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レビー小体型認知症の介護について
レビー小体型認知症の介護は幻視やパーキンソン症状の対応が必要となります。
また症状が進行していくと介護負担も大きくなっていきます。
今回、レビー小体型認知症の介護の特徴や介護の方法、活用できるサービスについてご紹介します。
- レビー小体型認知症の介護で対応が必要な症状
- レビー小体型認知症の介護で幻視が現れた際に注意すべき点
- レビー小体型認知症の介護で利用できる在宅介護保険サービス
ぜひ最後までご覧ください。
三大認知症の一つとされているレビー小体型認知症。発症すれば幻視や妄想をともなう可能性のあるレビー小体型認知症ですが、どのような対策や予防があるのでしょうか?今回は、レビー小体型認知症について以下の点を中心にご紹介します。[…]
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レビー小体型認知症とは
レビー小体型認知症とは、アルツハイマー型認知症や血管性認知症と並ぶ三大認知症のうちの一つです。
レビー小体というタンパク質の蓄積が原因となる認知症で、幻視やパーキンソン症状が現れることが特徴となります。
レビー小体型認知症は70~80歳代と高齢で発症するケースが多く、男女比では男性の発症率の方が高い認知症です。
レビー小体型認知症の介護方法
レビー小体型認知症の介護は、幻視への対処に頭を悩ませたり、パーキンソン症状の出現により身体的介護の負担が増加することが問題となることが多いです。
今回は、幻視とパーキンソン症状がみられた際のレビー小体型認知症介護の方法に関する注意点などをお伝えします。
幻視
幻視が現れると、本人には人や動物が見えていても周囲の人には見えないため、気持ちを理解してあげることが難しい場合もあるでしょう。
レビー小体型認知症介護においては、こうした症状が現れた際に、いかに相手の気持ちに寄り添ったケアができるかが重要です。
真っ向から幻視を否定せず、まずは受容しながら徐々に話題をそらしていくといった対応が求められます。
パーキンソン症状
レビー小体型認知症の介護では、パーキンソン症状への対応も重要です。
パーキンソン症状が現れると、身体が思うように動かなくなるので認知症患者の転倒に十分に注意する必要があります。
介護者は症状やリスクを十分に理解したうえで、付き添いや見守りを行いましょう。
また、パーキンソン症状による身体の動かしにくさから家に閉じこもるケースもあり、ますます身体機能の低下が進む場合もあります。
本人ができることは自分で行うよう促し、できないことだけを介護しながら身体機能を維持していくことが大切です。
介護認定
レビー小体型認知症の介護を家族のみで行うのはとても大変です。
介護保険の要介護認定を受けて介護サービスを利用することで、介護者にかかる負担を軽減させることが可能です。
介護認定は要支援1~2、要介護1~5の度合いがあり、要介護5は寝たきりや意思疎通不可など、もっとも介助量が多い場合に認定されます。
訪問介護や通所介護を利用する目的のほか、施設入所の際にも介護認定は必要となります。
介護保険
レビー小体型認知症介護を行う上で知っておくべき介護サービスとして、訪問看護や通所介護、住宅改修サービス、施設入所についてご紹介します。
訪問介護(ヘルパー)
訪問介護は、自宅へ介護スタッフが訪問し身体介護のほか生活介護までを行う介護保険サービスです。
身体介護では、食事、入浴、排泄といった介護を受けることができます。
生活介護では食事準備や掃除、洗濯といった内容を代行してもらうことができます。
通所介護(デイサービス)
通所介護は、他者との交流を目的としながら施設へ通い、食事や入浴介助サービスを受けることができる介護保険サービスです。
また、午前中から夕方まで通い先の施設で介護を受けられるため、家族は自分の時間を確保することも可能です。
ご家族にも相当な負担がかかるレビー小体型認知症の介護は、定期的に通所介護サービスを盛り込むことで介護負担軽減を図れます。
住宅改修サービス
パーキンソン症状の進行により転倒の危険性が高い場合、住宅改修サービスを利用することで転倒リスクを軽減させられる場合があります。
住宅改修サービスは、要介護者が安全に在宅生活を送れるように手すりや段差解消、玄関スロープの改修費用を市区町村が一部負担するものです。
一般的には20万円まで保険が適用されます。
しかし、自治体によっては対象となる改修内容が違う場合もあるため、お住まいの地域の介護保険窓口まで相談することがおすすめです。
施設入所
レビー小体型認知症介護では、症状が進行すれば施設入所が必要になる場合もあります。
要支援2以上であればグループホーム、要介護1以上であれば介護老人保健施設、要介護3以上であれば特別養護老人ホームへの入所が原則可能です。
かかりつけ医療機関の医療ソーシャルワーカーや、担当のケアマネジャーなどに相談することで、病状にあった施設を紹介してもらえます。
レビー小体型認知症の症状
レビー小体型認知症介護を行っていくうえでは、症状の理解が必要不可欠です。
レビー小体型認知症に代表される症状は、幻視、パーキンソン症状、自律神経障害、記憶障害、レム睡眠時行動障害です。
これらの症状が、レビー小体型認知症の介護での負担を生じることとなります。
以下、症状ごとにその特徴を説明していきます。
幻視
幻視はレビー小体型認知症に代表される症状の一つです。
記憶をつかさどる後頭葉が障害されることで発症します。
実際にはいないはずの人や動物が見えるようになるのが特徴で、発症初期からみられるようになります。
幻視にともなった妄想に発展することもあるので、レビー小体型認知症の介護ではコミュニケーションが上手く図れないことが課題となりえます。
パーキンソン症状
パーキンソン症状もまた、レビー小体型認知症にみられる代表的症状の一つです。
小刻み歩行、手足の震え、前傾姿勢、動作の緩慢さがみられるようになります。
パーキンソン症状が現れると、身体を思うように動かせなくなり、些細なことで転倒してしまう恐れもあります。
レビー小体型認知症の介護ではこうした危険回避のため、終始介助者の見守りが必要になることもあります。
記憶障害
レビー小体型認知症では記憶障害もみられるようになりますが、初期ではあまりみられません。
またアルツハイマー型認知症よりも、その症状の度合いは軽いといわれています。
自律神経障害
自律神経障害では、めまいや立ちくらみ、排尿障害、便秘、異常発汗といった症状がみられるようになります。
レビー小体型認知症では、こういった不調が続くことで心身ともにストレスを抱えてしまうことも起こり得ます。
レム睡眠時行動障害
人はレム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)を繰り返しながら眠ります。
レビー小体型認知症の方の場合、レム睡眠時に大声をあげたり暴れたりする様子がみられるようになります。
レム睡眠時行動障害はレビー小体型認知症の約75%に現れる症状になります。
レビー小体型認知症の治療法
まず前提として、現在認知症そのものを完治させる治療法はありません。
認知症治療の基本は症状進行の抑制が目的となります。
そんな症状進行の抑制を目的に行われる治療の一つが薬物療法です。
レビー小体型認知症の場合、認知機能障害よりも幻視や妄想、うつ、パーキンソン症状に対して薬が処方されることが一般的になります。
幻視や妄想、うつに関しては、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬や非定型抗精神病薬が用いられます。
パーキンソン症状の場合には、パーキンソン症候群治療薬のレボドパが有効とされ用いられます。
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レビー小体型認知症の介護のまとめ
ここまで、レビー小体型認知症の介護に関する利点や実践内容などを中心にお伝えしてきました。
内容をまとめると以下の通りです。
- レビー小体型認知症の介護で対応が必要な症状は、幻視、パーキンソン症状、記憶障害、自律神経障害、レム睡眠時行動障害などがある
- レビー小体型認知症介護で幻視が現れた際に注意すべき点は、否定はせず受容しながら徐々に話題をそらすこと
- レビー小体型認知症介護で利用できる在宅介護保険サービスは、訪問介護や通所介護、施設入所がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。