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健達ねっと>健康お役立ち記事>胃ろうとは?方法やメリットやデメリット、費用などを徹底解説!!

胃ろうとは?方法やメリットやデメリット、費用などを徹底解説!!

病気や老衰などで食物を口から摂取できない場合に、胃ろうという処置が行われます。
症状によって胃ろうするのかを急いで判断する必要のあるケースもあります。
胃ろうとは具体的にどのようなものなのでしょうか?

本記事では胃ろうについて以下の点を中心にご紹介します。 

  • 胃ろうが必要なときとは
  • 胃ろうのメリット
  • 胃ろうのデメリット
  • 胃ろう以外の栄養補給

胃ろうについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。

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胃ろう(PEG)とは

※画像はイメージです

胃ろうとは、胃に小さな穴を開け、外から直接栄養を注入する方法のことをいいます。
内視鏡を使って、胃ろうカテーテルを造ることをPEG(ペグ)と呼びます。
なお、PEGは他の手術に比べて、約15分程度と短い時間で終わる手術になります。

胃ろうの対象となる方 

胃ろうの対象となる方は、口から栄養摂取ができない方になります。
口から栄養摂取ができない理由は様々です。
口からの栄養摂取ができない方の例は以下の通りです。

  • 身体機能が低下している方や重度の認知症の方
  • 食べ物を上手に飲み込めない方
  • 飲み込むとむせて誤嚥性肺炎を何度も繰り返している方 

胃ろうの手術ができない方とは

口から栄養摂取ができない全ての方が、胃ろうの手術ができるとは限りません。
以下のような体の状況で、胃ろうをすることができないケースもあります。

  • のどや食道に腫瘍などがあり内視鏡が通らない場合
  • 栄養状況が極端に悪化している場合
  • 腹水がたまっている場合
  • 過度の肥満の場合
  • 横隔膜ヘルニアの場合
  • 妊娠している場合
  • 血が固まりにくい場合

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胃ろうのメリット・デメリット 

※画像はイメージです

胃ろうのメリットとデメリットはどのようなものなのでしょうか?
それぞれご紹介します。

メリット

胃ろうのメリットについてご紹介します。

栄養素が確保しやすい

胃ろうのメリットは、栄養素が確保しやすいことです。
口から食物が摂れなくなると、生命維持のための栄養素が不足します。
胃ろうをつくることで、必要な栄養素やカロリーを摂ることができます。

負担が少ない

鼻からチューブで胃へと栄養を補給する「経鼻胃管栄養」という方法があります。
経鼻胃管栄養と比較すると、違和感や痛みが少ないというメリットがあります。

目立たない

胃ろうに使われているカテーテルはコンパクトに作られています。
したがって、洋服を着れば胃ろうを隠すことができます。
見た目も違和感がないのが特徴です。

口から食べることもできる

胃ろうにしても口から食事をすることは可能です。
「経鼻胃管栄養」と比べると食べやすく、嚥下訓練のリハビリもできます。
口から食べた食べ物が胃ろうから出てしまうという心配はありません。

運動・リハビリへの影響が少ない

胃ろうでは、口から食事を摂ることもできます。
したがって、嚥下訓練のリハビリを行うことができます。

また、胃ろうは目立ちづらいので、基本的な運動がしやすいこともメリットです。

入浴もできる

胃ろうは、医師の許可があれば入浴もできます。
入浴の際に特別な処置をすることはありません。

ただ、カテーテルが接する皮膚がトラブルを起こさないよう、入浴には十分注意する必要があります。

誤嚥性肺炎の予防効果がある

胃ろうは直接栄養を胃に送り込みます。
したがって、誤嚥や誤嚥性肺炎を予防する効果があります。

デメリット

胃ろうのデメリットについてご紹介します。

手術をしなくてはならない

胃ろうの手術は、短時間で終わる内視鏡手術です。
しかし、手術することに変わりはありません。
身体に傷を付けることに、不安や抵抗感がある方がいらっしゃるのも事実です。

口腔ケアが必須

胃ろうにすると、口から食べることがほぼなくなります。

しかし、歯磨きなどの口腔ケアが必要ないというわけではありません。
なぜなら、唾液の分泌が減るため自浄作用が低下するからです。
自浄作用が低下すると、口の中の細菌が増えて虫歯や口臭の原因になります。

また、細菌性肺炎のリスクが高まります。
口腔ケアや唾液の分泌を促すリハビリは必須です。

逆流に注意しなくてはならない

胃ろうした場合、胃に注入した栄養剤が逆流して嘔吐する危険性があります。
胃ろうから栄養剤を注入する場合、身体を30度以上に起こして逆流を防ぐ必要があります。

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胃ろうチューブの種類

※画像はイメージです

胃ろうチューブは「胃の内部」と「体外部分」の2種類に分かれています。
そして、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

胃内部

種類メリットデメリット
バルーン型カテーテルを交換するときに、バルーンの蒸留水を抜いて小さくするため痛みを感じにくく負担が少ないバルーンの耐久性は短く、1~2カ月ごとに交換しなけれなならない。
バンパー型胃の内壁に固定されるため抜けにくい。
メンテナンス期間が4~6カ月と長い。
カテーテルが抜けにくい。
しっかり固定されているため、カテーテル交換時に痛みや圧迫感がある。

 

体外部分

種類メリットデメリット
バンパーボタン型身体の外にチューブが出ていないため、栄養剤を注入する部分が目立たず、動作の邪魔をしない。
チューブが短いため掃除の手間が少ない。
逆流防止機能が付いている。
片手ではボタンを開閉しにくい。
バンパーチューブ型栄養剤を注入するときにチューブとの接続が簡単。

カテーテルが抜けにくい。

体外にチューブが出ているので邪魔になりやすく、チューブの内部が汚れやすい。

胃ろうのメンテナンス・交換について

※画像はイメージです

胃ろうは、ずっと使えるものではありません。
定期的にメンテナンスと交換が必要になります。

バルーン型とバンパー型のメンテナンスについてそれぞれご紹介します。

バルーン型のメンテナンス

バルーン型のメンテナンスは、基本的に1カ月に1回の交換が目安となります。
交換の負担を軽減するために、2カ月に1回交換するケースもあります。

バンパー型のメンテナンス

バンパー型のメンテナンスは、基本的に4~6カ月に1回の交換が目安となります。
バルーン型よりも、交換頻度は少なくなります。

胃ろうの費用 

※画像はイメージです

胃ろうにかかる費用は胃ろうを造設する費用・入院費用・メンテナンス費用などです。
それぞれ具体的にご紹介します。 

胃ろうの手術と入院費用

胃ろうの手術と入院費は、保険適用となります。
胃ろう造設の手術後1週間ほどの入院が必要となります。

そのため、1割負担の場合は10,000円程度の費用がかかります。
さらに治療費、ベッド代、食事代が加算されます。

高額医療費の対象となるケースもあるので、病院に確認をとりましょう。 

メンテナンス費用

造設された胃ろうはメンテナンスが必要です。
カテーテルの種類によって、メンテナンスにかかる金額も変わります。
以下はメンテナンス費の一例です。

種類材料費手技料合計
バルーン型8,000円2,000円10,000円前後
バンパー型20,000円2,000円22,000円前後

バンパー型の方が交換頻度が少なくなるので、バルーン型よりも費用は安くなるでしょう。

栄養剤の費用

胃ろうで使われている人工栄養剤は医薬品扱いになるため、保険が適用されます。
医師の処方箋で購入する人工栄養剤は、1か月分で約20,000~35,000円となります。

栄養素を口以外から摂取するその他の方法

※画像はイメージです

胃ろうだけでなく、他にも栄養素を口以外から摂取する方法があります。
それぞれメリットやデメリット、あるいは症状に合わせた方法があるので紹介します。

PTEG

PTEGは「経皮経食道胃菅挿入術」の略です。
PTEGは首から食道に向けて管を挿入し、栄養を注入する方法です。

何らかの理由で胃ろうが造設できない方に対して行う方法です。
また、保険診療が認められています。

経鼻経管栄養

経鼻経管栄養とは、鼻の穴から胃へと栄養を注入する方法です。
主に消化器官の機能に問題がなく、短期間で嚥下障害などが改善する見込みのある方に対して行われます。

 手術を必要としないので、胃ろうのように身体に穴を開けずに済みます。
また、嚥下の状態が改善すればすぐに取り外すことができます。

腸ろう

胃ろうが難しい場合は、腸に穴を開けて栄養を注入します。
病気で胃を切除していても、腸の機能が正常であれば腸ろうを造設することができます。

腸ろうについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

経静脈栄養

経静脈栄養という血管に直接栄養を注入する方法があります。

経静脈栄養には「末梢静脈栄養」と「中心静脈栄養」の2種類があります。
それぞれご紹介します。

末梢静脈栄養

腕や足の静脈にカテーテルを挿入して、点滴のように栄養を注入する方法です。
栄養注入期間が10日以内と比較的短いと見込まれる場合に使われます。

中心静脈栄養

一般的に鎖骨の下を通る静脈にカテーテルを挿入して栄養を注入する方法です。
栄養注入期間が10日以上と比較的長いと見込まれる場合に使われます。

胃ろうのまとめ

※画像はイメージです

今回は胃ろうについて紹介してきました。
胃ろうについての要点を以下にまとめます。

  • 胃ろうとは、口から栄養が摂れないときに行う手術。
  • 胃ろうのメリットは、負担なく栄養が摂れることなど。
  • デメリットは、手術することや口腔内ケアが必要なことなど。
  • 胃ろう以外の栄養補給は「PTEG」「経鼻経管栄養」「腸ろう」「経静脈栄養」など  

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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