認知症治療の薬についてご存知でしょうか?
代表的な認知症の治療薬は、「アリセプト」「レミニール」「メマリー」の3種類があります。
この3種類の中でも、唯一NMDA受容体拮抗作用のある薬がメマリーです。
今回は、認知症の治療薬メマリーについて以下の点を中心に解説します。
- メマリーの特徴
- メマリーの注意点
- メマリーをやめた場合
メマリーへの疑問を解消するためにも、参考にしていただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
認知症について詳しく知りたい方はこちらも併せてお読みください。
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認知症の治療薬
認知症の根本的な治療方法はまだありません。
ただ、薬物療法によって進行を抑制することはできます。
ここでは、認知症の治療薬の中で代表的な3種類をご紹介します。
アリセプト
アリセプトは、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の進行を抑制する効果があります。
認知症治療薬の中でも歴史が古く、昔から使用されている薬です。
国内外問わずとても大きな割合を占めています。
レミニール
レミニールは、アルツハイマー型認知症の進行を抑制する効果があります。
日本では2011年より使用されている薬です。
メマリー
メマリーは、レミニールと同じくアルツハイマー型認知症の進行を抑制する効果があります。
日本では2011年より使用されている薬です。
認知症の薬について知りたい方はこちらも併せてお読みください。
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認知症治療薬のメマリーってどんな薬なの?
認知症の治療薬はとても多いです。
治療薬ごとの違いが分からない方も多いのではないでしょうか?
メマリーの特徴を時期、効果、副作用、費用に分けて解説します。
時期
メマリーは、アルツハイマー型認知症の中でも、中等度や高度の症状の進行を抑制する効果があります。
そのため、アルツハイマー型認知症の初期で服用することはほとんどありません。
効果
メマリーは、グルタミン酸が過剰に放出するのを抑制し、脳神経細胞が破壊されるのを防いでくれる効果があります。
グルタミン酸の正常量の放出などは抑制せずに、過剰な放出のみ抑制することができる薬です。
イライラを抑制し、リラックスさせる効果があります。
また、メマリーは20mg服用することで効果が出る薬です。
一般的には5mgの服用から始め、問題がなければ1週間毎に5mgずつ増やしていきます。
あくまでも認知症の進行を遅らせる薬なので、効果がとても目に見えづらいです。
自分や家族などの判断で服用をやめないようにしましょう。
もし飲み忘れてしまった場合は決して2日分飲むことはせず、翌日に1日分飲むようにします。
副作用
メマリーを服用し始めると、めまいが出やすいといわれています。
認知症の方にとってめまいは転倒に繋がりやすいので、大変危険な症状です。
他によく出る副作用としては、食欲がなくなる・頭痛・高血圧・便秘・眠気などがあります。
ごく稀に重い副作用が出てしまい、失神や痙攣などを起こす場合もあるため、始めは注意して様子を見ましょう。
副作用が強い場合には、すぐにかかりつけ医や薬剤師に相談してください。
費用
メマリーの費用は用量ごとに決まっています。
5mgで約14円、10mgで約25円、20mgで約45円です。
メマリーを服用する際の参考にしてください。
認知症治療薬メマリーを服用する際の注意点について
メマリーを服用する場合、いくつか注意点があります。
これからご紹介する注意点に気を付けて、正しく服用しましょう。
メマリーは副作用でめまいが出ることが多いといわれています。
認知症の方にとって、めまいはとても危険です。
なぜなら、認知症の症状により周囲の状況を把握する能力が低下しているので、不意にめまいが起こると転倒しやすくなるからです。
階段や散歩中などにめまいが起こってしまうと、骨折や交通事故などにつながる可能性もあります。
そのため、服用している間は可能な限り目を離さず、1人での外出はできるだけ避けるようにしましょう。
他には、以下のような注意点があります。
- アルツハイマー型認知症の初期にはあまり効果がない
- 併用する薬によっては、薬同士がお互いに作用を強めてしまう
注意点に気をつけながら、かかりつけ医や薬剤師の指示に従いましょう。
効果的にメマリーを服用し、認知症の治療を進めていくことが大切です。
メマリーの悪化について詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてお読みください。
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認知症治療薬のメマリーは他の薬と併用できる?
メマリーには併用可能な薬があります。
さらに、適切な時期に併用することでより効果的な治療が可能になります。
併用できる薬
メマリーと併用可能な薬はアリセプトになります。
2つとも、薬の目的は認知症症状の進行を抑制することです。
メマリーの効果は「グルタミン酸が過剰に放出されるのを抑制する」ことです。
一方アリセプトは「アセチルコリンエステラーゼを妨げる」作用となっています。
作用が異なるため併用することが可能です。
併用すると効果的な時期
メマリーは、アルツハイマー型認知症の初期にはあまり効果がないです。
そのため、認知症初期の治療にはアリセプトを服用し、進行が中等度になった時期にメマリーを併用することが効果的といわれています。
認知症治療中にメマリーを飲み忘れたら?
メマリーの服用は、必ず医療担当者の指示の服用方法(用法・用量)に従うことが大事です。
もしメマリーを飲み忘れたときは、気が付いた時点でできるだけ早く1回分を飲むようにします。
服用した時間が次の服用の時間に近い場合はその回の分は飲まず、次回の服用時間に1回分を飲むようにします。
大事なことは絶対に、2回分を一度に飲まないことが重要です。
メマリーは1回分飲み忘れても比較的影響の少ない薬剤です。
もし飲んでしまった場合は医師又は薬剤師に相談しましょう。
認知症治療中にメマリーの服用をやめたらどうなる?
メマリーの服用を途中でやめてしまうとどうなってしまうのかをご紹介します。
メマリーの服用を途中でやめてしまうと、以前と全く同じ状態に戻ってしまうことがあります。
長い期間服用していて症状が良くなっていた場合も例外ではありません。
医師との相談なしで勝手にやめないようにしましょう。
認知症の治療薬メマリーのまとめ
ここまで認知症治療薬のメマリーについてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。
- メマリーは、アルツハイマー型認知症の症状の進行を抑制する薬
- メマリーの副作用は、めまいや頭痛、高血圧など
- メマリーの服用を途中でやめてしまうと、以前と同じ状態に戻ってしまう
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。