ビタミンといえばビタミンCなどが有名ですが、実はDも存在することをご存知ですか。
ビタミンDは骨や筋肉を丈夫に保つ上で、とても大切なビタミンです。
本記事ではビタミンDの不足症状について、以下の点を中心にご紹介します。
- ビタミンDはどんなビタミン?
- ビタミンDが不足した場合の症状とは?
- ビタミンD不足を防ぐには?
- ビタミンDは摂りすぎても症状が出る?
ビタミンDの不足症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ビタミンDとは
ビタミンDは私たちの体にとって欠かせない栄養素の一つです。
このビタミンは、油に溶けやすい脂溶性ビタミンとして知られ、主に食品から摂取することができます。
また、日光を浴びることで皮膚がビタミンDを合成することもできます。
ビタミンDにはD2~D7までの6種類があります。
6種類のうち、とくに人体に重要なのが植物性のビタミンD2と動物性のビタミンD3です。
これらは食品から摂取することができるほか、紫外線を浴びることで皮膚がビタミンD3を合成することもできます。
特に日光を浴びる機会が少ない人は、ビタミンDの不足に注意が必要です。
ビタミンD2とD3の作用はほぼ同じです。
しかし最近の研究では、D3のほうがより効果が高いとも指摘されています。
ビタミンdは丈夫な骨づくりに欠かせない栄養です。日本人には不足しやすい栄養素ですが、かといって摂りすぎても身体によくないことをご存知ですか。本記事ではビタミンdについて、以下の点を中心にご紹介します。 ビタミンdが不足すると骨粗し[…]
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ビタミンDの不足症状
ビタミンDの不足症状として代表的なのは「骨軟化症」「骨粗しょう症」です。
小児では「くる病」のリスクが高まります。
大人が発症する場合は骨軟化症、小児の場合はくる病と呼ばれます。
骨軟化症・くる病では、骨の石灰化が妨げられます。
分かりやすく言えば、骨が柔らかくなってしまうのです。
骨軟化症・くる病の症状は以下の通りです。
- 骨折
- 骨痛(股関節・骨盤・背中の痛み など)
- 筋力低下による歩行障害
- 脊椎の変形
- 身長が伸びない(小児の場合)
骨が固く丈夫になるためには、血液中のカルシウム・リンが用いられます。
もし血液中のカルシウム・リンが不足すると、骨を作るための原料が足りません。
血液中のカルシウム・リンが不足する原因の1つが、ビタミンD不足です。
ビタミンDは、カルシウム・リンを腸管から血液中に取り込むのをサポートしています。
そのためビタミンDが不足すると、カルシウム・リンの吸収がうまくいかなくなり、結果として骨に異常な症状が出ます。
あるいはビタミンDの摂取は十分でも、なんらかの原因で働きが低下することがあります。
おなじくカルシウム・リンの吸収に支障をきたすため、骨軟化症やくる病のリスクが高まります。
骨粗しょう症も、おなじくビタミンDの不足症状です。
骨粗しょう症とは、骨の中がスカスカになった状態です。
骨が脆くなるため、骨折などのリスクが高まります。
とくに高齢者に多いですが、ビタミンDが不足すれば若者にも起こりえます。
骨粗しょう症の原因は骨代謝のバランスが崩れることです。
骨代謝とは古い骨を壊し、新しい骨を作る仕組みです。
骨代謝によって新しい骨を作るには、血液中のカルシウム・リンが不可欠です。
もし血液中のカルシウムが不足すると、不足分を補うために骨からカルシウムが流れ出します。
結果として骨のカルシウム量が下がり、骨が脆くなってしまいます。
血液中のカルシウムが不足する原因は、ビタミンD不足などが代表的です。
その他の症状
ビタミンDの不足は、筋力の低下も引き起こします。
筋力が低下することで、転倒のリスクも高まります。
骨軟化症や骨粗しょう症になると転倒のリスクは骨折のリスクに直結します。
高齢者の方は特に注意が必要です。
また骨密度や筋肉量の低下によって、体重の減少に繋がることもあります。
骨粗しょう症の予防法についても解説していますので、こちらも合わせてご参考ください。
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ビタミンD不足の原因とその影響
ビタミンDは私たちの健康にとって欠かせない要素であり、特に骨や筋肉の健康を維持するための重要な栄養素です。
しかし、最近、多くの日本人がビタミンD不足であることが明らかになっています。
このビタミンD不足がもたらす健康上のリスクと、なぜ私たちがこの状態になってしまうのかを詳しく解説します。
食事からのビタミンD摂取が不足
ビタミンDは、脂肪性の魚や、キノコ類に豊富に含まれています。
しかし、現代の食生活の変化、特に加工食品の摂取の増加や外食の頻度の上昇により、これらの食品の摂取が減少していると考えられます。
日光浴の機会が減少
ビタミンDは、皮膚が紫外線を浴びることで生成されるため、日光浴は非常に重要です。
都市化の進行や室内での生活が主流となる中で、日光を十分に浴びる機会が減少しています。
特に、冬季や曇りの日は日光浴の機会が少なく、ビタミンDの生成が難しくなることがあります。
年齢ととものビタミンDの生成能力の低下
高齢になると、皮膚のビタミンD生成能力が低下することが知られています。
そのため、同じ時間日光を浴びても、若い頃と比べてビタミンDの生成量が少なくなる可能性が高まります。
植物性食品の摂取が不足
最近の研究によると、日本人の食生活の変化、特に植物性食品の摂取の減少により、植物由来のビタミンDが摂取されなくなっていることが指摘されています。
シイタケやエリンギなどのキノコ類は、植物由来のビタミンD2を豊富に含む食品です。
これらの食品の摂取が不足すると、ビタミンD2の摂取が難しくなります。
ビタミンD不足による高齢者へのリスク
ビタミンD不足は、高齢者の要介護・要支援リスクを上昇させます。
理由は、ビタミンD不足が骨粗しょう症を招くためです。
骨粗しょう症は骨がもろくなる症状です。
そのため、些細な転倒や打撲が骨折につながることもあります。
高齢者が骨折すると、そのまま寝たきり状態に移行することも少なくありません。
結果として要支援・要介護度区分が上昇してしまうのです。
実際に骨粗しょう症は、要支援・要介護度認定される原因の約15%を占めます。
では、なぜ高齢者の方が骨粗しょう症になりやすいのでしょうか。
理由の1つとして、外出率の低下が挙げられます。
国土交通省の調査では、高齢になるほど外出率が低くなるというデータが出ています。
免許あり | 免許なし | |
65歳以上 | 80% | 60% |
75歳以上 | 76% | 55% |
運転免許証を持っていない75歳以上の方は、約半数が外出を控えていることが分かります。
日光を浴びる時間が少なくなるにつれ、ビタミンDの合成量は少なくなります。
結果、骨粗しょう症がおこり、要支援・要介護度・寝たきりになるリスクが上昇します。
ビタミンD不足にならないためには
ビタミンD不足にならないためには、1日に必要な摂取量を知る必要があります。
なお、ビタミンDは摂りすぎてもいけません。
男性 | 女性 | |||
目安量(μg) | 耐容上限量(μg) | 目安量(μg) | 耐容上限量(μg) | |
0~11カ月 | 5.0 | 25 | 5.0 | 25 |
1~2歳 | 3 | 20 | 3.5 | 20 |
3~5歳 | 3.5 | 30 | 4.0 | 30 |
6~7歳 | 4.5 | 30 | 5.0 | 30 |
8~9歳 | 5.0 | 40 | 6.0 | 40 |
10~11歳 | 6.5 | 60 | 8.5 | 60 |
12~14歳 | 8.0 | 80 | 9.5 | 80 |
15~17歳 | 9.0 | 90 | 8.5 | 90 |
18~75歳以上 | 8.5 | 100 | 8.5 | 100 |
妊婦 | – | – | 8.5 | – |
授乳婦 | – | – | 8.5 | – |
食事による摂取
最も一般的なビタミンDを摂取する方法は食事です。
魚類はビタミンDの主な摂取源として知られています。
特にかつおの酒盗やあん肝、しらす干しなどは高い含有量を誇ります。
また、肉類や卵類、乳製品にも一定量が含まれています。
ビタミンDを含む植物性食品としては、きのこ類が挙げられます。
特に干し椎茸や舞茸は、ビタミンDを多く含んでいます。
成人の1日あたりの摂取目安量は8.5μgです。
魚の切り身を1切れ食べれば、およそ1日分のビタミンDを摂取できます。
日光浴での体内合成
ビタミンDは体内でも合成されます。
具体的には皮膚に直射日光があたると、体内での合成が始まります。
なお、1日あたりの日光浴は以下が相場です。
日光浴の平均時間は以下の通りです。
- 夏…木陰で30分程度
- 冬…1時間程度
紫外線の当たりすぎは日焼けや皮膚がんのリスクを高めます。
日焼け止めや日傘などを上手に利用してください。
ビタミンDを多く含む食品についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご参考ください。
ビタミンを多く含む食品群
以下の表はビタミンを含む食品の、具体的な含有量です。
自分に合った食品を探してみましょう。
食品名 | 加工状態 | ビタミンD含有量 (100g当たり) | 一食分の量 | ビタミンD含有量(一食分当たり) |
かつお | 塩辛(酒盗) | 120.0μg | 30g | 36.0μg |
あん肝 | 生 | 110.0μg | 50g | 55.0μg |
しらす | 干し | 61.0μg | 20g | 12.2μg |
いくら | しろさけ | 44.0μg | 30g | 13.2μg |
紅鮭 | 生 | 33.0μg | 50g | 16.5μg |
マイワシ | 生 | 32.0μg | 50g | 16.0μg |
うなぎ | 蒲焼 | 19.0μg | 80g | 15.2μg |
サンマ | 皮付き、生 | 16.0μg | 100g | 160μg |
マアジ | 皮付き、生 | 8.9μg | 100g | 8.9μg |
干し椎茸 | 乾燥 | 17.0μg | 10g | 1.7μg |
舞茸 | 生 | 4.9μg | 50g | 2.45μg |
エリンギ | 生 | 1.2μg | 50g | 0.6μg |
えのき | 生 | 0.9μg | 50g | 0.45μg |
ビタミンDの阻害要素
日光浴をしてもビタミンDが十分に合成されない場合があります。
ビタミンDが合成されにくい条件を解説します。
状況による阻害
ビタミンDを合成するには、直射日光を浴びる必要があります。
以下のような条件で直射日光の照射を阻害すると、合成量は少なくなります。
- 窓越しに太陽光を浴びる
- 日焼け止めを塗る
- 長袖を着用し、肌に直射日光があたらない
体質による阻害
ビタミンDの合成量は、体質によっても少なくなることがあります。
- 皮膚の色が濃い
- 肥満の方
- 高齢者
上記の条件に当てはまる方は、ビタミンDの合成能力が低下していることが多いです。
そのため直射日光を浴びても、ビタミンDが十分に合成されないおそれがあります。
ビタミンDの合成量が少ない場合は、食品などからビタミンDを補う必要があります。
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ビタミンDは取り過ぎても危険
ビタミンDを過剰に摂り続けると、腎臓や骨などに障がいが出ることがあります。
健康被害を防ぐには、1日あたりの耐容上限量を守ることが大切です。
なお、耐容上限量は年齢によって異なります。
18歳以上の方は100μgが目安です。
とくにサプリメントなどを利用している方は、過剰摂取になる可能性が高いです。
食品との兼ね合いを考えながら、1日あたりの摂取量を守ってください。
そもそもビタミンDは体内に溜まりやすいビタミンです。
理由は、脂溶性のビタミンであるためです。
脂溶性とは、脂に溶けやすい性質を指します。
つまり脂溶性のビタミンDは、脂に溶けやすく、水に溶けにくい性質のため体外に排出されにくいのです。
ビタミンDの体内への蓄積が過剰になると、血中のカルシウムやリンの濃度が上がります。
すると血管・筋肉・臓器が石灰化し、健康被害が出やすくなります。
ビタミンDの過剰摂取による症状の例は以下の通りです。
食欲不振 | 体重減少 | 不整脈 | 多尿 |
頭痛 | 腎臓・血管へのカルシウム沈着 | 骨の軟骨組織の石灰化 | 高カルシウム血症 |
血管や臓器にカルシウムが沈着して石灰化すると、神経を圧迫することがあります。
激しい痛みを感じることも少なくありません。
高カルシウム血症は、軽度であれば症状が出ないこともしばしばです。
しかし悪化すれば、腎不全などのリスクが高くなります。
ときには命を落とすこともあります。
ビタミンDの過剰摂取にはくれぐれも注意しましょう。
ビタミンDは健康維持に重要な栄養素であるにもかかわらず、多くの方が不足しています。ビタミンDの補給にはサプリメントという方法もあります。しかし過剰摂取になった場合、健康に害はないのでしょうか?本記事では、ビタミンDの過剰[…]
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ビタミンDサプリメントについて
ビタミンDは、私たちの健康をサポートするための鍵となる栄養素です。
カルシウムの吸収を助け、骨の健康を維持するだけでなく、免疫機能の調節にも寄与しています。
しかし、日常の食事や日光浴だけでは十分なビタミンDを摂取するのは難しいことが知られています。
サプリメントでの摂取のメリット
日常の食事や日光浴だけでは、必要なビタミンDを得るのは難しいとされています。
特に冬場の日照時間の短さは、ビタミンDの生成を制限します。
そのため、サプリメントを利用して効果的にビタミンDを摂取することが推奨されています。
ビタミンDサプリメントの選び方
市場には様々なビタミンDサプリメントが存在します。
最適なものを選ぶためのポイントとして、ビタミンDの種類、含有量、他の栄養素の有無、価格、そしてGMP認証の有無を考慮することが重要です。
過剰摂取のリスクと注意点
ビタミンDは脂溶性のため、過剰摂取は体内に蓄積するリスクが伴います。
食欲不振、嘔吐、腎機能障害などの健康問題を引き起こす可能性があるため、サプリメントの摂取量には注意が必要です。
ビタミンD不足の症状に関するよくある質問
ビタミンD不足の主な症状は何ですか?
ビタミンD不足の主な症状には、骨の痛みや脆弱性、筋肉の弱さや痛み、疲れやだるさ、気分の低下やうつ、そして免疫機能の低下が含まれます。
ビタミンD不足はどのような原因で起こるのですか?
ビタミンD不足の主な原因には、以下のようなものが考えられます。
- 十分な日光を浴びない生活
- 食事からのビタミンDの摂取不足
- 腸の吸収障害
- 腎臓の機能障害
- 特定の薬の影響
ビタミンD不足のリスクを減少させるためにはどのような対策を取るべきですか?
ビタミンDのリスクを減少させるためには、日常的に適度な日光浴を取る、ビタミンDを含む食品を摂取する、必要に応じてサプリメントを利用するなどの対策が有効です。
ビタミンDの適切な摂取量はどれくらいですか?
推奨されるビタミンDの摂取量は年齢、性別、健康状態などによって異なります。
一般的に、成人の場合は毎日600〜800 IUのビタミンDを摂取することが推奨されています。
具体的な摂取量については医師や栄養士に相談することが最も確実です。
ビタミンDのサプリメントを摂取する際の注意点はありますか?
ビタミンDのサプリメントを摂取する際には、過剰摂取を避けるための適切な量を守ることが重要です。
また、他の薬やサプリメントとの相互作用も考慮する必要があります。
サプリメントを始める前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
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ビタミンDの不足症状まとめ
ここまでビタミンDの不足症状についてお伝えしてきました。
ビタミンDの不足症状の要点を以下にまとめます。
- ビタミンDは、血液中のカルシウム・リンを調節して骨を丈夫にするビタミン
- ビタミンDが不足した場合は、骨軟化症・くる病・骨粗しょう症などの症状が出やすい
- ビタミンD不足を防ぐには、食品からの摂取や適度な日光浴を心がける
- ビタミンDを過剰に摂りすぎると、腎臓や骨などに異常な症状が出やすい
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。