ビタミンaはあらゆる食材に含まれる必要不可欠な栄養素です。
摂取することで身体の機能を正常に保つことができます。
しかし、摂取量を守らないと身体に壊してしまう場合があります。
今回は、ビタミンa不足や過剰摂取が身体にどのような影響をもたらすのかを紹介していきます。
- ビタミンaとは
- ビタミンaが不足するとどうなる
- 1日に必要なビタミンa摂取量
ぜひ、最後までご覧いただください。
ビタミンa不足にならないよう心がけましょう。
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ビタミンaの働き
ビタミンaは、体内で「レチノール・レチナール・レチノイン酸」として存在し、油に溶けやすい脂溶性ビタミンの1つになります。
脂溶性のため、体内に留まりやすく、細胞の内側まで浸透して働きます。
ビタミンaには、主に4つの働きがあります。
- 細胞をつくり、皮膚や粘膜などの代謝を正常に保つ
- 目の健康を保ち、うす暗い場所での視力の維持をサポートする
- 免疫力を保ち、感染症にかかりにくくする
- 胎児や乳児の成長を促進する
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ビタミンaが不足した場合の症状
ビタミンaが不足すると、どのような症状が見られるのでしょうか?
症状について詳しく見ていきましょう。
皮膚や粘膜の乾燥
ビタミンaは、紫外線によって破壊され、減少してしまいます。
健康な肌を保つには、常にビタミンaを補給する必要があります。
ビタミンaが不足すると、肌が乾燥する、かかとがガサガサになるなど外部にでる症状から、風邪を引きやすくなる、のどや胃腸が弱くなるなどの内部にでる症状まで見られます。
夜盲症
ビタミンaは、目を乾燥から守るために、目の表面にある角膜に涙を保持する粘液の層を作っています。
ビタミンaが不足すると、網膜内のロドプシン物質が作られなくなるため、暗順応の調節ができなくなります。
症状が悪化すると、ドライアイ、目の充血、結膜炎、さらに視力低下に陥る危険があります。
ビタミンA欠乏症
ビタミンA欠乏症とは、ビタミンAの不足により引き起こされる症状のことです。
欠乏が短期の場合は、夜盲症、眼球乾燥症、角膜軟化症、さらに失明することもあります。
長期の場合は、骨端骨形成不全、発育障害、感染抵抗性減弱などを引き起こします。
ビタミンA欠乏症は、発展途上国の生まれたばかりの子どもに多く見られます。
生まれたばかりの子どもは、体内にビタミンAの貯蓄をほとんどできません。
そのため、母親の母乳から摂取します。
しかし、発展途上国で暮らす母親に栄養が足りていないことが多く、母乳を与えてもビタミンAが足りないことがあります。
その結果、ビタミンA欠乏症になってしまいます。
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1日に必要なビタミンaの摂取量は?
1日に必要なビタミンaの摂取量はどれくらいなのでしょうか?
推奨される摂取量は年齢、性別によって異なります。
以下のグラフは、ビタミンaの推奨摂取量を年齢・性別に分けてまとめたものです。
自分に当てはまるところをチェックしておきましょう。
年齢 | 男性のビタミンa推奨摂取量(単位㎍) | 女性のビタミンa推奨摂取量(単位㎍) |
18~29歳 | 850 | 650 |
30~49歳 | 900 | 700 |
50~64歳 | 900 | 700 |
65~74歳 | 850 | 700 |
75歳以上 | 800 | 650 |
日本国民のほとんどが推奨摂取量に届いていないといわれています。
普段から意識してビタミンaを摂取するようにしましょう。
ビタミンaが含まれる食品
ビタミンaはレバーやうなぎ、ホタリイカなどの動物性食品に多く含まれています。
植物性食品にも、体内でビタミンaと同様の働きをする「プロビタミンa」が含まれています。
ビタミンaを含むおすすめの食品を詳しく見てみましょう。
おすすめの食品
ビタミンaが含まれる食品は、動物性食品と植物性食品の2種類に分けられます。
それぞれの食品について詳しく見てみましょう。
【ビタミンaを含む動物性食品(100gあたりのビタミンa含有量)】
動物性食品名 | 加工状態 | ビタミンa含有量(単位㎍) |
鶏レバー | 生 | 14,000 |
養殖うなぎ | 生 | 2,400 |
卵黄 | 生 | 480 |
食塩不使用バター | ― | 800 |
【ビタミンaを含む植物性食品(100gあたりのビタミンa含有量)】
植物性食品名 | 加工状態 | ビタミンa含有量(単位㎍) |
干し海苔 | ― | 3,600 |
乾燥わかめ | 素干し | 650 |
しそ | 生 | 880 |
ほうれん草 | ゆで | 450 |
年齢や性別で1日に必要な摂取量は異なりますが、生たまごの卵黄1つ20gと考えると、1日に卵黄7~8個を摂取する必要があります。
焼き海苔だと、1日2枚で必要な摂取量を満たせます。
また、ビタミンaが豊富な食べ物について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
おすすめの調理方法
ビタミンaは脂溶性ビタミンであるため、油に溶けやすいという特徴があります。
そのため、ビタミンaを含む食材を炒めたり、揚げたりすることで効果的に栄養を摂取することができます。
取りすぎるとどうなる?
身体の機能を正常に保つためには必要不可欠なビタミンaですが、取りすぎることでデメリットはあるのでしょうか?
過剰摂取は身体の毒になる
ビタミンaを取りすぎると栄養素が肝臓に蓄積され、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
過剰摂取の症状
ビタミンaの過剰摂取による症状は、急性症状と慢性症状の2種類に分けられます。
急性症状は、短期間に過剰摂取した場合に見られ、腹痛や吐き気、嘔吐などを引き起こします。
また、皮膚の表面が剥がれ落ちてしまうこともあります。
慢性症状は、長期間にわたり過剰摂取した場合に見られ、皮膚の脱毛、関節痛、食欲不振、頭痛などを引き起こします。
肝脾腫(肝臓や膵臓が腫れて大きくなること)という恐ろしい病気になることもあります。
しかし、食事から摂取した場合はほとんど身体には悪影響がないと考えられているので、それほど気にする必要はありません。
ただし、サプリメントによる過剰摂取はかなり危険だといわれています。
くれぐれも注意してください。
1日の上限摂取量
耐容上限量とは、過剰摂取による健康被害を未然に防ぐ量のことをいいます。
以下のグラフはビタミンaの耐容上限量を年齢・性別に分けてまとめたものです。
自分に当てはまるところをチェックしていきましょう。
年齢 | 男性のビタミンa耐容上限量(単位㎍) | 女性のビタミンa耐容上限量(単位㎍) |
0〜2歳 | 600 | 600 |
10〜11歳 | 1,500 | 1,900 |
15~17歳 | 2,500 | 2,800 |
18歳以上 | 2,700 | 2,700 |
18歳以上では男性も女性も2,700㎍が上限とされています。
耐容上限量を超えて摂取した場合は、健康障害のリスクが高まるとされています。
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食生活を意識する割合
日本人は食生活に対する意識が低いです。
日本人の約4人に1人が食生活に関心を持っていないといわれています。
そのため、男性も女性もビタミンaの平均摂取量は低く、推奨摂取量に届いていません。
若いうちは良いかもしれませんが、年齢を重ねてから後悔する可能性があります。
今のうちから健康意識を高め、ビタミンaを積極的に摂取しましょう。
過剰摂取にならなければ、サプリメントを使用しても問題ありません。
まとめ
ビタミンaの効果から不足するとどうなるか、1日に必要な摂取量はどれくらいかなどを必要な内容を紹介してきました。
- ビタミンaとは油に溶けやすい脂溶性ビタミン
- ビタミンaが不足すると皮膚や粘膜の乾燥、夜盲症、ビタミンa欠乏症などを引き起こす
- 1日に必要なビタミンa摂取量は年齢・性別によって異なる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。