夜に目が覚めてなかなか寝付けないという方は、中途覚醒の可能性があります。
中途覚醒は、放置すると大きな病気に発展するリスクがあるため、早めの対策が必要です。
中途覚醒を改善するには、どのように対策すればよいでしょうか?
この記事では中途覚醒について、以下の点を中心に詳しく解説しています。
- 中途覚醒の対策とは
- 中途覚醒の原因について
- 不眠症を放置することで発生するリスク
中途覚醒の対策について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。
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中途覚醒とは
中途覚醒は不眠症の1つで、睡眠維持障害とも呼ばれています。
夜中に幾度も目が覚めてしまい、なかなか熟睡できないなどの症状が見られます。
目が覚める時間や回数には個人差があります。
中途覚醒が続くと、日中の眠気・疲労感といった問題が起こります。
出典:厚生労働省【e-ヘルスネット 不眠症】
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中途覚醒の7つの対策
中途覚醒が続くと仕事や家事の効率が下がるなど、生活に支障をきたします。
中途覚醒を防ぐためには、どのように対策すべきでしょうか?
ここでは、中途覚醒の対策方法について解説していきます。
起床時間を一定にする
中途覚醒の対策として、まず正しい生活リズムを整えることが大切です。
毎朝同じ時間に起床することで、覚醒・睡眠のサイクルを体に覚えさせられます。
中には早起きしたことで、日中に長く昼寝する方がいます。
しかし、長時間の昼寝は、夜寝付けなくなるなど睡眠障害の原因になることもあります。
20〜30分程度の昼寝は、脳をすっきりさせ、作業の効率を上げると言われています。
昼寝は長すぎず、適度な時間で済ませるようにしましょう。
就寝時間を同じにする
起きる時間だけではなく、就寝時間も一定にするよう心がけましょう。
いつも同じ時間に寝る習慣を身につけると、夜自然に眠気が誘発されるようになります。
就寝前のスマホ・TVを控える
多くの方が、寝る前にスマホを操作しています。
スマホやTVが発する光は、覚醒を促し、睡眠障害の原因となります。
寝る前の1時間前までに、スマホやTVの操作は控えるようにしましょう。
寝る前のスマホ時間を徐々に短くすることで、無理なくやめられます。
また、ナイトモードの設定や画面の明るさを調整することもおすすめです。
太陽光をしっかりとあびる
起床したらまず、カーテンを開けて日の光を浴びることも、効果的な対策の1つです。
朝起きてしっかり太陽光を浴びると、脳が覚醒し、生活リズムを整えられます。
就寝90分前に入浴を済ませる
人は体の深部の温度が下がることで、眠気が訪れる仕組みができています。
就寝前に入浴すると一時的に体温は上昇します。
その後90分程度かけてゆっくりと低下していき、眠気を誘発します。
したがって、入浴は就寝の90分前に行うと、睡眠の質向上につながります。
入浴はリラックス効果も期待できますが、温度に注意する必要があります。
熱すぎるお湯に入ると、自律神経を活発にさせ、睡眠に逆効果になる場合もあります。
お湯の温度は38〜40度のぬるま湯、時間は長くとも30分程度がおすすめです。
寝室環境の見直し
部屋の温度・湿度が不快であれば、ぐっすり眠ることはできません。
夏場の温度は25度前後、冬場は16〜19度、湿度は一年通して50%に保つと快適に眠れます、
ただし、屋内環境や寝具によって違いはあります。
また、寝室の照明設定も対策には重要です。
部屋が明るすぎると中途覚醒の原因になります。
睡眠にとって理想的な明るさは50ルクス未満、豆電球の明るさ程度を目安とします。
適度な運動
日中に運動し適度に疲労感を得ることも、質のよい睡眠には必要です。
運動習慣がない、体力に自信がない方は、軽めに歩くだけでも十分に効果が期待できます。
朝に外で運動すると、太陽光もしっかり浴びられるので一石二鳥の対策です。
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中途覚醒が起きる原因
中途覚醒が起きる原因には様々なものがあります。
どのようなことが原因となってしまうのか、解説していきます。
加齢による老化現象
「年を重ねていくと、早寝早起きになる」という話を聞いたことがないでしょうか?
早寝早起きになる現象は、加齢による体内時計のリズム変化が原因です。
ほかにも、若いころに比べ眠りが浅くなる傾向があります。
しかし、老化による自然現象なので、大きな問題にはなりません。
生活習慣病
糖尿病や高血圧などの生活習慣病の方も、中途覚醒になりやすい傾向があります。
糖尿病の方は手足のしびれ・感覚障害によって、頻繁に目が覚めてしまうこともあります。
また、血圧が高い状態にあると、交感神経優位のいわゆる興奮状態になります。
なかなかリラックスできないので、睡眠の質が悪くなります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、就寝時に舌根沈下で気道を塞がれ、呼吸困難の状態を指します。
睡眠不足になるほか、心疾患・脳血管疾患のリスクを高めます。
ただ、寝ている間の症状なので、症状の自覚が難しい病気でもあります。
大きないびき、日中の強い眠気や疲労感を感じたら、睡眠時無呼吸症候群を疑いましょう。
うつ病
うつ病の方は強いストレス(不安感や緊張感)があり、多くの場合自律神経が乱れています。
自律神経が乱れると、睡眠時にも交感神経が優位となり、眠りが浅くなります。
うつ病になると入眠障害・早朝覚醒など様々な不眠症に陥る可能性があります。
過度なストレス
前述したように、過度なストレスは自律神経を乱し、不眠症を引き起こします。
リラックスして眠るためには、副交感神経を優位に保つことが必要です。
適度な息抜きや運動などをして、日頃からストレスをためないよう心がけましょう。
アルコール・カフェインの摂取
アルコールを飲むと入眠できても、眠りが浅くなるため、起きても熟睡感が得られません。
また、カフェインには覚醒・利尿作用があります。
多く摂取すると、夜中に何度も起きることとなり、不眠症の原因となります。
普段お酒やコーヒーを愛飲し、不眠に悩んでいる方は、習慣を見直しましょう。
出典:厚生労働省【e-ヘルスネット 不眠症】
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中途覚醒で一般的に処方される薬
中途覚醒など不眠症の治療・対策には睡眠薬が用いられます。
睡眠薬は効果時間の違いから、いくつかの種類に分類されています。
中途覚醒に対しては「中時間作用型」の薬が用いられています。
中途覚醒で一般的に処方されている中時間作用型の睡眠薬は、下記の通りです。
薬剤名 | 効果が出るまでの時間 | 効果持続時間 |
エスタゾラム | 5時間 | 24時間 |
ニトラゼパム | 1.5時間 | 27時間 |
フルニトラゼパム | 1時間 | 19時間 |
睡眠薬の効果が出るまでの時間・持続時間には個人差があります。
症状によって違う作用型の薬が処方される場合もあります。
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不眠症を放置するのはリスク
日本で不眠症は決して珍しい病気ではありません。
しっかり対策を取らず、放置しているケースも見られます。
しかし、不眠症を放置していると、生活習慣病などの病気に発展することがあります。
糖尿病・高血圧のリスク
睡眠が不十分だと、インスリンの働きが低下し、血糖コントロール不良となります。
血糖が不安定な状態が続くと、糖尿病発症のリスクが高まります。
ほかにも不眠症を放置していると、高血圧になる可能性があります。
通常、夜寝ている間は副交感神経が優位となり、血圧の上昇が抑えられています。
しかし不眠症の方は、睡眠時も交感神経が活発なため、血圧が高い状態が続いています。
1日中血圧が高いままの状態を維持していると、慢性的な高血圧を引き起こします。
うつ病・不安恐怖症など精神疾患のリスク
睡眠障害が続くとストレスがたまり、うつ病などの精神疾患を発症することがあります。
「早く寝なくては…」「今日は眠れるだろうか…」という焦りが不安につながります。
過度な不安は、「不安恐怖症」などのさらなる精神疾患を招く可能性があります。
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中途覚醒を相談することが大切
様々な対策を試しても、自分の力だけでは不眠症改善に至らないこともあります。
不眠症が続く時は、専門家や医師に相談しましょう。
話を聞いてもらうだけでも、不安感や緊張感が解け、不眠症が改善する場合もあります。
精神科に行くのは抵抗がある、睡眠外来が近くにないという方もいるでしょう。
精神科に行きにくい方は、まずかかりつけ医に相談するのがおすすめです。
まず誰かに相談することで、不眠症改善の一歩を踏み出しましょう。
出典:厚生労働省【e-ヘルスネット 不眠症】
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中途覚醒の対策のまとめ
ここまで中途覚醒について、対策や原因などについて紹介してきました。
中途覚醒のポイントをまとめると、以下の通りです。
- 中途覚醒の対策は「起床就寝時間を一定にする」「入浴」「適度な運動」など
- 中途覚醒の原因は「加齢」「生活習慣病」「ストレス」「カフェインの摂取」など
- 不眠症を放置すると、糖尿病などの生活習慣病や精神疾患のリスクがある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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