で検査を受けましょう。

いびきの検査は、耳鼻咽喉科・呼吸器内科などが対応しています。
一般的な内科で対応してもらえる場合もあります。
かかりつけ医がいる場合は、診療科にこだわらずに相談してみるのもおすすめです。

いびきの確認方法

いびきは自分ではなかなかチェックしづらい問題です。

自分のいびきの状況を確認するには、次のような方法がおすすめです。

  • 家族・寝室パートナーにチェックを頼む
  • スマホ・ビデオカメラで睡眠中の様子を撮影する
  • いびきチェックアプリを使う

いびきチェックアプリは、就寝中の物音などを録音できるものです。
いびきだけでなく、歯ぎしり・寝言・寝返りなどを記録できるものもあります。

体調などからいびきの有無を推測する方法もあります。
次の項目に当てはまるかどうか、チェックしてみましょう。

  • 昼間に強烈な眠気がある
  • 夜中に何度も目が覚める
  • しっかり寝たのに寝た気がしない
  • 朝、口の中がカラカラに乾いている
  • 急に血圧が高くなった

いびきに悩んでいる方の割合

いびきに悩んでいる方の割合を調べた調査結果があります。
2022年の調査では、いびきに悩んだ経験がある方は全体の45.6%でした。

男女別に見ると、男性は50.4%、女性は40.8%です。
いびきに悩んでいるのは、男性の方が多いことが分かります。

また、いびきに悩んだ方のうち、なんらかの対策を打ったのは約70%でした。
具体的な対策には、以下のものがあります。

  • 枕・寝具の見直し
  • 寝姿勢の改善
  • いびき対策グッズの活用

いびきは周りの方に騒音をもたらすだけではありません。
自分にとっても、睡眠不足や高血圧・心疾患などの健康上の問題をもたらします。

たまにいびきをかく程度ならさほど心配はいりません。
しかし、頻繁にいびきをかく場合は、一度病院で検査を受けるのも良い方法です。
参考:【2022年 いびきに関する実態調査

いびきの原因まとめ

ここまでいびきの原因についてお伝えしてきました。
いびきの原因についての要点をまとめると以下の通りです。

  • いびきのメカニズムは、のど・鼻などの気道が狭くなること
  • いびきをかきやすくなる原因は、口呼吸・寝相・疲労・ストレス・飲酒など
  • いびきによる健康上の問題は、睡眠不足・高血圧などの生活習慣病・心疾患など

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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