母がなぜ、じーちゃんのやりたいことに耳を傾けずに自分のやり方を押し付けているのか理解できませんでした。同時に、わたしは母の苦労をまったくわかっていませんでした。
少し前から夜の失禁が多くなってきました。もし夜中起きてひとりでトイレまで歩いている時に転ばれても困るし、なにより失禁したとしてもパッドが吸収してくれると思っていたのでパンツ型のおむつを履かせていました。
これを履いていればわざわざ夜中に起きる必要もないはずです。しかし、普通のパンツを履いていたときの習慣がまだ抜けないせいか、トイレに起きておむつを脱いでしまったり、そのままうまく便座に座れずトイレをべたべたにしてしまう夜が多くありました。
家のトイレは人感センサー付きで、人を感知すると電気が付いたり換気扇が動いたりします。じーちゃんがトイレに起きるのは毎日。次第に母は換気扇が回る音で目が覚めるようになってしまったそうです。常に気が張っていて、精神的に休めない状態になっていたようです。
朝でも夜中でもじーちゃんの失敗(失禁)は母が片づけます。失敗して迷惑をかけないようにするためか、じーちゃんは夜中トイレに起きるたびに母を呼んでいたみたいです。
朝までぐっすり寝ていたわたしは、夜中のことをなにも知りませんでした。
そしてある朝起きて台所に行くと、見たことがない光景が。わたしはこの状況がすぐに理解できませんでした。