寝たいのに目が覚めてしまう原因は、睡眠障害の1つである早朝覚醒かもしれません。
早朝覚醒は仕事や学業に支障をきたすこともあるため、対策する必要があります。
早期覚醒を改善するには、どのような対策があるでしょうか?
本記事では、早朝覚醒の対策について以下の点を中心にご紹介します。
- 早朝覚醒の原因
- 早朝覚醒の対策方法
- 早朝覚醒と「光」の関係
早朝覚醒の対策について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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早朝覚醒とは
早朝覚醒とは、そもそもどのような症状なのでしょうか。
早朝覚醒の原因も含めて解説していきます。
早朝覚醒とは
早朝覚醒とは、不眠症の症状の1つです。
自分が望む時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまう状態のことを指します。
早朝覚醒になりやすい方の特徴は以下のとおりです。
- 高齢者の方
- うつ病を患っている方
早朝覚醒の原因
早朝覚醒の原因は、様々なことが関連しています。
主な早朝覚醒の原因は以下のとおりです。
- 加齢(更年期障害も含む)
- うつ病
- ストレス
- 生活習慣の乱れ
- 服用している薬の副作用
早朝覚醒に最も多い原因は加齢です。
加齢による体内リズムの変化が影響していると考えられます。
ただ、加齢以外にも原因はあり、複数の原因が関係している場合も少なくありません。
早朝覚醒が続いている方は、早めに医師に相談するとよいでしょう。
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早朝覚醒の対策とは
早朝覚醒にならないための対策として挙げられるのは、以下のとおりです。
- 規則正しい生活
- 就寝前の水分を控える
- 就寝前にスマホなどは見ない
- 就寝を遅らせる
順番に解説していきます。
規則正しい生活
バランスの良い食事と、適度な運動を心がけましょう。
規則正しい生活習慣を心掛けることで、睡眠の質を高められます。
就寝前の水分を控える
就寝前の水分摂取はできるだけ控えましょう。
水分を摂りすぎると、早朝に尿意で目覚めてしまうことがあります。
就寝前にスマホなどは見ない
就寝前に、スマートフォンなどの電子機器の画面を見ることは控えましょう。
電子機器が発するブルーライトが、睡眠ホルモンであるメラトニン分泌を抑制します。
その結果なかなか寝付けなくなり、睡眠の質も低下する恐れがあるため注意しましょう。
就寝を遅らせる
就寝時間が早いと、夜中や明け方に目覚めてしまう可能性があります。
就寝時間をいつもより30分〜1時間ほど遅らせてみるなどの工夫をしてみましょう。
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ストレスが原因での早朝覚醒の対策
現代人の誰もが少なからずストレスを抱えています。
ストレスが原因で早朝覚醒が起こる場合は、どのように対策すればいいでしょうか。
ストレスによる早朝覚醒の対策は主に以下の3つです。
- ストレスを溜めない
- ストレスを発散させる
- 睡眠環境を変えてみる
順番に解説します。
ストレスを溜めない
ストレスを感じる内容は、人によって異なります。
自分がストレスを感じていることを認識し、原因を取り除きましょう。
ストレスが通勤電車であれば自転車通勤するなど、できるところから始めましょう。
ストレスを発散させる
ストレス発散は、睡眠の質を改善します。
好きなことや趣味に時間を使ったり、外出して友人と話したりしてみましょう。
また、ストレスになっていることを紙に書き出すことも気持ちをすっきりさせます。
睡眠環境を変えてみる
毎日同じ場所で同じ布団に入って寝る、というシチュエーションを少し変えてみましょう。
部屋の模様替えなど、環境を変えることで気分も変わります。
特に寝床と睡眠への不安な感情を結び付けている方は、試してみるとよいでしょう。
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うつ病の人が早朝覚醒で眠れない時の対策
早期覚醒は、加齢に加え、うつ病の方に多く見られる不眠症状です。
うつ病の方が早朝覚醒で眠れない場合は、以下の対策をお試しください。
- 考え方を変える
- 生活習慣の改善
- 症状に応じて薬物・精神治療を
それぞれ見ていきます。
考え方を変える
予定の起床時間より大幅に早く起きた場合でも、無理に寝ようと考えないことも大切です。
無理に眠ろうとすると、かえってストレスになってしまうこともあります。
思い切って起きていた方が、気持ちも楽になり、ゆったりとした朝を過ごせるでしょう。
生活習慣の改善
うつ病による早朝覚醒の改善には、生活習慣も大いに関係しています。
すぐに実践に移せる改善方法は、主に以下のとおりです。
- できるだけ同じ時間に起きる
- 起床後は太陽の光をしっかりと浴びる
- 生活の中で運動を取り入れる(ウォーキングなど)
- 寝室の環境を整える
- 食べすぎに注意し、適正体重を維持する
- アルコール摂取は控える
無理して、全てをこなす必要はありません。
日常生活の中で少しずつ、できることから取り入れていきましょう。
出典:厚生労働省【e-ヘルスネット 不眠症】
症状に応じて薬物・精神治療を
早朝覚醒がつらいときは、無理せず精神科などの診察を受けましょう。
自己判断で市販の睡眠薬などを服用することはリスクを伴います。
うつ病の方の場合、市販薬の服用でうつ症状が悪化する場合があります。
早朝覚醒はうつ病の典型的な症状です。
うつ病を治療することで、結果的に早朝覚醒も軽減する可能性があります。
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早朝覚醒の人が長く眠るための「光」の対策
早朝覚醒にとって関係性が深い要素は「光」です。
早朝覚醒で悩む方がより長く眠るためには、「光」のコントロールが必要になります。
主な「光」対策は以下のとおりです。
- 遮光カーテンを利用する
- 午前中に日光は避ける
- 夕方に散歩してみる
順番にみていきましょう。
遮光カーテンを利用する
寝室に遮光カーテンを採用することにより、「光」のコントロールが可能です。
特に日の出が早い夏季は、日光を遮断し寝室を暗くしましょう。
その結果、日光が部屋内に差し込みにくくなり、早朝覚醒を軽減できることもあります。
ただ、遮光カーテンを閉めたまま生活することは、体内時計が狂う原因にもなり得ます。
適切なタイミングでカーテンを開けるようにしましょう。
午前中に日光は避ける
加齢にともなう早朝覚醒の場合は、早い時間から日光を浴びないようにしましょう。
日光を浴びることで、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が一時停止します。
メラトニン分泌停止後、分泌が再開されるのは14〜16時間後です。
早い段階で日光を浴びると、その分眠くなる時間が前倒しになります。
日光を浴びるのは昼間からにして、体内時計の前倒しを防止しましょう。
夕方に散歩してみる
夕方の「光」は、体内時計の進みを遅らせます。
また、散歩が運動となって体力を使うため、より深い眠りを得ることが可能です。
その結果、朝まで睡眠が続くようになります。
早朝覚醒以外の不眠症の対策
早朝覚醒以外にも、入眠障害・中途覚醒・熟眠障害の3つの不眠症があります。
それぞれ症状別の対策をそれぞれ解説します。
入眠障害の場合
ベッドに入ったものの、30分〜1時間以上寝付けない状態が入眠障害です。
入眠障害は「今日も眠れなかったらどうしよう」などの不安が影響する場合もあります。
入眠障害の対策は、不安をやわらげリラックスすることがおすすめです。
特定の部位に力を入れ、一気に力を抜く筋弛緩法(きんしかんほう)などを試してみるとよいでしょう。
中途覚醒の場合
睡眠中に何度も目が覚めて、寝付けない状態のことを中途覚醒といいます。
中途覚醒の対策は、目覚めた時刻を意識しないよう心がけることです。
夜中目を覚ますたびに時刻を見ないよう、時計を手元から離すようにしましょう。
熟眠障害の場合
睡眠時間は確保されているものの、ぐっすり眠った感じがしないのが熟眠障害です。
熟眠障害の対策は、早朝覚醒とは逆に午前中からしっかり日光を浴びるのがおすすめです。
就寝数時間前に行うストレッチも熟睡につながるため、積極的に取り入れましょう。
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加齢にともなう早朝覚醒とは?
睡眠は、年齢を重ねるごとにさまざまな変化が起こります。
加齢による睡眠の変化として挙げられるのは以下のとおりです。
- 体内時計の変化
- ノンレム睡眠とレム睡眠の関係が変わる
順番に見ていきましょう。
【体内時計の変化】
高齢者は、若い時に比べて早寝早起きが多くなるのが一般的です。
血圧や体温など睡眠に関わる多くの生体機能のリズムが、加齢により前倒しになります。
したがって高齢者の早朝覚醒自体は、病気ではありません。
早く目が覚めた場合でも、無理に再入眠する必要はありません。
思い切って布団から出て、朝の時間を楽しむことでメリハリのある生活になります。
【ノンレム睡眠とレム睡眠の関係が変わる】
睡眠の脳波は深い眠りがノンレム睡眠、浅い眠りがレム睡眠と呼ばれています。
加齢によって、浅い眠りであるレム睡眠の割合が増加します。
眠りが浅くなることで、些細な物音で目覚めたり、尿意を感じやすくなります。
また、時間に余裕がある高齢者は、寝床にいる時間が長いという調査結果もあります。
眠気がない状態でゴロゴロすることは、睡眠の満足度低下につながります。
退職や死別、一人暮らしなど、高齢者は加齢とともに様々なストレスと直面します。
できるかぎりメリハリのある活動的な生活を心がけ、早朝覚醒を軽減していきましょう。
出典:厚生労働省【e-ヘルスネット 高齢者の睡眠】
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早朝覚醒の対策のまとめ
ここまで、早朝覚醒の対策について解説してきました。
早朝覚醒の対策の要点は以下のとおりです。
- 早朝覚醒の原因は、加齢やうつ病、生活習慣の乱れ、ストレスなど
- 早朝覚醒の対策方法は、生活習慣の改善やストレス発散など
- 早朝覚醒は、「光」をコントロールすると改善する場合がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。