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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症の対応>認知症の介護について徹底解説!介護者の気をつけるべきことを解説!

認知症の介護について徹底解説!介護者の気をつけるべきことを解説!

高齢者介護の中でも大変な場面の多い認知症の介護。

介護拒否や危険行動もあるため、介護者にとっては負担の大きい認知症の介護ですが、どのような問題や対策方法があるのでしょうか?

今回、認知症介護の特徴をご紹介した上で、その問題の傾向や介護の方法についてもご紹介します。

  • 認知症患者が介護拒否をする理由
  • 介護者に必要な対応
  • 徘徊を防ぐ最先端のツールとは

認知症介護を行う際の参考にしてください。
ぜひ、最後までご覧ください。

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介護の際に気をつけるべきこと

介護の際に気をつけるべきことについて知る高齢者

認知症介護では認知症という病気の理解と、本人の抱く気持ちに対する理解が重要になります。
相手に寄り添えない介護では、身体的にも精神的にもに疲弊してしまい、介護が続けられなくなってしまうこともあります。

そして、本人と介護者それぞれに対して気をつけるべきことがあります。

本人に対して気をつけること

認知症があるからといって「何もわからない」というわけではありません。
具体的な出来事は忘れてしまうかもしれませんが、その時々で抱く感情があり、その感情は記憶されるといわれています。

認知症の方の介護を行う際は、認知症は病気であるということを理解し、相手の気持ちをきちんと認識してあげることが重要です。
相手の気持ちに寄り添わない一方的な介護では、不快感を与えたり自尊心を傷つけてしまう結果につながってしまいます。

たとえ介護拒否があっても無理やり介護を行わず、なぜ拒否をしているのかを考える必要があります。

例えば、排泄介助されることが恥ずかしいと感じていたり、 食事介助ではそもそもお腹が空いていなかったりすることもあります。
また、実際には自分でできないことでも、自分で行えるので手伝いは必要ないと感じているかもしれません。

そのような気持ちに寄り添いながら対応していくことが、認知症の介護では大切になります。

介護者が自身に対して気をつけること

介護者が自身に対して気をつけるべきことは、ネガティブな感情を溜め込まないことです。

言うことを理解してもらえなかったり、介護拒否があるような場合、介護者は思うように介護できないことへの苛立ちや悲しみを抱いてしまうこともあります。
そのようなネガティブな感情を溜め続ければ、身体的にも精神的にも疲労してしまいます。

疲労が溜まると最悪、介護者自身がうつ病になってしまったり、認知症患者への虐待に発展してしまう恐れもあります。

介護がうまくいかず悩むようなことがあれば、担当ケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談することで、助言を受けたり必要な対応をとってもらうことができます。

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介護拒否の時の対応法について

介護拒否の時の対応法について考える高齢者

介護拒否には必ず原因があります。

介護拒否の場面で一番行ってはいけないことが、無理やり介護を行おうとすることです。
「なぜ介護拒否をしているのだろう?」「なにが嫌なのだろう?」という視点を持ち、まずは拒否の原因に向き合うことが大切です。

食事拒否

認知症の有無にかかわらず、人間はお腹が空かなければ食事をしたいとは思いません。

また、認知症発症者の多くが高齢者です。
高齢者の場合、成人と比較して1日に必要なエネルギー量は多くありません。
成人と高齢者では、食事を必要とする量もタイミングも違うということを理解しておかなければなりません。

他には、食事をする時間だと認識していないケースも考えられます。
物忘れなどの認知機能の低下が進むと、時間に関する認識力が低下してしまう場合があります。

このような症状を見当識障害といいます。

見当識障害が起こると、昼夜の認識ができなくなり、朝なのに夜だと勘違いしてしまうようなこともあります。
そのため、朝食を摂る時間であるはずが、「もう寝る時間」と勘違いして食事拒否をしてしまう場合があります。

このような場合には、時間感覚がわかるよう目につく場所に時計を置いたり、「朝ですね」「お昼になりましたね」などの声かけが有効とされています。

服薬拒否

服薬拒否がある場合、理解力の低下から薬自体の必要性を理解していない場合があります。
必要と認識していない薬や、目的のわからない薬を何錠も飲むのは避けたいと思いますよね。

この場合は、薬の処方箋や写真を見せながらわかり易く内服理由を説明する必要があります。

入浴拒否

入浴は身体の清潔保持や心身のリフレッシュになりますが、高齢者にとっては体力を使うため疲れてしまうと感じる方も多いようです。
そのため入浴拒否につながってしまうこともあります。

そういった理由が根底にある場合には、入浴方法や回数などを本人の意向に配慮して変更するなどの対応が求められます。

着替え拒否

他人の手を借りて着替えを行うことは、バカにされていると感じたり、着替えもできなくなってしまったと悲観的感情を抱いてしまうことにつながります。

全てを介護者のみで行おうとせず、本人には出来るところまでやってもらい、ボタンが上手くかけられない場所を手伝うなど、介助を最低限におさえるのがポイントです。
着替えやすい服を用意するなどの工夫も大切です。

やはり他人に服を脱がせられるという行為は、気持ちの良いものではありません。
着替えひとつとっても本人の気持ちを考えて対応する必要があります。

トイレ拒否

排泄の世話を他人に任せるのはやはり羞恥心が生じます。
認知症だから何もわからないというわけではありません。

認知症のみなさんも喜怒哀楽の感情を抱いています。
そのため、本人のプライドやプライバシーに配慮した声かけや対応が求められます。
本人の性格や気持ちに寄り添ったうえで、本人ができること、できないことを把握し、介助を行う範囲を決めると良いでしょう。

また、トイレを失敗してしまう恐れから拒否反応を示す場合もあります。
ここでもプライドや自尊心を傷つけない対応が求められます。

「汚したらダメでしょ」「また失敗して…」などのネガティブな言葉をかけるのはやめましょう。

本人のプライドが傷つけば、ますますトイレ拒否の傾向が強くなってしまう可能性があります。

介護者のストレスを減らすために

介護者のストレスを減らすためにどうすればいいか考える高齢者

認知症介護を行っていくうえで見落としがちなのが、介護者自身のストレスコントロールです。

認知症の方への介護方法を考えていくことはとても大切ですが、介護者に精神的ストレスや身体的負担が溜まると介護を続けていくことができません。

ストレスを溜め込まないためにも、自身の中にある不安、悲しみ、怒りなどのネガティブな感情を他者と共有すると良いでしょう。
家族に想いを伝え、共有することで気持ちが楽になることがあります。

地域によっては、認知症介護を行う方や専門家が集う認知症カフェが開催されている場合もあります。
同じ悩みを抱えた方と悩みを共有したり、専門家へ相談したりすることができます。

在宅介護について

在宅介護について考える高齢者

認知症の方の在宅介護では、服薬管理や危険行動に対する見守りが必要になります。

認知機能が低下することで、服薬管理が不十分になるケースが考えられます。
薬を正しく内服しなければ病状の悪化にもつながってしまうため、本人が管理できない場合には介護者が管理する必要があります。

また、認知症になると危険認識力も低下してしまいます。
火や包丁の取り扱い、また、勝手に外出しないように行動の把握が必要になります。

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施設介護について

施設介護について話す介護士

介護施設では専門家による24時間体制の介護を受けることが出来ます。
介助量が大きく、負担が増えてきた際には施設入所は有効な手段です。

施設によっては認知機能維持のためのリハビリを取り入れている場所もあります。
集団生活になりますので、施設のレクリエーションや行事を通して、他の入居者と交流の機会を持つこともできます。

また、施設入所をしたからといって、家族との交流がまったく途絶えてしまうこともありません。
家族参加型の行事があったり、週末だけは外出・外泊をして家族と過ごすことも可能です。

薬の使い方

在宅介護と施設介護のメリットとデメリット

在宅介護と施設介護のメリットとデメリットを話す医者

ここでは在宅介護と施設介護のメリットとデメリットについて説明していきます。

在宅介護

在宅介護のメリットとデメリットは以下です。

メリット

在宅介護のメリットは、住み慣れた自宅で生活を続け家族のそばにいられるため、精神的安定を図ることができることです。
その他、在宅介護の場合、施設介護に比べ金銭的負担を抑えることができます。

デメリット

在宅介護のデメリットは、介護者自身の身体的・精神的負担が大きくなることがあげられます。
介助量の増加にともない介護負担は増えていきます。
認知症状の度合いによっては、終始見守りが必要な場合もあり、介助者の時間的拘束も大きな負担になる場合があります。

施設介護

また施設介護のメリットとデメリットは以下です。

メリット

施設介護のメリットは、専門家による介護を24時間受けられることです。

施設によっては医師、看護師が常駐している場合もあります。
その場合、糖尿病治療で使用されるインスリン注射が必要な方や、定期的な痰の吸引が必要な方などの医療処置がスムーズに行われ、安心して介護を受けることができます。

デメリット

施設介護のデメリットは、金銭的負担が大きい点があげられます。

入所費用は地域や施設の種類によってさまざまです。

比較的費用の安い施設として特別養護老人ホームなどがありますが、待機者も多く、場合によっては年単位で入所を待つ必要があります。

有料老人ホームの場合には月々15~20万円かかってしまいます。
立地や設備などの面からもっと高額な施設になると、月々30~40万円の費用が掛かる場合もあります。

介護者の負担

介護者の負担を考える高齢者

認知症介護にはさまざまな面での負担が考えられます。
以下項目ごとに見ていきましょう。

身体的な負担

認知症の方の場合、身体能力はあっても、認知機能が低下しているため介護を要する場面が増えます。

また認知症でも筋力・体力がある方の場合、介護抵抗や拒否があるとかえって介護が大変になる場合もあります。
したがって、本人自ら動いてもらえるような、声かけや促しが必要になります。

精神的な負担

認知症の方の介護では、意思の疎通がうまくいかないことから、精神的ストレスが大きくなりがちです。
困りごとを相談できる理解者や協力者がいるだけで、精神的な負担はかなり軽減されます。
主介護者ひとりに任せっきりにせず、家族全体で協力しあうことが大切です。

また、かかりつけ医やケアマネジャーなど、いつでも相談できる関係先を築いておくと良いでしょう。

認知症介護の負担

認知症介護の一番の負担は、見守りや付き添いの必要性です。
特に外出先では、目を離した隙に道路に飛び出してしまったり、勝手にどこかへ行こうとしてしまったりする場合もあります。
場面によっては事故につながる可能性もあり、介護者としては気の休まらない状況が続いてしまうことがあります。

経済的な負担

身体的にも精神的にも負担の大きい認知症介護では、その分利用する介護サービスが多くなる傾向にあります。
結果として認知症ではない方の介護に比べて、経済的負担が大きくなる可能性があります。

また、認知機能の低下度合いによっては、終始見守りや付き添いが必要になるため、主介護者が介護のために就労ができないというケースも考えられます。

その他、認知症状が重度になり在宅介護が困難になれば、費用の高い介護施設への入所を余儀なくされる場合もあります。

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支援を受けるには?

支援を受けるにはどうすればいいか考える高齢者

認知症により日常生活に支障をきたす恐れのある場合や、実際に支障がある場合、介護保険による要介護認定を受けられる可能性があります。

要介護認定には要支援と要介護の2種類の区分があります。
それぞれ説明します。

要支援

要支援認定は1~2までの2段階あります。

身の回りのことは自分でできるが、身体機能の低下がみられ、近い将来介護を要する可能性がある場合に認定されます。
提供されるサービスは主に「介護予防サービス」と呼ばれ、要介護状態になることを予防する意図で介護保険サービスが提供されます。

提供されるサービスは基本的に在宅介護サービスが中心です。
ヘルパーによる家事援助や、運動の機会を増やすための通所リハビリ(デイケア)などが代表的なサービスです。
また、認知症の診断があり要支援2以上の認定がある場合、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の入居対象となります。

要介護

要介護認定は1~5までの5段階あります。
身の回りのことで何らかの介助が必要になる要介護1から始まり、要介護5では寝たきりで、全介助を要する状態となります。

主な介護保険サービスは要支援の認定でも利用できますが、要介護認定の場合には利用できるサービスの回数を増やすことができます。

また認知症介護は介護者の負担も大きいため、介護負担軽減を目的にしたサービスを利用することも可能です。
数日~数週間、介護施設に宿泊して介護をしてもらうショートステイや、日中の介護を施設や事業所で行ってもらえるデイサービスの利用が可能です。

また、在宅介護に限界を感じた場合には施設入所をすることもできます。
要介護1以上であれば介護老人保健施設の入所が可能です。
入所期間は数カ月という条件付きですが、入所費用が所得に応じて軽減されるため、一旦、介護老人保健施設に入所してから今後のことを考えるという方法もあります。

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認知症のリハビリ

認知症のリハビリについて話す医者

認知症のリハビリには以下のようなものがあります。

  • 運動療法
  • 作業療法
  • 回想法
  • 音楽療法

それぞれの療法についてご紹介します。

運動療法

運動療法は寝たきりになるのを防ぐのを目的とします。

体を動かすことによって筋肉量の維持を図る療法です。

運動療法には以下のメリットがあります。

  • 抑うつ改善
  • 介護者の介護負担軽減
  • 夜間の良眠を促す

作業療法

作業療法とは日常生活にある「作業」をリハビリや治療に活用する療法です。

以下のようなものを「作業」として活用します。

  • 調理
  • 掃除
  • 趣味(手芸や園芸など)
  • DIY

生活に密着した作業なので違和感がなく取り組みやすいメリットがあります。

回想法

患者の過去の記憶をたどり、苦労話やエピソードを共有して脳に刺激を与える療法です。

認知症では「遠い過去の記憶は喪失しにくい」という特徴を活かした方法です。

記憶のヒントから一緒に話をしていくことで認知能力低下を抑制することができます。

音楽療法

音楽療法は、懐かしい音楽を聴くことで以下の効果を得ることができます。

  • 脳の記憶能力の維持
  • 認知能力の維持
  • 精神的リラックス効果

国立長寿医療研究センターの実験でも記憶や注意力の改善が実証されています。

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徘徊問題がなくなる?!

徘徊問題がなくなることを考える高齢者

認知症に関する問題のひとつに徘徊があります。
徘徊とは目的もなくうろうろと歩き回る認知症状のひとつです。

屋内で徘徊する分にはさほど問題はないかもしれませんが、屋外に出て行ってしまった場合は大変です。
自分の家がわからず帰ってこれなくなる場合もあります。
家族が捜索願いを出し、警察に保護されるといったケースも少なくないようです。

しかし、現在では本人の位置情報がわかるスマートフォンアプリも開発されています。
靴やアクセサリーに小型GPSを装着しておくことで、本人の徘徊ルートや現在位置を特定できるようになります。

本人が自宅を離れた際にはメッセージが送られてくるため、家族としても安心でしょう。
徘徊が気になる場合には、このようなアプリの利用も有効です。

認知症介護のまとめ

認知症介護についてまとめる高齢者

ここまで認知症の介護に関する情報や、その問題・対応方法などを中心にお伝えしてきました。

  • 認知症患者が介護拒否をする理由は、物事の意図がわからなかったり、プライドや自尊心が傷つくことを恐れているから。
  • 介護者に必要な対応は、精神的・身体的負担の軽減。
  • 徘徊を防ぐ最先端のツールとは、GPSと連動したスマートフォンアプリ。

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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