高齢になればなるほど、発症リスクが高まるのが「癌」と「認知症」です。
両方を発症した場合、どのようなリスクがあり、どのように対応すべきなのでしょうか。
本記事では、認知症と癌を併発した場合のリスクや、治療の際の注意点について解説します。
- 認知症と癌を併発した際のリスク
- 癌患者に適した認知症薬とは
- 薬を適切に飲めないときの対策
- 認知症患者は、癌の痛みを感じにくいのか
ぜひ本記事を最後までお読みください。
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認知症とは
認知症では、脳の障害や病気が原因で認知機能が著しく低下します。
一般的には、認知機能の低下により日常生活を送ることが困難な状態を「認知症」と呼びます。
認知症の症状はさまざまですが、いずれも「中核症状」と「周辺症状」の2つに分類できます。
中核症状
中核症状は、認知症患者に必ず現れる症状です。
- 理解力・判断力の低下
- 記憶障害
- 見当識障害(時間・場所・人を認識できない)
- 失語(言葉が分からない・言葉が出てこない)
- 失行(体は動くが、着替え方が分からない)
- 失認(花を見ても「花」と認識できない)
- 行動実行障害(計画を立てて行動できない)
といった症状が挙げられます。
認知症のもっとも代表的な症状である中核症状。記憶障害などを伴う中核症状ですが、どのような原因や症状があるのでしょうか?認知症の中核症状について症状の種類や治療法、対処方法についてご紹介します。アルツハイマー型[…]
周辺症状
周辺症状は、本人を取り巻く環境や本人の性格により、副次的に発症する異常な精神症状や行動を指します。
- 不安・抑うつ
- 失禁・弄便
- せん妄
- 幻視
- 大声・叫ぶ
- 徘徊
- 暴力・暴言
といった症状が挙げられます。
認知症では、「中核症状」と中核症状によって引き起こされる「周辺症状」があります。周辺症状と呼ばれる症状がどのようなものか知っていますか?今回は、中核症状と周辺症状の違いをご紹介した上で、周辺症状の治療方法や治療薬についてご紹介し[…]
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癌とは
癌とは、異常な細胞分裂によって生成される腫瘍のことです。
「肺癌」「すい臓癌」「皮膚癌」など、腫瘍ができた場所によって種類が異なります。
癌は、日本人の2人に1人がかかると言われるほど、誰にとっても身近でかかりやすい病気です。
腫瘍には「悪性腫瘍」と「良性腫瘍」の2種類があります。
悪性腫瘍
いわゆる「癌」と呼ばれるのが、悪性腫瘍です。
悪性腫瘍は「浸潤」や「転移」によって無秩序に増殖し、もとの臓器から遠く離れた場所でも増え続けるのが特徴です。
良性腫瘍
もとの臓器から離れず、徐々に大きくなる腫瘍は「良性腫瘍」と呼ばれます。
良性腫瘍は、手術によって取り去れば、再発の可能性は低いといわれています。
認知症と癌の併発のリスク
前項の通り、癌は2人に1人がかかるといわれるほど、発症リスクの高い病気です。
また癌を発症するリスクは、高齢になるほど高くなるといわれています。
一方、認知症も同じく、高齢者の発症リスクが高い症状の1つです。
そのため、高齢者の中には、認知症と癌を同時に発症する方も少なくありません。
認知症患者が癌治療を受ける際には、注意すべきリスクが3つあります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
認知症患者の意思決定能力
認知症患者は、認知機能が低下しています。
そのため、癌治療の適切な意思決定ができない可能性があります。
たとえば癌治療の場合「治療を受ける意思の有無」「治療方針」「療養場所」といったあらゆる場面で決断を迫られます。
一方で認知症患者は、順序立てて物事を考えたり先を見越して決断をしたりすることがとても苦手です。
そのため、こまごまとした決断を迫られても、自分にとって最良の選択ができない可能性が高いのです。
たとえ認知症患者が治療方針の希望を口にしても、それが「適切な判断であるか」は家族にも見極めが難しいのが実際のところです。
このように、認知症患者の癌治療に関しては、「本人の意思決定能力」に疑問があるというリスクが非常に大きいです。
認知症患者のがん治療に関しては、認知症を発症する以前の価値観や言動を思い返しながら、注意深く決定していく必要があります。
認知症患者の同意能力
前項の通り、認知症患者は、治療に関する適切な意思決定能力が乏しいと言われています。
そのため、認知症患者の癌治療に関しては、家族に決定権がゆだねられることが一般的です。
このように、家族が治療の意思決定をおこなうことを「代諾」といいます。
しかし代諾をおこなう場合でも、本人の意思をないがしろにすることはできません。
医療方針に関しては、本人の意思を尊重するのが原則であるためです。
しかし、ここでも、認知症患者は「代諾に対する適切な同意能力があるのか」というリスクがつきまといます。
たとえば、家族に勝手に治療方針を決められたことに怒り、治療を拒否することも考えられます。
あるいは、本心から治療を希望していない場合もあります。
このように、認知症患者の癌治療では、代諾への同意能力の点でも大きなリスクを抱えています。
このリスクは家族にとっても大きなストレスになるでしょう。
代諾を行う家族には、「本当に本人のためになるのか?」「本人の意思を無視していいのか?」などの葛藤がつきまとうためです。
緊急時の対応能力
認知症患者は、予想外のトラブルにうまく対応できないことが多いです。
たとえば、容体が急変し、突然手術が必要になったとしましょう。
手術には本人や家族の同意が必要です。
しかし、認知症患者がその場で手術の必要性を理解し、同意・拒否を適切におこなうことができるとは限りません。
あるいは、自宅で1人の時に容体が急変した場合、「救急車を呼ぶ」といった対応が難しい場合もあります。
たとえ病院から急変時の具体的な指示を受けていたとしても、その通りに実行できるとは限らないのです。
このように、認知症患者の癌治療では「緊急時に適切な対応ができない」というリスクを抱えています。
その他のリスク
上記以外にも、様々なリスクがあります。
- 治療を拒否する
- 処方薬を適切に服薬できない
- 点滴を嫌がって抜いてしまう
- 入院中に大声・徘徊などの問題行動が起こる
- 発熱や痛みなどを訴えられない
といったリスクを抱えています。
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癌患者の認知症薬
癌と認知症を同時に治療する場合、処方薬に注意する必要があります。
薬の組み合わせによっては、互いの効果を打ち消すものや、副作用を起こすものがあるからです。
以下の2つの薬は、抗癌薬との悪い相互作用や、癌治療への影響が起こりにくいとされています。
そのため、癌を発症した認知症患者の認知症薬として、よく処方されています。
アリセプト
認知症薬としてもっとも一般的な薬です。
もともとはアルツハイマー型認知症の治療薬とされていましたが、近年ではレビー小体型認知症の治療にも有用だと評価されています。
レミニール
認知症薬としては、比較的新しい薬です。
アルツハイマー型認知症の治療に用いられることが一般的です。
皆様もご存じの通り、日本では少子高齢化の影響で、高齢者の数が増加しています。少子高齢化に伴って、認知症の患者数も急増しています。認知症は自分だけでなく、家族など周りの人も巻き込んでしまう病気です。そのため、「認知症になってしまったら[…]
認知症癌患者の服薬支援とは?
癌治療のために薬が処方される場合、当然ながら、正しく服用しなければ、十分な効果は得られません。
しかし、認知症患者には処方薬の適切な管理が難しい場合があります。
自分で薬を服用するのが難しい認知症患者には、以下のような服薬支援がおこなわれています。
同じタイミングに飲む薬を一包化
複数種類の薬を服用する場合、同じタイミングで飲む薬はすべて1つの包みにまとめる方法です。
たとえば朝飲む薬をまとめておけば、1つの包みの封を切るだけで、必要な薬はすべて飲むことができます。
お薬カレンダー
日めくりカレンダーを利用し、そのタイミングで飲むべき薬を大きく書いておきます。
認知症患者は、カレンダーを見ながら薬を選び、服用したらカレンダーに印をつけていきます。
そのタイミングで飲むべき薬が一目でわかるため、飲み間違いを防止できる点がメリットです。
一方、日付の感覚が薄くなっている認知症患者には、あまり効果が期待できないというデメリットがあります。
在宅患者訪問薬剤管理指導
医療保険サービスの1種です。
主治医の指示により、薬剤師が認知症患者の自宅を訪れて残薬状況などをチェックしながら、薬の指導をおこないます。
服用状況や副作用の有無などは、すべて主治医に報告されます。
そのため、なにか服用トラブルが起きた場合でも、即座に適切な対応ができるというメリットがあります。
認知症と癌の緩和ケア
緩和ケアの目的は患者やその家族のQOL(生活の質)を維持し向上を目指すものです。
しかしながら、認知症を有する癌患者のQOLは認知症のない場合に比べて低い傾向があるとの報告があります。
報告では、認知症の高齢癌患者の場合にQOLが低くなる原因を挙げています。
原因は認知症の高齢癌患者は痛みなどを言葉で表現することが少ないからとしています。
結果、認知症のない患者に比べて痛みや症状の緩和が十分に行われないことになります。
より癌患者本人の意向に沿った苦痛緩和や意向把握の緩和ケアの提供が求められます。
認知症と癌で入院可能な施設
ターミナルケアが可能な施設には以下のようなものがあります。
【病院】
一般病院の中で緩和ケアを専門とする病棟や療養型の病院でターミナルケアが可能です。
緩和ケア専門の病棟で行われるターミナルケアは一般的に「ホスピス」と呼ばれます。
【介護施設】
病院でのターミナルケアが難しい場合の選択肢に介護施設の利用があります。
介護施設の中では以下の施設が可能です。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
ただし、入居契約前にターミナルケアの施設の対応についての詳細な確認は必要です。
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認知症患者は痛みに鈍感?敏感?
認知症患者の中には、痛みにきわめて敏感な方がいます。
反対に、痛みにきわめて鈍感な方もいます。
つまり、痛みの感じ方には個人差があるため、それぞれに適した対応が求められます。
いずれにしろ注意したいのが、「認知症患者は苦痛を訴えるのが苦手」ということです。
癌には、「癌性疼痛」という特有の痛みがあります。
しかし認知症患者は、痛みがあっても、それを訴える回数が少ないという傾向があります。
その理由は、「痛みを表現する言葉が出てこない」「どうしたらいいか分からない」「訴える意欲がわいてこない」と様々です。
そのため、認知症患者の癌治療の際は、「癌性疼痛の有無」や「痛みの程度」を慎重に見極める必要があります。
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認知症と癌のまとめ
ここまで、認知症と癌の併発のリスクや関係性についてお伝えしてきました。
本記事をまとめると以下のようになります。
- 認知症と癌を併発したら、主に「治療の意思決定」にリスクを伴う
- 癌患者に処方される認知症薬は、「アリセプト」「レミニール」が一般的
- 薬を適切に飲めないときには、在宅患者訪問薬剤管理指導などの服薬支援を利用する
- 認知症患者は、痛みを感じても口に出さない傾向がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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