デイサービス利用を3日後に控えた日の朝、寝ぼけていたわたしの耳に入ってきたのは、大慌ての両親の声でした。
なんとなく嫌な予感がして、急いで階段を駆け降りると、信じられない光景が広がっていました。
タオルで頭を押さえられているじーちゃんと、玄関と洗面所をバタバタ行き来する両親。
朝方目が覚めてトイレに行くはずがなぜか玄関に向かい、上がり框でバランスを崩して転んでしまったみたいでした。
上がり框や柱の角にぶつけてしまったのか、頭のてっぺんがタテに5cmほどぱっくり割れてしまって血がなかなか止まりません。何もできず見ていて痛々しく、じいちゃんの命の危機を感じてさーっと血の気が引きました。
まもなくして救急車が到着。
救急隊の方の呼びかけや質問にしっかりと答えられるほどの意識レベルでしたが、なにしろ頭が割れてしまっているので少しも安心できません。
バタバタしているうちに仕事に行く時間が来てしまい、あとのことは両親と救急隊の方に任せるしかありませんでした。
このときは本当に最悪のシナリオが頭を過りました。じーちゃんのことが心配すぎて仕事もまったく手に付かなかったことを覚えています。