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健達ねっと>健康お役立ち記事>栄養>タンパク質の効果は?美容やダイエットにも重要な栄養素タンパク質

タンパク質の効果は?美容やダイエットにも重要な栄養素タンパク質

健康や美容への意識は社会全体で広がり、さまざまな栄養素への関心が高まってきています。
その中でもタンパク質への関心も高まり、サプリメント以外にもタンパク質が含まれているプロテインバーなどがスーパーでも並ぶようになりました。

なぜタンパク質への関心が高まっているかというと、健康な体をつくるだけでなく美容やダイエットをするうえでもタンパク質が重要な栄養素となるからです。
肌荒れやダイエットの効果がでない、風邪を引きやすいなどの症状はもしかしたらタンパク質不足によるものかもしれません。

そこで今回はタンパク質がどのような栄養素であるのかを説明し、タンパク質の効果についてご紹介します。

  • タンパク質を摂取することで得られる効果
  • 普段の食事でタンパク質は足りているのか
  • タンパク質を多く含む食品

ぜひ、最後までご覧いただき健康な体づくりや美容への参考にしてください。

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タンパク質とは?

三大栄養素のイラスト

※画像はイメージです

タンパク質とは炭水化物・脂質とならぶ三大栄養素のうちの1つです。

筋肉や臓器・皮膚などの体の主要な部分の材料となります。
また酵素やホルモン・免疫抗体の材料にもなります。

体内のタンパク質は合成と分解を繰り返しています。
タンパク質は分解するとアミノ酸になり、アミノ酸が再利用されて必要なタンパク質が合成されます。

一部は排泄されるので不足分は食品から摂取する必要があります。

分解されたアミノ酸は動物性アミノ酸と植物性アミノ酸の2種類に分類され、それぞれ特徴があります。
必須アミノ酸とよばれる人体では合成できないアミノ酸もあり、食事として摂取することが必要なタンパク質もあります。

アミノ酸は全部で20種類あり、ひとつでも不足するとタンパク質を合成できなくなります。

動物性アミノ酸

肉や魚介、乳製品、卵など動物性の食品に含まれるタンパク質のことを動物性アミノ酸といいます。
多くの動物性食品には必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。

吸収率は約90%と高く、効率よく吸収できます。
動物性食品には脂質を多く含むものもあり、脂質が多ければタンパク質含有量も少なくなります。

植物性アミノ酸

米、小麦、大豆などの植物性の食品に含まれるタンパク質のことを植物性アミノ酸といいます。
一部の野菜や果物にも含まれている場合があります。

必須アミノ酸のうち一部が不足している食品がありますが、脂質をほとんどとらずにタンパク質を摂取することができます。

吸収率は約70%と動物性食品に比べると吸収効率は劣ります。

体では合成できない必須アミノ酸

20種類あるアミノ酸のうち、人の体の中では合成できないアミノ酸が9種類あり必須アミノ酸とよばれます。
必須アミノ酸は1つでも不足すると他の必須アミノ酸が働くことができないため食事からバランスよく摂取する必要があります。

必須アミノ酸は以下の通りです。

ロイシンリジンバリン
イソロイシンフェニルアラニンスレオニン
メチオニンヒスチジントリプトファン

タンパク質のついて知りたい方は以下の記事もお読みください。

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女性に嬉しいタンパク質の効果とは?

鏡で自分の顔を見る女性

※画像はイメージです

タンパク質は筋肉や臓器などの体を構成する細胞の主成分です。

人の体の約20%はタンパク質で構成されており人の体におけるタンパク質の占める割合は非常に高いことがわかります。
筋肉や臓器以外にも肌や爪、髪の毛といった人の体のあらゆる部位がタンパク質でできています。

タンパク質は体にどのような影響を与えているのか、詳しく解説していきます。

スキントラブルを抑えることができる

タンパク質を意識的に摂取することで、いつまでも健康で若々しい姿を保つ効果が期待できます。
特に美容を意識されている方は積極的にタンパク質を摂取しましょう。

なぜなら肌のハリや弾力を保つコラーゲンもタンパク質の一種だからです。
タンパク質が不足するとコラーゲンも不足し、シワやたるみ・肌荒れなどスキントラブルの原因となります。

顔の筋肉がたるむことで表面の皮膚がたるむ原因にもなります。
コラーゲンが肌に弾力を与えるためには、コラーゲンだけを単独で摂取するより、タンパク質をバランスよく摂取する意識をもつことをお勧めします。

髪の毛・爪の状態が良くなる

髪の毛や爪はケラチンというタンパク質でできています。
タンパク質が不足することで、髪の毛のツヤやハリがなくなったり枝毛や切れ毛の原因にもなります。
髪の毛1本1本も細くなり薄毛の原因にもなります。

タンパク質をしっかり摂取することでフサフサでツヤ・ハリのある髪の毛を保つ効果が期待できます。

爪においてもタンパク質が不足することで爪に縦すじがはいったり、爪割れや爪が薄くなってしまう原因になります。
ネイルをするときも健康な爪であった方が見栄えが良いでしょう。

タンパク質は生きていく上で必要な部位から使われていくので、肌や髪の毛・爪は後回しにされます。
そのためタンパク質不足の影響は肌や髪の毛・爪にでやすいです。
トラブルがでてきたときにはタンパク質不足のサインかもしれないと考え、普段の食生活を見直してみてください。

その他の働き

タンパク質は体の機能を調整する酵素やホルモン、免疫抗体などの材料としても不可欠です。
特に体の外から侵入してきたウイルスや細菌などの異物を排除する働きである抗体は免疫グロブリンといい、タンパク質からつくられています。

他にも全身に酸素を運ぶヘモグロビンや鉄分を貯蔵しておくフェリチンなどもタンパク質の一種です。

またタンパク質の構成要素であるアミノ酸には疲労回復や成長促進など、それぞれの働き・効果があります。
例えばリジンは成長を促し、組織の修復に関わっていますし、イソロイシンは神経の働きを助けたり、筋肉を強化したりするのに関わっています。
タンパク質不足になると筋力も低下し体力・代謝も低下します。

代謝が低下すると血液の流れも悪くなり免疫細胞や他の物質の運搬にも影響が出て、免疫の低下や疲労が蓄積しやすくなったりします。

健康を維持するためにもタンパク質はとても重要な栄養素ですので意識して摂取するようにしましょう。

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タンパク質はダイエットにも効果的

ダイエットする女性

※画像はイメージです

タンパク質は筋肉や臓器の他、肌や爪、髪の毛などの体のあらゆる部位を構成しています。
脂肪になりにくく、脂肪燃焼効果や基礎代謝維持効果があるため、ダイエット筋トレには欠かせません。
その他、女性に嬉しい肌のハリ髪のツヤにも効果的です。

ダイエットをするときにタンパク質中心の食事にすると効果的です。
その理由は主に3つあります。

  • 三大栄養素の中で最も脂肪になりにくい
  • CKK(コレシストキニン)の分泌を促し食欲を抑える
  • 脂肪分解酵素であるリパーゼを活性化させる

それぞれ詳しく解説していきます。

脂肪になりにくい

三大栄養素には炭水化物・脂質・タンパク質があります。
その中でタンパク質は一番脂肪になりにくいといわれています。

もし過剰に摂取したとしても尿として排出されます。

ただし過度な摂取はカロリーオーバーになるだけでなく、腎臓に負担をかけ腎機能低下のリスクがあるので適正量を摂取することが重要です。

CKKの分泌促進

CKK(コレシストキニン)は消化管ホルモンの1つで十二指腸などから分泌されます。

消化に時間のかかるタンパク質や脂質などを十分に消化させる作用があり、胃の中の食事をゆっくり十二指腸に送る働きがあります。
また脳内の満腹中枢に働きかけて、満腹感を感じることで食欲を抑えて、食事の食べ過ぎを抑制する効果があります。

リパーゼを活性化させる

体に蓄えられた脂肪=中性脂肪を減らすことがダイエットの目的であるという方が多いと思います。
中性脂肪はそのままの形では燃焼させることができず減らせません。
エネルギーとして中性脂肪を燃焼させるためには中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解する必要があります。

そして分解をするために必要になるのがリパーゼとよばれる酵素になります。
タンパク質はリパーゼを活性化させる働きがあるので、中性脂肪を減らすためには重要な栄養素となります。

ただし脂肪を分解させてもエネルギーとして消費されなければ、また脂肪になるので適度な運動は必要です。

脂肪になりにくかったり脂肪燃焼の効果があるタンパク質ですが、そもそもタンパク質は筋肉の主要な構成要素です。
体重を減らすために食事を制限しタンパク質摂取量も減ってしまうと筋肉も減り運動そのものが難しくなったり、代謝が落ちて逆に脂肪を蓄えやすい体になることがあります。
また運動したあとは筋肉を回復させるためにタンパク質が必要になります。

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牛乳に含まれている乳タンパク質の効果とは?

※画像はイメージです

牛乳にはタンパク質が含まれておりとても高い栄養価を兼ね備えています。
牛乳に含まれるたんぱく質は「ホエータンパク質」と「カゼイン」に分けられます。

ホエータンパク質には病気に強くなる効果やお腹の調子を整える働きがあります。
カゼインにはカルシウムの吸収を助けて骨を強くする働きがあります。

さらに、牛乳には身体を作るアミノ酸もバランスよく配合されています。
運動している人はもちろん、食事量が少なくなってしまった高齢者の栄養補給にもなる食材になっています。

タンパク質摂取で集中力アップ

※画像はイメージです

タンパク質の構成要素であるアミノ酸は脳内の神経伝達物質の材料と脳や神経の働きを助ける効果があります。

一般的に脳を働かせる栄養素としてブドウ糖がイメージされやすいです。
しかし、脳を働かせるためには神経伝達がスムーズに働く必要があり、タンパク質も重要な関わりをもっています。

例えば次のような効果がある神経伝達物質の材料となります。

  • ドーパミン:やる気を出すための神経伝達物質
  • セロトニン:気持ちをリラックスさせるための神経伝達物質
  • トリプトファン:気分や調子をあげる神経伝達物質
  • ノルエピネフリン:集中力を高める神経伝達物質

タンパク質が不足することで神経伝達物質が生成されなくなり、集中力ややる気の低下につながります。

また気持ちをリラックスさせるためのセロトニンが不足するとイライラしやすくなったり、向上心・仕事へのやる気が低下したり、うつ・不眠などといった症状がでやすくなります。
逆にタンパク質をバランスよく摂取することで、仕事や学業に対してやる気・集中力がアップする効果が期待できます。

日本人のタンパク質摂取量は減少している!

注意する女性

※画像はイメージです

美容やダイエット、集中力をアップするなどタンパク質にはさまざま効果があることを説明してきました。

しかし、現代の日本人のタンパク質摂取量は年々減少してきています。
厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、1995年には81.5gであった摂取量が2019年は71.4gとなっています。

その理由として過度なダイエットやメタボ対策として食事摂取量を意識的に減らしていることが考えられます。

また魚介類中心であった食生活から肉中心の食生活へと変わってしまったことも要因の1つです。
肉類は魚介類に比べるとグラム当たりに含まれるタンパク質量が少ないため同じ食事量でもタンパク質量にすると減ってしまいます。

タンパク質を効率的にとれる食材は?

たんぱく質を含む食材のイラスト

※画像はイメージです

効率的にタンパク質を摂取するときに参考にしたいものにアミノ酸スコアというものがあります。
アミノ酸スコアが100に近いほどアミノ酸がバランスよく含まれていることを示します。

また動物性タンパク質の中でも肉類より魚介類の方が質の良い脂を含んでいるため魚介類をお勧めします。
ただし偏った食事は他の栄養素面から考えると好ましくないので、バランスを考えた食事を心がけてください。

タンパク質を効率的にとれる食材(【】内の数値はアミノ酸スコア)

牛肉(もも)【100】豚肉(ロース)【100】鶏肉(むね)【100】さんま(生)【100】
まいわし(生)【100】鮭(生)【100】卵【100】大豆【100】
ひきわり納豆【100】豆乳【100】木綿豆腐【100】

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸成分表編」

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タンパク質はうつ病に効果あり?

※画像はイメージです

タンパク質は、炭水化物や脂質と並んで身体を構築する重要な栄養素です。
20種類のアミノ酸から成り立ち、生体機能を維持し、脳の成長や機能発揮に欠かせません。

チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンなどの必須アミノ酸は神経伝達物質の合成に不可欠であり、アドレナリンやノルアドレナリンは交感神経の活動をサポートします。


トリプトファンはセロトニンとして作用し、気分を明るくする効果があります。
このため、トリプトファンの欠乏はうつ病のリスクを増加させる可能性があります。

実際、うつ病患者はセロトニンの値が低いというデータが得られており、それはセロトニンが速やかに分解されるためと考えられています。

NPO法人「食と健康プロジェクト」【タンパク質と脳の栄養~うつ病とタンパク摂取~

ビタミンB6もたんぱく質をアミノ酸に分解する際に必要な栄養素ですので、一緒に摂取することが大切です。
自己ケアとして、たんぱく質の摂取を心掛けることで心身の健康に良い影響を与えることができます。

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タンパク質の効果まとめ

様々な食材

※画像はイメージです

ここまで、タンパク質とはどんな栄養素なのか、タンパク質を摂取することで得られる効果を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです

  • タンパク質は筋肉だけでなく美容・ダイエットに効果がある重要な栄養素である
  • タンパク質は不足しがちなので意識的に摂取する必要がある
  • 効率的なタンパク質摂取にはアミノ酸スコアを参考にするとよい

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
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  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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