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健達ねっと>健康お役立ち記事>栄養>高齢者の食事での特徴は?必要量や食事の注意点とポイントを解説

高齢者の食事での特徴は?必要量や食事の注意点とポイントを解説

高齢者は食が細くなったり、栄養面に気を付ける点があったりと、注意するポイントが数多くあります。
実際に食事を作ったり、食事の介助を行ったりする際、どうしたらいいか迷うことがありませんか?

今回は、高齢者の食事の特徴を踏まえながら、注意点などのポイントを解説します。

  • 高齢になると見えてくる身体的変化
  • 高齢者の食事の必要摂取量
  • 食事をする際に注意すべきポイント
  • 高齢者にとっての食事

高齢者の食事について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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高齢者の食事での特徴

食事

※画像はイメージです

高齢になると身体的な変化が起こり、食事に対しての様々な力が衰えていく傾向にあります。
ここでは、高齢者の食事の特徴について解説します。

味覚が衰える

高齢になると、味覚を感じ取る味蕾(みらい)が減少します。
味蕾とは、主に舌の表面にある細胞で、塩味、酸味、甘味、苦味、うま味を感知するセンサーのような役目をしています。

高齢者はこの味覚が、新生児の2分の1から3分の1まで減少するといわれており、さらに自覚する割合も少ないです。
そのため、普段の食事が味気なく感じてしまったり、濃い味を好むようになったりする傾向にあります。

咀嚼(そしゃく)する力が弱い

虫歯や歯周病などで歯を失ったりして、食べ物を噛む力が弱っていきます。
せんべいのような固いものや葉物などの繊維質は、口の中で細かく砕くことが困難です。

そのため、柔らかい食べ物や、噛み砕きやすい食べ物を好んで食べるようになります。

食べ物を飲み込む力が弱い

食べ物を飲み込むために、噛み砕いた食べ物を食道へ送り出す力が弱くなります。
また、唾液の分泌量も低下するため、のどが十分に潤わなかったり、食道の入り口にある括約筋の機能が低下したりします。

そのため、食べ物が間違って気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)の原因にもなります。

栄養のバランスが偏る

身体が自由に動かせなかったり、気分が乗らなかったりして、食事を作るのが億劫になると、手軽に買って食べられるパンなどを食べることが増えます。

食物繊維など、身体に不可欠な栄養素がとれなくなり、栄養バランスが偏る可能性があります。

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高齢者の食事での必要量

アドバイスする女性

※画像はイメージです

高齢者と若い人とでは、身体に必要なエネルギー量や栄養素が異なります。ここでは高齢者に必要とされる食事の内容について解説します。

1日の摂取量

以下の表は厚生労働省が発表している高齢者の推定エネルギー必要量をまとめたものです。

【高齢者(65〜74 歳)の推定エネルギー必要量】

性別男性女性
身体活動レベルⅠ 
エネルギー(kcal/日)2,050 2,4002,7501,550 1,8502,100

【高齢者(75 歳以上)の推定エネルギー必要量】

性別男性女性
身体活動レベルⅠ 
エネルギー(kcal/日)1,800 2,1001,400 1,650 

※レベル II は自立している方、レベル I は自宅にいてほとんど外出しない方に相当。
レベル I は高齢者施設で自立に近い状態で過ごしている者にも適用できる値。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」

必要な栄養素

ここでは、高齢者に特に必要とされる栄養素について解説します。

カルシウム

1日に推奨されているカルシウムの量は、男性750mg/日、女性650mg/日となっています。
一方、70歳以上の高齢者のカルシウム摂取量の中央値は、男性548mg/日、女性475mg/日となっており、推奨量よりも低いことが分かります。

カルシウムは骨を形成するために必要な栄養素のひとつです。
特に女性は、閉経後に骨粗しょう症を引き起こす恐れがあるため、意識的にカルシウムを摂取するようにしましょう。

出典:厚生労働省「平成25年国民健康・栄養調査報告」

タンパク質

タンパク質は、重要なエネルギー源であり、不足すると低栄養となる恐れがあります。

65歳以上のたんぱく質の推奨摂取量は男性60g/日、女性50g/日となっています。
タンパク質が多く含まれている肉や魚、大豆製品などをこまめに摂取することをおすすめします。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」

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高齢者の食事で注意すること

 

※画像はイメージです

高齢者の食事で、注意すべきポイントについて解説します。

塩分の摂りすぎ

前述したように、高齢になると味覚が衰え、濃い味を好むようになります。
そのため、塩分の摂取が多くなることがあります。

また、食事を手軽に済ませるために、インスタント食品やコンビニ弁当、スーパーの惣菜などを多用することも塩分を必要以上に摂取してしまいます。

食事の種類

高齢者は、食べ物を咀嚼したり、飲み込んだりする力が衰えるため、固い野菜や海苔などの食べにくい食事をためらってしまうことがあります。
その結果、柔らかく飲み込みやすい食品ばかりを摂取していると栄養が偏ってしまいます。

高齢者の食事のポイント

 

※画像はイメージです

ここでは、高齢者が食事を摂るときに気にかけたいポイントをご紹介します。

調理法

高齢者の食事作りの際に大切な主な調理法は以下の通りです。

  • 固い野菜などは咀嚼しにくい為、柔らかく煮て、食材は小さく刻む
  • パサパサとしたパンやイモなどは、飲み込みにくく、のどに詰まらせる恐れもある為、スープに浸すなどして水分を含ませる
  • 水分を飲み込むときにむせる場合は、とろみ剤を使用する

調理法を工夫して、栄養バランスを考えましょう。

姿勢を整える

高齢者が食事を摂る際の姿勢で気を付けるべき点は以下の通りです。

  • 背筋を伸ばして顎を少しひいた状態にすると、誤嚥を防ぐことができる
  • テーブルが高いと上を向いて食事を摂ることになってしまうため、正しい姿勢がとれるように調整する
  • 椅子に座ることができない方は、ベッドのリクライニング機能を使って姿勢を安定させる

誤嚥は命に関わるほど危険なことなので、姿勢に注意しましょう。

食欲がでるように工夫する

身体を動かすことが少ない高齢者は、空腹を感じることも少なくなります。
食欲がでるような工夫には以下のようなものがあります。

  • 人と一緒にテーブルを囲み、楽しい雰囲気で食事をする
  • 外の景色を眺める、外食をするなど食べる場所を変える
  • 盛り付けを鮮やかにし見た目を良くする
  • 温かい食事で匂いを楽しむ

高齢者の食事での問題と課題

 

悩み

※画像はイメージです

核家族化が進んでいる現代では、高齢者のひとり暮らしが増え、ひとりで食事を摂る高齢者が増えています。

一緒に住んでいる家族がいても、仕事や学校などで食事時間が揃わなかったり、食事場所が違ったりすることで、家族で団欒する機会も減っています。
これにより、高齢者の食事の栄養バランスが偏ったり、誤嚥や窒息に対処する人がいなかったりと、食事に対する問題や課題が数多くあります。

介護施設では食事が一番の楽しみ?

※画像はイメージです

厚生労働省の調査では、介護施設に入居している高齢者の一番の楽しみは食事であるという結果が出ています。

施設では、高齢者が買い物や食事づくりに参加することで、生きがいや楽しみのみならず、生活機能の回復、社会参加への意欲が向上する可能性があるとしています。
食事は、買い物、食事づくり、洗い物などといった様々な行動が必要であり、一連の生活行為を行うことで、身体機能の維持・向上が期待できます。
さらに、入居している高齢者の食欲が増大する可能性もあります。

また不足しがちな栄養素を十分に摂取し、食事を規則正しく行うことで1日の生活リズムが安定します。

さらに体内組織のバランスを保つことも期待でき、定期的な便通が保持されます。

その結果、高齢者の要介護状態や疾病の重度化を予防することにより、クオリティ・オブ・ライフ(QOL、生活の質)の向上に寄与するとされています。

高齢者の食事のまとめ

まとめ

※画像はイメージです

ここまで高齢者の食事の特徴を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 高齢になると味覚、咀嚼する力、飲み込む力が衰える
  • 高齢者はカルシウム、タンパク質が不足しがちである
  • 食事の際は姿勢や栄養バランス、調理法に気を付ける
  • 高齢者にとって食事は、生活の一番の楽しみ

これらの情報が、少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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  • 設立: 1999年11月24日
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