三大認知症の一つとされているレビー小体型認知症。
発症すれば幻視や妄想をともなう可能性のあるレビー小体型認知症ですが、どのような対策や予防があるのでしょうか?
今回は、レビー小体型認知症について以下の点を中心にご紹介します。
- レビー小体型認知症の症状
- レビー小体型認知症の治療
- レビー小体型認知症の介護
- レビー小体型認知症との向き合い方
将来に対する不安を解消するためにも、参考にしていただけると幸いです。
是非最後までお読みください。
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レビー小体型認知症とは
レビー小体型認知症とは、「レビー小体」というたんぱく質が、脳に蓄積されることで神経に異常をきたす認知症です。
認知症全体で三番目に多く約4.3%を占めます。
認知機能障害に加え、パーキンソン症状、幻視、睡眠時の異常行動、うつ症状、自律神経症状などを引き起こす認知症です。
レビー小体型認知症の特徴
レビー小体型認知症は、65歳以上の方に多く見られる認知症で、女性よりも男性に多いです。
認知機能に変動があり、時間帯や日によって症状が変化するのが特徴です。
昨日できなかったことが、次の日には問題なくできていることもあるため、発見が遅れてしまうことも多いです。
アルツハイマー型認知症では、認知機能障害に起因する重度の物忘れがあるのに対し、レビー小体型認知症では物忘れはほとんどないという特徴もあります。
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レビー小体型認知症の症状
レビー小体型認知症の症状は以下の通りです。
一つずつ解説していきます。
認知機能障害
認知記憶障害は認知症にみられる症状のひとつです。
初期の症状として、記憶や思考、判断力の低下が見られます。
言葉や物事を理解できなくなると、日常生活にも支障が出てきます。
高齢者の場合、判断力や危険認識力の低下から、転倒、骨折してしまうケースも少なくありません。
幻視
レビー小体型認知症の特徴的な症状のひとつに幻視があります。
幻視とは、居るはずのない人や動物が、本人には明確に見えるといった状態です。
例えば、誰とも会っていないはずなのに「〇〇さんに会った」と言ってみたり、いるはずのない動物や虫が見えることもあります。
レビー小体型認知症のことを知らない人と接する場合、理解を得ることが難しい症状のひとつです。
睡眠時の異常行動
私たち人間は睡眠時、深い睡眠であるノンレム睡眠と、浅い睡眠であるレム睡眠を交互に繰り返しています。
レビー小体型認知症発症している場合、深い睡眠時のレム睡眠時に大声を出したり、暴れたりするなど睡眠時の異常行動がみられる場合があります。
うつ症状
うつ症状も、レビー小体型認知症の特徴的な症状のひとつで、約5割が抑うつ状態になるといわれています。
やる気の欠如や気分の沈みなど、全般的に意欲低下を起こしてしまうことが多いです。
パーキンソン症状
レビー小体型認知症では、神経伝達物質であるドーパミンの欠乏が起こります。
パーキンソン病もまた、ドーパミンの欠乏により発症するとされています。
具体的な症状は、手足の震え、筋肉のこわばり、動きが鈍くなることです。
日常生活では、小刻み歩行による躓きやすさや、姿勢反射障害によるバランス感の悪さから、転倒リスクが高まります。
自律神経症状
自律神経症状とは、血圧や体温を調整する自律神経が上手く機能せず、さまざまな不調を起こしてしまう症状のことをいいます。
具体的には、異常な発汗や頻尿、めまいや立ちくらみを起こすことがあります。
自律神経症状は精神的なストレスを溜め込む原因にもなります。
レビー小体型認知症とパーキンソン病の類似点・相違点
レビー小体型認知症と似ている病気にパーキンソン病があります。
そこで、ここからはレビー小体型認知症とパーキンソン病の類似点・相違点をご紹介していきます。
類似点
レビー小体型認知症とパーキンソン病はどちらも、筋肉が固くなり素早い動きが難しくなること、足を引きずりながら歩く、バランスが取れず転倒しやすくなることがあります。
また、記憶力や判断力の低下、理解力の低下により、注意を払ったり、物事の順序立ててこなすことが難しくなります。
現在のところ、どちらも根本的な治療法がないため対症療法を中心に行います。
相違点
レビー小体型認知症とパーキンソン病の違いは、脳内で起こっていることに違いがあります。
レビー小体型認知症では、特殊タンパク質であるレビー小体が脳の大脳皮質周辺に蓄積することで発症します。
一方、パーキンソン病ではレビー小体が脳幹周辺に集まることで発症します。
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レビー小体型認知症の症状の流れ
レビー小体型認知症の症状は段階的に進行します。
初期、中期、末期に分けてご紹介します。
初期
発症初期の症状には、パーキンソン症状、幻視、睡眠時の異常行動、自律神経症状などがあります。
特にパーキンソン症状が先行して現れます。
また、初期段階では認知機能障害は少ないです。
中期
中期では、初期でみられた症状の変動が激しくなります。
症状が出たり治まったりを繰り返しながら、少しずつ症状が悪化していきます。
物忘れや物事の理解力が低下する記憶障害、時間、場所、人の認識が出来なくなる見当識障害が代表的です。
末期
末期では各症状の進行が目立つようになってきます。
自律神経症状によるふらつきや立ちくらみに加えて、パーキンソン症状の進行によって転倒してしまうリスクが高まります。
認知機能の低下も進み、介護が必要な場面も多くなります。
また、飲食物を飲み込む機能も低下しやすく、誤って気管に飲食物が入り込むこともあります。
レビー小体型認知症の平均余命?
研究 | 生存年数 |
Larson 2004 *1 | 男性:4.2年 女性:5.7年 |
Xie 2008*2 | 診断から4〜5年 |
北村立 2009 *3 | 診断から5〜8年 |
レビー小体型認知症に限らず、認知症発症後の余命は平均7~10年です。
ただし、上記の数字はあくまで研究時のデータに基づくものです。
実際の生存年数は、年齢・基礎疾患・認知症のタイプによって大きく左右されます。
つまり個人差が大きいため、一概には言えません。
以下は、1961年から実施されている「久山町研究」のデータです。
【各タイプの認知症発症から10年後の生存率】
アルツハイマー型認知症 | 18.9% |
レビー小体型認知症 | 2.2% |
血管性認知症 | 13.2% |
上記の生存率はあくまで研究時のものであり、絶対的な数字ではありません。
認知症の各タイプの中でも、実際の生存年数には大きなバラつきがみられます。
*1:Larson EB, Shadlen MF, Wang L, McCormick WC, Bowen JD, Teri L, Kukull WA.「Survival after initial diagnosis of Alzheimer disease. Ann Intern Med.」
*2:Jing Xie, Carol Brayne, Fiona E Matthews, Medical Research Council Cognitive Function and Ageing Study collaborators.「Survival times in people with dementia: analysis from population based cohort study with 14 year follow-up」
*3:北村 立,細井 悦子,倉田 孝一「認知症診断後の生存期間について–石川県立高松病院での調査から」
レビー小体型認知症の初期には、物忘れなどの認知症症状は現れず、幻視、うつ、妄想などの精神症状が目立つ場合が多いです。
そのため、問診や知能検査だけではレビー小体型認知症の診断を行うことが困難です。
レビー小体型認知症の原因
レビー小体型認知症は、レビー小体というたんぱく質のかたまりが大脳皮質や脳幹に蓄積され、神経細胞を傷つけることが原因で発症するといわれています。
また、レビー小体が溜まる位置によって現れる症状が異なります。
例えば、大脳皮質に蓄積すると認知機能が低下し、脳幹部に蓄積すればパーキンソン症状が出現しやすくなります。
アルツハイマー型認知症、血管性認知症と並んで三大認知症の1つでもあるレビー小体型認知症。認知症は種類によって、原因や前兆、症状が異なります。本記事では、レビー小体型認知症の原因について以下の点を中心に解説します。[…]
レビー小体型認知症の診断基準は?
レビー小体型認知症の臨床診断基準では、認知機能の低下に加えて、
- 中核的特徴に示される、レビー小体型認知症の特徴的な症状
- 指標的バイオマーカーで指定される検査結果
を指標として用いています。
症状や検査の具体的な内容は、図をご参照ください。
出現している症状や検査結果に応じて、
- Probable DLB:ほぼ確実
- Possible DLB:疑い
の分類を用いて診断します。
臨床診断基準は2017年に改定され、指標的バイオマーカーの結果がより重視されるようになりました。
そのため、中核的症状が目立たない場合であっても、指標的バイオマーカーの検査結果により早期診断することが可能になりました。
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レビー小体型認知症の診断方法
レビー小体型認知症の診断方法は主に、問診、認知症検査、血液検査、脳の画像検査が一般的です。
問診
問診では、実際の様子や行動、これまでと異なる点の確認が行われます。
例えば以下のような質問項目です。
- 良い時と悪い時の差があるか
- 普段出来ていることが出来なくなることがあるか
- 転びやすくなったり、動作が緩慢になることがあるか
- 睡眠中に異常な行動がみられるか
- うつ症状がみられるか
- めまい、立ちくらみがあるか
さらに、発生しやすい時間帯や状況なども確認することで、症状を判断します。
認知機能検査
認知機能検査では、一般的に以下の検査手法が用いられます。
- HDS-R(長谷川式簡易知能評価スケール)
- MMSE(ミニメンタルステートテスト)
どちらも認知症全般に使用される検査手法です。
簡易的な質問や計算を行いながら認知機能をはかります。
最も多く使用されているのはHDS-Rですが、MMSEは高次脳機能障害(失語・失認)についても検査できるのが特徴です。
血液検査
パーキンソン病やうつ病など、症状の似た病気が複数あるため、他の病気の可能性を除外するために血液検査が行われます。
脳の画像検査
脳の画像検査では、主に以下の検査が行われます。
- CT/MRI
- ドーパミントランスポーターシンチグラフィ
- MIBG心筋シンチグラフィ
- 脳血流SPECT
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レビー小体型認知症の治療
レビー小体型認知症の治療としてあげられるのは、薬物療法とリハビリ治療です。
完治させることはできませんが、どちらも有効な治療方法です。
薬
現在、レビー小体型認知症そのものを治す治療薬はありません。
しかし、認知症状を抑える目的において薬物療法は重要な役割を担っています。
医師の指示のもと、適切な内服管理が必要です。
物忘れや理解力が低下してしまう認知症の方が、1人で内服管理を行うことは容易ではありません。
適切な内服管理のためには、家族をはじめとする周囲の協力が必要不可欠です。
65歳以上であれば、介護保険による訪問看護の利用が可能であり、内服管理のほか日々の状態もチェックしてもらえます。
リハビリ
リハビリでは主に理学療法が取り入れられます。
パーキンソン症状による小刻み歩行がみられる場合には、転倒リスクが高くなります。
高齢者が転倒した場合、骨折につながるリスクが非常に高く、さらに身体機能を低下させてしまいます。
正しい姿勢や歩行バランスを身につけ、筋力・体力の低下を防ぐことは重要な訓練です。
レビー小体型認知症の方がリハビリ治療を受けるには、以下の方法があります。
- 医療機関への通院リハビリ
- 介護保険サービスによる通所リハビリ
- 介護保険サービスによる訪問リハビリ
症状の状態により、必要なリハビリが異なります。
主治医がいる場合は一度相談してみると良いでしょう。
また、介護保険利用中で担当ケアマネジャーがいる場合は、ケアマネジャーへ相談するのも良いでしょう。
認知症のうち、約4.3%を占めるのがレビー小体型認知症です。レビー小体型認知症は薬物療法によって症状を緩和することができます。では、治療薬ごとの効果や副作用の違いはご存知でしょうか?本記事では、レビー小体型認知症の治療薬について[…]
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レビー小体型認知症の介護
レビー小体型認知症の方の介護を行う場合、症状や身体の状況にあわせて、環境を整備する必要があります。
環境を整備する
パーキンソン症状による小刻み歩行がみられる場合、ちょっとした段差でも転倒につながる危険性があります。
住宅内の段差の解消や手すりの設置が有効です。
玄関やトイレなどの段差、立ち上がる場所に手すりを設置することで、転倒リスクを軽減させることができます。
段差解消や手すり設置などの住宅改修は、介護保険の利用で助成を受けられる場合があります。
介護保険適用外でも、自治体によっては助成を受けられる可能性もありますので、一度市町村へ問い合わせることがおすすめです。
幻視を訴える場合
幻視とは、周囲の人が何も見えなくても、本人にとっては実際に見えている症状です。
事実ではないからといって、真っ向から否定するのは良くありません。
しかし、無責任に肯定し続ければ、妄想につながる恐れもあるので注意が必要です。
本人にとっては、知らない人が自分の部屋に現れたり、動物が走り回ったりと恐怖を抱いている場面もあります。
本人の感情を受容し、安心してもらえるよう、気持ちに寄り添うことが大切です。
妄想を訴える場合
妄想には強い思い込みが生じている場合があります。
なかなか周囲の言葉を聞き入れてもらえないといった場面も多くあります。
本人が怒りや不安を抱いている場合には、優しく傾聴しながら寄り添うことで気持ちが落ち着くこともあります。
身の危険につながるような妄想がみられる場合には、早めに専門医へ相談しましょう。
要介護認定を受けていて担当ケアマネジャーがいる場合には、事前に困った際の対応について相談しておくと良いでしょう。
症状が強く表れた時には、一時的に介護施設に預かってもらうショートステイなどの利用ができる場合もあります。
レビー小体型認知症は、幻視やパーキンソン症状が現れるため、症状が進行していくにつれ介護負担が大きくなります。介護をする際には、症状や利用できるサービスなど、さまざまなことを知っておくことが重要です。今回、レビー小体型認知症介護の特徴[…]
レビー小体型認知症との向き合い方
レビー小体型認知症は、出現する症状が多く、認知機能のほか身体機能も低下するため、その対応は容易ではありません。
症状が進行すれば家族の介護負担も大きくなります。
大切なことは、病気に対して適切な知識を身につけることです。
そして、家族や介助者だけで抱え込まないことも重要です。
かかりつけ医やケアマネジャーなどに、いつでも相談できるよう体制を整えておくと良いでしょう。
皆さまはレビー小体型認知症の方と接したことがあるでしょうか。認知症には様々な症状があり、周囲の人や介護者も対応に迷うことがあります。患者さまや介護者、周囲の方が快適な生活を送るためにより良い対応を心がけましょう。ここではレビー小[…]
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レビー小体型認知症のまとめ
ここまでレビー小体型認知症の症状に関する情報や、その治療・対応方法などを中心にお伝えしてきました。
以下まとめです。
- レビー小体型認知症は認知機能が少なく、幻視やパーキンソン症状をともなう。
- レビー小体型認知症は症状の出現に波がある。
- アルツハイマー型認知症と違い、物忘れは少ない。
- 適切な知識を持ち、家族や介助者だけで抱え込まないことが大切。
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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