認知症のトラブルの1つとして挙げられるのが徘徊です。
徘徊問題を解消できるGPSがあることを知っていましたか?
今回は認知症の方の徘徊対策をご紹介した上で、GPSの種類についてもご紹介します。
- 認知症の方の徘徊対策
- GPSの種類
- 徘徊の悪化を防ぐために必要なこと
この記事をご覧いただき、認知症の方の徘徊トラブルを解決するための参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。
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認知症の徘徊に対しての対策
※画像はイメージです
ご家族からすると認知症の方の徘徊は、事件や事故のリスクを感じて心配になるでしょう。
どこで何をしているのか分からない不安は計り知れません。
実際、認知症の方が1人で外出し、今自分がどこにいるのか分からなくなったら帰宅するのは困難です。
自分で周囲の人に助けを求めることができなければ、ご家族の元へ帰るまでに時間がかかります。
しかし、認知症の方にも外出する理由や目的があるため、ご家族が止めるのは非常に困難です。
無理に止めたり、叱ったりすればパニック状態に陥る可能性があります。
そのため、認知症の方の徘徊に対してしっかりと対策をする必要があります。
対策をしておくことで、徘徊によって起こる危険を回避することができるでしょう。
ここからは、認知症の方の徘徊に対しての対策を3つご紹介します。
対策①徘徊のタイミングを知る
まず、認知症の方の徘徊のタイミングを知ることが大切です。
認知症の方が「今から出かけてくる」と言えばすぐに対応できますが、何も言わず出て行ってしまったら、気付くことができません。
したがって認知症の方の徘徊のタイミングを知るために、家を出たことを知らせる工夫が大切になります。
たとえば、ドアの開閉を知らせるベルやセンサーを付けることで音が鳴り、ご家族が気付きやすくなります。
外出を止めることは困難でも、工夫をすれば徘徊のタイミングを知ることは可能です。
対策②早期発見のための準備をする
万が一家を出て行ってしまったとしても、早期発見に向けてあらかじめ準備をしておけば外出後のリスクを減らすことができます。
早期発見に向けての準備として効果的なものは以下の4つです。
- 自分で住所や名前を言えない可能性を考え、洋服の内側に名前や住所、連絡先を記載しておく
- 本人がいつも持ち歩いている鞄や財布の中に連絡先などを記載したものを入れておく
- 本人がよく行く場所や行動パターンを把握しておく
- 本人の居場所を知らせてくれるGPS端末を持たせる
上記の4つの内どれか1つでも対策しておけば、万が一家を出て行ってしまったとしても早期発見へ繋がるでしょう。
事前に準備をしておいて損はないので、万が一のことを考えてしっかり対策しておきましょう。
対策③周囲と連携する
また、認知症の方の徘徊対策には、周囲との連携は欠かせません。
万が一認知症の方の行方が分からなくなったとしても、協力をお願いすることができます。
ご家族だけで探すより、近所の方にも協力してもらった方が早期発見の可能性が高くなります。
認知症の方の徘徊は命の危険にも関わることなので、いざというときはご近所の方々に協力をお願いしましょう。
そのためにも、日頃からご近所の方との関わりを持っておくと良いでしょう。
さらに、認知症の方本人の担当ケアマネージャーや施設の方々へ事前に相談しておくことも1つの方法です。
「迷惑がかかる」「恥ずかしい」などの気持ちは持たず、周囲の方々に頼ることを忘れないでください。
しかし、どうしても発見に至らない場合は速やかに警察へ連絡しましょう。
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認知症徘徊の早期発見に役立つGPSとは
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GPSは現在地を確認できるものなので、認知症の方の徘徊トラブルの対策として有効です。
万が一家を出て行ってしまっても、GPSがあればパソコンやスマホなどで現在地を確認することができます。
そのため、事故や事件の危険性から認知症の方を守ることができます。
GPSによって認知症の方がどこにいるのかを把握することができれば、発見までに時間を要することもありません。
GPSは事故や事件のリスクから認知症の方を守り、家族の不安を取り除いてくれるとても便利なものなのです。
認知症患者に便利なGPSの種類
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徘徊の可能性を考え、たとえ財布や鞄の中に住所や連絡先を記載した紙を入れても、なくしてしまう可能性があります。
しかし、認知症の方の徘徊トラブル対策のGPSには実際に体に身に付けるものがあります。
体に身に付けておけばなくす心配はなく、ご家族は安心できるでしょう。
では、GPSの中にはどういった種類があるのかを1つずつご紹介していきます。
靴型
靴型GPSとは靴の中に小型のGPSが内蔵されているものです。
GPSを身に付けることを嫌がったり、GPSを無くす心配がある場合にとても便利です。
靴型のGPSは目に見えにくいので、認知症の方が抵抗感を持つことなく使用できるでしょう。
外出してどのくらいの時間が経過したか、自宅から何キロ離れた場所にいるのかを知らせる機能が付いているものがあります。
また、自宅から一定距離を離れると通知が送られる機能が付いているものもあります。
靴型のGPSをレンタルや販売している会社はいくつかあり、月額3000円台から利用できるサービスもあります。
通販サイトでは1万円以下から販売されているものもあります。
時計
GPSを搭載した時計は、デザインや色の展開が豊富です。
普通の腕時計と見た目の大差はありません。
内蔵センサーで着用者の活動状況や、その日の湿度や温度を把握できる機能が付いているものがあります。
また、緊急時に第三者へ連絡ができる機能が搭載されているものもあります。
GPSのみのものであれば2000円前後のものもありますが、機能によっては数万円と値段の振幅があります。
ブレスレット
GPS搭載のブレスレットは、オシャレなデザインのものがあります。
そのため、普通のブレスレットを身に付けているのと変わりはありません。
肌に優しい素材で作られているブレスレットもあるため、金属アレルギーが心配な方でも安心して着用できます。
GPS搭載のブレスレットは内側に住所や名前を記載できるものがあるので、徘徊の対策になります。
値段は1万円以下のものもあるので、手が届きやすいでしょう。
体内埋め込み型
国外では普及されている国はありますが、日本ではまだ馴染みがないものです。
体内埋め込み型のマイクロチップにはGPS機能が搭載されている他、自宅のドアを開閉したり、支払いができるなどの機能が付いているものもあります。
認知症患者のGPSの持たせ方
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認知症の方のGPSの持たせ方には工夫が必要です。
普段身に着けているものや徘徊時の服装、持ち出すものなどを想定して工夫しましょう。
認知症の方がGPS内臓グッズに拒否反応を見せたときの対策として以下の3つを挙げます。
【ポーチに装着】
昔から使っているポーチのファスナーに装着します。
GPSグッズのストラップを愛着のあるポーチに取りつければ拒否反応も少なくなります。
【いす脚カバーの活用】
市販のいす脚カバー(いすの靴下のようなもの)にGPSグッズを入れます。
いす脚カバーは徘徊時の服装などに縫い付ければあまり違和感を感じません。
【専用シューズの利用】
GPSグッズが入る専用シューズを利用するのも良いでしょう。
認知症の方に合った履きやすいもので、玄関に1足だけ置くなどの工夫が必要です。
GPS以外の認知症の徘徊対策グッズ
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GPS以外にも認知症の方の徘徊対策グッズはいろいろあります。
以下に4点ご紹介します。
【ドアの鍵を取り替えたり新しく取り付ける】
認知症の方が外へ一人で出るのを防止できます。
また、鍵を取り替えたり追加で取り付けたりすることで防犯対策にもなります。
【人感センサーを玄関に取り付け】
玄関に取り付けて徘徊しようとするときに家族に知らせるものです。
人を感知すると
- スマホに連絡が入る
- チャイムで知らせる
- 光で知らせる
など徘徊を家族に知らせて未然に防ぐグッズです。
【見守りカメラ】
居室に見守りカメラを取り付けて介護の方が認知症の方の状況把握ができるグッズです。
介護の方が外出時や別の部屋にいても居室の画像がスマホに送信される機能があります。
【無線の捜索装置】
子機を持った認知症の方が一定の距離以上離れると親機がアラームで知らせるグッズです。
一緒に出かけたときなどに便利なグッズです。
認知症の徘徊対策サービスとは
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認知症の方の徘徊対策サービスとして地域で活用できるサービスがあります。
以下に3つご紹介します。
【認知症高齢者等の見守り・SOSネットワーク】
認知症高齢者等の見守り・SOSネットワークは
- 認知症の方などを事前登録し地域全体で行う見守りネットワーク
- 徘徊などの際にネットワークで情報を共有し早期発見を行う
【認知症デイサービス】
認知症と診断された方が日帰りで食事や入浴などのできる通所サービスです。
認知症デイサービスでは認知症の専門的ケアが受けられます。
認知症デイサービスで専門的ケアを受けることは見守りサービスにもなります。
【訪問介護サービス】
ホームヘルパーによる自宅での食事や入浴の支援サービスです。
定期的なホームヘルパーによる訪問介護も立派な見守りサービスになります。
認知症患者の徘徊の悪化を防ぐために
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ここでは徘徊の悪化を防ぐためのポイントをいくつかご紹介いたします。
一緒に歩く
認知症の方は、本人なりの目的や理由があって外出します。
したがって、外出することを止めるのは非常に難しいです。
また、無理に引き止めることで怒らせたり、暴力に発展する可能性もあります。
認知症の方が外出する際は、一緒に外に出て歩くことが徘徊の悪化の防止に繋がります。
一緒に歩くことで認知症の方を自由に歩かせてあげることができ、安全も確保されます。
そして、認知症の方の徘徊の不安要素である事故や事件の危険性を回避し、徘徊トラブルが起こる心配がなくなります。
また、一緒に歩くことで認知症の方がよく行く場所や行動スタイルを把握できます。
ご家族のだれか1人でも把握しておけば徘徊対策をしやすく、悪化を防ぐことができるでしょう。
怒らない
たとえ認知症の方が徘徊をしたからといって怒ったり、怒鳴ることは決して正しいとは言えません。
認知症を患っていたとしても、感情を持つ1人の人間ということに変わりはありません。
ご家族に怒られたり、否定されることは認知症の方にとって非常に辛いことです。
徘徊に対して怒ることがストレスの原因となり、さらに徘徊の悪化に繋がる可能性もあります。
したがって、徘徊をしたとしても怒らず、きちんと冷静に対応することが重要です。
たとえ自宅にいるときに「家に帰りたい」と訴え始めたとしても、怒らずに理由を聞きましょう。
理由を聞き、不安を取り除いてあげるように努めれば認知症の方は安心できます。
感情的にならず冷静に対応することで、認知症の方の徘徊としっかり向き合っていくことができるでしょう。
他に興味を持ってもらう
認知症の方の徘徊の悪化を防ぐためには、他のことに興味を持ってもらうというのも1つの方法です。
外出しようとしているときは、外に行くことから気をそらすような言葉をかけると徘徊防止に繋がります。
たとえば、「美味しいケーキがあるから食べてから外に出ましょう」と誘えば、ケーキを食べている間に外出しようとしたことを忘れることもあります。
しかし、必ずしも気がそれるとは限らないので、色々な方法を試す必要があります。
すぐに取り組める方法なので、ぜひ試してみてください。
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認知症患者に持たせたいGPSのまとめ
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この記事では、認知症の方の徘徊トラブル対策であるGPSについてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- 認知症の方の徘徊のタイミングを知ることや、周囲に協力してもらうことが徘徊トラブル対策になる
- 認知症の方の徘徊トラブル対策であるGPSには、靴型やブレスレットタイプなどの種類がある
- 認知症の方が外出する際は一緒に歩いたり、怒らないことなどが徘徊の悪化防止になる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。