炭水化物といわれて何を思い浮かべますか?
身体を動かすためのエネルギー源、生きていくために重要なものと認識している人がほとんどではないでしょうか。
摂りすぎると太ってしまうというイメージもあるでしょう。
この記事では、炭水化物について以下の内容を紹介します。
- 炭水化物の種類と働きについて
- 炭水化物不足や過剰摂取をするとどうなる?
- 炭水化物を含む食品
- 炭水化物とダイエット
ぜひ最後までご覧いただき、身体に大切な栄養素である炭水化物について、正しい知識を得て上手に摂取していくようにしましょう。
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炭水化物とは?
身近に聞く言葉である炭水化物ですが、炭水化物とは一体どのようなものなのでしょうか?
炭水化物とは、エネルギーの基となる栄養源であり、脂質・タンパク質とともに、「三大栄養素」といわれています。
炭水化物は、消化される「糖質」と、消化されない「食物繊維」に分かれており、消化される糖質は脳や筋肉などの細胞にエネルギー源として吸収されます。
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炭水化物の種類
身体のエネルギーになる炭水化物ですが、先に紹介しました「糖質」「食物繊維」以外にいくつかの分類があります。
炭水化物の単位は、ブドウ糖などの単糖類がいくつ繋がっているかによって分類されます。
- 単糖類(単糖類が1)…ブドウ糖・果糖・ガラクトース
- 二糖類(単糖類が2)…ショ糖・乳糖・麦芽糖
- 少糖類(単糖類が2~10)…オリゴ糖
- 多糖類(単糖類が10以上)…でんぷん・グリコーゲン
- 食物繊維(単糖類が10以上で人間が消化できないもの)…海藻・野菜の繊維質・こんにゃくなど
単糖類・二糖類
単糖類・二糖類は共に強い甘味があり、消化吸収が速く、血液内の血糖濃度(血糖)を上げやすいとされています。
一度に多く摂ってしまうと、高血糖の原因となってしまうので注意が必要です。
二糖類は、ショ糖(ブドウ糖と果糖が結びついたもの)を例に単糖類と似た性質を持ちます。
合わせて糖類と分類されます。
少糖類
少糖類は、でんぷんを原料にして酵素の力で発酵したものが多く、製品化されています。
麦芽糖やトレハロースなど、適度な甘みがあり消化吸収がゆっくりで、小腸では消化されないという性質に着目し開発がされています。
多糖類
多糖類は、でんぷんやグリコーゲンなどが挙げられているように、食物内にあるものが多く、穀類、芋類、豆類など、そのままでは消化されにくいものがほとんどです。
煮炊きをすることで栄養エネルギーに変わり、さまざまな加工をすることで吸収しやすくすることができます。
食物繊維
多糖類のなかで人間が消化できない炭水化物が食物繊維となります。
食物繊維は、昔は栄養学的に注目されていませんでしたが、整腸作用などの役割があることが分かったため、現在は1日20g程度食べるように指導されています。
消化吸収が早く、血糖値を急激に上げやすい単糖類や二糖類、吸収が穏やかな小糖類や多糖類、ほとんど吸収されない食物繊維があります。
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炭水化物の主な働き
炭水化物は、私たちのエネルギーの基となり、素早く吸収されます。
他にもエネルギー源になる栄養素には、タンパク質と脂質があり、三大栄養素といわれています。
炭水化物の主な働きは
- 脳や組織のエネルギー源となる
- 疲労感や集中力低下を防ぐ
- 血液内の血糖コントロール
炭水化物は、脳や筋肉などの身体の細胞が活動するためのエネルギー源です。
炭水化物でエネルギー源になるのは糖質で、1g当たり4kcal作り出します。
エネルギー源の糖質は、素早く消化吸収されるため、早急にエネルギー補給が必要なときに適しているといわれています。
炭水化物の種類によって性質が異なりますが、炭水化物の種類と性質を理解して使い分けることによって、ダイエットや糖尿病など、食事療法に使うことができます。
炭水化物は体温維持などにも必要ですが、必要以上に摂取すると、身体に蓄積されてしまうので注意が必要です。
炭水化物と血糖値の関係
炭水化物は私たちの食事の主要なエネルギー源の一つであり、それが体内で分解されるとブドウ糖として血液中に放出されます。
このブドウ糖の血中濃度が「血糖値」として知られています。
しかし、炭水化物の摂取量や種類によっては、血糖値が急激に上昇することがあり、これが糖尿病などの健康問題を引き起こすリスクとなります。
血糖値の基本
血糖値とは、ブドウ糖の血中濃度のことを指します。
ブドウ糖は、脳や筋肉のエネルギー源として働き、血液を通じて全身に供給されます。
食事や活動によって血糖値は変動し、特に炭水化物の摂取が血糖値の上昇に大きく影響します。
炭水化物の「重ね食い」の危険性
ラーメンとチャーハン、うどんといなり寿司など、炭水化物を多く含む食品を一度に摂取すると、血糖値は急上昇します。
逆に、炭水化物の摂取を控えることで、血糖値の上昇は抑えられます。
炭水化物の摂取基準は、摂取エネルギーの50〜60%とされています。
食事の順番と血糖値
食物繊維が豊富な野菜を食事の初めに摂取することで、血糖値の上昇が緩やかになることが知られています。
野菜の食物繊維は、血糖上昇を緩和する効果があり、主食よりも先に野菜を食べることで、この効果を最大限に引き出すことができます。
1日の摂取量の目安
身体を維持するためのエネルギー源として必要な炭水化物ですが、1日にどのくらいの摂取量が良いのでしょうか?
目安量となるものをいくつかご紹介します。
炭水化物の1日の摂取基準量は、1日の食事から摂取するエネルギーの50~65%程度が適切な量であるといわれています。
性別毎の一日の必要カロリーとそのうちの炭水化物の割合は以下の通りです。
1日の必要kcal | そのうちの炭水化物のkcal | |
成人男性 | 2,500kcal | 1,250~1,625kcal |
成人女性 | 2,000kcal | 1,000~1,300kcal |
カロリーではピンと来ない部分もあるかもしれません。
コンビニのおにぎり(紅鮭)が188kcalくらいですので、おにぎり6~7個ほどになります。
1食でおにぎり2個程度の炭水化物が適量であるということです。
炭水化物はこれまで紹介したように、いろいろなものに含まれているので、気づかずに炭水化物の過剰摂取となることもあるので注意が必要です。
炭水化物が不足すると体に起こること
炭水化物は身体に必要な栄養素ですが、炭水化物が不足した場合にはどのような問題が起きるのでしょうか?
炭水化物ダイエットなどもあり、炭水化物を一切とらないという人もいるようですが、炭水化物を抜くことは医学的に危険であるといわれています。
1日に必要な炭水化物の摂取量であれば、過剰摂取にはなりません。
逆に不足することで、さまざまなリスクが発生します。
以下に炭水化物不足時の症状を示します。
- 口の中の異常(口の中が乾きやすくなる・息が臭くなる)
- 疲れを感じる
- 目まいを感じる
- 吐き気が起きる可能性が高くなる
- 便秘になりやすい
- 腎臓に負担をかける
- ダイエット時にリバウンドを引き起こしやすくなる
ダイエットをしているのに、リバウンドを引き起こしやすいといわれると炭水化物を控えようと思うでしょう。
1日の必要量さえ守って摂取すれば太る問題はないので、炭水化物を減らすような食生活をしないようにすることが大切です。
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炭水化物を過剰摂取すると体に起こること
炭水化物が不足するとさまざまなリスクがあることが分かりました。
逆に炭水化物を過剰摂取すると、どのような状態になるのでしょうか?
炭水化物はおにぎり6~7個程度が1日の摂取量とされているので、1日の食事以外に炭水化物を摂取すると過剰摂取になってしまいます。
お菓子や飲み物などにも炭水化物となる糖質が含まれているものが多いので、気をつけて摂取する必要があります。
過剰摂取のリスクは以下の通りです。
- 炭水化物が中性脂肪に変化し、皮下脂肪や内臓脂肪に蓄積される
- 糖尿病や脂質異常症の原因になる
- 脂肪が蓄積されるので肥満になりやすい
- 生活習慣病になりやすくなる
炭水化物の過剰摂取だけが原因ではありませんが、身体に良いことではありませんので、適度な炭水化物の摂取量を守っていくことが必要です。
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炭水化物を含む食品
炭水化物を摂取するときには摂取量に注意する必要があります。
では一体、炭水化物を含む食品にはどのようなものがあるのでしょうか?
下記のような身近な食品に炭水化物が含まれています。
【単糖類・二糖類】…果物・はちみつ・砂糖・さとうきび・甘酒など
【少糖類・多糖類】…ごはん・パン・シリアル・かぼちゃなど
【食物繊維】…海藻類・マンゴー・干し柿・じゃがいもなど
炭水化物を含む食品を知ることで、食事の際に炭水化物の摂りすぎを抑えられます。
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炭水化物を摂るときのポイント
炭水化物を上手に摂るためにはどのようなポイントがあるのでしょうか?
過不足なく摂取するためにできることを紹介します。
ビタミンB1と一緒に摂る
炭水化物など糖質を多く含む食品はビタミンB1が不足しやすいといわれています。
不足すると糖質をエネルギー源にする神経や脳に影響が出るとされているため、できるだけビタミンB1を含む食品と共に摂ることをおすすめします。
ビタミンB1は玄米の胚芽部分に多く含まれているため、玄米ごはんなどを食べると良いでしょう。
食物繊維を多く含む食品と摂る
炭水化物の摂りすぎは肥満の原因になってしまいます。
摂りすぎを避けるためには、食物繊維を多く含む食品を摂ることが大切です。
食物繊維には、血糖値が急激に上がるのを抑える働きがあり、多く摂取することによってメタボリックシンドロームや糖尿病の発症率を抑えることが期待できます。
夕食時は軽く済ませる
炭水化物は太る、というイメージがありますが、炭水化物の不足はさまざまなリスクがあることを紹介しました。
特に夕食などは「あとは寝るだけなので炭水化物は摂らない」という人もいるのではないでしょうか?
しかし、夕食に炭水化物などを抜くことは良くありません。
代謝が悪くなり十分な睡眠をするためのカロリー(300kcalが必要だといわれています)が摂れないため、安眠できなくなり、痩せにくくなり逆に太ってしまうこともあるからです。
炭水化物抜きなどはせずに、軽い食事にすれば夜も安眠することが可能です。
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炭水化物はダイエットと関係ある?
炭水化物ダイエットとは、炭水化物を含む食品を抜くダイエット方法です。
主に主食であるごはんやパン、麺類やシリアルなどを抜いて、他の食品で補っていきます。
炭水化物ダイエットは痩せるのか?と聞かれれば、痩せるダイエット方法です。
私たちのエネルギー源になる炭水化物の摂取量が減ることで、エネルギー不足を補うために体内に蓄積されている中性脂肪を分解して、新しいエネルギーを作り出すためです。
効果のあるダイエットですが、リスクも多く、ストレスで継続できなかったり、炭水化物に含まれる食物繊維の不足により便秘になったりします。
糖質の不足と病気の直接的な関係の報告はありませんが、体内の糖が不足して低血糖になる可能性があります。
また、稀ですが、意識障害を起こすほどの体調不良になってしまうこともあります。
完全に抜くようなダイエットは避け、少量でも摂り入れるようにしましょう。
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炭水化物まとめ
ここまで炭水化物について、炭水化物の過剰摂取や不足の場合についての情報を中心にお伝えしてきました。
以下まとめです。
- 炭水化物はブドウ糖が繋がっている数によって種類が分かれており、身体を維持するエネルギー源である
- 炭水化物の過剰摂取や不足となると、肥満や疲れを感じやすくなる
- 炭水化物を含む食品には、果物やはちみつ、ごはんやパンなどがある
- 炭水化物を抜くダイエットは効果があるが、体調不良を起こす可能性があるため、完全に炭水化物を抜くようなダイエットは避けるべきである
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。