皆様もご存じの通り、日本では少子高齢化の影響で、高齢者の数が増加しています。
少子高齢化に伴って、認知症の患者数も急増しています。
認知症は自分だけでなく、家族など周りの人も巻き込んでしまう病気です。
そのため、
「認知症になってしまったら、どうすれば良いの?」
「効果的な治療薬は存在するの?」
という不安を抱えている人も増えてきています。
そこで今回は、以下についてご紹介していきます。
- 認知症を治す薬はあるのか
- 認知症に使う薬の目的
- 認知症治療に使う薬の特徴
- 薬をやめるとどうなるのか
- 薬以外の治療はどのようなものがあるのか
ぜひ最後までご覧いただき、認知症になってしまった場合の治療の選択肢の参考にしてください。
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認知症を治す薬はあるの?
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認知症に使う薬の目的について
- 認知症の進行を遅らせるための認知機能改善薬
- 認知症に伴う精神状態を安定させるための抗精神病薬・睡眠薬
この2種類が処方されることになります。
進行を遅らせる
まず、認知症の進行を遅らせ、症状を抑える認知機能改善薬についてご紹介いたします。
認知機能改善薬は名前の通り、認知症によって衰えてしまった認知機能を改善していくための薬です。
認知機能改善薬の服用によって、認知症の中核症状の進行を抑え、初期症状の状態を長く保つことが出来ます。
認知機能改善薬にも、2種類の薬の作用方法や効果のタイプが存在します。
1種類目は、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬と呼ばれるものです。
アリセプト・レミニール・イクセロンという3つの薬がこのアセチルコリンエステラーゼ阻害薬に当てはまります。
このアセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、脳内のアセチルコリンの分解を抑制することで、脳内のアセチルコリンの相対量を増やし、認知症の中核症状の進行を抑えることが期待されています。
2種類目は、NMDA受容体拮抗薬です。
このNMDA受容体拮抗薬は、メマンチン(メマリー)という薬が認可されています。
興奮を伝える脳内の伝達物質にグルタミン酸という物質が存在します。
認知症になると、このグルタミン酸が過剰になり、認知機能を阻害すると言われています。
そこで、過剰なグルタミン酸の作用を弱め、過剰な興奮で起こる脳神経の損傷を防ぎます。
それによって、認知症の中核症状の進行を遅らせることが期待できます。
このNMDA受容体拮抗薬は、比較的重度の認知症患者にも用いられています。
精神安定目的
精神安定目的で使用される薬は、睡眠薬、漢方、抗不安薬・抗精神病薬などがあります。
睡眠薬は、一般的に処方されるときと同様に、不眠に対して処方されます。
健康な方と同じように、不十分な睡眠は日中の認知機能が低下するなど、日常生活に大きな影響を与えます。
認知症の方は、不安などから不眠になることも多々あるので、睡眠薬が処方される機会も多くあります。
しかし、睡眠薬の効きすぎによって、日中に眠気が残ってしまったり、せん妄状態になってしまったりする場合もあるので、服用量や回数は医師としっかりと相談する必要があります。
また、精神安定のために漢方が処方されることもあります。
漢方薬には、気持ちを落ち着かせて不安や妄想を抑える効果がある抑肝散などがあります。
漢方薬は、西洋医学で用いられる薬よりも作用が穏やかです。
そのため、副作用の心配も少ないという利点があります。
しかし、独特な香りが苦手な方も多いため、服薬が難しい場合もあります。
また、食前に服薬する必要があるため服薬管理に注意が必要となります。
認知症治療に使う薬の特徴について
アリセプト
アリセプトは先述した通り、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の1つです。
時期
軽症から高度のアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の全てに適応があります。
しかし、ジェネリック品では、レビー小体型認知症の承認が下りていないので注意が必要です。
期間
服用の期間は、認知症の治療が必要なくなった場合までとなります。
しかし、現在では、認知症の根本治療が存在しないので、認知症が悪化して症状の進行を遅らせる必要が無くなった場合や副作用が強い場合を除いて、基本的にはずっと飲み続けます。
薬が合わない場合は主治医に相談の元、用量の変更や違う薬への変更を検討しましょう。
効果
脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンを分解する効果を持つ酵素の活動を抑制することによって、脳内のアセチルコリンの相対量を増やします。
アセチルコリンの相対量増加によって、認知症の物忘れ(記憶障害)、問題解決能力の低下(実行機能障害)、見当識障害などの症状を遅らせることができます。
副作用
代表的な副作用として、おう吐や下痢などの消化器症状がみられます。
内服開始直後や増量後に見られることが多いので、注意が必要です。
軽度のものであれば、多くの場合、1日~数日で症状が消滅します。
症状が軽快しない場合や、症状が比較的強い場合には、無理せずに主治医に相談しましょう。
その他の副作用としては、イライラなどの精神症状、徐脈・不整脈、パーキンソン症状などが報告されています。
いずれも、症状が出た時点で主治医に相談し、用量の調整が必要となります。
レミニール
レミニールはアルツハイマー型認知症に効果があるとされる薬です。
時期
軽度および中度のアルツハイマー型認知症に適応があります。
期間
アリセプトと同様に、認知症の治療が必要なくなる場面までの服用が基本となります。
服用が必要ない程の重症化や強い副作用などの場合は主治医の指示に従いましょう。
効果
レミニールは2つの作用によって、治療効果を発揮しています。
1つ目は、アセチルコリン受容体の効力を高める作用です。
アセチルコリンの受け手の効果を高めることで、少ないアセチルコリンを効果的に運用することが可能となります。
2つ目は、アセチルコリン受容体の作用を阻害する作用です。
アセチルコリンの分解を防ぎ、脳内の相対量を増加させています。
この2つの作用により、少ないアセチルコリンを効率よく運用し、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせています。
副作用
代表的な副作用に吐き気、食欲の低下、下痢、めまいがあります。
こちらもアリセプトと同様に、服薬開始時や増量時によくみられますが、次第に消失していきます。
症状が長期間続いたり、症状が比較的強い場合には主治医に相談してみましょう。
イクセロン
イクセロンは貼り薬タイプの認知症の薬です。
時期
軽度および中等度のアルツハイマー型認知症に適応があります。
期間
イクセロンは軽度および中等度のアルツハイマー型認知症に効果が見られるため、重篤化してしまった場合は、他の薬を検討する必要があります。
薬が合わない場合は主治医に相談の元、用量の変更や違う薬への変更を検討しましょう。
効果
アリセプト・レミニールと同様にアセチルコリンの分解を阻害することでアルツハイマー型認知症の症状の進行を遅らせます。
アリセプト・レミニールとの相違点としては、阻害するアセチルコリン受容体の種類が違う点です。
作用する部位が違うため、他の薬で効果が見られなかった場合や副作用が強く出た場合に、イクセロンに切り替える事があります。
副作用
代表的な副作用として、かゆみや発赤などの皮膚症状とおう吐などの消化器症状があります。
皮膚症状の予防としては、同じ部位に連続して貼らない事や保湿する事が挙げられます。
また、かゆみや発赤に対して、軟膏などを処方される場合もあるので、皮膚症状が出た場合には、主治医に相談しましょう。
メマリー
メマリーは唯一承認されている、NMDA受容体拮抗薬です。
時期
中等度から高度のアルツハイマー型認知症に適応があります。
期間
イクセロンはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬との併用が可能なため、認知症軽度でアセチルコリンエステラーゼ阻害薬を服用し、重症化してきた時点で併用するパターンが多いです。
副作用なども検討しながら、認知症治療が必要なくなる場面まで、服用していきます。
効果
神経伝達物質であるグルタミン酸の過剰分泌を抑えることで、過剰なグルタミン酸による認知機能の阻害を防止します。
アリセプトを始めとするアセチルコリン受容体拮抗薬とは機序が違うため、併用することも可能です。
副作用
代表的な副作用にめまいが報告されています。
めまいは、服用開始時によく見られるため、メマリー服用開始時には転倒しないようにいつも以上に注意しましょう。
その他の副作用には、頭痛、食欲不振、催眠(日中に眠気)、便秘、血圧上昇などが報告されています。
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認知症をサプリで予防・改善したくありませんか。
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アルツハイマー病への抑肝散の効果
アルツハイマー病の治療として、「抑肝散」という漢方薬が使用されることがあります。
抑肝散はアルツハイマー病による周辺症状(幻覚妄想、抑うつ、心理症状など)の改善に効果が期待できるとされています。
抑肝散の主薬である釣藤鈎という生薬が、セロトニン神経系に作用し、抗不安作用をもたらしてくれるのです。
一方の見当識障害など中核症状に対しても、抑肝散を比較的多く使用すれば有効であることも分かってきています。
認知症の治療薬としては西洋薬が一般的ですが、最近では漢方薬の適応についても研究が進められているのです。
超高齢社会の日本において、年々増加している認知症。認知症の治療薬によって、進行の抑制を目指す方が多いです。中には認知症を治療するために漢方を使用している方もいます。では、漢方にはどのような効果があるのでしょうか?本記事では、認知[…]
認知症を悪化させる可能性のある薬
次の薬は副作用として、認知機能低下やせん妄を引き起こす可能性があるとされています。
- 三環系抗うつ薬
- パーキンソン病治療薬
- オキシブチニン
- ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬
- ヒスタミンH1受容体拮抗薬 (第一世代)
- ヒスタミンH2受容体拮抗薬
認知症の症状が現れた際には、服薬状況を確認し、副作用の可能性も検討することが重要です。
薬を止めるとどうなるの?
進行速度
服薬をやめると、症状の進行速度は早くなると考えられます。
服薬中断を決めた時に、症状が落ち着いていたとしても、それは薬の効果である可能性が高いです。
服薬を中断した結果、今までとは比にならないほど症状が進んでしまう場合もあります。
精神面
認知機能改善薬を中断した場合、上記のように認知症の症状が急激に進行する場合があります。
症状の進行により、精神状態が悪化してしまう場合もあります。
睡眠薬や抗不安薬に関しても同様で、症状が落ち着いているのは、薬の効果である可能性が非常に高いです。
薬の服薬を一気に中断してしまうと、今まで以上に精神状態が悪化してしまいます。
副作用が強く出てしまう場合は必ず医師に相談し、減量や中断を検討しましょう。
非薬物療法
認知症の治療には、薬物療法以外にも非薬物療法があります。
非薬物療法は、薬を使わずにリハビリをしていくというものになります。
薬物療法とは違い、脳へ直接作用するものではありませんが
- 認知症患者の気分転換
- 日常生活動作の改善や維持
以上2点においては薬物療法以上に効果がでることもあります。
認知症の治療方法は、薬物療法と非薬物療法に分けられます。非薬物療法では、認知症の方の能力を引き出すことができます。非薬物療法という言葉に聞き馴染みがないという人も多いのではないでしょうか?本記事では、非薬物療法について以下の点を[…]
理学療法や作業療法
理学療法や作業療法は、理学療法士や作業療法士が認知症患者にリハビリを行います。
理学療法とは、運動機能が低下した人に対して運動機能の改善を目的として行うリハビリです。
運動療法によって、リフレッシュや筋力の強化だけでなく、認知機能の向上や自信の回復にも繋がることが確認されています。
作業療法は、患者の日常生活動作をリハビリに取り入れる治療方法です。
以下にご紹介する、音楽療法や園芸療法もこの作業療法の一部となっています。
作業療法では、日常生活動作を通して、心身の機能維持や増強、社会性の向上などの効果が認められています。
回想法
回想法とは、昔の懐かしい写真や音楽などを見たり、触れたりしながら昔の経験や思い出を語る心理療法の一種です。
高齢者が昔のことをよく話すことから着想を得て作られたこのリハビリは、自己の再認識に繋がったり、自信や希望を取り戻す効果が期待できると言われています。
また、グループで回想法を行うことで、コミュニケーション能力の維持・増進にも繋がります。
準備物もほとんどなく、手軽に行うことができるため、多くの介護施設などで広く取り入れられています。
音楽療法・園芸療法
音楽療法は、音楽を聴いたり、歌ったりすることで脳の活性化や気持ちを落ち着かせる効果を期待できるリハビリ法です。
音楽を聴いたり、歌ったりすることは、健康な方でも脳の活性化や不安解消に繋がります。
認知症の方も同様の効果を期待することが出来ます。
また、回想法と組み合わせて行われることもあります。
園芸療法は、名前の通り、花と緑で人を癒す療法です。
最近では、森林浴なども流行っており、日常に緑を取り入れる方も増えてきています。
認知症の方のリハビリにも応用することができ、日常生活に花や木を取り入れることで、心身の健康や社会生活の健康の回復を期待できます。
リアリティ・オリエンテーション
リアリティ・オリエンテーションは、現実見当識訓練とも呼ばれ、自分の身の回りの時間や場所・人間関係が分からなくなるといった、見当識障害を解消するための訓練です。
日常生活の中で行われる場合もあれば、時間を取ってゆっくりと行われる場合もあります。
個人情報や今の時間、場所などの質問を繰り返すことで、認知症患者の現状の認識を強める効果があります。
リアリティ・オリエンテーションによって、認知症の症状の進行を遅らせたり、協調性を取り戻したりすることが期待できます。
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認知症治療の新たな可能性:新薬
認知症の治療法は現在進化の途中にあり、新たな薬の開発が進行中です。
これらの新薬は、認知症の進行を抑制し、症状を和らげる可能性があります。
中でもアデュカヌマブとレカネマブは、アルツハイマー型認知症の根本的な治療を目指す新薬として注目されています。
これらの薬は、認知症の原因となるタンパク質の減少を促す効果があるとされています。
しかし、その効果についてはまだ科学的な証明が必要で、継続的な研究が行われています。
アデュカヌマブ
アデュカヌマブは、アルツハイマー型認知症の根本的な治療を目指す新薬として注目されています。
この薬は、認知症の原因となるタンパク質の減少を促す効果があるとされています。
しかし、その効果についてはまだ科学的な証明が必要で、継続的な研究が行われています。
レカネマブ
レカネマブは、アルツハイマー型認知症の進行を抑制する新薬として、米国で承認されました。
この薬は、アミロイドβというタンパク質の脳内蓄積を抑制し、認知症の発症と進行を抑える効果が期待されています。
しかし、早期投与が必要で、そのためには適切な診断と施設が必要となります。
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認知症の薬に関するよくある質問|Q&A
認知症の薬は具体的にどのような効果があるのですか?
認知症の薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを改善し、記憶、認識、コミュニケーションスキル、日常生活能力の低下を遅らせることを目指しています。
しかし、これらの薬は病状の進行を止めるわけではなく、一時的に症状を緩和するだけであることを理解しておくことが重要です。
認知症の薬はすべての認知症に効果的なのですか?
すべての認知症に対して効果的な薬は存在しません。
アルツハイマー病の場合、一部の薬が認められていますが、他の認知症、特に血管性認知症やルイボディ型認知症に対する薬物療法の効果は限定的です。
認知症の薬にはどのような副作用がありますか?
認知症の薬には、吐き気、嘔吐、食欲不振、体重減少、筋肉痛、疲労感、不整脈などの副作用があります。
また、人によっては薬による影響で行動や気分が変わることもあります。
薬の副作用が心配な場合は、医療専門家と相談することが重要です。
認知症の薬は長期間服用すると効果が薄れますか?
認知症の薬の効果は個々の人によります。
一部の人には数年間効果が続く一方で、他の人には数ヶ月しか効果がないこともあります。
薬は病状の進行を遅らせるものであり、認知症を治すものではないため、時間の経過とともに効果が薄れることもあります。
認知症の薬を服用すると、日常生活の質が改善しますか?
認知症の薬は、記憶や思考の能力を一時的に改善し、日常生活の質を向上させる可能性があります。
しかし、薬の効果は個々の人によりますし、副作用の影響もあります。
また、薬の服用だけでなく、適切な栄養、身体活動、社会的な交流も含めた包括的なアプローチが、認知症の人々の生活の質を改善するのに役立つと考えられています。
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認知症の薬まとめ
以下まとめです。
- 認知症の薬は根本治療では無いものの、進行を遅らせることができる。
- 認知症の薬には用途別にアリセプト、レミニール、イクセロン、メマリーが主に使われている。
- 服薬を中断すると影響が出るため、医師や専門家に相談する。
- 薬物治療以外にも、様々なリハビリ方法が取り入れられており、治療の選択肢は広がりつつある。
ご紹介した情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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