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健達ねっと>生活>ピル>PMDD(月経前不快気分障害)とは?症状と治療方法を徹底解説!

PMDD(月経前不快気分障害)とは?症状と治療方法を徹底解説!

PMDD(月経前不快気分障害)は、女性の生活を大きく左右する可能性がある一方で、まだ十分に理解されていない疾患です。
そもそもPMDDとはどのような症状なのでしょうか?

また、PMSとPMDDの関係性はあるのでしょうか?
本記事では、PMDDについて以下の点を中心にご紹介します。

  • PMDDの症状
  • PMDDの診断方法
  • PMDDの治療方法

PMDDを理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

PMDDとは

PMDD(月経前不快気分障害)は、月経(生理)が始まる約2週間前から心身のバランスが崩れ、特に精神的な不安定さが顕著に現れる状態を指します。
この症状は、PMS(月経前症候群)の一部と考えられますが、より深刻な症状を示す場合にPMDDと診断されます。

以下では、PMDDの定義と主な特徴、そしてPMSとPMDDの関連性について詳しく説明します。

PMDDの定義と主な特徴

PMDDは、抑うつ不安や緊張情緒の揺れ動き怒りやイライラといった4つの主要な症状が特徴的です。
PMDDの原因や病態は、まだ完全には解明されていません。

PMDDの診断基準としては、アメリカ精神医学会が提唱するものがあります。
それによれば、月経開始前の最後の週に少なくとも5つの症状が見られ、月経が始まる数日以内に症状が軽減し、月経終了後の週には最小限になるか消えることが診断の条件となります。

PMSとPMDDの関連性

PMSは、月経前に現れる心身の不調を指します。

その中でも特に精神的な不安定さが強い場合、PMDDと診断されます
つまり、PMDDはPMSの一部とも言えますが、その中でも特に重篤な症状を示すものとして区別されます。

PMSとPMDDの主な違いは、症状の深刻さとその影響の大きさにあります。
PMDDの症状は、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

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PMDDの症状

月経前不快気分障害(PMDD)は、月経(生理)が始まる2週間前から心身が不安定になり、特に心の不安定さが際立って強く出る状態を指します。
PMDDの主な症状は抑うつ気分、不安・緊張、情緒不安定、怒り・イライラで、これらが社会活動や人間関係に影響を及ぼします。

以下では、PMDDの具体的な症状とその詳細について解説します。

PMDDの一般的な症状とその影響

PMDDの症状は個々の人により異なりますが、一般的には感情の不安定性、怒りや対人関係の摩擦の増加、抑うつ気分や絶望感、自己批判的思考、不安や緊張などが挙げられます。

これらの症状は、月経開始前の最終週に現れ、月経開始数日以内に軽快し始め、月経修了後の週には症状が緩和されるか消失します。

これらの症状は、日常生活や仕事、学校、社会活動、人間関係に大きな影響を及ぼし、生活の質を著しく低下させる可能性があります

不快感と身体的症状に関する詳細

PMDDの症状は感情的なものだけでなく、身体的な症状も伴います。

これには、

  • 通常の活動への興味の減退
  • 集中困難
  • 倦怠感や易疲労性
  • 食欲の変化や過食
  • 特定の食物への渇望
  • 過眠または不眠圧倒される感じや制御不能

という感じなどがあります。

また、乳房の圧痛や膨脹、関節痛や筋肉痛、”膨らんでいる”感覚、体重増加などの身体的な症状も報告されています。

PMDDの診断方法

月経前不快気分障害(PMDD)は、月経周期に関連した精神的な症状が特徴的な疾患です。

その診断方法について詳しく見ていきましょう。

PMDDの診断基準と医師の役割

PMDDの診断は、主に精神的な症状に基づいて行われます。

具体的には、月経周期に関連した抑うつ感、不安、情緒不安定、怒りなどの症状が確認されることが必要です。
これらの症状が月経開始前の5日間に1つ以上当てはまり、日常生活に支障をきたす程度である場合、PMDDの可能性が考えられます。

医師の役割は、これらの症状を詳しく聞き取り、適切な診断を下すことです。

また、症状が他の精神疾患との関連性を考慮することも重要です。
PMDDは比較的新しい概念であり、その診断と治療には専門的な知識と経験が求められます。

PMDDセルフチェックと自己診断の方法

自分自身がPMDDの症状を持っているかどうかを確認するためのセルフチェックも有用です。
月経開始前の5日間に

  • 抑うつ感
  • 不安
  • 情緒不安定
  • 怒り

などの症状が1つ以上当てはまるかを確認します。

また、身体的な症状として

  • 乳房の膨張感や痛み
  • 頭痛
  • 関節痛や筋肉痛
  • 浮遊感
  • 体重増加

などの症状が2つ以上当てはまるかも確認します。

しかし、セルフチェックはあくまで参考の一つであり、自己診断には限界があります。
自分の症状がPMDDに当てはまると思った場合、必ず医療機関に相談し、専門的な診断を受けるようにしましょう。

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PMDDの治療方法

月経前不快気分障害(PMDD)の対策と治療には、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が一番の選択肢となります。

また、漢方薬も効果が期待でき、症状によって適切なものが選ばれます。
さらに、良質な睡眠を確保し、リラクゼーションの時間を持つことでストレスを軽減することも重要です。

PMDD対策の全体像

PMDDの対策には、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が一般的に使用されます
SSRIは、シナプス間でのセロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させることで、怒りやイライラといった感情を抑制します。

また、SSRIは、アロプレグナノロン(ALLO)を増加させることで、不安感を抑え、気分を安定させます。
PMDDの対策として、SSRIは即効性があり、投与開始から1〜3日以内に、約80%の人で症状の改善が見られます。

薬物療法とその効果・副作用

PMDDの薬物療法の最初の選択肢は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)です。
SSRIの中でも、セルトラリン(ジェイゾロフト)、エスシタロプラム(レクサプロ)、パロキセチン(パキシル)の3つの薬がPMDDに対する治療効果が期待できます。

これらの薬は、症状が悪化する月経直前の約1週間だけでも服用することで効果が期待できるとされます。

また、副作用や離脱症状が少ないため、ジェイゾロフト(セルトラリン)がよく選ばれます。

心理療法の種類とその利点

PMDDの治療には、薬物療法だけでなく、心理療法も大切な役割を果たします。
心理療法は、患者が自分自身の感情や行動を理解し、それらを適切にコントロールする能力を高めることを目指します。

具体的な方法としては、認知行動療法や自律訓練法などがあります。
これらの療法は、患者が自分の思考パターンを認識し、それが行動や感情にどのように影響を与えるかを理解することを助けます。

これにより、患者は自分の感情をより適切にコントロールし、PMDDの症状を軽減することが可能となります。

PMS・PMDDとピルの効果・働き

PMS・PMDDの症状を改善するための一つの方法として、ピルの使用があります。
ピルはプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)を含む薬で、これらのホルモンは月経周期によるホルモンバランスの変動を抑え、一定に保つことができます。
これにより、PMSをはじめとする生理にまつわるさまざまなトラブルの改善効果が期待できます。

ピルは避妊薬としてよく知られていますが、生理トラブルや肌荒れの治療などにも用いられています

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PMDDと障害者手帳

PMDD(月経前不快気分障害)は、月経周期と連動して起こる精神的な症状を特徴とする疾患です。
この疾患は、日常生活を大きく妨げる可能性があり、その影響は個々の生活や職場でのパフォーマンスにまで及びます。

PMDDによる障害者手帳の取得方法と、その手帳のメリットと利用法について詳しく解説します。

PMDDによる障害者手帳の取得方法

PMDDは、その重症度により障害者手帳の対象となる可能性があります。
障害者手帳を取得するためには、まず医師による診断が必要です。
医師は、PMDDの症状とその影響を評価し、障害の程度を判断します。

その後、市町村の社会福祉課に申請を行い、必要な書類を提出します。
申請は、本人または代理人が行うことができます。
申請が承認されると、障害者手帳が発行されます。

この手帳は、さまざまな支援やサービスを受けるための重要な証明書となります。

障害者手帳のメリットと利用法

障害者手帳は、その保持者に多くのメリットを提供します。
まず、公共の交通機関を利用する際の割引や、公共施設の利用料の軽減など、さまざまな経済的な支援を受けることができます。

また、障害者手帳は、職場での配慮や支援を受けるための重要な証明書でもあります。

具体的には、就労時間の調整や、必要に応じた職場環境の改善など、障害に配慮した働き方を実現するための支援を受けることができます。
さらに、障害者手帳は、医療費の軽減や、特定の医療サービスへのアクセスを可能にするなど、医療面での支援も提供します。

これらのメリットを最大限に活用するためには、手帳の持つ権利と利用方法を理解し、適切に活用することが重要です。

PMDDに関するよくある質問|Q&A

PMDDに関するよくある質問には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、よくある質問に答えていきます。

PMSとPMDDの違いは何ですか?

PMS(月経前症候群)とPMDD(月経前不快気分障害)の主な違いは症状の重さと影響の度合いです。
PMSは一般的に軽度の身体的、情緒的不調を引き起こしますが、PMDDはより重度の情緒的症状を伴い、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

PMDDになる理由は何ですか?

PMDDの原因は完全には解明されていませんが、ホルモンの変動、遺伝的要素、ストレスなどが関与していると考えられています。
特に、月経周期に伴うホルモンの変動が情緒的な症状を引き起こすとされています。

PMDDの直し方は?

PMDDの治療は個々の症状と生活状況によりますが、一般的には薬物療法、心理療法、ライフスタイルの改善などが組み合わせて行われます。

具体的な治療法は医師と相談して決定します。

PMDDは抑うつですか?

PMDDは抑うつ症状を含む可能性がありますが、抑うつ病そのものではありません。
PMDDは月経周期に連動して症状が出現し、月経が始まると症状が軽減するのが特徴です。

しかし、重度のPMDDは抑うつ病と同様に日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

PMDDとはまとめ

今回はPMDDについてご紹介しました。
PMDDについての要点を以下にまとめます。

  • PMDDの主な症状は抑うつ気分、不安・緊張、情緒不安定、怒り・イライラ
  • PMDDの診断は、主に精神的な症状に基づいて行われる
  • PMDDの治療には、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が一番の選択肢

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

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  • 学研グループと融合したメディア
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  • 設立: 1999年11月24日
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