前頭側頭型認知症の方で、同じ動きを繰り返す行動が見られることはありませんか?
前頭側頭型認知症の症状の一種の常同行動ですが、原因や対応法を知っている方は少ないでしょう。
そこで今回は、常同行動について以下の内容を説明します。
- 前頭側頭型認知症の方の常同行動とは
- 常同行動の原因
- 家族の対応方法
この記事をご覧いただき、前頭側頭型認知症による常同行動についての理解を深めるための参考にしていただけたら幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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前頭側頭型認知症の方の帯同行動とは
常同行動は、前頭側頭型認知症の特徴的な症状といわれています。
毎日同じ時間に同じことをする、同じ道を通って同じ場所に出かけるなど、繰り返す行動がみられます。
徘徊のように道に迷うことは少なく、同じ道を通りしっかりと帰宅できることが多いです。
一見、問題がないように感じるかもしれませんが、実はさまざまな危険につながる恐れがあります。
常同行動をする方は、雨の日や疲れている日でも同じ場所を歩かないと気が済まないので、交通事故等による怪我の発生が考えられます。
また、甘いものに執着し、同じお菓子を毎日食べるという行動が見られることも多く、糖尿病など健康被害も心配されます。
人によってどのような行動が現れるかは異なります。
いずれにしても日常生活に悪影響を及ぼす恐れがあるため、注意深く見守る必要があります。
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常同行動をする原因とは
常同行動の原因は、異常タンパク質の蓄積によって前頭葉や側頭葉が委縮することではないかといわれています。
脳が萎縮し、短期の記憶が苦手になっているために起きる症状です。
認知症の方はわざと行っているわけではなく、悪気はありません。
記憶の欠如によって不安になることから何度も同じことを繰り返してしまうのです。
急速に加速する超高齢社会の中、前頭側頭型認知症の発症者数は1万2000人を超えています。 そうした前頭側頭型認知症は、指定難病の一つでありまだ解明されていない点が多数存在しています。そこで、今回の記事では、[…]
常同行動のケア
同じことを繰り返す行動を活用したルーチン化療法という療法があります。
他の行動に置き換えて、脳を活性化させるような新しい行動を取り入れます。
散歩に行く時間をデイサービスに行く時間に変えることで、事故の被害や見守りの負担の軽減になります。
パズルや塗り絵、手芸など、興味を持ちそうなことを常同行動に加えて、集中して楽しく行える作業を続けてもらうことも有効な対応です。
常同行動においては、無理に規制するのではなく、症状をケアに活かすことが大切です。
家族の対応
ご家族に常同行動がみられたときは、どのように対応すればよいのでしょうか。
具体的な対応について3つに分けてご説明します。
初めてのように答える
何回も同じことを聞かれることは、家族にとってストレスになるものです。
しかし、前頭側頭型認知症による常同行動は、本人は悪気なく行っているということを理解して、できる限り初めてのように対応しましょう。
優しく答えることで、感情を安定させてあげることが大切です。
行動を観察する
過食や事故に備えて、飲食をする際、又は外出をする際は、認知症の方の行動を観察しましょう。
無理に止めない
同じ行動を繰り返そうとしていても無理に止めてはいけません。
不安定な精神状態にある場合、暴力や自傷行為につながることもあります。
どうしても止めなければいけない場合は、他の話題に気をそらすなどの対応をしましょう。
まとめ:前頭側頭型認知症の方の常同行動
ここまで、前頭側頭型認知症の方の常同行動について、症状や原因などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 常同行動とは、同じ時間に同じことをする、同じ道を通って同じ場所に出かけるなど
- 常同行動の原因は、記憶の欠如によって不安になること
- 常同行動に対する家族の対応は、初めてのように答える、行動を観察する、無理に止めない
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。