生活習慣病は、日々の生活習慣が乱れたことで引き起こされる病気です。
生活習慣病に気がつかず、放置しておくと様々な病気を引き起こしてしまいます。
そもそも生活習慣病とは、どのような病気なのでしょうか?
生活習慣病によってどのような病気を引き起こしてしまうのでしょうか?
本記事では、生活習慣病について以下の点を中心にご紹介してまいります。
- 生活習慣病とはどのような病気なのか
- 生活習慣病を予防するには
- 生活習慣病によって死亡する危険性について
生活習慣病について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。
食の欧米化など、生活スタイルの変化に伴い、日本でも生活習慣病が問題になっています。生活習慣病は、誰しもがなってしまう病気であるため、正しい知識を身につけ予防していくことが大切です。生活習慣病とは、どのような病気なのでしょうか?[…]
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生活習慣病とは
生活習慣病とは、日々の食事や睡眠、運動、喫煙などの習慣が引き金となって生じる病気の総称になります。
昔は成人病と呼ばれていましたが、現在では小さいころから正しい生活習慣を心がけて欲しいという狙いもあり生活習慣病と呼び名が変化しています。
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生活習慣病には症状があるの?
生活習慣病は、目立った自覚症状が少ないため気づかないうちに症状が進んでいることが多いです。
そのため、気づいた時には重症化、手遅れになっていることが少なくありません。
そのため、定期的な検診や人間ドックなどの検査を行うことが大切になります。
早期発見できれば体への負担も少なく生活習慣病を予防・改善できる可能性が高くなります。
生活習慣病になっているかもしれないと気になる方も多いのではないでしょうか。生活習慣病になってしまう原因がわかれば、予防ができます。本記事では生活習慣病の原因について以下の点を中心にご紹介します。 生活習慣病の原因とは 生活習[…]
主な生活習慣病
生活習慣病は、生活にかかわる習慣によって生じる病気の総称になります。
そのため、診断時にはこれから紹介する生活習慣病のグループに入っている病気の名前で診断されます。
ここでは、それぞれの病気についてご紹介していきます。
糖尿病(2型糖尿病)
2型糖尿病は、インスリンと呼ばれるホルモンの量や働きが低下することによって、血糖値を抑える働きが低下して高血糖状態が続いてしまう病気です。
合併症には目の網膜が傷つく網膜症、腎臓の機能が低下する腎症、神経が障害されてしまう神経障害があります。
2型糖尿病を引き起こす原因は様々で、乱れた食事、運動不足、肥満などが上げられます。
2型糖尿病は、生活習慣の改善や薬で血糖値をコントロールする薬物治療が行われています。
高血圧
高血圧は収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上の場合に診断されます。
高血圧状態が長引くと動脈硬化、脳卒中、心不全などの病気に進行していきます。
高血圧になってしまう原因は、肥満や飲酒、運動不足、遺伝などが関係しています。
規則正しい生活や薬で血圧を下げるなどの薬物治療が行われています。
肥満
肥満は体型を示す基準であるBody Mass Index(BMI)によって診断されます。
Body Mass Index=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算されます。
日本ではBody Mass Indexの値が25以上で肥満と診断されます。
しかし、筋肉質な場合でもBody Mass Indexが25以上になってしまうこともあります。
そこで、体脂肪が多く付いているかも肥満を診断する1つの指標となっています。
治療法は減量が基本となり、食事や睡眠を整えるような生活指導が行われます。
脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症は、血液中に含まれる脂質量が異常値を示すと診断されます。
増えてしまった脂肪は血管にダメージを与えます。
その結果、動脈硬化を進行させるリスクがあります。
脂質異常症の診断基準は以下の通りです。
LDLコレステロール | 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
120~139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 | |
HDLコレステロール | 40mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
トリグリセライド | 150mg/dL以上 | 高トリグリセライド血症 |
Non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
150~169mg/dL | 境界域高non-HDLコレステロール血症 |
出典:厚生労働省【e-ヘルスネット】
脂質異常症の治療は、食事療法と運動療法が基本となります。
症状によってコレステロール値を下げる薬を処方することがあります。
狭心症・心筋梗塞などの心臓病
狭心症は心臓周囲の血管が固くなってしまい、血液の流れが悪くなった状態を指します。
心筋梗塞は、同様に血管が固くなってしまい血栓ができてしまい、心臓の血管を塞いでしまう病気です。
2つの病気に関係している血管が固くなるの(動脈硬化)は、肥満や高血圧、脂質異常などによって発生確率が上がってしまいます。
代表的な治療には、薬物治療と外科的治療があります。
外科的治療では狭くなったり詰まった血管の先にバイパスを作る手術を行います。
脳卒中
脳卒中は脳の血管が詰まる、血管が破れて内出血、くも膜下で出血した場合を指します。
脳卒中は高血圧や糖尿病、肥満などによって発生確率が上がってしまいます。
脳出血に陥る人は、高血圧である場合が比較的多いです。
そのため、降圧薬や止血剤などの薬物療法が行われます。
出血量が多い場合や生命の危機に陥る危険性がある場合は外科的手術を行います。
肺がん
肺がんとは、肺を構成する気管支や肺の細胞ががん化した状態を指します。
咳や血痰、熱や動悸などの症状が見られますが、症状だけで確定できる病気ではありません。
喫煙は肺がんを引き起こす危険因子であり、禁煙することが肺がん予防に繋がります。
治療は外科的手術、放射線治療、薬物治療が行われます。
肝硬変や脂肪肝などの肝疾患
肝疾患は目立った症状は出にくく、気づかないうちに症状が進行していることが多いです。
脂肪肝は食べすぎや飲みすぎで起きることが多く、アルコールが悪影響を及ぼしています。
脂肪肝が進行すると肝硬変となり、腹水や皮膚が黄色くなる黄疸などが発生してきます。
治療には食事療法、運動療法、睡眠などの改善が行われます。
生活習慣病を予防するには
生活習慣病は明らかな症状を自覚したときは、かなり進行していることが多いです。
そのため、生活習慣病にかからないように健康なときから予防することが重要になってきます。
生活習慣病予防には、一次予防と二次予防の両方が大切になります。
一次予防は病気の発症を予防するための行動を指します。
二次予防は病気を早期発見、早期治療を行うことを指します。
以下に具体的な予防策についてご紹介してまいります。
一次予防:生活習慣を見直す
まずは、生活習慣病を予防するために日ごろの生活を見直す必要があります。
乱れた生活を整えるところから始めましょう。
食生活を見直す
厚生労働省では、食生活改善のためにバランスの良い食事に加えて野菜摂取量の増加と食塩摂取量の減少を呼びかけています。
目標では60gの野菜追加と2gの食塩減少となります。
適度な運動を心がける
適度な運動習慣として厚生労働省が発表した「健康づくりのための身体活動基準2013」では身体活動の目標が記されています。
具体的には18歳~64歳では、息が弾んで汗をかく程度の運動を毎週60分行うことが推奨されています。
運動による生活習慣病予防に加えて、将来の生活能力低下も予防してくれる効果が期待できます。
出典:厚生労働省【健康づくりのための身体活動基準2013】
飲酒・喫煙を控える
厚生労働省の推進する「健康21」では、生活習慣病になりやすくなるアルコール量(純アルコール換算で男性40g/日以上、女性20g/日以上)を減らすことを目標としています。
飲酒は生活習慣病を予防するにはなるべく少なくする。
できれば、飲まない方が良いです。
喫煙は肺がんを始めとするがんに加えて、脳卒中や糖尿病などの発症リスクを上げる可能性が指摘されています。
生活習慣病を予防するには飲酒と喫煙を控えることが大切になります。
出典:厚生労働省【健康日本21(第二次)について】
二次予防:早期発見をする
二次予防は早期発見・早期治療になります。
生活習慣病は自覚症状が乏しく、いつの間にか症状が進行していることがあります。
定期的な健診や人間ドックなどを受けて、生活習慣病の早期発見と早期治療ができるようにしておくと安心です。
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大人だけじゃない!子供の生活習慣病
生活習慣病は年齢を重ねてから起きる病気ではなく、子どもでも罹ってしまう可能性がある病気です。
現代では、肥満の子どもたちが増えています。
肥満を放置すると糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病にも罹る可能性を高めてしまいます。
子どもの生活習慣は親からの影響を受けやすいので、親子そろって生活を見直す必要があります。
運動、食事、睡眠を整えて規則正しい生活を心がけましょう。
生活習慣病は死因の6割を占めている
厚生労働省の資料によると、2004年における医療費のうち約3割が生活習慣病の治療に使用されています。
また、死因別割合でみると約6割が生活習慣病が原因で死亡しています。
出典:厚生労働省【我が国の保健医療の現状と課題】
日本の医療を改善していくには、生活習慣病対策を行う必要があります。
そのためには生活習慣病の予防に加えて早期発見・早期治療が必要です。
尼崎市では生活習慣病で通院する人の平均医療費を調査しました。
すると、健診未受診者と健診・保健指導を受診している人では約8000円の開きがありました。
具体的には未受診者では28162円、健診・保健指導受診者では20238円となっています。
出典:厚生労働省【医療費等と疾病の関係を見る】
このように定期的な受診は、生活習慣病の早期発見・早期治療へと繋がり医療費を削減することができます。
生活習慣病の症状まとめ
ここまで、生活習慣病についてお伝えしてきました。
生活習慣病の要点をまとめると以下の通りです。
- 生活習慣病とは日々の生活が乱れたことで生じる病気の総称であり、がんや糖尿病、脳卒中などがある
- 生活習慣病を予防するには運動と食事を見直して、禁煙・禁酒、定期的な健診
- 生活習慣病によって死亡する割合は6割を超えている
これらの情報が少しでも、皆様の健康のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。