実は、日本国民の5人に1人は睡眠障害を患っているとも指摘されています。
睡眠障害は仕事中の居眠りやミスにつながりやすいです。
そのため「クビになるのでは?」と不安に駆られる方も少なくありません。
睡眠障害によるクビを回避するには、どのような対策を取ればよいのでしょうか。
本記事では、睡眠障害によるクビについて、以下の点を中心にご紹介します。
- 睡眠障害によるクビを回避する方法
- クビを回避するために受けるべき治療
- 睡眠障害はどの診療科を受診すべきか
睡眠障害によるクビについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
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睡眠障害とは
睡眠障害とは睡眠に関するトラブル全般を指します。
なお、症状別に以下の3タイプに分けられます。
- 十分な睡眠がとれない(不眠症)
- 活動時間帯に強烈な眠気に襲われる(過眠症)
- 睡眠中に勝手に四肢が動く(睡眠時随伴症)
睡眠障害の中で最も多いのが不眠症です。
本記事では、睡眠障害=不眠症と定義して解説を行います。
出典:厚生労働省【睡眠障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
睡眠障害の症状
睡眠障害の症状は、大きく分けると以下の4タイプがあります。
- なかなか寝付けない(入眠障害)
- 寝付いても何度も目が覚める(中途覚醒)
- 予定より早い時間に目が覚める(早朝覚醒)
- 睡眠時間は十分だが、寝た気がしない(熟眠障害)
出典:厚生労働省【不眠症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
なお、睡眠が十分にとれていないだけでは、睡眠障害とはいいません。
睡眠障害は、睡眠が十分にとれないために、心身や日中の活動に深刻な悪影響が出ている場合が該当します。
睡眠障害による日常のリスク
睡眠障害になると十分な睡眠が取れないため、心身や日常生活に深刻な影響が出やすくなります。
たとえば昼間の眠気などが代表的です。
仕事中に居眠りするほか、集中力・注意力が低下してミスを犯すことも少なくありません。
睡眠障害によって重大なミスや事故が重なれば、仕事をクビになる可能性もあります。
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睡眠障害でクビにならないための対策法
睡眠障害はすぐに治らないこともあります。
治るまでに時間がかかれば、そのぶん仕事に支障が出やすくなります。
つまり、クビになる可能性が高くなるのです。
睡眠障害でクビにならないためには、以下のような方法で対策しましょう。
上司や同僚に理解してもらう
睡眠障害がある方は、まず周囲に自身の状況を理解してもらいましょう。
説明が十分でないと、単純に勤務怠慢と誤解されやすいためです。
睡眠障害がある方は、仕事中に眠気に負けることが少なくありません。
つまり、周囲には、居眠りの常習犯とみなされやすいわけです。
誤解を防ぐためにも、自分が睡眠障害であることはあらかじめ説明しておきましょう。
あわせて、仕事上のサポートも依頼するのがベストです。
睡眠障害は集中力などの低下により、ミス・事故を犯すことが多いです。
一方、周囲のサポートがあれば、たとえ睡眠障害を患っていても、重大なミスは防ぎやすくなります。
休職して治療に専念する
おもいきって休職し、睡眠障害の治療に専念するのも1つの方法です。
治療に専念する分、早い回復が期待できることもあります。
休職手続きの方法は企業によって異なります。
一般的には医師の診断書の提出を求められることが多いです。
睡眠障害でも診断書は書いてもらえます。
精神疾患という位置づけであるため、精神科医などに依頼するのが妥当です。
生活習慣を見直す
自分で睡眠障害を治せることもあります。
特に睡眠障害の原因が生活習慣にある場合に有効です。
夜更かしや昼夜逆転の生活は、体内時計が狂いやすくなります。
すると睡眠のリズムが狂うため、睡眠障害のリスクが高まります。
就寝・起床時刻がバラバラという方は、まず決まった時間に寝起きすることを心がけましょう。
夜中に何度も目が覚めるという方は、就寝環境の見直しも行ってください。
たとえば寝具の交換や照明器具の調節などがあります。
あわせて、バランスのよい食事や適度な運動も大切です。
規則正しい生活をすると体内時計が整いやすくなるため、質の高い睡眠が期待できます。
出典:厚生労働省【快眠と生活習慣 | e-ヘルスネット】
睡眠障害での休職を検討されてる方は以下の記事を参考にしてください。
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睡眠障害の治し方
睡眠障害の治療法は、大きく分けて薬物療法と非薬物療法の2種類に分けられます。
それぞれの内容をみていきましょう。
薬物療法
医薬品によって睡眠障害の改善を図ります。
たとえば睡眠導入剤・睡眠誘発剤などの睡眠薬が処方されることが一般的です。
睡眠薬は、心身の不安・緊張を解くことで睡眠を促す医薬品です。
具体的には、脳に働きかけ、リラックス効果のあるホルモンの分泌などを促します。
つまり心身のストレスが軽減されるため、眠りに落ちやすくなるわけです。
睡眠薬による治療は、即効性が高い点がメリットです。
なお、薬物療法の最終ゴールは、睡眠薬なしで眠れるようになることです。
睡眠薬には副作用や依存性があるためです。
副作用は、
- めまい
- 意識の混濁
- 記憶障害
などが代表的です。
対して依存性とは、睡眠薬がないと眠れないという状態になることです。
そのため薬物療法を行うときは、薬の服用期間・量を慎重に見極めることが大切です。
あわせて生活習慣の見直しなどを行い、最終的には睡眠薬なしで眠れる状態を目指します。
非薬物療法
非薬物療法は、医薬品を用いない治療法です。
薬物療法と併用されることもあります。
睡眠障害に用いられる非薬物療法は、主に2つあります。
1つ目は認知行動療法です。
認知行動療法は、自身の考え方のゆがみを正す治療法です。
簡単にいえば、眠りを妨げる思考のクセを改善することで、質の高い睡眠を促します。
たとえば夜寝付けないときに、「早く眠らなくては」と焦ることは多々あります。
焦りは自身にプレッシャーを与えるため、心身が緊張して眠気が遠のきます。
認知行動療法では、「眠らなくてはいけない」という考え方にアプローチします。
具体的には、「少しくらい眠れなくても大丈夫」というふうに、思考のクセを改めます。
すると眠れないことに対するプレッシャー・緊張がほどけます。
その結果、かえって眠気を期待できるというわけです。
2つ目の非薬物療法は、高照度光療法です。
体内時計を整える治療法です。
体内時計とは、簡単にいえば朝はスッキリ目覚め、夜は自然に眠くなるというリズムです。
体内時計は、通常、朝日などの光を浴びることで調節されています。
しかし睡眠障害の方は、体内時計をうまく調節できないことがしばしばです。
そのため朝日よりも強い光を浴びて、体内時計の調節機能を強化する必要があります。
高照度光療法では、起床の30分前を目安に身体に強い光を照射します。
具体的には、ライトなどを利用して5,000〜1万ルクスの光を浴びます。
起床の30分前から強い光を浴び続けることで、朝は自然な覚醒が促されます。
さらに体内時計が正しく調節されるため、夜も決まった時間に眠気を催しやすくなります。
つまり朝晩の睡眠サイクルが固定化されるわけです。
睡眠サイクルが整うと、自然と深い睡眠を得やすくなります。
非薬物療法は、薬物療法のように副作用がない点がメリットです。
睡眠習慣を根本的に改善できるため、治療終了後に効果が持続しやすい点も特徴です。
デメリットとしては、薬物療法と比べると即効性がない点です。
効果を感じるまでにはある程度時間がかかります。
そのため、治療期間中は休職するのも1つの方法です。
睡眠衛生指導を受ける
睡眠衛生指導とは、睡眠に関する正しい知識を学ぶことです。
より具体的には、睡眠を妨げる生活習慣を見直すことで、質の高い睡眠を目指します。
代表的な内容として、バランスのよい食事や適度な運動が挙げられます。
あるいは、就寝前のカフェイン摂取・禁煙の回避も睡眠衛生指導の一環です。
カフェインやたばこに含まれるニコチンには、脳を興奮させて眠気を覚ます作用があります。
そのほか寝室の温度・湿度管理や、適度な昼寝などの指導も行われます。
睡眠衛生指導は、睡眠障害のかかりつけ医などから受けることが一般的です。
なお、睡眠障害のときに何科を受診すべきかは、次の項目でご紹介します。
出典:厚生労働省【健康づくりのための睡眠指針2014】
睡眠の質を上げるブレスレット「フィリップスタイン」とは?
フィリップスタインとは、就寝30分前に腕につけて眠るだけで、翌日のパフォーマンスの集中力の向上などが期待できるブレスレットです。
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睡眠障害は何科を受診すればいいの?
睡眠障害は、内科・精神科・心療内科などが対応しています。
あるいは、症状・原因などにあわせて診療科を選ぶ方法もあります。
睡眠障害の種類 | 主な症状など | 受診すべき診療科 |
不眠症 | 十分な睡眠が取れない | 内科・精神科・心療内科 |
過眠症・ナルコレプシー | 昼間に強烈な眠気がある | 内科・精神科・心療内科・脳神経内科 |
睡眠時無呼吸症候群 | 睡眠中に呼吸が止まる・いびきなど | 呼吸器内科・耳鼻咽喉科 |
睡眠関連運動障害 | 睡眠時に勝手に身体・手足が動く | 脳神経内科・内科 |
概日リズム障害 | 体内時計がずれることで、起床・就寝時間が不規則になる | 精神科・心療内科・神経内科 |
自分がどのタイプか分からない場合は、一般内科を受診してみるとよいでしょう。
かかりつけ医がいる方は、診療科にこだわらず、ひとまずかかりつけ医に相談してみましょう。
実際に居眠りで解雇されるのか?
居眠りで解雇されることはあるのでしょうか。
解雇の可能性があるケースや、不当に解雇された場合の対処法についてみていきましょう。
解雇されるかどうかは原因による
仕事中の居眠りで解雇になるかどうかは、ケース・バイ・ケースです。
一般的には、本人に落ち度がない場合は解雇されません。
本人以外の落ち度な場合
居眠りの原因が本人の落ち度でなければ、解雇される可能性は低いです。
たとえば以下のような原因が該当します。
- 労務環境が過酷な場合
- 精神的な不調が原因の場合
過酷な労務環境とは、たとえば連日の深夜残業などが該当します。
仕事が原因で睡眠がとれない状態に追い込まれているため、労働者に居眠りの責任はありません。
精神的な不調とは、たとえば睡眠障害・うつ病などが代表的です。
身体的・精神的疾患が原因で居眠りする場合は、解雇ではなく休職がすすめられることが多いです。
なお、解雇を回避するには、居眠りの原因が睡眠障害であることを上司・同僚に理解してもらう必要があります。
説明なしの居眠りは、単純な勤務怠慢と受け取られかねません。
不当解雇を避けるためにも、まず自分が睡眠障害であることを十分に説明しましょう。
自身の睡眠障害を説明する場合は、医師の診断書などを提出すると、納得してもらいやすくなります。
本人の落ち度の場合
居眠りの原因が本人にある場合は、勤務態度不良として解雇されるおそれがあります。
本人の落ち度とは、たとえば以下があります。
- 飲みすぎて二日酔い
- ゲームをしていて寝るのが遅くなった
労務環境・精神疾患以外が原因の居眠りは、原則として処罰の対象となります。
解雇はされずとも、減給・懲戒処分になることも珍しくありません。
不当に解雇された場合
不当に解雇された場合は、労働審判や裁判なども視野に入れましょう。
不当な解雇とは、たとえば以下のケースが該当します。
- 睡眠障害などの精神疾患を理由に解雇された
- 注意・懲戒処分などを経ずに、いきなり解雇通知された
自身の処分が不当だと感じる場合は、まず弁護士に相談してください。
労働審判や裁判に勝てれば、解雇を回避できるかもしれません。
ただし、状況によっては解雇を避けられないこともあります。
また、居眠りの原因が明らかに本人の落ち度であれば、解雇処分は不当とはいえません。
睡眠障害は首こりからも影響する?
実は睡眠障害は、首こりから起こることもあります。
首・肩がこると、頭部や全身の血行が滞るためです。
脳に十分な酸素・血液がいかなくなるため、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
自律神経の乱れは、不眠の原因の1つです。
理由は、眠気を抑制する交感神経が過度に活性化されるためです。
特に、パソコンやスマートフォンを長時間使用する方は、首・肩がこりやすくなります。
血行を促進するためにも、定期的に肩を回す・運動するなどして予防することが大切です。
自律神経とストレスの関係について知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
ストレスは、自律神経の乱れに影響すると言われています。また、ストレスで起こる症状はいくつかあります。「自律神経とストレスは、いったいどのような関係があるのだろう?」「ストレスで起こる症状などについて詳しく知りたい。」[…]
睡眠障害に悩む人の割合
睡眠障害に悩む方は実は少なくありません。
実際に厚生労働省は、日本の約5人に1人が睡眠に何らかのトラブルを抱えていると発表しています。
睡眠障害の中でも数が多いのが、不眠症です。
男女ともに約2割が不眠症を患っているというデータもあります。
不眠症以外の睡眠障害を患う方も少なくありません。
たとえば睡眠時無呼吸症候群や睡眠関連運動障害などは、睡眠障害全体の中でも1割前後を占めています。
日本社会においては、睡眠障害を抱えながら仕事に励む方は決して少なくないです。
睡眠障害は、精神疾患の1種です。
深刻な不調がある場合は、1人で悩まず、早めに医療機関を受診しましょう。
出典:厚生労働省【不眠症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
出典:保健医療科学 2012 Vol.61 No.1【< 総説 > 日本における睡眠障害の頻度と健康影響】
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会社側が睡眠障害の社員を見かけたら
睡眠障害を患う方は決して少なくありません。
つまり、部下・同僚などに睡眠障害を持つ方があらわれる可能性は十分にあります。
では、部下・同僚が睡眠障害を患っている場合、会社はどのように対応するのが適切なのでしょうか。
対応方法は主に2通りあります。
1つ目は労務環境や職場環境を見直すことです。
たとえば深夜残業が続いていないかなどを確認しましょう。
1人の社員に仕事が集中している場合は、仕事量を減らすなどして、本人が休息できる環境を整える必要があります。
2つ目の方法は、本人に医療機関を紹介することです。
ストレスなどが原因で睡眠障害になっている方には、専門知識を持った医師のサポートが必要です。
「迷惑をかけたくない」などの理由で、医療機関の受診を遠慮する社員もいます。
しかし睡眠障害が起きている方は、健康時に比べて仕事のパフォーマンスが低下します。
つまり、睡眠障害が長引けば長引くほど、会社側の損失も大きくなるわけです。
十分に働いてもらうためにも、会社側は本人に医療機関の受診をすすめてください。
経営者・上司に受診をすすめられれば、本人も決心がつきやすくなります。
出典:厚生労働省【不眠症 | e-ヘルスネット】
ストレスと認知症の関係について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
高齢化が進む日本において、年々増加している認知症。種類によっては、症状や原因は大きく異なります。私たちにとって身近なストレスも原因になり得ることを知っていますか?本記事では、ストレスと認知症の関係について以下の点[…]
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睡眠障害によるクビについてのまとめ
ここまで睡眠障害によるクビについてお伝えしてきました。
睡眠障害によるクビの要点を以下にまとめます。
- 睡眠障害によるクビを回避するには、上司・同僚に睡眠障害であることを理解してもらう
- 薬物療法・非薬物療法などの睡眠障害の治療を受ける
- 睡眠障害に対応している診療科は内科・精神科・心療内科だが、症状に合わせて呼吸器内科や脳神経内科を受診してもよい
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。