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健達ねっと>マガジン>やさしい在宅介護>その他>視野の広さが動ける範囲

視野の広さが動ける範囲

スポーツ観戦では、ひいきのチームや選手の勝ち負けはもちろんですが、華麗なプレイの数々が見られるところに楽しみがあると思います。

例えば、サッカーではスルーパスというものがあります。味方がいる場所ではなく、まだ受け手のいない場所にボールを蹴って、ボールが転がる空間に絶妙に味方が走り込んでパスを受け取るというものです。いったいどこに目がついているのかと思わせるからこそ、見ている者を興奮させるプレイです。

しかし、確実に言えるのはパスを出す選手と、パスを受ける選手にはそれぞれの現在地からボールを受け取る先までのプレイ空間を自分のものとしていることだと思います。一般的には“視野が広い”と表現されていると思います。

逆に、あるスポーツの初心者や運動の苦手な人では、目の前に転がってきたボールであればようやく反応できる程度でしょう。つまり、初心者は視野が狭いわけです。これは普段の仕事にも当てはまりますね。

徐々に仕事を覚えていくと視野が広がり、いろいろなことに気づく、気が利く職員となっていきます。

前置きが長くなりましたが、視野の広さがその選手のプレイ空間であれば、視野の広さは介護が必要な高齢者の生活空間と想像してみることができるのではないでしょうか。

例えば、体調を崩され臥床生活が続いてしまった方に対して、どこまで活動範囲を広げていこうか考える時に、視野の広さという視点が役立ちます。声をかけても介助者の顔を見ることもできない人の生活空間は、寝返りをして体が横に向くまでも広がりがないと考えます。

従って、介助で寝返りするだけでも恐ろしいかもしれないと想像して、ゆっくり、ゆっくり介助するのが妥当な介助です。今日は顔をこちらに向けられたという場合は、生活空間が寝返りをして横向きになるまで広がったと考えて、「少しだけでも自分で寝返りしてみませんか」という声かけに変えられます。

臥床しつつも入室してきた介助者を見るくらい視野が広がったのであれば、「起きて車椅子に乗ってみませんか」とお誘いする良いタイミングとなります。

生活動作を改善したい、その思いは本人も介助者も同じです。しかし、。まずは「こちら見てください」など声をかけてみて視野を広げる、すなわち生活空間を広げるという視点を持ちましょう。

広がった生活空間に対して体が動いていく、介護が必要になった高齢者などに対して、本人にも介助者にも負担の少ない介助となります。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
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  • 障がい者雇用