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足を組む

ワンポイントリハビリ その11

椅子に片足を組んで座る姿は、時と場合によっては横柄に見えるかも知れません。とはいえ、普段何気なく何度も行っている動作だと思います。この足を組む動作は、実はとても複雑で難しい動きなのです。

私たちが複雑な動きを何気なく行えているのは、日常生活の動作をとおして、体の複雑な機能が維持されているからなのでしょう。

 

足を組む動作がなぜ複雑なのか?歩行と同じように考えてみると分かりやすいと思います。片足を宙に浮かせて、浮かせた状態をコントロールし適切な場所へ静かに着地する。かなりの筋力、バランス、柔軟性があっての仕業です。したがって、高齢者では足組ができない方も増えてきます。

筋力、バランス、柔軟性どれか一つでも欠けると足組み動作は難しくなります。言い換えると、足組み動作を試みるということは、これら複数の機能を同時に協力して働かすために体が頑張ろうとしてくれるわけですから、リハビリにはとても効果的です。

足組みは楽な姿勢でもありますから、足組みができるようになると喜ばれる方も多いです。まずは、最後まで足がしっかりと組めなくても、できる範囲で交互に繰り返すと良いでしょう。

バランスよく安定して座れるようになるのはもちろん、足組み動作はズボンや靴、靴下を履く動作とも関連しますので、気がついたら、他の生活動作に波及していく可能性もあります。

 

以前、このコラムで腿上げだけでも筋トレになりますよと紹介したことがありますが、それに加えて足組みまで加えてみると、さらにバランスと股関節や体幹の柔軟性を養います。

ただし、座位でも、特に後方への転倒に注意しながら、また片方のみを実施すると骨盤の歪みなども誘発してしまう恐れもありますので、左右交互に行うのが良いと思います。

ほんの5回ずつくらいでも十分だと思います。座ってできる動作ですので、障害や介護度をさほど気にする必要はありません。体操やリハビリプログラムの一つに入れてみると良い思います。

 

 

筆者
大堀 具視(おおほり ともみ)
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