朝起きて身支度をしようと1階へ降りると、じーちゃんが膝をついて母に謝っています。母に対してこんなに頭を下げているじーちゃんをこのとき初めて見ました。
ひとまずひとりで歩けそうだったので、わたしは身支度をするために洗面所に向かいました。
洗面所にはじーちゃんの布団やシーツが洗濯機の前に山積みになっていました。
土下座をしてしたのは、朝方に失禁をしてしまって母が片付けをしていることに対して謝っているようでした。じーちゃんが失敗した後は主に母が後始末をしてくれました。朝の忙しい時間に母の仕事を増やしてしまって申し訳なく思ったのでしょう。
わたしも手伝えばよかったのですが、朝が弱く起きたときにはすでに両親が布団を洗ったりじーちゃんの着替えを済ませたりしていました。
失禁は何日も続きました。
悪気があるわけじゃないし、土下座させるほど追い込まなくても…
当時はこう思っていました。
家事+仕事でただでさえ暇がない母。そこに朝から夜中まで介護がのしかかって身体的にも精神的にも余裕がないのは少し考えればわかるはずなのに、わたしは気づきませんでした。
すべてやってくれる母に正直甘えていました。