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健達ねっと>生活>いびき治療>病院でいびきの治療はできるの?治療方法や費用などについて紹介

病院でいびきの治療はできるの?治療方法や費用などについて紹介

いびきは周囲への騒音になるだけでなく、健康上の問題を伴うこともあります。
いびきを繰り返す場合、健康を守るためにも治療を受けたほうがよいこともあります。

しかしながら、いびきで病院を受診してもよいのでしょうか?
いびきの治療とはどんなことをするのでしょうか?

本記事では、いびきの病院について以下の点を中心にご紹介します。

  • いびきで病院を受診する可否
  • いびきの治療法
  • いびきを放置するリスク

いびきの病院について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

いびきのメカニズム

いびきとは、睡眠中に鼻・のどから発生する雑音のことです。
いびきが出るのは、なんらかの原因で気道が狭くなるためです。

気道とは空気(息)の通り道のことです。
気道が狭くなると、空気が通るときに気道の壁にぶつかります。
すると気道の壁が振動するため、いびきという形で雑音が発生します。

気道が狭くなる主な原因は、のどの筋肉がゆるむためです。
そもそも睡眠中は全身の筋肉が弛緩するため、のどの筋肉もゆるみやすくなります。

のどの筋肉の弛緩に加えて次のような要因がある場合は、特にいびきが出やすくなります。

  • 寝るときの姿勢が悪い
  • 鼻づまり
  • 口呼吸
  • 飲酒・喫煙
  • 疲労・ストレス

出典:厚生労働省【いびき / snoring | e-ヘルスネット(厚生労働省)

病院でいびきの診療はできる?

いびきが大きい・なかなか治らない場合、病院に行くべきか悩む方も多くおられます。
ここからは、いびきで病院を受診する事柄について紹介していきます。

病院で診断可能

そもそもいびきで病院を受診してもよいのでしょうか。
答えはYESです。

いびきは病院で診察・治療を受けられます
特に次のような症状がある場合は早急の受診が必要です。

  • いびきが途中で止まり、突然大きな音で再開する
  • 往復のいびきをかく
  • 今までなかったのに、突然いびきをかきだした

上記に当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群などが疑われます。
他の病気の可能性もあるため、いびきの原因を特定するためにも病院で診察してもらいましょう。

いびきによって日中の活動に支障が出ている場合も、病院を受診すべき目安です。
たとえばいびきのために眠りが浅くなり、日中に強烈な眠気がある場合などが該当します。

睡眠不足になると、集中力が低下して仕事・勉強にも支障が出やすくなります。
自動車・機械を操縦する機会が多い方は、重大な事故につながりかねません。

日常生活への支障を防ぐためにも、いびきにお悩みの方は、一度病院で診察してもらうのがおすすめです。

何科を受診すればいい?

いびきで病院を受診する場合、診療科は耳鼻咽喉科または呼吸器内科が適当です。
内科や歯科で対応してもらえる場合もあります。

診療科に迷ったときは、ひとまずかかりつけ医に相談してみるのも1つの方法です。
かかりつけ医が専門外の場合は、適当な診療科に誘導してもらえることもあります。

いびきの検査方法

いびきが大きい・頻繁な場合は睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
睡眠時無呼吸症候群の診断では、次のような検査が行われることが一般的です。

問診症状の出現時期・日常生活で困っていることなどを医師が口頭で聞き出す
パルスオキシメータによるスクリーニング検査指先に専用の機器をつけ、睡眠中の脈拍・体内の酸素濃度を計測する
簡易無呼吸検査指先・口周辺に専用の機器をつけ、睡眠中の呼吸状況・血液中の酸素濃度を精密に計測する
PSG検査専用の機器を全身につけ、睡眠中の脳波・筋電図・心電図・呼吸・血液中の酸素濃度などを計測する

最初に行われるのは問診・パルスオキシメーターの検査です。
パルスオキシメーター検査は、機器を自宅に持ち帰って使用することが一般的です。

パルスオキシメーター検査では、睡眠1時間ごとの呼吸停止・低呼吸の回数などをみます。
パルスオキシメーター検査で睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、より精密な検査に進みます。

最も精度の高い検査はPSG検査です。
PSG検査では複雑な機器の取りつけが必要なため、入院して受けることがほとんどです。

睡眠時無呼吸症候群の診断は、各検査結果を総合して行われます。

いびきの治療方法

いびきの治療法は原因によって違います。
ここからは、いびきの原因別に主な治療法をご紹介します。

閉塞部位の解消

閉塞部位の解消は、鼻づまりなどが原因で起こるいびきに有効です。
代表的な治療法はレーザー手術です。

アレルギーなどで鼻の粘膜が腫れると、気道が狭くなって口呼吸になりやすくなります。
レーザー手術では、腫れた粘膜を焼却することで気道を広げます。
すると呼気が通りやすくなるため、鼻呼吸がしやすくなるというわけです。

鼻づまりの解消は薬物療法でも可能です。
利用されるのは点鼻薬や内服薬が代表的です。

薬物療法の主な目的は、鼻の血管の拡張を抑制することです。
鼻の血管が収縮すると粘膜の腫れが引きやすくなるため、鼻呼吸がしやすくなります。

気道部位の拡大

いびきは気道がなんらかの原因で塞がれることで起こります。
たとえば、生まれつき気道が狭い・扁桃腺が大きい・顎の形に問題があるなどのケースが挙げられます。

生まれつき気道の形・顎の骨格に問題がある場合は、外科処置で気道を確保しなければなりません。

具体的には、次のような治療法が用いられることが一般的です。

治療法内容
マウスピースマウスピースで下顎の位置を調整して気道を確保する
CPAP呼吸器を取り付け、空気を送り続けることで睡眠中の気道を確保する
レーザー手術のどちんこ・扁桃腺など、気道を閉塞させている器官の一部を焼却して気道を広げる
顎顔面手術顎の骨の一部を切除して、気道を拡張する
肥満治療生活指導または脂肪切除などの手術によって、肥満を解消する

症状が軽度の場合はマウスピース治療が行われることが一般的です。
いびきの症状が重い場合は、レーザー手術・顎顔面手術といった大がかりな手術が必要になることもあります。

肥満がいびきの原因となっている場合は、肥満を解消しなくてはなりません。
肥満の解消は基本的に、食生活・運動習慣の改善で達成できます。

生活習慣の改善で間に合わないほど肥満している場合は、外科手術が選択されることもあります。

生活指導

いびきは生活習慣が原因で起こることも少なくありません。
いびきの原因となりやすい生活習慣には次があります。

寝る姿勢枕が高い・低いと首が曲がって気道が塞がる
飲酒アルコールは筋肉を著しく弛緩させるため、気道がふさがる
喫煙タバコの煙はのどの粘膜を腫らすため、気道が狭くなる
肥満首周りの脂肪が気道を圧迫する
疲労・ストレス自律神経が乱れて口呼吸が起こりやすくなる

生活習慣が原因のいびきは、根本原因を取り除くことで軽減されることがほとんどです。
たとえば枕が高い場合や低い場合は、適切な高さに調節します。

お酒・たばこは止めるように指導されることがほとんどです。
肥満している方は、食事の見直し・適度な運動によって減量する必要があります。

疲労・ストレスもいびきの原因となります。
疲労などが溜まると、自律神経がバランスを崩して呼吸が浅くなりやすいためです。

呼吸が浅くなると、体内にしっかり酸素を取り込めなくなります。
すると身体は無意識に大量の酸素を吸おうとして、鼻ではなく口で息をするようになります。

睡眠中の口呼吸は、軟口蓋が気道に落ちる原因の1つです。
落ちた軟口蓋が気道の入り口を塞ぐと、呼気が通りにくくなっていびきが発生します。

口呼吸を解消するには、根本原因であるストレスや疲労をなくす必要があります。
ストレス・疲労の解消法としては、休養が代表的です。

いびきの治療はいくらかかる?

いびきを病院で治療する場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。
いびきの治療費は、大きく分けて検査費と治療費用の2種類があります。

代表的な検査方法とそれぞれの費用は次の通りです。
保険適用の場合/3割負担

パルスオキシメータ検査・簡易無呼吸検査約3,000円
PSG検査約1~4万円
検査入院費用病院によって異なる

代表的な治療法とそれぞれの平均費用は次の通りです。
保険適用の場合/3割負担

マウスピースマウスピース作製費用:約1万5,000円~2万円
CPAP機器のレンタル費用:月あたり約5,000円前後
月1回の通院費用:別途
レーザー手術約3万5,000円
顎顔面手術約25万円

具体的な金額は病院・治療内容によって違います。
ところで、いびきの治療に保険は適用されるのでしょうか。

答えは、基本的にYESです。
ただし保険適用となるには、いびきの原因が病気と認定される必要があります。
代表的なのは睡眠時無呼吸症候群です。

病院によってはいびきの治療を自由診療としているところもあります。
具体的な保険適用の可否については、病院とよく相談してください。

いびきを放置するとどうなる?

いびきは単にうるさいだけ…と思われがちです。
特にいびきは自分では気づきにくいため、放置しても問題ないと思う方も少なくありません。
しかし実は、いびきにはさまざまな健康リスクが伴います。
ここからは、いびきを放置することで起こりうる健康上の問題について紹介していきます。

睡眠不足による日中の眠気

いびきとは、空気(息)が気道を通りにくいときに発生する雑音です。
つまり、いびきをかいている方は、睡眠中に深い呼吸ができていません。

呼吸がしっかりできていないと、体内の酸素が不足して睡眠の質が下がります。
たとえ睡眠時間は十分でも、しっかり眠れていない状態=睡眠不足になるのです。

睡眠が不足すると、昼間の活動時間帯に眠気を感じやすくなります。
眠気に負けて居眠りすることも少なくありません。

眠気や居眠りは仕事や勉強に支障を来します。
運転をよくする方の場合は重大な事故につながるおそれもあります。

生活習慣病のリスク

いびきは生活習慣病のリスクを上昇させます。
代表的なのは高血圧・糖尿病・脂質異常症などです。

特にいびきによって起こりやすいのは高血圧です。
理由はいびきによる睡眠不足が自律神経のバランスを乱すためです。

睡眠不足が続くと、自律神経のうち交感神経が活性化しやすくなります。
交感神経は血圧・心拍を上昇させる役割があります。

交感神経の活性化が慢性的に続くと、血圧も上がったまま下がりにくくなります。
つまり高血圧に陥るというわけです。

高血圧は動脈硬化に発展することも多い病気です。
動脈硬化になると血管が破れたり詰まったりしやすくなるため、心筋梗塞・脳卒中のリスクが上がります。

風邪をひきやすくなる

いびきは、風邪をひきやすくすることもあります。
理由は、口を開けて寝ることでのどの粘膜が乾燥しやすくなるためです。

のどの粘膜には、口から侵入したウイルスなどを吸着する作用があります。
粘膜が乾くと吸着機能は低下します。

するとウイルスがのどを通り越して体内に侵入しやすくなるため、感染症にかかりやすくなります。

病院の選び方

いびきで病院を受診する場合の病院の選び方をご紹介します。
いびきの治療を検討されている方はぜひ参考にしてください。

実績

いびきの治療を成功させるには、実績のある病院を選ぶことが大切です。
いびきの診療科は耳鼻咽喉科や呼吸器内科が適当です。
しかし該当の診療科であっても、病院・医師によってはいびき治療の経験が少ない場合もあります。

病院を選ぶときは、いびきの治療に実績がある病院・医師を選んでください。
いびき治療の実績は、HPなどで確認できることが多いです。

いびき外来などのいびきに特化した診療科を訪ねるのも良い方法です。

立地条件

通いやすい立地の病院を選ぶのが無難です。
個人差はありますが、いびきの治療には定期的な通院が必要であるためです。

たとえば自宅・会社の近くや、最寄り駅近くの病院だと通いやすいでしょう。
仕事が忙しい方は、夜間診療している病院などもおすすめです。

こんな症状があれば受診すべき

いびきで次のような症状があれば、できる限り早めに病院を受診しましょう。

  • 睡眠中のいびき・呼吸停止を指摘されたことがある
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝、口の中がカラカラに乾いている
  • しっかり寝ているのに寝た感じがしない
  • 日中に強烈な眠気・倦怠感がある
  • 急に血圧が高くなった

上記に心当たりが多い方は、睡眠時無呼吸症候群が疑われます
放置すると健康に大きな問題が出ることもあるため、一度病院で診察してもらいましょう。

病院で治療をした人の割合

フランスベッド株式会社のいびきに関する調査によると、いびきに悩んだ経験がある方は、2022年の調査で45.6%でした。

いびきに悩んだ方のうち、約70%の方がなんらかの対策を講じています。
いびき対策した方のうち、病院で治療を受けたと回答したのは9.6%です。

一方、枕の変更・寝姿勢の改善・いびき対策グッズの活用と答えた方はそれぞれ30%近くいらっしゃいます。

いびきの改善として、病院での治療を選択する方の割合はとても低いことがわかります。
一方で、病院で治療を受けた方のうち約45%の方が効果を感じています。

いびきには睡眠時無呼吸症候群などの病気が潜んでいる可能性もあります。
原因の特定・治療は自分では難しいことも多いため、できれば病院で専門家に診察してもらうのがおすすめです。

いびき対策としてできること

自分でできるいびき対策をご紹介します。
いびきにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

枕を変える

いびきをよくかく方は、枕を見直してみましょう。
たとえば枕が高すぎる場合は、首が曲がって気道がふさがれやすくなります。

反対に枕が低いと、頭が下がって口が開きやすくなります。
口呼吸すると軟口蓋が気道に落ちやすいため、いびきをかきやすくなります。

ちょうどいい枕の高さの目安は、横から見たときに、背骨がゆるやかなS字になることです。
実際に寝てみて、呼吸しやすいかどうかチェックすることも大切です。

いびき対策グッズを使う

いびき対策グッズを使うのもおすすめです。

代表的ないびき対策グッズには次があります。

  • マウスピース
  • 鼻づまり解消テープ・クリップ
  • 口閉じテープ

自分にあったものを探してみてください。

寝る姿勢を変える

いびきが出にくいのは、横向き・うつ伏せでの寝姿勢です。
横向き・うつ伏せは、仰向けよりも気道がふさがりにくいためです。

ただし、うつ伏せは首凝りや腰痛の原因となりやすいです。
長時間の睡眠の場合は、横向き寝のほうが適しています。

生活習慣・食生活を改善する

いびきは生活習慣が原因で起こることも多いです。
生活習慣に問題がある場合は改善しましょう。

具体的なポイントは次の通りです。

  • ストレス・疲労の解消
  • 禁酒
  • 禁煙
  • 肥満の解消

舌下トレーニングをする

舌のトレーニングはいびきの防止に有効です。
舌を鍛えると、ゆるんで気道をふさぐことが少なくなるためです。

いびき対策になる舌トレーニングのやり方をご紹介します。

【舌トレーニング1】

  • 舌をまっすぐ前に突き出す:5秒間キープ
  • 舌の先を上の歯の裏に付け、そのまま後ろに引き込む:5秒キープ
  • 1~2を3回繰り返す

【舌トレーニング2】

  • 舌を上顎全体に押し付ける:10秒間キープ
  • 下顎全体にも舌を押し付ける:10秒間キープ
  • 1~2を3回繰り返す

【舌トレーニング3】

  • 口を閉じた状態で、舌を回して歯の表面をなぞる
  • 2と反対周りに歯の表面をなぞる
  • 1~2を3回繰り返す

いびきの病院まとめ

ここまでいびきの病院についてお伝えしてきました。

いびきの病院について以下にまとめます。

  • いびきで病院を受診するのはOK、診療科は耳鼻咽喉科・呼吸器内科が適当
  • いびきの治療法は、マウスピース・CPAP・レーザー手術・外科手術など
  • いびきを放置するリスクは、睡眠不足・生活習慣病・風邪など

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございま

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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