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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症の症状>認知症が引き起こす不穏とは?原因や対処法を徹底解説!

認知症が引き起こす不穏とは?原因や対処法を徹底解説!

超高齢社会の日本において、年々増加している認知症。

認知症の症状は多岐に渡り、介護者の負担が大きいものばかりです。
その中でも、不穏症状に戸惑っている家族も多いのではないでしょうか?

不穏の原因や対処法を把握し、症状を改善させることが大切です。

本記事では、認知症が引き起こす不穏について以下の点を中心にご紹介します。

  • 認知症による不穏の症状
  • 認知症による不穏の原因
  • 認知症による不穏の対処法

介護の不安を解消するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
是非最後までお読みください。

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認知症による不穏とは

認知症の進行とともに問題となりやすい症状が不穏です。

不穏とは、急に攻撃的になったり、興奮状態が抑えられなくなったりする状態を指します。

認知症の方は次第に認知機能が低下し、自分の置かれている状況を理解できなくなります。
理解できずに不安が積み重なると、周辺症状として様々な症状が現れます。

その中の一つが不穏です。

以下で原因や対処法についても解説します。

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認知症が不穏を引き起こす原因

不穏の原因は、薬の副作用や離脱症状、せん妄など多岐に渡ります。
さらに認知症の場合、身体的苦痛や不安や苛立ちなどの精神的な原因も考えられます。

特に精神的な原因としては、環境の変化に順応できずに不安を感じる方も多いです。

認知症によって上手くコミュニケーションが取れないと、不安の増強に繋がります。

不安であることを上手く表現できない、対処法がわからないなどは本人にとって大変苦しい状況です。

気持ちを周囲に理解してもらえない苛立ちから、攻撃的になり落ち着きがなくなります。

認知症による不穏の対処法

急に暴れるといった予期せぬ不穏に対し、周囲はどのように対応したら良いのかをご紹介します。

じっくり話を聞く

理解できない内容であってもじっくり話を聞く姿勢が大切です。

話を聞くだけで行動が落ち着く場合もあります。
不安や不満はなかったか、行動の理由を本人から聞くようにします。

ここをおろそかにすると「理解してもらえなかった」と感じ、症状が悪化する可能性があります。

本人が、話せば理解してもらえると感じれば気持ちが安らぎます。
じっくり話すうちに漠然とした不安が具体化し、解決の糸口となる場合も多いです。

安心できる環境作り

認知症の方は、環境変化に不安を感じます。
したがってできるだけ環境が変化しないように気をつける必要があります。

これまで過ごしてきた環境に近づけるのも良いでしょう。

物質的な環境だけでなく、相談しやすい雰囲気や関係づくり、温かい声掛けなども重要です。

また、認知機能が低下すると、安全な場所かどうか判断が難しくなります。
具体的に今いる場所が安心できる場所であることを示すようにします。

時間や日にちがわかりやすいように掲示したり、日課表などを用いると良いでしょう。

身体の変化を確認する

身体的な苦痛が上手く表現できず、不穏として現れる場合があります。

本人の状態を細かくチェックし、身体的な異変の有無を必ず確認するようにしましょう。

食事の摂取量や睡眠状況などからも異変をとらえることができます。

周囲の環境を確認する

認知症の方はその場で不安や思いを伝えることが苦手です。

不穏が見られた場合、周辺の環境を確認します。
例えば照明が明るすぎないか、室温やテレビの音量は適切かといった内容です。

不快に思う原因はないかという視点で環境を整えましょう。
心地よいと感じる環境作りが大切です。

認知症の方の過ごし方を確認する

認知症の方は、何かに熱中し楽しいと感じている時は比較的穏やかに過ごすことができます。

退屈な時間を過ごしていると急に不安に襲われ不穏がみられる場合が多いです。
認知症の方の生活状況を、表情などからくみ取るようにします。

また、どんな時に不穏がみられるか記録をとることもおすすめです。
原因が把握しやすく、対応がスムーズになります。

 

夕暮れ症候群

認知症の「不穏」行動の一部に「夕暮れ症候群」があります。

夕暮れ症候群は認知症の方で、夕暮れ時になると起こる症状です。

 

症状としては以下のような行動としてあらわれます。

  • 夕方になると「もう帰らなくてはいけない」とそわそわし始める
  • 些細なことで急に声を荒げる
  • 「もう家に帰る」といい始める

 

認知症の方が夕暮れ症候群を起こす原因には以下のようなものがあります。

  • 認知機能の低下による
  • 見当識障害で夕方になると暗くなってきて不安感が募ってくる
  • 以下のような夕方の忙しかった日常生活の記憶から何かしなければと不安になる
    • 夕食の準備
    • 帰宅
    • 自宅以外の場所にいることの不安
    • 他人(介護者)の夕食準備に対して迷惑をかけていないかの不安感

 

認知症の方が夕暮れ症候群になったときの対処法は以下のようになります。

  • 折り紙したり、新聞を読んだり音楽を聴いたりと好きなことに集中してもらう
  • 夕方にひとりになると不安がつのるので、会話を心がける
  • 小腹がすく夕方に、一緒に軽食やおやつの時間を持つ
  • 夕方の日の暮れ方で不安になる方もいるので以下のようなことも行う
    • 夕方になる前にカーテンを閉める
    • 認知症の方に合わせた照明の工夫
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薬を使った不穏の対処法

不穏がみられた時に、様々な対応を取っても改善しない場合があります。
そのような状態が長く続けば本人も介護者も疲弊してしまいます。

症状が改善しない場合は、薬の検討を医師に相談しましょう

薬剤を使用しても効果が見られない場合は抗精神病薬の内服が必要な場合もあります。

抗精神病薬は調整が難しく、使用をためらわれる場合も多いです。
処方は専門医の元で慎重に行われる必要があり、投与後の観察も大切です。

ここでは不穏に対して、処方が考えられる代表的な薬剤をご紹介します。

メマリー

感情や言動の安定化を目的として処方される内服薬です。

穏やかな気持ちにして、興奮した行動を抑制する効果があります。

漢方薬

漢方薬は、様々な身体的な不調に合わせて処方されます。
イライラや不安に効果があるとされる「抑肝散(よくかんさん)」が有名です。

もともとは子どもの夜泣き、疳(かん)の虫に使われていました。

苛立ちや興奮を鎮めて穏やかな気持ちにしてくれる作用が期待できます。

抗てんかん薬

短時間の不穏や興奮症状を鎮める目的で処方されます。

抗てんかん薬は気分安定薬とも呼ばれ、高ぶった気分を抑制し穏やかにする作用があります。

薬の副作用

抗精神病薬や抗てんかん薬といった抑制系の薬剤は、意識レベル低下を招きやすいです。

特に高齢者は薬剤の代謝に時間がかかる傾向があります。
そのため、翌日まで薬の効果が残ってしまう方も多いです。

意識レベルの低下によるふらつきや転倒にも注意が必要です。

薬の使い方

認知症と不穏のまとめ

ここまで認知症が引き起こす不穏についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。

  • 不穏は、攻撃的な行動や極度の興奮状態によって落ち着きがなくなること
  • 不穏の原因は、精神的な不安や身体的症状など
  • 不穏の対策は、本人に安心してもらえる環境作りが効果的

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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