健康に欠かせない五大栄養素のうち、ビタミンの種類は特に多く13種類もあります。
ビタミンの必要量はごく微量ですが、それぞれ重要な働きをしており、ビタミンEも例外ではありません。
では、ビタミンEはどのような働きをしていて、不足してしまうとどうなるのでしょうか。
本記事ではビタミンE不足について以下の点を中心にご紹介します。
- ビタミンEが不足した場合
- 日本人のビタミンEの摂取状況
- ビタミンEの妊活への効果
ビタミンE不足について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ビタミンEの働きとは
ビタミンEは、脂溶性のビタミンで身体の中の細胞膜に存在します。
最近では特に抗酸化作用のあるビタミンとして注目されています。
老化を防ぐ働き
ビタミンEは強力な抗酸化作用を持っており、体内の脂質の酸化を防ぎます。
人間の身体の中が酸化すると、細胞の働きが悪くなっていき、老化していきます。
老化を防ぐビタミンEは若返りのビタミンと呼ばれ、生活習慣病の予防や改善などに役立っています。
ビタミンEが不足すると、見た目も実際の身体状態も老けてしまうかもしれません。
血流を改善する働き
ビタミンEは毛細血管を広げる働きがあり、血液の流れをよくする効果が期待できます。
血液をサラサラにする働きにより、末梢血管の血行障害が原因である、
- 肩こり
- 腰痛
- 冷え性
- 頭痛
といった症状の改善にもつながります。
美肌効果
ビタミンEによって、血流が改善することで新陳代謝が活発に行われるようになります。
肌のターンオーバーも促進され、肌の色ツヤやハリもよくなるため美肌効果が期待できます。
さらにビタミンEには、紫外線から肌を守る働きがあるためメラニン色素の発生を抑え、シミやソバカスの発生抑制に効果を発揮します。
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ビタミンEの不足による症状は?
栄養素は不足すると、健康にさまざまな悪影響が出ます。
ビタミンEは、不足するとどのような症状になるのでしょう。
基本的にビタミンEは、さまざまな食品から摂取でき、さらに脂溶性ビタミンであるため体内で蓄積されていきます。
そのため通常の食事をしていれば、ビタミンEが不足することはありません。
しかし極端な偏食や高齢のため少食だという場合、ビタミンEが不足し細胞膜の脂質を酸化から守る力が弱まってしまいます。
その結果、下記のような
- 生理・更年期障害
- 自律神経失調症
- 肩こり・頭痛
- 老人性のシミやシワ
- 関節痛・腰痛・冷え性
つまり、感覚障害、神経障害、貧血症状などの症状が続く場合、ビタミンEが不足している可能性が高いです。
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ビタミンE摂取量の目安
厚生労働省による1日に摂取すべき栄養素の目安量を参照すると、ビタミンEの食事摂取基準が以下のように定められています。
現状では、すべての年齢層で不足なく摂取されています。
男性の摂取量の目安
男性のビタミンEの摂取目安は以下のとおりです。
年齢 | 目安摂取量 |
18歳~29歳 | 6.0mg |
30歳〜49歳 | 6.0mg |
50歳~64歳 | 7.0mg |
65歳~74歳 | 7.0mg |
75歳以上 | 6.5mg |
女性の摂取量の目安
女性のビタミンEの摂取目安は以下のとおりです。
年齢 | 目安摂取量 |
18歳~29歳 | 5.0mg |
30歳~49歳 | 5.5mg |
50歳~64歳 | 6.0mg |
65歳以上 | 6.5mg |
とくに妊娠中や授乳中には通常よりもビタミンEを多く摂取することを推奨しており、妊娠中は6.5mg、授乳中は7.0mgとなっています。
ビタミンEを多く含んだ食品
多く含む食品
ビタミンEを多く含んだ食品は、植物性食品にも動物性食品にもあるので、通常の食事をしていれば不足するということはありません。
植物性食品でビタミンEを多く含んだ食品は、
- アーモンド
- ナッツ
- モロヘイヤ
- ほうれん草
などです。
また、動物性食品は、
- すじこ
- ツナ缶
- うなぎ
- たらこ
- はまち
などにビタミンEが多く含まれています。
ビタミンE不足にならないためには、野菜、肉、魚介類をバランスよく摂取することが大切です。
摂取のポイント
ビタミンEを効率よく摂取するには、以下のようなポイントを抑えることが大切です。
- 油と一緒に摂取する
- ビタミンCと同時に摂取する
ビタミンEは脂溶性ビタミンです。
脂溶性とは、油に溶けやすい性質のことです。
よってビタミンEは、そのまま食べるよりも、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。
ビタミンEが豊富な食材を摂るときは、油で炒めたり、ドレッシングをかけたりするようにしましょう。
また、ビタミンEとビタミンCを同時に摂ると、より高い抗酸化作用を期待できます。
なお、ビタミンCは熱に弱い性質があります。
ビタミンE・Cが豊富な食材を調理する場合は、なるべく加熱時間を短くしましょう。
ビタミンCの破壊を防ぐには、できれば生食がベストです。
より適切量のビタミンeを摂るべき人
特に以下のような方は、ビタミンEの摂取量を適切に守る必要があります。
- スポーツの習慣がある方
- 大量の日光を浴びる方
- 喫煙習慣のある方
- ストレスの多い方
- 外食・インスタント食品・揚げ物などを多く摂る方
- 病気を改善したい方
ビタミンeの過剰摂取のリスクは?
ビタミンEは脂溶性ビタミンのため、体外に排出されることなく肝臓などに蓄積されます。
また一般的な食事から摂取する分には、過剰摂取とはならないビタミンです。
しかし、若返り効果を期待してサプリメントなどで過剰に摂取してしまうケースもあります。
意図的に過剰摂取をすると、軽度の肝障害や下痢、吐き気などが起こります。
また、血液が固まりにくくなるため、抗凝固薬を服用している方は注意が必要です。
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他のビタミンはどんなものがある?
ビタミンE以外に12種類のビタミンがあります。
それぞれ身体の中で重要な役割を担っており、不足すると健康に重大な影響を及ぼすビタミンもあります。
過不足なく食生活に取り入れましょう。
ビタミンA
皮膚や粘膜の健康を維持するビタミンで、視力を保つ働きもあります。
ビタミンAが不足すると夜盲症という症状があらわれます。
レバーやウナギなどの動物性食品、緑黄色野菜に多く含まれています。
ビタミンD
骨や歯を作るカルシウムやリンの吸収をサポートするビタミンです。
鮭やサンマなどの魚類やキノコ類、卵などに多く含まれています。
ビタミンK
血液を固めたり、骨や歯の健康維持に関わるビタミンです。
納豆、ホウレンソウ、ブロッコリー、鶏肉などに多く含まれています。
ビタミンC
皮膚や粘膜の健康維持、メラニン色素を抑えシミを予防する美容効果もあります。
野菜や果物に多く含まれますが、熱に弱いので生での摂取が効率的です。
ビタミンB1
糖質代謝をスムーズに行うビタミンです。
糖質を多く摂取する方は、不足することがあるので積極的に摂取したいビタミンです。
豚肉、ウナギなどのほかに、玄米など精製されていない穀物にも多く含まれます。
ビタミンB2
糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変える働きをします。
レバー、ウナギ、納豆、牛乳などに多く含まれます。
ビタミンB6
たんぱく質やアミノ酸の代謝や赤血球のヘモグロビンの合成に深く関わります。
豚ヒレ肉、ビンナガマグロ、バナナ、サツマイモ、玄米などに多く含まれます。
ビタミンB12
食品のたんぱく質と結びついて、アミノ酸・脂肪酸の代謝をサポートします。
赤血球の形成にも関与しており、造血作用があるので貧血気味の方は積極的の摂取するといいでしょう。
豚レバー、牡蠣などに多く含まれます。
ナイアシン
糖質、脂質、たんぱく質の代謝をサポートし、皮膚や粘膜の健康を維持します。
まぐろ、たらこ、鶏ムネ肉、落花生などに多く含まれます。
パントテン酸
エネルギー代謝をサポートし、とくに妊婦さんや授乳中のお母さんに積極的に摂取してもらいたいビタミンです。
レバー、鶏ムネ肉、アボカド、納豆、玄米などに多く含まれます。
葉酸
遺伝子に関係するDNAやRNAの合成やアミノ酸の代謝に関係の深いビタミンです。
とくに女性は妊娠前から葉酸を積極的に摂取するように推奨されており、胎児の発育をサポートします。
レバー、枝豆、ブロッコリー、ほうれん草などに多く含まれます。
ビオチン
糖質、脂質、たんぱく質の代謝をサポートするビタミンで、皮膚を健やかに保つ働きがあります。
レバー、ナッツ類、納豆、卵などに多く含まれます。
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ビタミンEは妊活にも重要
ビタミンEの化学名はギリシャ語でトコフェロール(tocospherool)といいます。
日本語に訳すと子どもを産む力を与える化合物という意味です。
ビタミンEは、女性ホルモンや男性ホルモンに関わっており、脳下垂体に働きかけて生殖機能を維持する働きを持っています。
女性ホルモンのひとつ黄体ホルモンの材料ともなっており、妊活にはぜひ積極的に取り入れたい栄養素です。
また、男性にとってもビタミンEは血行促進効果があり、精子の増加、精力増強効果が期待できます。
妊活中は、とくにビタミンEが不足しないように食生活に注意しましょう。
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ビタミンEまとめ
ここでは、ビタミンE不足について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。
- ビタミンEが不足すると感覚障害・神経障害・貧血症状が起こるので注意
- 妊婦・授乳婦はより多くのビタミンE摂取を推奨
- ビタミンEは妊活に効果があるので、男女ともに積極的な摂取を推奨
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。