まえがき
じーちゃんはパーキンソン病と闘っています。パーキンソン病は、手がふるえたり全身の筋肉がこわばったりして思ったように動けなくなっていく進行性の病気です。
75歳くらいのときに病院で診断され、現在約10年が経過しました。
発症初期と比べると症状が明らかに進行しており、そこに認知症も合わさり徐々に介助なしでは生活ができなくなっていきました。そんなじーちゃんと向き合った我が家のリアルな経験談をイラストとともに綴ります。
じーちゃんにはなにが見えてるの?
2021年夏ーーー
わたしは1年半前に結婚し、実家を出ました。新型ウイルスが流行しているし、なかなか実家に帰省できない日々が続いていました。そんなある日、実家にいる妹から1つの動画が送られてきました。
家族みんなが笑って、楽しくじーちゃんを見守っているあったかい動画でした。
数年前の我が家ではありえなかった光景に、感動して思わず涙が出たのを覚えています。
約10年前ーーーー
当時75歳、ボケてもないし体の不調も全くない、バリバリ仕事する元気な祖父でした。
しかしある晩仕事から帰ってきたのはいつものじーちゃんではなく…
顔中血まみれ、歯も何本か折れた落ち武者のようなじーちゃんでした。
心身ともに元気なじーちゃんが車で事故を起こすなんて…
異変を感じて、この事故がきっかけで病院に連れていきました。
何件か病院をはしごした結果、告げられたのが「パーキンソン病」でした。