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健達ねっと>認知症を学ぶ>混合型認知症ってなに?特徴や症状の流れを解説します

混合型認知症ってなに?特徴や症状の流れを解説します

近年、増加傾向にあるといわれている混合型認知症。
もし混合型認知症になってしまった場合、どのような治療や対処方法があるのでしょうか?

今回は混合型認知症の特徴、その予防や治療方法についてご紹介します。

  • 混合型認知症とは
  • 混合型認知症で多い組み合わせ
  • 混合型認知症の末期ではどうなる
  • 混合型認知症と気付けなかった場合どうなるのか

ぜひ最後までご覧ください。

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混合型認知症とは

長寿大国として超高齢化社会へと突入した日本ですが、前述したとおり年々増え続ける認知症は我が国の抱える課題の一つといえるでしょう。
そんな中、近年では混合型認知症と呼ばれる認知症を患う方が増えてきているようです。

認知症は症状により種類が分けられています。
混合型認知症とは複数の認知症を患った状態のことをいいます。

認知症はどれか一種類だけしか発症しないというわけではありません。
また、複数の認知症を発症することで現れる症状も多様になります。

混合型認知症の特徴や診断方法について知っておきましょう。

特徴

混合型認知症とは、2種類以上の認知症を合併している状態をさします。

たとえば、アルツハイマー型認知症と血管性認知症や、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症などが組み合わさる状態です。
もっとも多いパターンは、アルツハイマー型認知症と血管性認知症の組み合わせと言われています。

アメリカの調査では、80歳以上のアルツハイマー型認知症患者の約3割が、血管性認知症になるリスクをもっていると報告されているようです。

単一での発症ですら大変な認知症ですが、混合型認知症になるとほかの認知症状が現れることもあり、家族の介護負担増加などが懸念されます。

混合型認知症の場合にも早期発見と早期対処が重要となります。
混合型認知症が疑われる場合には専門医へ相談しましょう。

診断

混合型認知症を診断するのは、実際のところとても難しいのが現状です。
認知症ごとに特徴はあるものの、それぞれ類似した症状もあるためです。

アルツハイマー型認知症を発症している場合に、画像上で脳出血や脳梗塞を認めたとしても、血管性認知症を併発しているとは限りません。
確実に調べるためには脳の解剖が必要とされています。

複数の認知症を合併する混合型認知症は、それぞれの認知症を理解したうえでの専門的アプローチが必要となります。
専門医に相談の上、正しいケアや支援方法について指導を受けるようにしましょう。

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混合型認知症の症状

混合型認知症の症状

※画像はイメージです

混合型認知症の症状は合併する認知症によってさまざまです。

今回は最も多いとされる、アルツハイマー型認知症と血管性認知症の合併した認知症の症状について説明したいと思います。

初期

初期段階でまずみられる症状は、短期記憶の低下です。
人間には直近のできごとを記憶しておく短期記憶と、比較的長期的な過去のできごとを記憶しておく長期記憶があります。

認知症における初期症状では、短期記憶が低下し長期記憶が保たれる傾向にあります。
たとえば、昔話はいつもするのにさっき話したことを覚えていないといったことがみられることがあります。

次に考えられるのは時間の見当識障害です。

物事を認識することを「見当識」といいますが、初期段階では時間や日付に対する見当識が低下します。
朝なのか夕方なのかがわかなくなったり、季節がわからなくなってしまうこともあります。

中期

中期では症状による日常生活への支障が大きくなり、介護や家族の関りも大変になる場合もあるでしょう。
初期では比較的保たれていた長期記憶も障害を受け、数年前のことを覚えておくことができなくなります。

また、見当識障害もさらに症状が進み、場所や人物に対する見当識も低下するようになります。

たとえば、自分の自宅に対して「ここは自分の家じゃない」というように場所に対しての認識が出来ません。
また、家族を家族と認識できず、お客さんだと勘違いしてしまうようなことも起こることがあります。

その他には、目的なくうろうろと周囲を歩き回ったり、感情のコントロールが出来なくなり、暴言暴力などがみられる場合もあります。

日常生活動作全般も一人で行うのが難しくなってくるでしょう。

後期

後期では症状が重篤化し日常生活を送ることが困難になります。
専門家でも介護を行うことが大変な状況であるため、施設入所の検討が必要になるかもしれません。

記憶障害では短期記憶も長期記憶もとどめておくことができず、その場の会話理解すら困難である場合が多いです。
また、声かけに全く反応を示さなくなるなど、一日中反応に乏しい状態が続きます。

身体的能力も衰え、寝たきりになってしまう場合もあるでしょう。
食事を食事と認識できなくなったり、不潔行為がみられる場合もあります。

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混合型認知症の予防方法

混合型認知症の予防方法

※画像はイメージです

現在の医療では認知症を治すことはできない旨を前半で説明しましたが、混合型認知症についても同様です。

加齢は誰にとっても避けられる問題ではなく、加齢にともなって認知症を発症するリスクも高くなることも事実です。
だからこそ、認知症に対して日ごろから予防や対策を行うことが重要になります。

予防方法としては生活習慣病対策と同様に、バランスの良い食事と適度な運動です。
偏った食事は認知症のみならず、他の病気を引き起こしてしまう場合もあります。

たとえば、糖質の過剰摂取は糖尿病の原因となり、過剰な塩分摂取は高血圧症の原因にもなります。
糖尿病や高血圧症はアルツハイマー型認知症や、脳血管認知症の原因でもある脳卒中のリスクを高めます。

つまり、生活習慣病の予防そのものが、認知症予防にも直結することになるわけです。
最近では調剤薬局などが運営する、栄養ケアステーションなどもあります。

管理栄養士や栄養士が常駐しているため、わざわざ医療機関に行かなくても栄養指導を受けることができます。

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混合型認知症の注意点

混合型認知症の注意点

※画像はイメージです

混合型認知症の注意点は、混合型認知症であることに気が付かず適切な対処をほどこせないまま、症状が悪化してしまうことです。

診断自体難しい混合型認知症ですので、気付けずに症状を進行させてしまうケースも多いです。
特に混合型認知症だと気付けずに薬を使用し続けると、副作用などで余計に症状を引き起こしてしまうことにもなりかねません。

症状や普段の様子に変化があった場合には、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。
また、変化に気付くためにも普段から症状や様子についてよく観察しておくことが大切です。

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四大認知症の種類

四大認知症の種類

※画像はイメージです

四大認知症とは、「アルツハイマー型認知症」、「血管性認知症」、「レビー小体型認知症」、「前頭側頭型認知症」の4つをさします。

混合型認知症を理解するためには、これら四大認知症について知っておくことが重要です。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、混合型認知症への理解を深める上で知っておくべき認知症といえるでしょう。
なぜなら、アルツハイマー型認知症は認知症の中でもっとも発症率の多い認知症であり、混合型認知症の原因にもなり得るからです。

認知症全体をみても約68%を占めています。
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβ(ベータ)とタウと呼ばれるたんぱく質が脳に蓄積することが発症の原因とされています。

症状としては、記憶障害をはじめとした認知記憶障害や、日時、場所、人の認識ができなくなる見当識障害などがあげられます。
症状が進行すれば、食事を認識できなくなったり、オムツいじりなどの不潔行為などもみられる場合があります。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、レビー小体というたんぱく質が脳内の大脳皮質や脳幹に蓄積することで発症する認知症です。

70歳以降での発症が多いといわれています。
症状としては、幻視やパーキンソン症状、自律神経症状、レム睡眠行動異常などがみられるようになります。

幻視は、いないはずの人や動物が本人には見えるといった症状です。
パーキンソン症状では、小刻み歩行や手足の震え、姿勢バランスの悪さや前傾姿勢などパーキンソン病にみられる症状が現れるようになります。

自律神経症は、めまいや立ちくらみ、排尿障害や異常発汗などがあげられます。
レム睡眠行動異常では、浅い眠りであるレム睡眠時に大声をあげるなどの異常行動がみられるようになります。

血管性認知症

血管性認知症は脳卒中(脳出血や脳梗塞)が原因となって発症する認知症になります。
脳卒中の範囲や部位によって、症状の現れ方や重さが違うのが血管性認知症の特徴です。

そのため、記憶力の低下がみられたとしてもほかの症状は現れないこともあり、認知症であることに気付けないことも多いようです。

このように症状の現れ方がまだらであることから、別名「まだら認知症」ともいわれています。

感情のコントロールができなくなる感情失禁や、四肢麻痺や言語障害なども現れる場合があります。
血管性認知症は脳卒中を繰り返すことで段階的に症状が悪化していくため、生活習慣の改善など脳卒中予防がとても重要です。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、感情のコントロールを行う脳の前頭葉と言葉を理解する機能の側頭葉が萎縮することで発症する認知症です。

前頭側頭型認知症には、ピック型(ピック病)、前頭葉変性型、運動ニューロン疾患型の3種類があります。

その内95%をピック型(ピック病)が占めているため、前頭側頭型認知症はピック病と同意の病気として扱われる場合もあります。
症状として、感情コントロール不良や人格変化がみられるようになります。

前頭葉の萎縮が影響し感情コントロールができなくなり、わがままや暴言・暴力へと発展してしまうケースは珍しくありません。

人格変化では反社会的行動をとることもあり、物を盗ったり、嘘をついたりするようになる場合もあります。
特に40~50歳代で発症することが多いようです。

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混合型認知症のまとめ

混合型認知症のまとめ

※画像はイメージです

ここまで、混合型認知症に関する予防や治療方法などを中心にお伝えしてきました。
今回の内容を以下でまとめます。

  • 混合型認知症とは2種類以上の認知症を合併している状態をいう。
  • 混合型認知症でもっとも多い組み合わせは、アルツハイマー型認知症と血管性認知症の組み合わせ
  • 混合型認知症の末期では、記憶全般の保持が難しく日常生活も困難になる
  • 混合型認知症と気付けなかった場合、薬の副作用などにより症状が悪化する可能性がある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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