日本では、高齢者の増加が社会問題となっています。
同じく、認知症の発症者数も増加しています。
そうした認知症の症状には、作話というものがあることをご存知でしょうか?
そこで今回の記事では、認知症と作話の関係について以下の点を中心にご紹介します。
- 作話とはなにか
- 認知症によって作話が起こる原因とは
- 作話が起こったときの家族の対処法
認知症の知識を付けて、作話の症状が出た際の対策として参考にしていただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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作話とは
作話とは、文字通り作りあげた話という意味です。
「相手を信じさせるための事実であるような話」「事実ではなく想像した内容の話」などがあります。
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認知症によって作話が起こる原因とは
作話を認知症の方がするのはなぜでしょうか?
認知症を発症すると、判断力や記憶力が低下するため、自分の話が事実かどうかということが分かりにくくなります。
さらに、判断力・記憶力の低下により事実でない話をすることへの抵抗が無くなっている場合もあります。
認知症の方の作話とは
ここまで、認知症の方が作話をする原因について解説してきました。
そこで、ここからは認知症の方がする作話について解説していきます。
認知症の方がよくする作話は、食事をしていないと主張することです。
「ご飯を食べていない」という場合では、食べたことを忘れた、満腹を感じづらくなることが関係しています。
認知症の代表的な症状である、記憶障害によって食事をしたことを忘れていること、さらに、認知症を発症すると中枢神経に異常が起こり、満腹感を感じにくくなるとされています。
そのため、満腹ではない自分の主張を正すために作話をしていると考えられます。
また、作話をする心理として、家族や周りの人を悪者にしたいというよりも「自分を守りたい」ということが考えられます。
自分の状況がわからない恐怖や不安を解消するため、自分ではなく相手に責任転嫁するように作話をするとも考えられます。
作話が起きた際の家族の対応法
ここまで認知症の方の作話の原因、症状について解説してきました。
しかし、家族の方にとっては、その作話で傷ついたりトラブルに巻き込まれたりすることもあり、納得できないこともたくさんあるはずです。
ここでは作話が起きた際の家族の方の対応法について記載していきます。
否定しない
介護をする家族の方にとっては、「嘘をついている」と責めたくなることもあると思います。
しかし、責めることや否定することで、認知症の方がますます敵意を感じて、症状が進行してしまうことも考えられます。
そのため、できる限り「そうですね」とさらりと流したり、本人の話を聞くようにしましょう。
「家族にお金を盗まれた」というような深刻なトラブルに繋がりそうな作話の場合は、周囲の方に認知症の事情を伝えておき、近所の人たちの誤解を招かないようにすることも大切です。
本人の感情・立場に注目
認知症の方が「なぜこの作話をしているか?」ということを一度考えてみてください。
「自分は昔タレントだった」など自分を誇大表現する場合は、今の生活への不満や孤独感などが隠されていることがあります。
また、「ご飯を作ってもらえない」「お金を盗まれた」とった被害妄想の作話は、自分の空腹感や財布が無いという、状況の理由が不明確だと、人のせいにするのが合理的と考えている場合があります。
認知症の方がその作話に至った経緯を、感情や立場から考えると何かヒントがあるかもしれません。
一人で戦わない
認知症の方の作話を流したり聞くことを一つの手段としても、家族や介護をする側にとっては心身ともに疲れてしまうでしょう。
一人で抱え込んで解決しようとするのではなく、誰か別の方に介護を頼むことを検討することも大切です。
また、地域や医療関係の相談センターに連絡し、家族や介護者の方の負担を減らすために相談してみてください。
認知症による作話のまとめ
ここまで認知症と作話の関係についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 作話とは「相手を信じさせるための事実であるような話」「事実ではなく想像した内容の話」
- 認知症によって作話が起こる原因には、判断力や記憶力の低下、自分を守るため、相手に責任転嫁することが関係している
- 作話が起こったときの家族の対処法には、認知症の方の作話を否定しない、認知症の方の感情や立場を考える、一人で戦わないなどがある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。