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健達ねっと>認知症を学ぶ>レビー小体型認知症の方は一人暮らしできる?リスクや対策を徹底解説!

レビー小体型認知症の方は一人暮らしできる?リスクや対策を徹底解説!

認知症の中でも、身体に障害が起きやすいレビー小体型認知症。
症状が進行すると、日々の生活にも支障が出てきます。

では、レビー小体型認知症の方は一人暮らしできるのでしょうか?

本記事では、レビー小体型認知症の方の一人暮らしについて以下の点を中心に解説します。

  • レビー小体型認知症の方が一人暮らしするときのリスク
  • レビー小体型認知症の方が一人暮らしするための対策
  • レビー小体型認知症の方が一人暮らしに限界を感じた場合

リスクを把握し安全に過ごすためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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レビー小体型認知症とは

疑問
レビー小体型認知症は、認知症の一種です。

「アルツハイマー型認知症」や「血管性認知症」とともに、「三大認知症」に数えられます。

症状

レビー小体型認知症の主な症状は以下の通りです。

  • 幻視・幻覚
  • せん妄
  • パーキンソン症状
  • 認知機能の低下

いずれも、発症の初期段階から現れやすい症状です。

せん妄は、現実とは異なる思い込みをする症状です。
「家族に財布を盗まれた」と訴える「物盗られ妄想」は、せん妄の代表的な症例です。

パーキンソン症状は、身体が自由に動かしづらくなる症状です。
主な症例は「歩行障害」で、手足の震えや平衡感覚の消失により、一人での歩行が困難になります。

原因

レビー小体型認知症の発症原因は、レビー小体という異常物質が脳内に蓄積することです。

脳に蓄積したレビー小体は、脳神経細胞を損傷させます。

脳神経細胞が損傷した部位は機能しなくなるため、認知機能の低下が起こります。
認知機能が低下し、日常生活に著しい支障が現れた状態が、「認知症」です。

脳にレビー小体が蓄積する原因は、解明されていません。

一説には、加齢や生活習慣の乱れ、遺伝的要因などが指摘されています。

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レビー小体型認知症の方が一人暮らしすることのリスク


レビー小体型認知症の方が一人暮らしをする際には、さまざまなリスクが伴います。

具体的なリスクについて解説します。

健康面のリスク

レビー小体型認知症は、薬物療法への過敏性が高いというリスクがあります。
たとえ少量の薬でも、想定外に効きすぎてしまうことがあります。

薬が効きすぎると、症状の急激な悪化や、さまざまな副作用が起こりやすくなります。

そのため、レビー小体型認知症の治療に薬物を用いるときは、薬の種類や服用量の適切な管理が求められます。

医薬品を服用するときは、まず医師やケアマネージャーに相談しましょう。

たとえ市販薬であっても、まずは医師やケアマネージャーに相談してください。
他の薬との飲み合わせで、問題が起こることもあります。

加えて、誤薬にも注意しなければなりません。
誤薬とは、薬を飲み忘れたり、処方された薬をいっぺんに飲んでしまったりすることです。

薬の「飲み忘れ」や「飲みすぎ」は、認知症による「記憶力・判断力の低下」によって起こりやすくなります。

誤薬による健康被害を防ぐためにも、適切に服薬できる工夫が必要です。

事故のリスク

事故のリスクとしては、「本人に被害があるもの」と「本人が被害をもたらすもの」の2つがあります。

本人に被害がある事故とは、転倒によるケガが考えられます。
とくにレビー小体型認知症の方は、転倒リスクが高い方が多いです。

レビー小体型認知症では、高確率で「パーキンソン症状」があらわれます。

パーキンソン症状が出ると、全身の筋肉が硬直し、身体が自由に動かしづらくなります。

支えがあっても歩行が困難になるため、転びやすくなります。
転倒が命取りとならないよう、対策を取る必要があります。

2つ目の「本人が被害をもたらす事故」についても、十分に対策を取りましょう。

認知症が進行すると、周囲が予想もしない行為に出ることがあります。

実際に、認知症の男性が、妻の不在中に、紙を燃やして火事を起こした事件があります。
事故が起こった原因は、認知症により、正常な判断力が失われていたことだと考えられています。

とくに一人暮らしの場合は、周囲の目が行き届きにくいのが現実です。

予想外の行動が、重大な事故につながらないよう、注意しなければなりません。

金銭管理面のリスク

認知症によって思考力や判断力が低下すると、適切な金銭管理が難しくなります。
たとえば、不要なものを買い込んだり、高額商品を購入したりするケースがあります。

とくに認知症の方は、理性のブレーキが利きにくいため、欲しいものを我慢できない傾向があります。
また、判断力の低下により、詐欺や押し売りに遭いやすい点も金銭面のリスクに含まれます。

一人暮らしの場合は、詐欺に遭っても周囲が気づきににくいため、注意が必要です。

また、財布や通帳の保管場所を忘れるというリスクもあります。
認知症の方は突発的な行動に出やすいため、理由もなく財布や通帳を、通常の保管場所以外に移動させることがあります。
一方で記憶力が低下しているため、別の場所に保管したこと自体を忘れることも多いです。

結果として、お金をどこに保管したのか分からなくなるという事態が生じえます。

もう一点注意したいのが、認知症の方の銀行口座は凍結されるという点です。
所定の手続きを踏めば、本人や代理人による引き出しは可能です。

しかし、緊急時にすぐお金をおろせないことは、よくあるケースです。

また、代理人による認知症の方の資産管理は、親族間のトラブルに発展しやすいという点も、留意すべきリスクです。

レビー小体型認知症でも一人暮らしをするために


レビー小体型認知症の方は、一人暮らしに伴うリスクが高いです。
しかし、適切な対策をとれば、ある程度の進行段階までは一人暮らしも可能となっています。

レビー小体型認知症の方が一人暮らしをする場合は、とくに「幻視」や「パーキンソン症状」への対策に重点を置きましょう。

家の改修

パーキンソン症状の対策には、住宅の改修やバリアフリー化が効果的です。
たとえば、廊下や階段に手すりを設置すると、一人でも移動しやすくなります。

手すりは、お風呂やトイレなど、「しゃがむ」動作を必要とする場所にも設置しましょう。

また、将来的な車いす生活を視野に入れ、玄関や敷居などの段差を失くす工事も検討してください。

【具体例】

  • 廊下に手すりを設置する
  • トイレやお風呂など、しゃがむ動作を必要とする場所に手すりを設置する
  • 座ったまま炊事できるよう、台所を低くする
  • 物干し竿を低い場所に設置する
  • 玄関に踏み台やベンチを設置する
  • 段差を失くす

部屋をできるだけシンプルにする

部屋をシンプルにすると、幻視症状の抑制に役立ちます。
幻視は、とくに暗がりや物影で発生しやすいからです。

認知症の方は、視覚情報を脳で正しく分析するのが苦手です。
簡単に言うと、ちょっとした影や、壁のシミを別のものに錯覚しやすくなります。

そのため、錯覚が起きにくい住環境を整えることが大切です。

たとえば照明を工夫したり、大型の家具を減らしたりして、部屋の見通しをよくしましょう。
また、壁のシミや汚れはできる限り取り除きましょう。

部屋を明るくシンプルに整えると、錯覚は起きにくくなります。

【具体例】

  • 明るい照明に取り換える
  • ふすまや大型の家具は撤去し、部屋の見通しをよくする
  • 壁・天井のシミや汚れは拭き取る

一人暮らしに限界を感じた場合


認知症が進行するにつれ、一人で自立した生活を送ることは難しくなります。

一人暮らしが難しくなった場合に備え、入居型の介護施設への入所をあらかじめ検討しておくことも大切です。

特別養護老人施設

公的な介護施設で、要介護3以上の方が入所できます。

入浴・排泄・食事といった日常生活の介護から、機能訓練や健康管理までを一括して受けることができます。

一月あたりの料金は施設や入居者によって差があるものの、一時入居金が不要であるなど、金銭的にも優遇されているのが特徴です。

原則として終身型の施設であるため、「看取り」を希望する方にも人気があります。

サービス付き高齢者向け住宅

民営のバリアフリー型賃貸住宅です。

受け入れ対象は、主に60歳未満の自立要介護認定者や、60歳以上の高齢者です。

介護や医療の知識のあるスタッフが常駐しており、生存確認をはじめ、介護や日常生活のあらゆる相談を受け付けています。

ただし、多くの場合、介護サービスは別途で結ぶ必要があります。

独居の方はもちろん、夫婦での入居希望者にも対応しています。

グループホーム

高齢の認知症の方が、少人数で共同生活を送るための施設です。

一般的な受け入れ対象は、高齢で、かつ要支援2以上の方です。

認知症介護の専門知識を持つスタッフが駐留しており、必要な時に必要な介護を受けられます。

施設によっては、生活保護者の受け入れも行っています。

有料老人ホーム

「介護付き」「健康型」「住宅型」の3タイプに分かれます。

タイプによって、提供されるサービスに違いがあります。

認知症が進行している場合は、介護サービスが受けられる「介護付き」が望ましいでしょう。

現状、まだ一人でも自立した生活が送れるのであれば、「住宅型」がおすすめです。

住宅型は、将来的に介護が必要になった場合には、別途契約で介護サービスを受けられることがほとんどです。

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まとめ


まとめここまで、レビー小体型認知症の方の一人暮らしについてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • レビー小体型認知症の方が一人暮らしするときは、健康面や事故、金銭管理のリスクに留意すべき
  • レビー小体型認知症の方が一人暮らしするためには、住宅のバリアフリー化や幻視対策が大切
  • 一人暮らしに限界を感じたら、介護施設の入居を検討する

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

薬の使い方

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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