じーちゃんが週の半分デイサービスに通えるようになり、家族の負担がぐっと減ったかというとそうではありません。
負担が減ったのは昼の時間だけなのでそのほかの時間はまだ大変なことが多かったです。
15話でも書いたように、トイレ、幻覚、ご飯、外出時など、あらゆる場面でうまくいかなかったことはたくさんありました。
わたしは基本昼間は仕事に行っているので、夜の時間だけでも母の負担を減らしたいと思っていました。今まではその思いが先行しすぎて良かれと思ってやっていたことが母の邪魔をしていたように思います。
例えば母がじーちゃんのために用意した介護用品のこと。(第10話)
じーちゃんの病気の進行をわたし自身受け入れられませんでした。介護用品を使うことで生活のレベルが下がってしまうという自分のエゴで、母と意見が衝突したことが何度もありました。
自分の意見を言うとぶつかってしまうし、わたしより母の方がじーちゃんと関わっている時間が長い分、病状もよく理解しています。少し自分の気持ちを抑えて介護用品の使用を受け入れることにしました。ご飯の時のエプロンや取っ手付きの茶碗などの道具ありきで介助することにしました。
今までは母もわたしもそれぞれが自分の意見を主張していました。ですがこのままではダメだと思って話し合った結果、それぞれの場面でどちらかが司令塔となる、という役割分担に行き着きました。
わたしの役割は主に夕飯→歯磨き→トイレ→寝るまでの介助でした。これまでもやってきたことですが、この夕飯~寝るまでの介助はわたしが司令塔となって2人で協力することにしました。その日その日で手の空いた方が介助すると、母とわたしで各々のやり方があって毎日違うのでじーちゃんが混乱してしまっていました。毎日の「担当」として同じやり方でやればじーちゃんも迷わず済むし、母とわたしでお互いのやり方に口を出さなくても済むことに気が付きました。