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転倒予防にフットケア

 

ワンポイントリハビリ その2

転倒予防と聞くと足腰の筋力トレーニング、下半身の体操やバランス練習をイメージされる方も多いと思います。歩行を行う上で両脚や体幹の力、全身のバランスは当然重要な要素です。一方、ヒトの立位や歩行を支えているのは、わずか25cm程度の幅でしかない足部(足部:足首からつま先まで)ですから、足部が歩行にはたす役割はとても大きいので見過ごすわけにはいきません。

 

足部の大切な役割は体重を支えることであり、手部(手首から指先まで)に比べて巧みで細かい動きはできないし、必要としていないように思われがちです。しかし、構造的に両者は非常に似通った作りとなっています。

四つ這いでの移動や、立ち上がる際などが良い例ですが、手部にも体重を支える役割と機能があるように、足部にも巧みで細かい動きをする役割と機能があるはずです。

 

足部の機能を見える化するには、裸足で片足立ちをしてみると良いです、その時の足部はどうなっているでしょうか。足趾(足の指)は曲がったり伸びたり、足首は常時動いているのはもちろんのこと、足の甲のスジまでよく動いています。足部も実は巧みで細かい動きを行なっていますし、それが私たちの安全な歩行を支えてくれているのです。

 

上肢を失った方が、足を使って字を書いたり、食事をしたり、料理まで行う場面を映像で見ますが、相当な努力の末とはいえ、足部にも手部と同じような機能があることを知らされます。

 

以上を踏まえて、転倒予防のためのフットケアについて考えてみたいと思います。足部は体重を支える一つのパーツではなく、足趾、足の裏、足の甲、足首とそれぞれ細かい動きと役割があると捉えてケアしていくと良いと思います。

まずは、足趾を入念に曲げたり反らしたりします。足趾の硬い人はそれだけでも転倒のリスクは高まります。足の裏を刺激するのは床をしっかりととらえ、床との接触を感じるために行います。両手で足の甲を包み込むように持ち揉みほぐしてみるのも良いでしょう。

足の甲の硬さは(柔軟性の乏しさ)子どもや若い人の足と比較すると非常によくわかります。足首はグルグル回すことのできる関節ですから、曲げ伸ばしだけではなく、つま先で円を描くように回すと良いです。

 

このような動きを意識して行うと、足のむくみにも良い影響があります。むくみには自分で筋肉を動かすことによって、静脈血を心臓に戻していく作用が効果的だからです。

 

筋トレや体操は面倒、でも転びたくはない。まずは、フットケアから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

筆者
大堀 具視(おおほり ともみ)
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