最近、健康診断の結果があまり好ましくない、かぜをよく引くなどの悩みはありませんか?
「これは、食生活や生活習慣が原因なの?」と疑問を持つことがあると思いますが、実はビタミンDの摂取量が原因の可能性があります。
今回は必須栄養素である「ビタミンDの効果」について下記の内容を中心に解説していきます。
- ビタミンDの効果
- ビタミンD不足による影響
- 過剰摂取による影響
ビタミンDの摂取基準・平均値についても紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
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ビタミンDとは
ビタミンDは、脂溶性ビタミンといわれており、油に溶けやすく「骨を作る」ビタミンです。
特徴としては食品摂取以外で、身体でも合成可能で皮膚が紫外線を浴びることによりビタミンDを合成できます。
またビタミンDの種類については、計6種類に分かれており、D2からD7まで分類がされています。
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ビタミンDで得られる効果
ビタミンDを摂取することで、さまざまな効果が得られます。
現時点では、骨の形成・病気に対する免疫力の獲得などビタミンDの効果は多いです。
まずは、具体的なビタミンDの効果を見ていきましょう。
骨形成と成長促進
ビタミンDの主な役割として、小腸・賢臓でカルシウム・リンの吸収率を高める効果があります。
カルシウム・リンの吸収力を高めると以下の効果があらわれます。
- 骨と歯の生成
- 血液の凝固性を調整
- 筋肉の収縮
これによって、骨を強固にする効果が期待できます。
また、リンはカルシウムと共に骨格形成に必要な成分を吸収・脂質の代謝をサポートします。
免疫力の調整
ビタミンDは、カルシウムのバランスを整えることや骨の健康面を保つほか、免疫力を調節できることも報告されています。
体内に侵入したウィルス・細菌などに対して、免疫反応を抑制し機能を促進する作用です。
ビタミンDの免疫調整機能は以下の症状に役立ちます。
- かぜとインフルエンザ
- 気管支炎・肺炎
- 感染症の予防
今後は、がんや高血圧にも効果が期待できるといわれており、健康面で注目されています。
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ビタミンDの種類による効果の違いは?
はじめにビタミンDには、D2からD7の6種類に分かれるという説明をしました。
ここでの疑問点としては、それぞれのビタミンDは効果に違いがあるのかという点です。
結論から述べると、主要なビタミンDは効果に違いはありません。
なぜならD4~D7は食品に含まれておらず、活性度が低いため一般的には高い活性度の「ビタミンD2」と「ビタミンD3」の2種類のみが主要なビタミンDと認識されているからです。
ヒトを含む哺乳類への効力は、「ビタミンD2」と「ビタミンD3」ともに同等だと言われています。
ビタミンdは肌にどんな効果がある?
ビタミンDには肌を健やかに保つ効果があります。
一つは肌細胞の分裂をサポートして、綺麗で健康的な肌を作ってくれます。
もう一つの効果は、肌を丈夫にしてくれます。
ビタミンDには肌のバリアとなる「抗菌ペプチド」を作る働きがあり、汚れや細菌から肌を守ってくれます。
ビタミンDが不足すると?
ここからは、ビタミンDの不足により起こりうる症状について解説していきます。
また、推奨されている摂取量についてもまとめていますので参考にしてください。
不足による症状
ビタミンDが不足することで、低カルシウム血症により骨の軟化および成人、妊婦や授乳婦では骨軟化症になる可能性が考えられます。
ビタミンDが欠乏すると以下のような影響が出ます。
- 腸のカルシウム吸収の低下
- 腎臓での再吸収率の低下
- カルシウム不足
上記によって「骨の成長障害・姿勢が悪くなる・足の骨が湾曲する」といった歩行などの日常動作に悪影響が及びます。
高齢者の場合は、骨粗鬆症になり寝たきりになるリスクが高いため注意が必要です。
必要摂取量
前述したとおりビタミンDが不足すると、身体機能のリスクが生じるため、日本人の食事摂取基準(2020年版)のデータを参考に食生活を改善していきましょう。
年齢ごとの摂取基準を下記の表にまとめましたので、参考にしてください。
【年齢・性別ごとの摂取基準(㎍/日)】
男性 | 女性 | |
0~5(月) | 5.0 | 5.0 |
6~11(月) | 5.0 | 5.0 |
1~2(歳) | 3.0 | 3.5 |
3~5(歳) | 3.5 | 4.0 |
6~7(歳) | 4.5 | 5.0 |
8~9(歳) | 5.0 | 6.0 |
10~11(歳) | 6.5 | 8.0 |
12~14(歳) | 8.0 | 9.5 |
15~17(歳) | 9.0 | 8.5 |
18~29(歳) | 8.5 | 8.5 |
30~49(歳) | 8.5 | 8.5 |
50~64(歳) | 8.5 | 8.5 |
65~74(歳) | 8.5 | 8.5 |
75以上(歳) | 8.5 | 8.5 |
妊婦 | – | 8.5 |
授乳婦 | – | 8.5 |
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ビタミンDを摂り過ぎるとどうなるの?
ここまでで、ビタミンDが不足した場合の症状を解説してきました。
つぎに、過剰摂取のリスクについて触れていきます。
過剰摂取による症状
ビタミンDは、脂溶性ビタミンであり水溶性ビタミンのように排泄がされないため過剰摂取時に健康へのリスクが生じます。
なぜなら大量摂取により、高カルシウム血症を引き起こし内臓に多くのカルシウムが滞留している状態を招くからです。
過剰摂取すると以下のような症状が出ます。
- 腎機能障害
- 食欲不振・嘔吐
- 神経の興奮性が上がる
摂取量の目安を参考にして適量の摂取を意識しましょう。
耐容上限量
前述したとおりビタミンDの過剰摂取も、リスクが生じるため日本人の食事摂取基準(2020年版)のデータを参考に摂取の上限を決めておきましょう。
ここでは、年齢ごとの耐容上限量を下記の表にまとめました。
【年齢・性別ごとの耐容上限量(㎍/日)】
男性 | 女性 | |
日本人の食事摂取基準(2020年版) | 25 | 25 |
6~11(月) | 25 | 25 |
1~2(歳) | 20 | 20 |
3~5(歳) | 30 | 30 |
6~7(歳) | 30 | 30 |
8~9(歳) | 40 | 40 |
10~11(歳) | 60 | 60 |
12~14(歳) | 80 | 80 |
15~17(歳) | 90 | 90 |
18~29(歳) | 100 | 100 |
30~49(歳) | 100 | 100 |
50~64(歳) | 100 | 100 |
65~74(歳) | 100 | 100 |
75以上(歳) | 100 | 100 |
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ビタミンDのおすすめの摂り方
ビタミンDは食品からの摂取以外にも取り入れる方法が存在します。
ここからは、2種類の摂取方法について解説していきますので参考にしてください。
日光に当たる
ビタミンDは、紫外線を浴びることで身体の内部でも合成可能です。
なぜなら紫外線により、皮膚のコレステロールの一部を材質にプロビタミンDが合成されるからです。
そして肝臓と腎臓で活性化されることで、ビタミンDの合成は完了します。
日常生活の中で1日に10~20分ほど日光を浴びることでビタミンDは合成されますが、黒く日焼けするレベルのものは合成能力が低下するため注意が必要です。
ビタミンDが含まれる食品
ビタミンDの効果を実感するために、日光を浴びる行為と食品から効率的に摂取していきましょう。
下記にビタミンDの含有量が多い食品をまとめていますので参考にしてください。
キノコ類 | きくらげ・干ししいたけ・まいたけ・エリンギ・えのきたけ・ぶなしめじ・生しいたけ |
魚介類 | あんこう・あん肝・しらす干し・紅鮭・いわし・白鮭・にしん |
卵類 | 鶏卵・うずらの卵 |
乳製品 | 牛乳・パルメザンチーズ・カマンベールチーズ・モッツァレラチーズ |
ビタミンDは日光を浴びることで生成されます。そのため、ビタミンD不足を解消するには日光浴が必要不可欠です。ではどのくらいの時間、日光を浴びればよいのでしょうか?この記事ではビタミンDと日光の関係について、以下の項目を中心に解説しま[…]
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ビタミンDの摂取状況
栄養素等摂取状況調査での、ビタミンD摂取量の平均値は下記のとおりです。
年齢 | 1-6歳 | 7-14歳 | 15-19歳 | 20-29歳 | 30-39歳 | 40-49歳 | 50-59歳 | 60-69歳 | 70-79歳 | 80歳以上 |
平均値(㎍) | 3.7 | 5.7 | 5.6 | 5.3 | 5.2 | 5.8 | 6.0 | 7.5 | 9.9 | 7.9 |
上記で解説した摂取目安量に近い数値になっており適量のビタミンDを摂取できていることがわかります。
また、内閣府「世論調査報告書」(平成28年)における高齢者の歩行可能距離を調査したところ以下のような結果が出ています。
無理なく休まずに歩ける距離が1.5km以上までとする人
- 65歳以上で48%
- 75歳以上で39%
別調査の年齢層別にみた、自宅からバス停までの許容距離が5分~10分未満の人
- 60~69歳で39.5%
- 70歳以上で39.7%
このデータを見ると、若者と比べて高齢者は外出時間が少なく、日光によるビタミンDの生成が低くなることが考えられます。
その結果、骨の形成が弱くなり骨折リスクが高まるため、積極的な外出と食事による摂取の両方を心がけることが重要です。
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ビタミンdはうつ病への効果もある!
日光を浴びることによって作られるビタミンDは冬になると少なくなります。
そして冬になると「季節性感情障害」と呼ばれる季節性のうつ病が発症することがあります。
ビタミンD不足で生じるうつ病を予防するには、日光に当たることやビタミンDを豊富に含む食事で補う必要があります。
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ビタミンDの効果まとめ
今回は、ビタミンDの効果についてご紹介しました。
ビタミンDの効果についての要点を以下にまとめます。
- ビタミンDは、骨の形成・成長、病気への免疫力向上などの効果がある
- ビタミンD不足では、カルシウム不足により、骨の骨格障害・骨粗鬆症などを発症する
- ビタミンDの過剰摂取から、腎機能障害・食欲不振・嘔吐・神経の異常を引き起こす
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。