ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
健達ねっと>マガジン>やさしい在宅介護>その他>寄り添うとは

寄り添うとは

介護やリハビリの現場で働いていると、明らかに一人でできる動作なのにもかかわらず、手伝って欲しいと言われる方がおられます。その方が超高齢者であったり、長い療養期間を経ているような場合、本人が介助を望まれているのだからと、介助者としてはお手伝いして差し上げたくなるのは当然だと思います。

自立支援という介護の基本的理念は理解しつつも、一人の人として利用者の思いに寄り添いたい、その狭間に立たされ介護者は苦悩します。

本人ができる動作を介助している理由を介助者に聞くと、「無理させたくない」、「手伝わないのはかわいそう」という答えが返ってくることも多く、介助者それぞれの優しさのもとに介護現場が成り立っている現実を痛感します。

しかし、疾病の状態や事故など様々なリスクを総合的に考慮し、必要以上の介助を選択するのは仕方ありませんが、「手伝って欲しい」という本人の声を理由に諾々と従ってしまうのは避けなければなりません。

介助されるという事態は体力の低下はもちろんのこと、生理機能や免疫力などにも影響しますから、必要以上の介助によって結果的に本人を苦しめることにもなりかねないからです。

大事なのは「手伝って欲しい」という本人の言葉について、誰がそうしたのかと考えてみることだと思います。もちろん犯人探しをするという意味ではありません。

「手伝って欲しい」を本人だけの思いとして捉えるのではなく、これまでの経過(他の医療機関や施設を含め)の中で、本人にそう思わせてしまったのは、関わる側にも原因があると認める必要があります。

関わる側の原因を探らなければ、特に高齢者に対する介助は増える一方になってしまい、誰にとっても良いことはありません。

まずは、「手伝って欲しい」という本人の言葉に対して、「そうですよね、しばらくやっていませんものね」、「やっていなかったから、恐ろしいですよね」など「手伝って欲しい」は、本人が怠けているわけではないのを認めるところからスタートさせることが大切です。

その上で、「では、〇〇だけでもお願いできますか」と本人が受け入れられる動きを小さく限定してお誘いするのが効果的です。

「あの人は手伝ってくれるのに」と言われると、本人にやってもらうことが意地悪しているようでと悩まれる介助者も多いのです。“寄り添う”とは、ただ本人の言葉に従うのではなく、言葉の背景にまで遡って共感するところから始まるものだと思います。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用