看護師にとって睡眠障害は入院している患者によく見られる症状の1つです。
睡眠障害が続くと体調不良につながり、病気に対する治療の妨げになる可能性があります。
睡眠障害にはどのような症状や要因があるのでしょうか?
看護計画を立案する為にどのような手順やアセスメントが必要でしょうか。
本記事では睡眠障害における看護計画の役割について以下の点を中心にご紹介します。
- 睡眠障害と看護計画の概要
- 睡眠障害の看護計画の役割とは
- 睡眠障害の看護計画の手順とは
- 睡眠障害の看護計画のメリット・デメリットとは
睡眠障害における看護計画について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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睡眠障害とは
睡眠障害とは睡眠に関する何らかの問題が生じた状態のことをいいます。
日本人成人の約20%が慢性的な不眠を伴っているという報告があります。
また約15%の人が日中に過剰な眠気を伴っているという報告があります。
出典:日本生活習慣病予防協会【睡眠障害】
睡眠障害の種類と原因は次の通りです。
不眠症
睡眠時間を十分にとることができない疾患です。
不眠症には以下のように分類されます。
- 入眠困難
- 中途覚醒
- 早朝覚醒
- 熟睡障害
不眠症の原因はストレス、他の身体疾患、精神疾患など様々です。
過眠症
十分な睡眠時間をとっているのに日中に過度な眠気が生じてしまう疾患です。
過眠症は以下のように分類されます。
ナルコレプシー
脳内物質のオレキシン不足による、突然眠気が強くなり眠ってしまう睡眠発作が起きます。
特発性過眠症
原因不明の過度な眠気を生じます。
概日リズム睡眠障害
体内時計が乱れることで昼夜逆転が生じてしまう疾患です。
原因として、不規則勤務による時間の乱れや、加齢による早寝、早朝覚醒があります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中のいびきや無呼吸が生じることで日中の眠気を生じる疾患です。
原因として、肥満などにより気道の圧迫に加え睡眠時に舌が気道を塞ぐことでで生じます。
薬剤性の睡眠障害
疾病治療に用いられる薬剤の副作用による睡眠障害です。
抗ヒスタミン薬、また抗うつ薬など抗精神薬の副作用にて眠気が強くなることがあります。
ステロイド薬や、カフェインを含んだ薬の副作用で、不眠が強くなることがあります。
睡眠関連運動障害
睡眠関連運動障害には以下の2つの症状があります。
レストレスレッグス症候群
夕方から深夜にかけてじっとしているときに足を中心にムズムズした異常感覚が生じる病気
周期性四肢運動障害
睡眠中に手足に筋の急激な収縮を伴う不随意運動を繰り返し、睡眠の妨げになる
睡眠時随伴症
睡眠時随伴症は睡眠中に起こる異常な行動や体験を伴う症状のことをいいます。
睡眠時随伴症には睡眠時期に応じ、以下の2つに分類されます。
ノンレム睡眠から生じる睡眠時随伴症
夜驚症(睡眠中に突然大声を出す、泣き出す)、寝床を出て歩き回るような症状
レム睡眠から生じる睡眠時随伴症
悪夢障害(夢の内容を鮮明に想起できる)、大声や暴力的な行動
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看護計画とは
看護計画とは、看護対象者が抱える問題を解決するための行動計画です。
看護の目標を成し遂げるための一連の行為に当たる看護行為の1つに含まれます。
看護計画を立案するために、次の過程が重要となります。
- 看護対象者の症状や特徴など情報収集をする
- 情報収集をもとにアセスメントを行い、問題点や解決に向けた強みを探す
- アセスメント結果から、看護問題を抽出し各情報を分類する
- 看護問題に優先順位をつけて、解決に向けた具体的な計画を立案する
看護計画は統一した看護が実施できる工夫として、次の点に留意します。
- 観察計画(O-P)、ケア計画(C-P)、教育計画(E-P)の3つに分けて記載する
- 5W1H(いつ、だれが、どこで、どのように、なにを、なぜ)を具体的に記載する
- 看護問題の性質ごとに期限を設け、計画に変更がないか評価を行う
- 看護問題を除去できるように、具体的な看護活動を立案する
- 看護対象者に説明する際、専門用語は使わずわかりやすい表現を用いる
- 他職種と連携し、提供するケアの種類や時間を考慮する
日本人の5人に1人が、何らかの睡眠問題を抱えているといわれています。60歳以上では、約3人に1人が睡眠障害を患っているというデータもあります。そのことから睡眠障害は、国民病ともいわれています。睡眠障害になると、どのような問題が生じる[…]
睡眠障害の看護計画の役割
睡眠障害に対する適切なケアを実施するために。看護計画を立案することが重要です。
睡眠障害に対する看護計画立案は、次のような役割が期待されます。
- 睡眠障害が生じる要因を抽出することで、個別的な問題解決につながる
- 睡眠リズムを取り戻し、健康的な睡眠状態に戻る
- 睡眠時随伴症が軽減、または消失する
- 身体症状も軽減し、日常生活の問題解決につながる
睡眠障害になる原因は、生活習慣や身体の状態によって人それぞれ異なります。看護師は睡眠障害の原因を見極め、その患者に合ったケアを提供する必要があります。睡眠障害を抱える患者に対して、どのような看護ができるでしょうか?本記事では[…]
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睡眠障害の看護計画の手順とは?
ここからは睡眠障害の看護計画の手順について説明します。
今回は、睡眠障害の1つである不眠を中心に説明します。
観察計画(O-P計画)
現在の睡眠の状況 | 睡眠のリズム、いつ頃不眠になるのか、表情 |
不眠になる原因 | 痛み・かゆみなど身体症状、服用している薬剤、ストレス、心理状態 |
睡眠時随伴症の有無 | 異常行動や夜驚症など目に見える症状はないか |
日常生活への影響の有無 | ぼーっとしている時間が長い、食事パターンが乱れている |
不眠に対する検査、治療効果その他副作用 | 心電図や脳波など検査結果、薬物療法などの効果判定 |
睡眠に関連した知識の有無 | 看護対象者が睡眠障害をどの程度認知しているのか |
バイタルサイン | 血圧、心拍数、体温の変化 |
ケア計画(C-P計画)
睡眠障害の要因に合わせたケア計画を立案します
痛み・かゆみなど身体症状がある場合 | |
環境を調整する | 寝具や寝衣、おむつなど摩擦になる原因を取り除く、室温調整、ポジショニング |
服薬コントロールを行う | 痛み止め、かゆみ止め |
リラクゼーションを図る | マッサージ、温浴 |
皮膚の清潔を保つ | 温浴、保湿剤 |
日常生活への影響がある場合 | |
日中の生活場所の工夫 | 食事の際ベッドからロビーまで移動する |
身体活動量の増加 | 日中の活動時間を長くする |
刺激を増やす | 日中に関わる頻度を増やす、イベントに誘う |
生活リズムを整える | 夜間にテレビや携帯電話をしない、規則正しい食生活を行う |
環境因子が刺激となっている場合 | |
音刺激を調整する | 好きな音楽を聴く、夜間に発生する音を軽減する、必要があれば部屋を変更する |
明るさを調整する | 睡眠前は消灯または照度を下げる、光が直接当たらないようにする |
匂いを調整する | 不快なにおいを除去する、アロマオイルを使用する |
ベッド周囲の環境を調整する | シーツをこまめに替える、寝具の硬さや吸湿性などを調整する |
心理的ストレスが原因の場合 | |
傾聴する | 不安に対する訴えを聞く、共感する |
ストレスを緩和する方法を探す | 深呼吸、アロマセラピー、ヨガ、マッサージ |
気分転換を図る | コミュニティの場を設ける、レクリエーションに参加する |
服薬コントロールを行う | 向精神薬、抗不安薬 |
その他 | |
プライバシーの配慮を行う | 大部屋の場合はカーテンを使用する、生活パターンに配慮した関わりを持つ |
睡眠前のルーティンを取り入れる | 読書する、軽いストレッチを行う |
睡眠薬を服用する | 用法用量を守り、過剰摂取や突然の中断など注意する |
教育計画(E-P計画)
患者教育を実施する
睡眠障害の原因や対策について説明する
睡眠障害対処の12の指針に基づいて説明する
睡眠時間はそれぞれ、日中の眠気で困らなければ十分 | 刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法 |
眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない | 同じ時刻に毎日起床 |
光の利用でよい睡眠 | 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣 |
昼寝をするなら、15 時間前 20~30 分 | 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに |
睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意 | 十分眠っても日中の眠気が強いときは専門医に |
睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと | 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全 |
服薬指導
指示通りに服用し、自己判断で中断しないよう指導する
睡眠障害の看護計画のメリット、デメリットとは?
睡眠障害に対して看護計画を立案・実施すると、様々なメリットがあります。
一方で看護手順の統一性と看護対象者の個別性の間に様々な問題が生じる場合があります。
具体的な内容は以下の通りです。
メリット
1.個々人に対する具体的方針の提示
看護対象者の睡眠障害に対し、個別性に特化した治療方針を提示することができます。
同じ看護問題でも要因が異なると異なった看護計画を立案する必要があります。
例えば看護問題で同じ不眠であるとします。
疼痛が要因での不眠である場合は疼痛を取り除くよう看護計画を立案します。
心理的ストレスが要因である場合は軽重を含む心理的サポートを含めて立案します。
様々な要因を特定するためには適切なアセスメントが重要となります。
具体的な問題を抽出することで、個別的な解決につなげることができます。
2.生活の改善
生活面の問題を抽出して対応することで、生活の質の改善につながります。
具体的には以下の通りです。
- 朝日を浴び、夜は消灯するよう配慮することで日内リズムを取り戻す
- 適度な運動を行うことで心地よい疲労を蓄えて眠気につなげる
- 3食規則正しく摂取することで栄養面の改善や日内リズムを取り戻す
デメリット
睡眠障害の原因は多岐にわたるため、必ずしも看護問題を特定できるとは限りません。
その結果、看護計画が上手く遂行されず、睡眠障害が改善されない場合もあります。
睡眠障害の要因を特定するには時間をかけ根気よくアセスメントを続けることが大切です。
また1人で抱え込まず周りからのサポートを受けることが重要です。
不眠による日中などの不調が1か月以上続く場合は、睡眠障害の疑いがあります。入院など、様々な検査を受けることで睡眠障害の程度や詳しい原因を突き止めることが可能です。その結果症状の改善方法が見つかり、夜にぐっすり眠れるようになります。[…]
睡眠障害の看護計画のまとめ
本記事では、睡眠障害における看護計画の役割についてお伝えしました。
以下でこの記事で紹介したことについてまとめます。
- 睡眠障害は不眠を始め様々な症状があり日常生活に影響を与える
- 看護計画は看護行為の1つで統一した看護を実施するための計画である
- 睡眠障害の看護計画の役割は個別的な問題解決と健康的な睡眠の獲得である
- 睡眠障害の看護計画の手順は要因に対し3つの計画(O-P、C-P、E-P)を用いる
- 睡眠障害の看護計画は個別的な関わりができるが看護問題の特定が難しい面がある
睡眠障害における看護計画の役割について知識を深め、お役立ていただけたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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