思い出や出来事がすっぽりと抜け落ちていく記憶障害。
記憶障害の原因は、認知症や脳疾患だけではありません。
心のダメージが原因となっている場合は、心因性記憶障害と呼ばれます。
不安を感じている一方、原因や症状までは知らないという方が多いのではないでしょうか?
本記事では、心因性記憶障害について以下の点を中心にご紹介します。
- 心因性記憶障害と器質性記憶障害の概要
- 心因性記憶障害の原因
- 心因性記憶障害の主な症状
心因性記憶障害に関する不安を解消するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ本記事を最後までお読みください。
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心因性とは
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心因性とは、なんらかの心理的ダメージ、すなわちストレスによって心身に不調が出ることです。
心因性の疾患には、例えば心因性記憶障害やノイローゼ、強迫性障害のほか、拒食症、過換気症候群などがあります。
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記憶障害の種類
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記憶障害は大きく分けて、心因性記憶障害と器質性記憶障害の2種類があります。
心因性記憶障害
心因性記憶障害は、精神的ダメージを原因とする記憶障害です。
多くの場合、心理的なストレスを原因として発症します。
代表的なのは、解離性健忘症です。
心因性記憶障害の症状は、新しい情報の記憶が困難になる前向性と、過去の記憶が失われる逆行性に分類されます。
一般的なのは、逆行性の障害です。
逆行性の記憶障害では、障害の引き金となったショックな体験に関する記憶が失われることが多いです。
しかし、ケアや事故からの期間次第では、失われた記憶を取り戻すことが可能です。
器質性記憶障害
器質性記憶障害は、脳の疾患を原因とする記憶障害です。
例えば、脳神経細胞が減少する認知症や、脳血管に障害をきたす脳卒中などがあります。
認知症も脳卒中も、脳が損傷するために、記憶機能や認知機能にさまざまな支障をきたします。
損傷を受けた部位の脳細胞は回復しないため、多くの場合、器質性記憶障害の完治は不可能です。
心因性記憶障害の原因
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心因性記憶障害の原因について、解説します。
直接的原因
心因性記憶障害の直接的な原因は、なんらかの心理的ダメージです。
例えば虐待や、仕事・対人関係のストレスなどが挙げられます。
あるいは、命の危険を感じた恐怖から、心因性記憶障害を発症することもあります。
【心因性記憶障害の原因の例】
- 幼児期・長期にわたる虐待
- 戦争・大量殺人
- 事故
- 犯罪に関すること
- 大規模な自然災害
- レイプ・性的虐待
- パワハラ
- DV
- セクハラ
- 子供・パートナー・家族など身近な人の死
間接的原因
心因性記憶障害の中には、直接的原因を持たないものもあります。
つまり、メンタル面に原因がある記憶障害ならば、広い意味で「心因性記憶障害」と捉えることができます。
本記事では、心因性記憶障害のうち、直接的な原因(ショックな体験など)を持たないものを、間接的な心因性障害と捉えます。
間接的な心因性記憶障害の原因には、うつや高血圧などが挙げられます。
うつ
うつ病は、記憶障害を伴う心因性疾患で、原因の多くは、ストレスなどによる脳神経伝達物質の減少です。
脳神経伝達物質とは、脳から各器官に、運動・意欲・感情・記憶の命令を伝える物質のことをいいます。
脳神経伝達物質が減少する原因として、心身の過度なストレスが挙げられます。
ストレスによって脳の神経伝達物質が減少すると、脳内の情報伝達に支障が出るため、結果として記憶機能が低下するのです。
高血圧
高血圧の方は、記憶障害が起こりやすいというデータがあります。
高血圧によって記憶障害が起こるのは、血圧の上昇により、脳に何らかのダメージを与えるためです。
また、高血圧によって動脈硬化が起こると、脳出血や脳梗塞等のリスクが高まります。
血圧上昇や脳出血などによって脳神経細胞が損傷すると、記憶機能や認知機能に障害が起こります。
そのため、高血圧患者は、記憶障害が起こるリスクが高いのです。
高血圧の原因の一つは、対人関係や仕事のストレスです。
ストレスによって血圧は上昇するため、脳卒中が起こりやすくなり、記憶障害につながります。
心因性記憶障害の症状
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心因性疾患の主な症状を紹介します。
記憶障害
過去の記憶が失われる障害です。
あるいは、新しい情報の記憶が困難になることもあります。
見当識障害
時間・場所・人を正しく認識できなくなる障害です。
認知症などの脳疾患や、健忘症候群であらわれます。
理解力・判断力の低下
物事を正しく認識し、適切に対処できなくなります。
例えばレジ会計のときに、財布からいくら出せばいいか分からないなどがあります。
徘徊
外をウロウロする症状です。
ストレスや不安感のために、じっとしていられず、徘徊するケースもあります。
暴言・暴力
ストレスが捌け口を求めた結果、暴言・暴力として表出することがあります。
ストレスによる暴力・暴言は、家族などの身近な人に矛先が向きやすいのが特徴です。
無気力
何事にも意欲がわかない状態です。
ストレスにより、脳の活動が低下するために起こります。
妄想
つねに、他人が自分の悪口を言っているような気がする被害妄想などがあります。
原因は、ストレスなどにより、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることです。
心因性記憶障害の予防|ストレスを減らすには趣味を持つべき?
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ここまで読んできてご理解いただけたと思いますが、記憶障害を含む精神疾患の原因の多くは、ストレスです。
そのため、心因性記憶障害を予防するには、ストレスを減らすことが大切です。
趣味は、ストレスを減らす方法として有効です。
実際に自分の好きなことに熱中すると、ストレスを発散できるという人も多いでしょう。
ただし、趣味でストレス発散と言っても、自分に合う趣味と、合わない趣味があります。
自分に合わない趣味を続けると、かえってストレスの原因となることもあります。
例えば、絵画を趣味にしたとしましょう。
絵画を趣味にした理由は、自分では、絵を描くのが好きだと思っているからです。
しかし、その実、絵をうまく描こうとするあまり、かえって自分にプレッシャーをかけている可能性があります。
つまり一見は自分に合う趣味に思えても、自分にプレッシャーを与えている以上、絵画はストレス発散にならない趣味です。
ストレス発散を目的とする趣味ならば、気軽に長く続けられるものを選ぶことが大切です。
そのためには、自分がストレスを感じるものを、あらかじめ把握しましょう。
例えば、ストレスの原因が対人関係である場合、人と密接にかかわるような趣味はやめた方が無難です。
音楽鑑賞やアロマセラピーなど、一人でのんびりできる趣味がおすすめです。
反対に、一人でいることに寂しさを感じる性格なら、外に出て誰かと交流できる趣味なども試してください。
友達や仲の良い同僚と、ランチや飲み会に行くのも、立派な趣味の一つです。
日常的に自分の言いたいことを我慢しているなら、感情を爆発させられるような趣味がおすすめです。
例えばカラオケやダンスは、感情を最大限に表現できる趣味です。ガーデニングも、自己表現や自己実現が叶う趣味です。
自分の努力が花を咲かせるため、充実感や達成感を得やすいからです。
自分に合う趣味が思い浮かばないときは、とりあえず思いつくものを次々に試してみるのも、一つの方法です。
自分が心から楽しいと思える趣味を見つけて、ストレス発散につなげましょう。
心因性記憶障害のまとめ
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ここまで、心因性記憶障害についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 心因性記憶障害は、精神的ダメージが原因となっている記憶障害
- 器質性記憶障害は、身体的疾患が原因となっている記憶障害
- 心因性記憶障害の原因は、ストレスやトラウマの他、うつや高血圧などもある
- 心因性記憶障害の主な症状は記憶障害や理解力・判断力の低下、見当識障害など
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。