ワンポイントリハビリ その10
以前、このブログで片脚の重さは体重60kgの方であれば9kg前後、片腕は約5kgある(#76)こと紹介しました。介護予防体操と言われるものは、全国各地、大げさに言えば市町村ごとにオリジナルの体操が考案されています。
介護予防体操は数多あれども共通している種目があり、しかもそれは体操の最初にやってきます。もうお分かりだと思います、それは両腕をあげて万歳です。誰にでも分かりやすく簡単な動きだからこそ多くの体操で採用されるのでしょう。
両腕10kgを持ち上げるのですから、そこそこの運動負荷と言っても過言ではありません。
息を吸いながら背筋を伸ばすだけで全身の筋肉が働きます。指先から肩にかけて、背中、そしてしっかり腕を上げるには両脚をしっかりと踏ん張っている必要があります。一つの種目で全身に良い影響があるのなら、やらない手はありません。
しかし、この簡単な体操をせっかくやるなら一点だけ気をつけて行なうと良いです。きっと効果は倍増(個人の感想です)です。それは万歳をするときに自分の指先を見て行うことです。実際にやってみるとすぐに効果がわかります。
しっかりと万歳をしているつもりでも、指先を見ていなければ腕は十分に上がりません。しかし、腕を上げてさらに指先を見てみてください、きっと腕はさらに高く上がります。そして、指先を見ることでお腹や背中の筋肉もしっかりと働きます。
肩や腰が痛い人にとっては腕を上げる動きも辛いものです。体操中に「もっと腕を高く上げて!」などと言われてもそう簡単にはいきません。痛い思いや嫌な思いをしてまで無理をして腕を高く上げようとする必要などありません、自分が上げられる分まで腕を上げて指先を見れば良いのです。
何日か続けてみると腕は少しずつ高く上がるようになっているはずです。もしかすると痛みも減っているかも知れません。
それと、体操中の声かけを変えてみてください。これは体操指導をする方にもオススメです。「もっと高く腕を上げましょう!」から「指先を見るように腕を上げてください」という具合です。
参加者の動きに変化を感じることができますので、体操指導のやりがいも違ってくると思います。
日本人お馴染みの万歳三唱もみんなが指先を見ながら行うと、背筋が伸びて格好良く決まるかも知れませんね。