加齢や認知症によって引き起こされる記憶障害。
年齢を重ねるにつれ、不安に感じてくる人は多いと思います。
記憶障害の中にもいくつかの種類があることをご存知でしょうか?
記憶障害の種類について以下の点を中心にお伝えします。
- 記憶障害の種類
- 記憶障害の原因
- 記憶障害のリハビリ
- 記憶障害の予防
皆さまがより健康的な毎日を送る手助けとなれば幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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記憶障害とは
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そもそも記憶の障害とはどのようなものなのでしょうか。
少し詳しく解説していきます。
覚えられないのは病気?
「人の名前が覚えられない」というとき、何通りかの可能性があります。
まず、目の前で「ヤマダさん」と紹介されても、その時点で既にヤマダという単語が頭の中に登録できていない可能性があります。
つまり、目の前で言われても、「ヤマダ」という名前を正確に復唱することができない状態です。
その場で正確に復唱できても、少し時間が経つと覚えていないということもあります。
この場合はさらに、「や」で始まるなどヒントを与えれば思い出せる場合と、ヒントを与えてもそうでない場合に分かれます。
ヒントを与えられれば思い出せる場合は、頭の中に情報は蓄えているが、思い出しにくくなっている状態と言えます。
ヒントを与えても答えられない場合は、名前を言われた時点では登録できたものの、頭の中にその情報を蓄えておくことができなかった可能性があります。
覚えられないのは認知症やうつ病などの病気が原因のときもありますし、ストレスが原因のときもあります。
すぐ忘れてしまう原因とは?
すぐ忘れてしまう原因の1つとして、病気や事故による脳の損傷が挙げられます。
認知症では脳の神経細胞が壊れてしまうことで記憶障害などが起こります。
うつ病では脳内の神経伝達物質の機能が弱まって、記憶障害などが起こります。
ストレスが原因の場合は、自律神経やホルモンバランスの乱れにより、注意力の低下とともに、記憶力が低下します。
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記憶障害の種類
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記憶とは「情報を覚え、保持し、思い出す」という一連の流れでできています。
過程のどこかに障害が起き、記憶をうまく取り扱えない状態を記憶障害といいます。
色々な種類の記憶があるため、記憶障害の症状もさまざまです。
短期記憶障害
短期記憶とは数分などの短い時間のみ貯蔵される記憶です。
短期記憶障害になると、今日の日付がわからない、同じ質問を繰り返すなどが起きます。
記憶をつかさどる脳の海馬がうまく働いておらず、近い過去の記憶が維持できません。
長期記憶障害
長期記憶は短期記憶を繰り返すことによって長い間、維持される記憶です。
長期記憶障害では、長期間にわたって維持されてきた記憶が抜け落ちます。
自分の名前や住所、両親や子供の名前、結婚生活、仕事していたことまでも忘れてしまいます。
エピソード記憶障害
エピソード記憶とは、日時や場所を含む経験に関する記憶を指します。
「友人とレストランに食事に行った」といった思い出などです。
エピソード記憶障害では、自分が過去に経験した出来事を忘れてしまいます。
自分の経験を全体的に記憶できない、もしくは一部しか記憶できない状態です。
意味記憶障害
「オリンピックは4年に1度開催される」などの一般知識にあたる記憶を意味記憶といいます。
「ジャガイモ」など物の定義や名前がわからず既視感すらない状態になります。
意味記憶障害になると、対象物を示されても名前を答えることができません。
いくつかの種類から指定された対象物を選ぶことも難しくなります。
過去の自分に関わる経験や思い出に関連する言葉も記憶から失われます。
手続き記憶障害
繰り返し経験した技術や練習によって自然と記憶したものを手続き記憶といいます。
手続き記憶障害では、日常の家事全般や車の運転の仕方、スポーツなどができなくなります。
認知症では、手続き記憶のような体で覚えた種類の記憶は忘れにくい傾向があります。
展望記憶障害
展望記憶はこれから先に起きることを覚えておき、後で思い出し実行する記憶です。
展望記憶は「今日の午後は雨だから買い物に傘を持っていく」などの予定や約束です。
過去の出来事を思い出すこととは異なり、記憶と遂行機能が関連しています。
展望記憶障害になると日常生活や社会生活を送るうえで信用や生命に関わる大きな問題です。
内服の時間や書類の締め切り、友人にお礼を言うことなどを忘れてしまいます。
記憶障害の種類に関係する原因
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年齢を重ねると、記憶力の低下は大概の人に起きるでしょう。
一方、アルツハイマー型認知症などを不安に感じている方も多いです。
ここでは記憶障害が起きる原因についてご紹介します。
一般的な原因
記憶障害の最も一般的な原因は、加齢による記憶力の低下です。
誰にでも起こりうるもので、日常生活を送るうえでは問題ありません。
財布の置き場所、新しい隣人の名前など新しい記憶を呼び起こすのに時間がかかります。
通常は時間をかけ、ヒントを示すことで思い出すことができます。
疾患による原因
軽度認知障害や認知症、うつ病などの種類の疾病で記憶障害が起きる場合があります。
軽度認知障害
加齢による物忘れとは異なり、最近の出来事が思い出せなくなります。
認知症を数年以内に発症する確率が高いです。
早期発見して治療に専念する必要があります。
認知症
認知症には様々な種類がありますが、ほとんどが初期から記憶障害を発症します。
加齢の場合と異なり、本人に自覚がなく混乱や不安から精神疾患を発症することもあります。
うつ病
しばしば記憶障害のような症状を起こします。
認知症と異なり本人には自覚があります。
また、記憶障害以外に睡眠障害や無意欲・無関心、食欲不振などの症状がみられます。
あまり一般的ではありませんが認知症に似た症状を引き起こす種類の病気もあります。
例えば、甲状腺機能低下症や硬膜下血腫、ビタミンB12欠乏症などです。
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記憶障害のリハビリ方法
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記憶障害のリハビリには下記のように様々な種類があります。
脳を活性化することは、認知能力の維持や活動意欲の向上に繋がります。
物忘れを感じた場合、早めに受診することが大切です。
回想法
聞き手が昔の出来事を引き出し、本人から話してもらう方法です。
精神面の安定にも効果があります。
また、コミュニケーションの楽しさを再認識するきっかけにもなります。
作業療法
日常生活上の簡単な動作を実践する方法です。
簡単な家事などを通して、筋力の向上と脳への刺激を促します。
できることが増えれば、本人の自信にも繋がります。
音楽療法
楽器演奏や歌唱、時には作曲まで含めた音楽に関するリハビリです。
脳への刺激だけでなく、嚥下機能の改善にも繋がります。
動物介在療法
認知症の方に動物と触れ合う機会を作る方法です。
動物の世話を通して脳を刺激するだけでなく、安心感を味わうことができます。
記憶障害の予防方法
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生活習慣病が記憶障害を引き起こす場合が多いです。
そのため、食事や運動を改善することで記憶障害の予防に繋げます。
絶対的な予防方法ではありませんが、発症リスクを下げることはできます。
定期的な運動や健康的な食事、人との交流が効果的です。
明確な予防方法がまだないため、生活全般の質を高めることが大切です。
20代でも記憶障害は発症する
記憶障害というと、高齢者や認知症の方を思い浮かべるかもしれません。
しかし、20代という若年者でも記憶障害や認知症が発症することがあります。
若年者における記憶障害の原因の1つは認知症です。
2009年に厚生労働省が発表した調査結果によれば、20-24歳では人口10万人あたりで5.1人、25-29歳では同じく5.8人が認知症を発症していると推計されています。
認知症以外の原因でも記憶障害がおこることがあり、若年性健忘症と呼ばれます。
原因としては、頭部外傷、脳の感染症、慢性のアルコール乱用などが挙げられます。
ストレスやトラウマが引き金となって健忘症を発症することもあります。
これは精神面での異常による健忘症であり、解離性健忘症と言われます。
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記憶障害かもと感じたら
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物忘れが増えてきたと不安に感じることはありませんか?
医師の受診に関して早すぎることはありません。
不安を感じたらすぐ相談に行きましょう。
心療内科もしくは精神科
仕事や家事に追われて強いストレスを感じている場合は心の病気かもしれません。
食事や睡眠、入浴などを十分にこなせず、記憶力が低下していることもあります。
心の病気に違和感がある場合は心療内科・精神科を受診しましょう。
物忘れ外来・脳神経内科
「いつも同じことを聞く」と言われたことはありませんか?
身近な人から物忘れの症状を指摘された場合は、物忘れ外来や脳神経内科を受診しましょう。
必ずしも深刻な病気であるかはわかりません。
ただし、早めに検査することが大切です。
地域包括支援センター
記憶障害の可能性を感じても、本人が受診を拒否する場合があります。
地域包括支援センターは、全ての高齢者に関して相談できる施設です。
一つの市区町村に原則一つは設置されており、呼び名はいくつか種類があります。
保健師や看護師、社会福祉士などの専門家が話を聞いてくれます。
その後、適切な医療機関と連携し高齢者の今後のケアプランについて提案します。
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記憶障害と種類のまとめ
※画像はイメージです
ここまで記憶障害の種類についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 記憶障害で失われる記憶は、短期や長期、エピソード、意味に関する記憶など様々な種類がある
- 記憶障害は、加齢による場合、認知症やうつ病などの病気による場合がある
- 記憶障害のリハビリは、回想法や作業療法、音楽療法などがある
- 健康的で規則正しい生活が記憶障害の予防につながる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。