スポンサーリンク
タンパク質について
筋肉づくりや維持の為に、タンパク質を凝縮したプロテインを摂取する方も多いでしょう。
しかし、タンパク質の特徴や過不足などを知らないと、健康のためのタンパク質摂取が逆効果になってしまうことがあることをご存じでしょうか。
本記事ではタンパク質について以下の点を中心にご紹介します。
- タンパク質の種類とは
- タンパク質の働きとは
- タンパク質が多く含まれる食品とは
タンパク質について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
スポンサーリンク
タンパク質とは
人の身体は、水分と「炭水化物」「脂質」「タンパク質」の三大栄養素を始め、そのほかの栄養素でできています。
身体の約60%は水分で、残り40%のうちタンパク質は15~20%を占めています。
つまり、水分を除いた40%のうち、半分がタンパク質でできています。
このことから、いかに人の身体にとってタンパク質が重要であるかが理解できます。
タンパク質の構造
人の身体の半分を占めているタンパク質は、多くの種類のアミノ酸が結合して作られている栄養素です。
アミノ酸には20種類あり、その中の11種類は体内で合成できます。
しかし、残りの9種類は食べ物から摂取しなければなりません。
これを「必須アミノ酸」といいます。
タンパク質を形成しているアミノ酸は、結合の順番・組み合わせによって、さまざまなタンパク質が生まれます。
タンパク質の違いから、髪や皮膚、目の色、体格など見た目にもいろいろな違いが出てくるのです。
タンパク質の消化・吸収
体は数万種類のタンパク質で構成され、様々な役割を担っています。
しかし、タンパク質は分子レベルが大きくそのままの状態では吸収できません。
食べ物摂取後、タンパク質は胃や小腸の酵素と結合し、アミノ酸に分解されます。
アミノ酸は小腸の粘膜上皮細胞から吸収され、全身の細胞にいきわたります。
細胞に集まったアミノ酸同士がつながり、タンパク質に再合成されます。
また、アミノ酸はタンパク質の再合成だけではありません。
神経伝達物質やビタミンなどの構成に作用する働きがあります。
タンパク質の種類
タンパク質には、大きく分けて「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」があります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、両方からバランスよくタンパク質を摂取することが大切です。
動物性タンパク質の特徴
動物性タンパク質とは、動物由来のタンパク質のことです。
具体的な食材としては、肉、魚、卵、乳製品などがあります。
動物性タンパク質は、体内で合成できない9種類の必須アミノ酸すべてを含んでいます。
その為、体内へのタンパク質吸収率が97%と非常に高いのが特徴です。
しかし、動物性タンパク質は、脂質などによりカロリーが高くなります。
動物性タンパク質ばかりを摂取してしまうと、肥満などの生活習慣病が心配になります。
植物性タンパク質の特徴
植物性タンパク質とは、植物由来のタンパク質のことです。
具体的な食材としては、米、麦などの穀物、豆類などがあります。
植物性タンパク質は、必須アミノ酸が不足しているものもある為、吸収率も動物性タンパク質に比べると低めです。
一方で、動物性タンパク質に比べると、脂質が少ないので肥満になりにくいというメリットがあります。
炭水化物といわれて何を思い浮かべますか?身体を動かすためのエネルギー源、生きていくために重要なものと認識している人がほとんどではないでしょうか。摂りすぎると太ってしまうというイメージもあるでしょう。この記事では、炭水化物につ[…]
タンパク質の働き
炭水化物、脂質、タンパク質の3大栄養素のなかでも、タンパク質は身体を作るという大きな働きがあります。
タンパク質の働きを見ていきましょう。
人体組織の生成
タンパク質は、人体組織の生成に欠かせない栄養素です。
皮膚や髪の毛、筋肉を作るだけではありません。
ホルモンや免疫物質といった、身体を調整する物質の材料にもなるのがタンパク質の働きです。
特に、成長期の子どもにとってタンパク質は、脳の発達に大きな影響を及ぼします。
脳の働きや成長を司るのは神経細胞です。
脳は無数の神経細胞がつながって形成されており、神経細胞もタンパク質でできています。
成長期の子供はタンパク質不足によって、精神的な成長を妨げてしまうリスクがあります。
運動エネルギーの生成
タンパク質は、炭水化物や脂質と同様に、身体を動かすための運動エネルギーを生成します。
とくにタンパク質は筋肉の材料となるため、タンパク質が欠乏すると筋肉が痩せ衰えてしまう心配があります。
タンパク質が含まれる食品
タンパク質が含まれる食品は以下の通りです。
【肉類100g当たりのタンパク質含有量】
食品 | 含有量 |
生ハム | 24.0g |
ローストビーフ | 21.7g |
牛モモ肉 | 21.2g |
豚ロース | 19.3g |
鶏砂肝 | 18.3g |
ロースハム | 16.5g |
ウインナー | 13.2g |
【魚介類100g当たりのタンパク質含有量】
食品 | 含有量 |
イワシ丸干し | 32.8g |
いくら | 32.6g |
焼きタラコ | 28.3g |
するめ | 69.2g |
かにかまぼこ | 12.1g |
魚肉ソーセージ | 11.5g |
【卵類100g当たりのタンパク質含有量】
食品 | 含有量 |
卵黄 | 16.5g |
ピータン | 13.7g |
ゆで卵 | 12.9g |
ウズラ卵生 | 12.6g |
生卵 | 12.3g |
ポーチドエッグ | 12.3g |
【大豆製品類100g当たりのタンパク質含有量】
食品 | 含有量 |
きなこ | 44.0g |
油揚げ | 18.6g |
納豆 | 16.5g |
がんもどき | 15.3g |
厚揚げ | 10.7g |
豆腐 | 6.6g |
豆乳 | 3.6g |
【乳製品100g当たりのタンパク質含有量】
食品 | 含有量 |
パルメザンチーズ | 44.0g |
プロセスチーズ | 22.7g |
カマンベールチーズ | 19.1g |
クリームチーズ | 8.2g |
ヨーグルト | 4.3g |
牛乳 | 3.3g |
出典:文部科学省【食品データベース】
タンパク質の一日の推奨量
1日に必要なタンパク質の量を食事で把握するのは、なかなか難しいでしょう。
しかし、次のような計算式を使えば、1日に必要なタンパク質の推奨量がわかります。
1日に必要なタンパク質量=体重(kg)×体重(1kg)当たりのタンパク質の必要量
体重1kg当たりのタンパク質の必要量というのは、運動量によって変化します。
運動量があまりない場合には1.08g、中くらいなら1.2~1.3g、最大で1.5~1.7gが目安となります。
推奨されている一般的なタンパク質の量は体重1kgに対して1gである為、体重50kgなら50gのタンパク質を摂取すれば目標摂取量達成となるでしょう。 タンパク質・脂質・糖質は三大栄養素といわれています。中でもタンパク質は、体を動かしたりするエネルギー源になります。タンパク質は一日どのくらい摂取したらよいのでしょうか?本記事では、一日に必要なタンパク質について以下の点を中心[…]
タンパク質が不足すると
普通の食生活であれば、タンパク質が不足するということはありません。
しかし「食事量の低下」により、タンパク質が不足することがあります。
具体的には、過度なダイエットや加齢による少食です。
タンパク質が不足すると、まずあらわれる症状として、髪の毛や肌の状態が挙げられます。
髪の毛がパサパサになって抜け落ち、肌もハリを失ってしまいます。
ホルモンや神経伝達物質といった働きも鈍くなるので、集中力が持続せずストレスにも敏感になります。
また、筋肉を分解してエネルギー不足を補うため、筋力が衰えてしまいます。
タンパク質不足をチェック
最近女性を中心に健康面やダイエットなどでタンパク質の必要性が高まっています。
一方、タンパク質の間違った考えや摂取方法をとっている方も少なくありません。
結果、1日に必要なたんぱく質の摂取量が不足している女性が増えています。
以下に記載した内容に一つでもあてはまる方はタンパク質が不足しているかもしれません。
- 朝食を抜くことがある
- 甘いものや間食を続けてしまう
- 感情が不安定で気分の浮き沈みが激しい
- 髪や肌にツヤがなく荒れている
- ダイエットをしている
- 積極的に運動をする
- 爪にうるおいがなく割れやすい
- 野菜中心の食生活で肉や魚介類の摂取が少ない
18歳以上の成人女性の場合、1日のたんぱく質摂取推奨量は50gです。
ダイエットなど食事が偏ると必要なたんぱく質の量が摂取できません。
また、運動の強度が高い方や長時間運動を行う方は要注意です。
エネルギー源として体内のタンパク質が多く分解されタンパク質が不足しやすくなります。
タンパク質不足を解消するコツとして、以下の点に注意しましょう。
- 3食欠かさず食べる
- 運動する場合はタンパク質を多めにとる
- 甘いものや間食を少し控える
- 糖質や脂質、ビタミンなどもバランスよく食べる
スポンサーリンク
タンパク質の過剰摂取症状
タンパク質は、欠乏だけでなく過剰摂取でも健康に悪影響を及ぼします。
内臓への負担
タンパク質を摂取すると、体内で合成と分解を繰り返すことになります。
タンパク質を必要以上に摂取することで、余ったタンパク質は「窒素」に変換されます。
しかし、窒素は有害物質なので体外に排出しなければなりません。
有害な窒素は肝臓で無害な尿素に置きかえられ、腎臓で精製され尿として排泄されます。
この過程が続く中で、肝臓や腎臓にかかる負担は大きくなります。
タンパク質の過剰摂取は、肝機能低下や、腎臓病などのリスクにつながることを知っておく必要があります。
肥満のリスク
タンパク質を多く含む食材で、効率が良いのは動物性タンパク質です。
しかし、肉や卵などの動物性タンパク質は、脂質などカロリーが高いというデメリットがあります。
カロリーが高いタンパク質を過剰摂取し続けると肥満のリスクも高くなります。
動物性タンパク質と、植物性タンパク質のバランスを考えることが大切です。
また、調理方法を工夫して低カロリー高タンパク質の食事を心がけましょう。
スポンサーリンク
タンパク質はダイエットで効果が期待できるか
近頃、栄養素に関わるダイエット方法が注目されています。
糖質ダイエットに比べて、タンパク質ダイエットは無理なく簡単にできると人気があります。
タンパク質ダイエットについてご紹介します。
タンパク質ダイエットとは
タンパク質ダイエットは、タンパク質を多く摂取することで炭水化物と脂質の摂取を減らしていくダイエットです。
炭水化物は糖質で、ご飯やパン、麺類に多く含まれる栄養素です。
糖質は血糖値を上げるため、インスリンで血糖値を下げようとします。
炭水化物は糖質で、ご飯やパン、麺類に多く含まれた栄養素です。
糖質は血糖値を上げるため、インスリンで血糖値を下げようとします。
このとき、余った糖を体脂肪として蓄える働きがあるため、太りやすい体質になります。
脂質にもダイエットには問題があります。
炭水化物やタンパク質が、1g当たり4kcalであるのに対して、脂質は9kcalもあります。
同じ量を食べても、脂質は炭水化物やタンパク質よりも2倍以上のカロリーとなるのです。
炭水化物と脂質は太る要因となるため、タンパク質を中心に摂取し、ダイエットにつなげるのがタンパク質ダイエットです。
このようなことから、タンパク質を中心に摂取し、他の炭水化物や脂質を減らしてダイエットにつなげるのがタンパク質ダイエットです。
タンパク質ダイエットの痩せる仕組み
タンパク質ダイエットは、炭水化物や脂質に代わってタンパク質を多く摂取することで痩せるダイエットです。
基礎代謝をアップする
タンパク質を多く摂取することで、筋肉量が増えます。
筋肉量が増えると、自然に基礎代謝が上がります。
基礎代謝とは、呼吸や臓器を動かす、体温維持といった人が生きていく上でのエネルギー消費量のことです。
基礎代謝が上がれば、運動することなく効率的にカロリー消費ができ、太りにくい体質になる可能性が高まります。
リバウンドしにくい
炭水化物や脂質制限によるダイエットは、筋肉が減って代謝が落ちるため、リバウンドのリスクがあります。
タンパク質ダイエットでは、必要な栄養素は確保できており、代謝や満腹感も持続できるためリバウンドしにくくなります。
スポンサーリンク
年齢別タンパク質摂取量の割合
日本人の一日に必要なタンパク質量は、18~49歳までで見ると摂取エネルギーの13~20%、65歳以上では15~20%が理想とされています。
1日の一般的な摂取量としては、65歳以下の男性で65g、65歳以上の男性で60gです。
女性では18歳以上で50gとなっています。
数字を見る限り、タンパク質の摂取量は年齢による違いはあまりありません。
このことから、タンパク質は筋肉を作る材料ですが、筋肉量やほかの身体組織の低下といった老化現象にはあまり関係がないことがわかります。
アミノ酸スコアとは
タンパク質は様々な食品から摂取できますがアミノ酸の質と量は中々わからないですね。
そこで簡単にアミノ酸の質を調べる指標としてアミノ酸スコアがあります。
アミノ酸スコアとは食品に必須アミノ酸がどれくらい含まれているかを示す指標です。
アミノ酸スコアが100に近いほどタンパク質内にアミノ酸がバランスよく含まれています。
アミノ酸スコアは肉や魚介類、卵、大豆、乳製品などで高い値を示します。
一方白米や小麦などの穀物は、アミノ酸スコアが高くありません。
改善点としてアミノ酸スコアが低い食品を複数併せて取ると栄養バランスが改善できます。
良質なアミノ酸を摂取するためにアミノ酸スコアの高い食事摂取を心がけましょう。
主な食品のアミノ酸スコアは以下の通りです。
食材 | スコア | 食材 | スコア |
牛乳 | 100 | 豆乳 | 86 |
スキムミルク | 100 | えび | 84 |
ヨーグルト | 100 | あさり | 81 |
卵 | 100 | ブロッコリー | 80 |
ツナ | 100 | にら | 77 |
鶏肉 | 100 | いか | 71 |
豚肉 | 100 | ひよこ豆 | 69 |
牛肉 | 100 | グリンピース | 68 |
いわし | 100 | かぼちゃ | 68 |
あじ | 100 | じゃがいも | 68 |
ぶり | 100 | いんげん豆 | 67 |
豆腐 | 100 | 精白米 | 65 |
サーモン | 98 | ほうれん草 | 50 |
さんま | 96 | トマト | 48 |
枝豆 | 92 | 小麦粉 | 37 |
スポンサーリンク
タンパク質まとめ
今回はタンパク質についてご紹介しました。
タンパク質についての要点を以下にまとめます。
- タンパク質の種類は「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」
- タンパク質の働きは、身体の組織を作りエネルギーを生成する
- タンパク質が多く含まれる食品は「肉類」「魚介類」「卵類」「大豆製品」「乳製品」
これらの情報が少しでも皆様のお役に立つことができれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。